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退職金 計算ツール一覧

退職金の試算から退職所得控除・税額計算・iDeCo10年ルールまで。基本給連動型・ポイント制・別テーブル方式・公務員・役員・見込額に対応した6本のツールと業種別・勤続年数別の相場データを一か所に集めています。

こんな方向け:退職前に自分の退職金を試算したい方、退職金の税額を確認したい方、転職・早期退職を検討中の方、iDeCoと退職金の受け取り順序を最適化したい方

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退職金制度の種類と特徴

日本企業の退職金制度は大きく4つに分かれます。自分の会社がどの方式かを確認することが、正確な試算の第一歩です。

制度の種類 計算方式 特徴・注意点
基本給連動型 退職時基本給 × 勤続年数別支給月数 最も普及。転職や降給の影響を受ける
ポイント制 累計ポイント × ポイント単価 職能・成果を加味しやすい。中堅〜大企業で増加
別テーブル型 勤続年数・退職事由別の支給額テーブル参照 シンプルで確実。中小企業に多い
確定拠出年金(DC) 掛金確定。運用結果で給付額が変動 転職時のポータビリティが高い。元本割れリスクあり
確定給付企業年金(DB) 給付額確定。会社が資産運用 受取額が安定。会社都合の制度変更リスクあり
中退共(中小企業退職金共済) 掛金に応じた支給額(共済方式) 掛金全額損金・国の助成あり。会社資金繰りに左右されない
中退共(中小企業退職金共済事業本部)公式サイト 企業年金連合会(確定給付・確定拠出年金)

中退共・確定拠出年金・確定給付企業年金の比較

比較項目 中退共 確定拠出年金(DC) 確定給付年金(DB)
掛金の税務 全額損金 全額損金 全額損金
国の助成 あり(新規加入等) なし なし
給付額の確定 掛金連動(確定) 運用次第(変動) 確定
転職時の持ち運び 原則不可(一時金) 可能(iDeCoへ移換等) 制度による
対象企業規模 中小企業向け 制限なし 制限なし
掛金の目安 月5,000〜30,000円 上限:月5.5万円(規約次第) 会社規約による

※ 掛金上限は2026年5月現在。制度改正により変更になる場合があります。各制度の詳細は公式サイトでご確認ください。

iDeCo10年ルール(2026年1月改正)と退職金の受け取り設計

2026年1月1日以降、iDeCo(個人型確定拠出年金)の一時金受取と会社の退職金を両方受け取る場合の税制ルールが変わりました。退職所得控除の重複利用が制限される「空白期間」が5年→10年に延長されています。

受け取りパターン 2025年12月まで 2026年1月以降
退職金 → iDeCo(退職金を先に受取) 退職翌年以後5年超で控除フル活用可 退職翌年以後19年超で控除フル活用可(特例継続)
iDeCo → 退職金(iDeCoを先に受取) iDeCo受取後5年超で控除フル活用可 iDeCo受取後10年超で控除フル活用可(5→10年に延長)
iDeCoのみ(会社退職金なし) 影響なし 影響なし

実務上のポイント:iDeCoを先に受け取る方は「受取から10年後に退職金」を意識した時期設計が節税の鍵です。退職金を先に受け取る場合は従来どおりの19年ルール(特例)が継続するため、順序の選択が重要です。

freee「退職所得控除の見直し・iDeCo10年ルール解説」

受取順序と退職所得控除の通算ルール:2026年改正の全体像

退職金・iDeCo一時金・企業型DC一時金は、受け取る順序と間隔によって退職所得控除の適用方法が変わります。2026年1月改正で拡大された通算期間を正確に理解することが、数十万〜百万円超の節税差を生みます。

通算ルールの仕組み(法令の根拠)

退職所得控除は本来「その退職金の勤続期間」を基準に計算されます。しかし複数回受け取る場合、直近の受取で一度使った勤続期間が「通算」されて二重に控除できないよう制限されます。

改正前後の対比(法令上の期間)
iDeCo先受取→退職金後受取:「前年以前4年以内」→「前年以前9年以内」(2026年1月1日以後受取分から適用)
退職金先受取→iDeCo後受取:「前年以前19年以内」のまま変更なし

60歳退職の場合の受取タイミング目安

シナリオ 受取① 受取②(控除フル活用の最短) 注意点
iDeCo先→退職金後(改正後) 60歳:iDeCo一時金 71歳以降:退職金 10年超空ければ控除フル活用可
退職金先→iDeCo後(従来のまま) 60歳:退職金 80歳以降:iDeCo一時金 20年超必要。現実的にはiDeCoを年金受取に切り替えが有力
同年に両方一時金受取 60歳:退職金+iDeCo一時金を同年 合算後の控除計算。勤続が長い人は税負担増リスクあり

※ 勤続年数・iDeCo加入年数・退職金額・iDeCo残高によって最適解は異なります。個別の税額シミュレーションは税理士にご相談ください。

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得控除の計算) 税理士解説:iDeCo10年ルール完全解説【2026年版】

退職金×iDeCo×公的年金 受取パターン別 税額試算比較

退職金2,000万円・iDeCo残高1,000万円・勤続30年の代表的ケースで3パターンを比較します。税額の差は100万円超になることがあります。

試算の前提条件
  • 勤続年数:30年(退職所得控除 = 800万円 + 70万円×10年 = 1,500万円
  • 退職金:2,000万円
  • iDeCo残高:1,000万円(加入期間30年)
  • iDeCo加入期間の退職所得控除 = 1,500万円(同一)

パターン①:退職金とiDeCo一時金を同年に受け取る(最悪ケース)

項目 金額
合計受取額(退職金+iDeCo) 3,000万円
退職所得控除(通算:勤続30年) 1,500万円(1回分のみ)
課税退職所得 =(3,000万−1,500万)÷ 2 750万円
税額目安(所得税+住民税) 約150〜180万円

パターン②:iDeCo一時金を先に受け取り、10年超後に退職金(推奨)

項目 iDeCo(先) 退職金(10年超後)
受取額 1,000万円 2,000万円
退職所得控除(各々独立) 1,500万円 1,500万円
課税退職所得 0円(全額控除) 250万円
税額目安(合計) 約25万円(パターン①より125万円以上節税)

パターン③:iDeCoを年金形式で受け取り+退職金を一時金(通算回避型)

iDeCoを年金形式にすると、退職所得控除ではなく「公的年金等控除」が適用されます。通算ルールを気にせず退職金の退職所得控除をフル活用できます。

項目 金額・内容
退職金(一時金) 2,000万円
退職所得控除(独立適用) 1,500万円
課税退職所得 =(2,000万−1,500万)÷ 2 250万円
iDeCo年金(例:20年受取・年50万円) 公的年金等控除を適用(公的年金と合算)
公的年金+iDeCo年金の合算が控除内に収まる場合 iDeCo部分は実質非課税も可能
退職金部分の税額目安 約25万円(退職金のみの税額。iDeCoは別計算)
3パターンの選び方まとめ
  • 退職予定まで10年以上余裕がある方 → パターン②(iDeCo先受取→10年超後に退職金)が最も節税効果が高い
  • 退職まで10年未満の方 → パターン③(iDeCo年金受取)で通算ルールを回避しつつ退職金の控除をフル活用
  • 同年受取は原則避ける → パターン①は控除が1回分に圧縮され税負担が最大になる

※ 上記は目安試算です。個人の勤続年数・iDeCo加入年数・退職金額・公的年金受給見込みにより税額は大きく異なります。正確な試算は税理士にご相談ください。

アセットマネジメントOne「受け取り方で変わる退職金とiDeCoの税金額」

公的年金等控除との兼ね合い:iDeCo年金と受給開始年齢の選択

iDeCoを年金形式で受け取ると「公的年金等に係る雑所得」になります。公的年金と合算して「公的年金等控除」が適用されます。

公的年金等控除の概要(令和2年以後)

年齢区分 年金収入の合計 控除額(他の所得1,000万円以下の場合)
65歳未満 130万円未満 60万円(一律)
130万円以上410万円未満 年金収入 × 25% + 27.5万円
410万円以上 年金収入 × 75% − 110万円
65歳以上 330万円未満 110万円(一律)
330万円以上410万円未満 年金収入 × 25% + 27.5万円
410万円以上 年金収入 × 75% − 110万円

※ 公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円超の場合は控除額が段階的に減ります(国税庁 No.1600)。

国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係

iDeCo年金受取と公的年金の組み合わせ設計

受取設計の実務チェックポイント
  1. iDeCoを一時金で受け取るなら「退職金との間隔10年超」を確保できるか確認
  2. 間隔が確保できない場合は「iDeCo年金受取」で通算ルールを回避
  3. iDeCo年金受取を選ぶ場合、公的年金との合計が公的年金等控除(65歳以上110万円)を超えないか試算
  4. 公的年金の繰り下げを検討する場合、iDeCo年金受取期間との重複タイミングを調整
  5. 退職所得・雑所得・給与所得など複数所得がある年の税額を総合的にシミュレーション

iDeCoと公的年金の受取戦略の詳細は iDeCo節税シミュレーター年金・老後の計算ツール もあわせてご活用ください。

退職所得控除の計算式と具体例

退職金は「退職所得控除」という大きな控除が認められています。長年の勤務に対する報酬として、他の所得と分離して有利に課税される制度です。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)

勤続年数別 控除額と課税シミュレーション

勤続年数 退職所得控除額 退職金1,000万円の課税退職所得 退職金2,000万円の課税退職所得
10年400万円300万円800万円
20年800万円100万円600万円
25年1,150万円0円(全額控除)425万円
30年1,500万円0円(全額控除)250万円
40年2,200万円0円(全額控除)0円(全額控除)

※ 課税退職所得 =(退職金 − 控除額)× 1/2。勤続1年未満の端数は1年に切り上げ。

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得控除)

業種別・勤続年数別 退職金平均相場

厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」のデータをもとに整理しています。退職金制度がある企業の割合は74.9%です。

企業規模別 定年退職(大卒・管理事務技術職)の平均退職金

企業規模 大卒・定年退職 平均 高卒・定年退職 平均
大企業(1,000人以上) 約2,139万円 約2,020万円
中企業(100〜999人) 約1,570万円 約1,326万円
中小企業(30〜99人) 約1,092万円 約967万円

業種別 退職金平均(大卒・定年退職)

業種 大卒・定年平均 傾向
金融・保険業 最高水準 退職金・年金制度が充実
電気・ガス・熱供給・水道業 高水準(約2,300万円台) インフラ系は高め
製造業 約1,700〜2,000万円 企業規模差が大きい
卸売・小売業 約1,200〜1,600万円 業態差が大きい
建設業 約929万円〜 中小中心で低め
医療・福祉 比較的低水準 制度未整備の事業所が多い

勤続年数・退職事由別 退職金相場(目安)

勤続年数 大卒・自己都合 目安 大卒・定年退職 目安
3〜4年約60〜100万円
10〜14年約238万円
20〜24年約592万円約1,200万円〜
25〜29年約900万円〜約1,500万円〜
30年以上(定年)約1,682〜2,139万円

※ 大卒・管理事務技術職の概算値。企業規模・業種・退職金方式により大きく異なります。

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」

退職金の税額計算の流れ

  1. 退職金総額 − 退職所得控除額 = 退職所得ベース
  2. 退職所得ベース × 1/2 = 課税退職所得(原則。5年以下役員は1/2なし)
  3. 課税退職所得 × 所得税率(5〜45%)− 控除額 = 所得税
  4. 所得税 × 1.021 = 所得税額(復興特別所得税込)
  5. 課税退職所得 × 10% = 住民税(概算)

詳しい計算は 退職金計算ツール(エクセル不要) をご利用ください。退職所得控除の詳細は 退職所得控除・税額計算ページ もご参照ください。

退職金計算の関連ページ

退職金 計算ツール(種類別)

公務員退職金 詳細ページ

退職金の税金・年金との関係

よくある質問

退職所得控除の計算方法は?

結論:勤続20年以下は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)。控除額を超えた部分の1/2が課税退職所得となります(国税庁 No.1420)。

退職金の平均額はいくらですか?

結論:厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」によると、退職金制度あり企業は74.9%。大卒・定年退職(管理・事務・技術職)の平均は大企業で約2,139万円、中小企業で約1,092万円。中小企業では300〜500万円台の事例も多くあります。

iDeCoと退職金を両方受け取るときの10年ルールとは?

結論:2026年1月改正でiDeCo一時金を先に受け取った後の通算期間が「前年以前4年以内」から「前年以前9年以内」に延長されました(実務上10年以上の間隔が必要)。旧ルールの「5年ルール」が「10年ルール」に変わったと説明されることが多いです。受け取る順序と間隔の設計が節税の鍵です。

iDeCoを先に受け取ってから退職金を受け取る場合、何年空ければいいですか?

結論:2026年1月以降の改正後は、iDeCo一時金を受け取った翌年から9年を超える(10年以上空ける)必要があります。例:60歳でiDeCo一時金を受け取った場合、退職金は71歳以降が目安です。10年未満の場合は退職所得控除が通算・圧縮され、税負担が増えます(国税庁 No.1420)。

退職金を先に受け取ってからiDeCoを一時金で受け取る場合のルールは?

結論:退職金先受取の場合は従来からの「前年以前19年以内(20年超の間隔が必要)」が適用されます。20年以上空けるのは現実的に困難なケースも多く、その場合はiDeCoを一時金ではなく年金形式で受け取り、公的年金等控除を活用する方法が有力です。

iDeCoを年金形式で受け取ると通算ルールは関係ありませんか?

結論:iDeCoを年金形式で受け取る場合、退職所得ではなく「公的年金等に係る雑所得」となるため、退職所得控除の通算ルール(10年ルール・20年ルール)は適用されません。退職金の退職所得控除を独立して使えます。ただし公的年金と合算されるため、公的年金等控除(65歳以上:最大110万円)の範囲を超えると雑所得として課税されます(国税庁 No.1600)。

退職金とiDeCoを同年に一時金で受け取るとどうなりますか?

結論:同年受取の場合、退職所得控除は勤続期間を通算した「1回分」のみ適用されます。退職金2,000万円+iDeCo1,000万円を同年受取(勤続30年)の場合、課税退職所得は(3,000万−1,500万)÷2=750万円となり、税額は約150〜180万円になります(退職金のみ受取時の約25万円と比較して125万円以上の差)。

中退共に加入している会社の退職金はどうなりますか?

結論:中退共(中小企業退職金共済)は国の助成があり掛金が全額損金です。退職金は中退共から従業員に直接支払われます。月5,000〜30,000円の掛金で選択可能です(中退共公式サイト参照)。

退職金にかかる税金の計算式は?

結論:課税退職所得 =(退職金 − 退職所得控除)× 1/2。この所得に所得税率(5〜45%)・復興特別所得税2.1%・住民税10%を適用します。詳しくは 計算ツール をご利用ください。

確定拠出年金(DC)と確定給付企業年金(DB)の違いは?

結論:DCは運用次第で給付額が変わり転職時の持ち運びが可能です。DBは給付額が確定していますが会社が資産運用するため転職時に制約があります。中退共はいずれとも異なる共済方式です。

公務員の退職金の計算方法は?

結論:「俸給月額 × 退職理由別支給率 × 調整率 + 調整額」が基本式です。定年退職で勤続35年以上なら最大約49.59ヶ月分です。詳細は 公務員退職金計算ツール をご利用ください。

役員退職金の功績倍率法とは?

結論:「最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率」で適正額を算定する方法です。功績倍率の目安は社長3.0倍、専務2.4倍、平取締役1.8倍(国税庁法人税基本通達9-2-7参照)。詳細は 役員退職金計算ツール をご利用ください。

退職金は確定申告が必要ですか?

結論:退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出すれば、源泉徴収のみで原則として確定申告不要です(国税庁)。申告書を提出しなかった場合は20.42%の源泉徴収がかかり、確定申告で精算が必要になります。

退職金の支払いはいつですか?

結論:法律上の定めはなく、一般的には退職日から1〜3ヶ月以内が多いです。就業規則・退職金規程に支払時期が明記されている場合はその規程に従います。中退共は請求後概ね1ヶ月以内に支払われます。

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計算ナビ 編集部|2026-05-27 確認・更新| 参考: 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき」国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」中退共公式サイト企業年金連合会freee「iDeCo10年ルール解説」
免責事項
本ページの退職金額・税額は目安計算です。実際の退職金は就業規則・退職金規程・iDeCo加入状況・所属自治体の条例により異なります。iDeCo×退職金の受取順序・通算ルールは個人の勤続年数・加入年数・退職金額により最適解が異なります。法改正(iDeCo10年ルール等)の内容は最新の国税庁・厚生労働省情報をご確認ください。税務上の判断は税理士にご相談ください。