退職金 計算ツール一覧
退職金の試算から退職所得控除・税額計算・iDeCo10年ルールまで。基本給連動型・ポイント制・別テーブル方式・公務員・役員・見込額に対応した7本のツールと学歴・職種別の定年退職者の平均退職給付額を一か所に集めています。
こんな方向け:退職前に自分の退職金を試算したい方、退職金の税額を確認したい方、転職・早期退職を検討中の方、iDeCoと退職金の受け取り順序の注意点を知りたい方
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退職金制度の種類と特徴
このページでは6つの方式を紹介します。自分の会社がどの方式かを確認することが、正確な試算の第一歩です。
| 制度の種類 | 計算方式 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 基本給連動型 | 退職時基本給 × 勤続年数別支給月数 | 退職時の基本給で決まるため、転職や降給の影響を受ける |
| ポイント制 | 累計ポイント × ポイント単価 | 職能・成果を反映しやすい |
| 別テーブル型 | 勤続年数・退職事由別の支給額テーブル参照 | 勤続年数と退職事由で額が決まる |
| 確定拠出年金(DC) | 掛金確定。運用結果で給付額が変動 | 運用の結果によっては掛金の合計を下回ることがある |
| 確定給付企業年金(DB) | 給付額確定。会社が資産運用 | 受取額が安定。会社都合の制度変更リスクあり |
| 中退共(中小企業退職金共済) | 掛金に応じた支給額(共済方式) | 退職金は中退共から従業員に直接支払われる |
中退共・確定拠出年金・確定給付企業年金の比較
| 比較項目 | 中退共 | 確定拠出年金(DC) | 確定給付年金(DB) |
|---|---|---|---|
| 掛金の税務 | 全額損金 | 全額損金 | 全額損金 |
| 国の助成 | あり(新規加入等) | なし | なし |
| 給付額の確定 | 掛金連動(確定) | 運用次第(変動) | 確定 |
| 転職時の持ち運び | 一定の要件で掛金納付期間を通算できる | 可能(iDeCoへ移換等) | 制度による |
| 対象企業規模 | 中小企業向け | 制限なし | 制限なし |
| 掛金の目安 | 月5,000〜30,000円(短時間労働者は2,000・3,000・4,000円の特例あり) | 事業主掛金の上限は原則 月55,000円からDB等の他制度掛金相当額を引いた額(経過措置あり) | 会社規約による |
※ 掛金の範囲・上限は、下の厚生労働省の出典で確認した内容です。中退共の通算は、前の企業で掛金が12月以上納付されていること、前の企業を退職した後3年以内に新しい企業で加入すること、前の企業で退職金を請求していないことなどが要件です。
厚生労働省「中小企業退職金共済制度」(掛金月額・短時間労働者の特例掛金月額) 勤労者退職金共済機構 中退共「通算制度」 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」(拠出限度額)iDeCo10年ルール(2026年1月改正)と退職金の受け取り設計
2026年1月1日以後に支払を受ける確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の一時金について、その後に受け取る退職金との重複調整の期間が前年以前4年内→前年以前9年内に延びました。判定は受取日からの経過年数ではなく、受け取った「年」で行います。
| 受け取りの順序 | 重複調整の対象になる期間 |
|---|---|
| 退職金を先に受け取り、その後DC一時金 | DC一時金を受け取る年の前年以前19年内に受け取った退職金(改正前から同じ) |
| DC一時金を先に受け取り、その後退職金 | 退職金を受け取る年の前年以前9年内に受け取ったDC一時金(2026年1月1日以後の支払のもの)。2025年以前に支払を受けたDC一時金は前年以前4年内のまま |
| 同じ年に両方受け取る | 金額を合計し、勤続年数は最も長い期間に重複しない期間を加えて計算(国税庁 No.2735) |
差し引かれるのは重なった部分だけ:重複期間がある場合、本年分の勤続年数で出した退職所得控除額から、重複期間の年数(1年未満切捨て)で出した退職所得控除額相当額を差し引きます(国税庁 No.2732)。勤続期間とDCの加入期間などが重ならなければ、控除は減りません。
前の受取額が少ないときは「みなし期間」で数える:前に受け取った退職金・DC一時金の額が、その勤続年数(加入年数)で出した退職所得控除額に満たない場合は、実際の期間ではなく、初日から「受取額÷40万円」年(800万円を超える場合は「(受取額−800万円)÷70万円+20」年・1未満切捨て)だけ勤めたものとみなして重複期間を数えます(国税庁 No.2732)。たとえば前に受け取ったDC一時金が1,000万円・加入30年なら、30年の控除額は1,500万円で受取額を上回るため、みなし年数は(1,000万円−800万円)÷70万円+20=22年(切捨て)です。
国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収(重複期間・前年以前9年内・19年内) 国税庁 No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき受取順序と年の数え方:60歳で受け取る場合の例
「前年以前9年内」は、受け取る年の前年から数えて9年間です。たとえば2026年にDC一時金を受け取った場合、2027年から2035年までに受け取る退職金が調整の対象で、2036年以後に受け取る退職金は対象外です。
60歳の年に1つ目を受け取る場合の目安
| 順序 | 1つ目 | 調整の対象外になる2つ目 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| DC一時金が先(2026年以後の支払) | 60歳の年:DC一時金 | 70歳の年以後:退職金 | 会社の退職金は退職時に支払われるのがふつうで、受取時期を自由に選べるとは限らない |
| 退職金が先 | 60歳の年:退職金 | 80歳の年以後(DC一時金は受け取れない) | DCの受給開始は75歳に達するまでの間で選ぶため、一時金で受け取るなら19年内の調整は避けられない。調整されるのは期間が重なる部分 |
| 同じ年に両方 | 60歳の年:退職金+DC一時金 | 合計して計算。勤続期間と加入期間が重なるほど控除は1回分に近づく | |
※ 年齢は「その年に何歳になるか」で書いています。勤続期間・加入期間の始まりと終わりの日付が違えば、同じ「30年」でも重複期間は変わります。重複期間の扱いには細かな特例もあるため、個別の税額は税務署や税理士に確認してください。
厚生労働省「確定拠出年金制度の改正」(受給開始は75歳に達するまでの間で選択)退職金×iDeCo 受取パターン別 一時金部分の税額の例
退職金2,000万円・iDeCo残高1,000万円・勤続30年の例で、一時金部分の税額を比べます。受取期間・他の年金や給与・運用・受取時期をそろえた総負担の比較ではないため、どの受け取り方が最適かは、この例だけでは判定できません。
- 勤続年数:30年(退職所得控除 = 800万円 + 70万円×10年 = 1,500万円)
- 退職金:2,000万円(会社都合・特定役員退職手当等でない・障害が原因の退職でない)
- iDeCo残高:1,000万円(加入期間30年。勤続期間30年と完全に重なる場合)
- 税額は所得税・復興特別所得税と住民税10%の合計
パターン①:退職金とiDeCo一時金を同じ年に受け取る
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 合計受取額(退職金+iDeCo) | 3,000万円 |
| 退職所得控除(期間が完全に重なるため勤続30年分) | 1,500万円 |
| 課税退職所得 =(3,000万−1,500万)÷ 2 | 750万円 |
| 税額の例(所得税等+住民税) | 約186.2万円 |
パターン②:iDeCo一時金を先に受け取り、調整期間を過ぎた年に退職金を受け取る
iDeCo一時金を受け取った年の10年後の年以後に退職金を受け取れる場合だけの例です(たとえば60歳の年にiDeCo一時金、70歳の年以後に退職)。
| 項目 | iDeCo(先) | 退職金(10年後の年以後) |
|---|---|---|
| 受取額 | 1,000万円 | 2,000万円 |
| 退職所得控除(それぞれ) | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 課税退職所得 | 0円(全額控除) | 250万円 |
| 税額の例(合計) | 約40.6万円(パターン①との差 約145.6万円) | |
パターン③:iDeCoを年金で受け取り、退職金は一時金で受け取る
iDeCoを年金で受け取る分は「公的年金等に係る雑所得」になり、公的年金と合算して公的年金等控除を差し引きます(国税庁 No.1600)。退職所得の重複調整の対象にはなりません。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 退職金(一時金) | 2,000万円 |
| 退職所得控除 | 1,500万円 |
| 課税退職所得 =(2,000万−1,500万)÷ 2 | 250万円 |
| iDeCo年金(受取期間・額は人により違う) | 公的年金と合算して公的年金等控除を差し引く |
| 退職金部分の税額の例 | 約40.6万円(iDeCo年金にかかる税金・保険料は含まない) |
- ①と②の差は、勤続期間と加入期間が完全に重なる例で、同じ年に受け取ると退職所得控除が1回分になることから生じます。期間の重なりが少なければ差は小さくなります。
- ②は、退職金をiDeCo一時金の受取年の10年後の年以後に受け取れる場合だけの例です。
- ③の額には、iDeCo年金にかかる所得税・住民税・社会保険料を含めていません。
- 受取方法を選ぶときは、受取期間・他の年金や給与・運用・受取時期をそろえて、税金と社会保険料の合計で比べてください。
公的年金等控除との兼ね合い:iDeCo年金と受給開始年齢の選択
iDeCoを年金形式で受け取ると「公的年金等に係る雑所得」になります。公的年金と合算して「公的年金等控除」が適用されます。
公的年金等控除の概要(令和2年以後)
| 年齢区分 | 年金収入の合計 | 控除額(他の所得1,000万円以下の場合) |
|---|---|---|
| 65歳未満 | 130万円未満 | 60万円(収入が60万円以下なら収入の全額) |
| 130万円以上410万円未満 | 年金収入 × 25% + 27.5万円 | |
| 410万円以上770万円未満 | 年金収入 × 15% + 68.5万円 | |
| 770万円以上1,000万円未満 | 年金収入 × 5% + 145.5万円 | |
| 1,000万円以上 | 195.5万円(上限) | |
| 65歳以上 | 330万円未満 | 110万円(収入が110万円以下なら収入の全額) |
| 330万円以上410万円未満 | 年金収入 × 25% + 27.5万円 | |
| 410万円以上770万円未満 | 年金収入 × 15% + 68.5万円 | |
| 770万円以上1,000万円未満 | 年金収入 × 5% + 145.5万円 | |
| 1,000万円以上 | 195.5万円(上限) |
※ 公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円超の場合は控除額が段階的に減ります(国税庁 No.1600)。
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係iDeCo年金受取と公的年金の組み合わせ設計
- 65歳未満受取(60〜64歳):公的年金等控除は最低60万円(年金収入が130万円未満の場合。年金以外の合計所得1,000万円以下)。iDeCo年金の収入がこの控除額を超えると、超えた分が雑所得になり、基礎控除などを差し引いた後に税額が決まる
- 65歳以後受取:公的年金等控除は最低110万円に拡大(年金収入が330万円未満の場合。年金以外の合計所得1,000万円以下。収入が増えるほど控除額も増え、上限は195.5万円)。老齢基礎年金(令和8年度の満額は年847,300円。昭和31年4月2日以後生まれの場合)+iDeCo年金が110万円以内なら雑所得はゼロ
- 受給開始を繰り下げる効果:公的年金を繰り下げると1か月につき0.7%増額されます(最大84%)。繰り下げられるのは原則75歳までですが、昭和27年4月1日以前生まれの人や、平成29年3月31日以前に老齢基礎・厚生年金の受給権が発生している人は70歳までです(日本年金機構)。年金額が増えるが、公的年金等控除を超えた部分は雑所得になり、基礎控除などを差し引いた後に税額が決まるため、iDeCo年金との合算管理が必要
- DC一時金と退職金を受け取る年が、重複調整の期間(DCが先なら前年以前9年内、退職金が先なら前年以前19年内)にかかるか、期間がどれだけ重なるかを確認
- 一時金で受け取るか年金で受け取るかは、年金で受け取る場合の税金・社会保険料も含めて比べる
- iDeCo年金受取を選ぶ場合、公的年金との合計が公的年金等控除の最低額(65歳以上110万円)を超えないか試算
- 公的年金の繰り下げを検討する場合、iDeCo年金受取期間との重複タイミングを調整
- 退職所得・雑所得・給与所得など複数所得がある年の税額を総合的にシミュレーション
iDeCoと公的年金の受取戦略の詳細は iDeCo節税シミュレーター や 年金・老後の計算ツール もあわせてご活用ください。
退職所得控除の計算式と具体例
退職金は「退職所得控除」という大きな控除が認められています。長年の勤務に対する報酬として、他の所得と分離して有利に課税される制度です。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) |
勤続年数別 控除額と課税シミュレーション
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 退職金1,000万円の課税退職所得 | 退職金2,000万円の課税退職所得 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 400万円 | 300万円 | 800万円 |
| 20年 | 800万円 | 100万円 | 600万円 |
| 25年 | 1,150万円 | 0円(全額控除) | 425万円 |
| 30年 | 1,500万円 | 0円(全額控除) | 250万円 |
| 40年 | 2,200万円 | 0円(全額控除) | 0円(全額控除) |
※ 課税退職所得 =(退職金 − 控除額)× 1/2。勤続1年未満の端数は1年に切り上げ。
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得控除)学歴・職種別 定年退職者の平均退職給付額
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」のデータをもとに整理しています。調査の対象は常用労働者30人以上を雇用する民営企業で、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%です。退職給付額は、令和4年1年間に退職した人の集計です。
学歴・職種別 定年退職者の平均退職給付額
| 学歴・職種 | 定年退職者の平均(常用労働者30人以上の企業計) |
|---|---|
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 約1,896万円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 約1,682万円 |
| 高校卒(現業職) | 約1,183万円 |
※ 勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の平均(退職給付額は退職一時金額・退職年金の現価額。併用時はその計)。企業規模別・業種別・勤続年数別の金額は、一次の集計表で確かめられた値だけを載せる方針のため、このページには載せていません。勤め先の退職金規程で決まる実際の金額とは異なります。
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」調査の概要(常用労働者30人以上の民営企業) 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」結果の概況 4 退職給付(一時金・年金)の支給実態退職金の税額計算の流れ
- 退職金総額 − 退職所得控除額 = 退職所得ベース(障害者になったことが直接の原因で退職した場合は控除額に100万円を加算)
- 退職所得ベース × 1/2 = 課税退職所得(原則。1,000円未満切捨て。役員等勤続年数5年以下の特定役員退職手当等は1/2にせず、勤続5年以下の短期退職手当等は控除後300万円を超える部分を1/2にしない)
- 課税退職所得 × 所得税率(5〜45%)− 控除額 = 所得税
- 所得税 × 1.021 = 所得税額(復興特別所得税込)
- 課税退職所得 × 10% = 住民税(概算)
詳しい計算は 退職金計算ツール(エクセル不要) をご利用ください。退職所得控除の詳細は 退職所得控除・税額計算ページ もご参照ください。
退職金計算の関連ページ
退職金 計算ツール(種類別)
公務員退職金 詳細ページ
退職金の税金・年金との関係
よくある質問
退職所得控除の計算方法は?
結論:勤続20年以下は「40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)」、20年超は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」です。障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、この額に100万円を加えます(国税庁 No.1420)。課税退職所得金額は原則として(退職金−退職所得控除額)×1/2ですが、役員等(国家公務員・地方公務員を含む)としての勤続年数が5年以下の人の特定役員退職手当等は1/2にせず、勤続5年以下の人の短期退職手当等は控除後300万円を超える部分を1/2にしません(国税庁 No.2732・No.2737)。
退職金の平均額はいくらですか?
結論:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(常用労働者30人以上を雇用する民営企業が対象)では、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は74.9%です。令和4年1年間に退職した勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の平均退職給付額は、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)1,896万円、高校卒(管理・事務・技術職)1,682万円、高校卒(現業職)1,183万円です。
退職金にかかる税金の計算式は?
結論:課税退職所得金額=(退職金−退職所得控除額)×1/2(1,000円未満切捨て)です。役員等(国家公務員・地方公務員を含む)としての勤続年数が5年以下の人の特定役員退職手当等は1/2にせず、勤続5年以下の人の短期退職手当等は控除後300万円を超える部分を1/2にしません(国税庁 No.2732・No.2737)。この金額に所得税の税率(5〜45%)を掛けて控除額を引き、復興特別所得税(所得税の2.1%)を加えます。住民税は課税退職所得金額の10%です。
iDeCoと退職金を両方受け取るときの10年ルールとは?
結論:先に受け取った確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の一時金が2026年1月1日以後の支払である場合、その後に退職金を受け取る年の「前年以前9年内」に受け取ったものが勤続期間の重複調整の対象になった改正です(改正前は前年以前4年内。2025年以前に支払を受けたDC一時金は4年内のまま)。重複期間があると、その年数(1年未満切捨て)に応じた退職所得控除額相当額が控除額から差し引かれます(国税庁 No.2732)。
iDeCoを先に受け取ってから退職金を受け取る場合、何年空ければいいですか?
結論:判定は受取日からの経過年数ではなく、受け取った「年」で行います。2026年以後にDC一時金を受け取った場合、その年の翌年から9年間(受取年の9年後の年まで)に受け取る退職金が重複調整の対象で、受取年の10年後の年以後に受け取る退職金は対象外です。例:2026年にiDeCo一時金を受け取ったら、2036年以後に受け取る退職金は対象外です(国税庁 No.2732)。ただし会社の退職金は退職時に支払われるのがふつうで、受取時期を自由に選べるとは限りません。
退職金を先に受け取ってからiDeCoを一時金で受け取る場合のルールは?
結論:DC一時金を受け取る年の前年以前19年内に退職金を受け取っていると、重複期間の調整があります(改正前から同じ・国税庁 No.2732)。DCの受給開始は75歳に達するまでの間で選ぶため(厚生労働省)、60歳の年に退職金を受け取った人がDCを一時金で受け取る場合、この19年内の調整を避けることはできません(対象外になるのは80歳の年以後)。差し引かれるのは、勤続期間とDCの加入期間などが重なる部分です。
iDeCoを年金形式で受け取ると退職所得控除の通算ルールは適用されますか?
結論:DCを年金で受け取る分は退職所得ではなく「公的年金等に係る雑所得」になり、公的年金等控除の対象です(国税庁 No.1600)。退職所得の重複調整の対象にはなりませんが、公的年金と合算して課税されるため、税金と社会保険料を含めて一時金と比べる必要があります。
退職金とiDeCoを同年に一時金で受け取るとどうなりますか?
結論:同じ年に受け取った退職手当等は金額を合計し、勤続年数は最も長い期間に、その期間と重複しない期間を加えて計算します(国税庁 No.2735)。勤続30年とDC加入30年が完全に重なる場合、退職金2,000万円+iDeCo1,000万円の課税退職所得は(3,000万−1,500万)÷2=750万円で、税額(所得税・復興特別所得税+住民税)は約186.2万円です。退職金2,000万円だけなら約40.6万円で、差は約145.6万円です。
中退共に加入している会社の退職金はどうなりますか?
結論:中退共(中小企業退職金共済)の退職金は、中退共から従業員に直接支払われます。掛金月額は従業員ごとに5,000円から30,000円の範囲で選び、短時間労働者は2,000円・3,000円・4,000円の特例掛金月額も選べます(厚生労働省)。前の企業で12月以上掛金を納付し、退職後3年以内に新しい企業で加入するなどの要件を満たせば、掛金納付期間を通算できます(勤労者退職金共済機構)。
退職金は確定申告が必要ですか?
結論:退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、退職所得の金額に応じた所得税等が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。提出していないと支払金額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算します(国税庁 No.1420)。
確定拠出年金(DC)と確定給付企業年金(DB)の違いは?
結論:確定拠出年金(DC)は掛金が決まっていて、運用の結果で給付額が変わります。確定給付企業年金(DB)は給付の額が規約で決まっていて、会社などが資産を運用します。中退共はどちらとも異なる国の共済制度です。
公務員の退職金の計算方法は?
結論:国家公務員の退職手当は「俸給月額 × 支給率(退職理由・勤続年数別) + 調整額」で計算します。公表されている支給率は調整率(83.7/100・国家公務員退職手当法 附則第6項から第8項)を掛けた後の率で、定年退職で勤続35年以上なら上限の47.709ヶ月分です(平成30年(2018年)1月1日以降の退職)。地方公務員は各自治体の条例によります。
役員退職金の功績倍率法とは?
結論:「最終月額報酬×役員在任年数×功績倍率」で役員退職給与の額を考える方法です。役職ごとの功績倍率の目安は一次資料で確かめられなかったため、このページでは載せていません。役員等の勤続年数が5年以下の場合は1/2課税にならない点にも注意してください(国税庁 No.2737)。
退職金の支払いはいつですか?
結論:退職金規程などで支払時期を定めている場合は、その時期に支払われます。支払時期を定めていない場合は、請求日から7日以内に支払わなければなりません(福岡労働局「労働条件の手引き」・労働基準法第23条)。
計算は 退職金計算ツール・公務員退職金計算ツール・役員退職金計算ツール をご利用ください。
出典: 国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき 国税庁 No.2737 役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等 福岡労働局「労働条件の手引き」(退職手当の支払時期)
関連カテゴリ
本ページの退職金額・税額は目安計算です。実際の退職金は就業規則・退職金規程・iDeCo加入状況・所属自治体の条例により異なります。iDeCo×退職金の受取順序・通算ルールは個人の勤続年数・加入年数・退職金額により最適解が異なります。法改正(iDeCo10年ルール等)の内容は最新の国税庁・厚生労働省情報をご確認ください。税務上の判断は税理士にご相談ください。
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このツールで扱わないこと
- このページ自体には入力欄がなく、あなたの退職金や税額は計算しません。金額の計算は、一覧にある各ツールで行います。
- 「受取パターン別 税額試算比較」は、退職金2,000万円・iDeCo残高1,000万円・勤続30年という1つの例で固定した試算です。ほかの金額や勤続年数には自動で変わりません。税額は、会社都合退職・特定役員退職手当等でない・障害が原因の退職でない前提で、所得税・復興特別所得税と住民税10%を計算した値です。勤続期間とiDeCo加入期間が完全に重なる例なので、重なり方が違えば税額も変わります。iDeCo年金にかかる税金・社会保険料は含めていません。
- 障害者になったことが直接の原因で退職した場合の100万円の加算、特定役員退職手当等・短期退職手当等の課税の違いは、この例の計算に入れていません。この例は前年以前9年内・19年内の重複調整がかからない受け取り方(同じ年に受け取る・調整期間を過ぎてから受け取る・年金で受け取る)だけで、重複期間の差し引きや、前の受取額が少ないときの「みなし期間」は計算していません。
- 平均退職給付額の表は、厚生労働省「就労条件総合調査(2023年)」の定年退職者(勤続20年以上かつ45歳以上)の平均値です。勤続20年未満の人や、企業規模別・業種別の金額は載せていません。勤め先の退職金規程で決まる実際の金額ではありません。
- 「退職金の税額計算の流れ」の住民税は、課税退職所得の10%で示した概算です。
- ここに挙げていない個別の事情は計算に入れていません。正確な金額は、お住まいの市区町村・税務署・勤務先などの窓口でご確認ください。