学資保険の計算式と返戻率の見方
学資保険の「お得度」を測る指標が返戻率です。計算式は以下のとおりです。
// 払込総額の計算 払込期間(年) = 払込終了年齢 − 現在年齢 払込総額(円) = 月払保険料 × 12 × 払込期間 // 返戻率の計算 返戻率(%) = 受取総額 ÷ 払込総額 × 100 // 計算例: 0歳加入・月払15,000円・18歳払済・受取200万円 払込期間 = 18 − 0 = 18年 払込総額 = 15,000 × 12 × 18 = 3,240,000円(324万円) 返戻率 = 2,000,000 ÷ 3,240,000 × 100 ≒ 61.7% // ※ 受取200万円は意図的に低い例。実際の商品は払込超の受取設計が多い // 積立NISA試算(年利5%・月末積立複利) 月積立m円・n年の積立NISA終額 ≒ m × ((1.05^n - 1) / (0.05/12)) × (1 + 0.05/12)
2026年時点の返戻率目安
| 返戻率 | 評価 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 115%以上 | 非常に高い | 0歳加入・年払・10年払済・低解約返戻金型 |
| 105〜115% | 標準〜高め | 早期加入・月払・15〜18歳払済 |
| 100〜105% | 低め | 医療特約付き・高齢加入・18歳払済月払 |
| 100%未満 | 元本割れ | 特約過多・短期払い失敗など |
※ 上記は一般的な目安です。返戻率は保険会社・商品設計・加入条件により大きく異なります(2026-05-27確認)。
使い方(3ステップ)
- 子供の年齢と月払保険料を入力:現在の年齢(歳)と月払保険料(円)を入力します。
- 払込終了年齢と受取総額を入力:払込が終わる年齢(通常10・15・18歳)と、商品パンフレット記載の受取総額(万円)を入力します。
- 返戻率と積立NISA比較を確認:払込総額・返戻率・元本差額と、同額を積立NISAで運用した場合の試算額が即時表示されます。
学資保険の受取タイミング:大学一括 vs 段階受取
学資保険の受取方法は大きく2タイプに分かれます。どちらが合うかは教育費の支出パターンによって異なります。
| タイプ | 特徴 | 向いている家庭 |
|---|---|---|
| 大学入学時一括受取 | 高校卒業〜大学入学時に全額受取。シンプルで返戻率が高い傾向。 | 大学費用に集中したい・手続きをシンプルにしたい |
| 段階的受取(祝金型) | 中学入学・高校入学・大学入学ごとに受取。返戻率はやや低め。 | 中学・高校でも費用がかかる・資金計画を立てやすくしたい |
学資保険の満期金にかかる税金
学資保険の満期金・祝金は受け取り方によって課税区分が変わります(国税庁No.1755・2026-05-27確認)。
| 契約者 | 受取人 | 課税区分 | 計算方法(概算) |
|---|---|---|---|
| 親(保険料も親が払う) | 親(同一人物) | 一時所得(所得税・住民税) | (受取金額 − 払込総額 − 50万円)× 1/2 × 税率 |
| 親(保険料は親が払う) | 子(別人) | 贈与税 | (受取金額 − 110万円の基礎控除)× 税率 |
一時所得の場合、特別控除50万円があるため、受取総額が払込保険料総額+50万円以内であれば所得税は0円になります。例えば払込総額300万円・受取350万円の場合、(350−300−50)×1/2=0 となり課税されません。ただし祝金を複数年にわたり受け取る場合や他の一時所得がある場合は合算が必要です。実際の課税額は税務署や税理士にご確認ください。
学資保険と生命保険料控除の関係
学資保険の保険料は生命保険料控除(一般生命保険料控除区分)の対象になります。ただし適用される制度は契約年によって異なります。
- 2012年1月1日以降の契約:新制度。一般生命保険料控除として所得税最大4万円・住民税最大2.8万円が控除されます。
- 2011年12月31日以前の契約:旧制度。一般生命保険料控除として所得税最大5万円・住民税最大3.5万円が控除されます。
生命保険料控除の詳細は生命保険料控除シミュレーションでご確認ください。
教育費の備え方比較:学資保険・新NISA・定期預金・終身保険
教育費の積立方法は学資保険だけではありません。主要な選択肢を中立的に比較します。
| 方法 | 利回り目安 | 元本保証 | 保障機能 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 学資保険 | 返戻率100〜130%程度 | あり(満期まで継続時) | 払込免除特約あり | 途中解約はリスクあり |
| 新NISA(積立) | 期待値 年3〜7%(変動) | なし(元本割れリスク) | なし | 非課税・流動性高い |
| 定期預金 | 年0.1〜0.5%前後(2026年頃) | あり(預金保険上限内) | なし | 流動性高・利率は低め |
| 終身保険(低解約返戻金型) | 解約返戻率は商品次第 | 満期なし・解約タイミング依存 | 死亡保障あり | 教育費転用も可・複雑 |
※ 利回りはいずれも概算・目安です。実際の数値は商品・時期によって異なります。特定の商品・金融機関を推奨するものではありません。
ジュニアNISAは2023年末で新規投資終了(廃止)となりました。2024年以降は親名義の新NISAを教育費積立に活用するケースが増えています。ただし短期(5年以内)の教育費は価格変動リスクに注意が必要です。
学資保険の選び方チェックポイント
複数の学資保険を比較する際は以下の点を確認してください。特定の商品を推奨するものではなく、中立的な確認項目です。
- 返戻率:同じ払込条件で複数社を比較する。加入年齢・払込期間・受取時期で大きく変わります。
- 払込方法:年払いは月払いより返戻率が高くなる傾向があります。一時払いは最も高い傾向。
- 払込免除特約:契約者(親)が亡くなった場合に保険料が免除され満期金が受け取れる特約。学資保険固有のメリットです。
- 特約(医療・入院)の必要性:自治体の子ども医療費助成を確認し、重複保障は避けましょう。特約は返戻率を下げます。
- 低解約返戻金型か否か:途中解約の可能性がある場合は通常型を選ぶ方が無難です。
- 受取タイミング:大学一括型か段階型か。家計の支出パターンに合わせましょう。
よくある質問
学資保険とNISAどちらが得ですか?
数字だけ見ると積立NISAが有利なケースが多いです。年利5%複利・18年運用で試算すると、同額の月払い保険料に対してNISAは大きく上回ります。ただし積立NISAは元本割れリスクがあります。学資保険には払込免除特約(契約者が亡くなった場合でも保険料が免除され満期金が受け取れる)という固有メリットがあります。保障重視なら学資保険、運用重視ならNISAが基本の選び方です。
2026年時点の返戻率相場はどのくらいですか?
主要商品で概ね100〜130%程度です(2026-05-27確認)。明治安田生命「つみたて学資」は2025年10月時点で最高129.2%の返戻率を示しており、フコク生命「みらいのつばさ」は0歳加入・10年払い・年払いで118%超を記録する例があります。返戻率は加入年齢・払込方法・払込期間で大きく変わります。保険商品の改定は随時行われるため、最新の返戻率・保険料は各社の公式シミュレーターでご確認ください。(明治安田生命公式サイト・フコク生命公式サイト)
学資保険の満期金に税金はかかりますか?
かかる場合があります。契約者と受取人が同一人物(例:親が払い込み、親が受け取る)の場合は一時所得として所得税・住民税の対象になります。一時所得特別控除(50万円)があるため、「受取額−払込総額」が50万円以下であれば実質課税なしです。一方、契約者(親)と受取人(子)が異なる場合は贈与税が課税されます(基礎控除110万円超が課税対象・国税庁No.1755)。詳細は税務署や税理士にご確認ください。
返戻率100%未満になるのはどんな場合ですか?
医療・入院特約を多く付けた場合、加入年齢が高い(例:8歳以降)場合、18歳払済の月払いを選んだ場合などに100%を下回ることがあります。特約は返戻率を下げる主因のひとつです。自治体の子ども医療費助成の範囲を確認し、重複保障は避けましょう。
学資保険の受取タイミングはどう選べばよいですか?
主に「大学入学時一括受取」と「中学・高校・大学ごとに受け取る段階型」の2タイプがあります。大学費用が最大の支出になる方は一括型が手続きシンプルで返戻率も高い傾向があります。中学や高校でも費用がかかる場合は段階型が資金計画を立てやすいです。
学資保険は途中解約できますか?
解約は可能ですが、払込期間中の解約返戻金は払込総額を大きく下回ることがほとんどです。特に「低解約返戻金型」は払込期間中の解約返戻金が大幅に低く設定されています。学資保険は原則として満期まで継続することを前提に加入してください。
医療特約は必要ですか?
子どもの医療費は多くの自治体で中学・高校卒業まで助成されます。「子ども医療費助成制度」の対象範囲はお住まいの自治体によって異なります。医療特約は返戻率を下げるため、助成が手厚い地域では不要なケースが多いです。まず自治体の制度を確認してください。
ジュニアNISA廃止後の教育費積立はどうすればよいですか?
ジュニアNISAは2023年末で新規投資終了(廃止)となりました。2024年以降の代替として、親名義の新NISA(積立投資枠)を活用する方法が増えています。ただし新NISAは元本割れリスクがあるため、子どもの年齢が低い(運用期間を長く取れる)場合は組み合わせが有効です。短期資金は学資保険・定期預金などで元本確保も検討してください。
学資保険と終身保険はどう違いますか?教育費に使えますか?
学資保険は教育費受取タイミングに合わせた設計で払込免除特約も付けられます。終身保険は満期がなく、解約返戻金を教育費に充てる使い方もありますが、解約タイミングを誤ると元本割れリスクがあります。目的・期間・家計全体から判断することが重要です。FPへの無料相談を活用してください。
低解約返戻金型とはどういう商品ですか?
払込期間中の解約返戻金を低く抑える代わりに、同等の保険料で返戻率を高めた商品タイプです。満期まで継続すれば通常型より有利ですが、途中解約すると損が大きくなります。家計が安定しており確実に満期まで払い続けられる方向けの選択肢です。
関連ツール
本ツールの計算結果は概算値です。実際の返戻率・受取額は加入する保険商品・加入年齢・特約の有無等により異なります。積立NISAの試算は年利5%複利の仮定に基づく概算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。税金に関する内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断は税務署・税理士にご確認ください。本ページはFP・保険会社の監修なし(一般情報)です。具体的な保険選びはファイナンシャルプランナーや保険代理店にご相談ください。