養育費の計算ツール(算定表の選び方・子1人あたりの額)
子の人数と年齢を入れると、裁判所の養育費算定表(表1〜9)のどれを使えばよいかがわかります。表で読んだ月額を入れると、年額と子1人あたりの額を計算します。2026年4月施行の法定養育費(子1人月2万円)の額も表示します。
対象: 離婚協議中の方・養育費の取決めや見直しを考えている方・調停や弁護士相談の前に目安を確かめたい方
算定表の子の指数は62です。
算定表の子の指数は85です。算定表は子1〜3人の表だけです(合計1〜3人で入力)。
表の欄は「4〜6万円」のような幅です。取り決めたい額や、幅の中で考えている額を入れてください。
※ 表の読み方:縦軸で支払う側(義務者)の年収、横軸で受け取る側(権利者)の年収を探し、交わる欄の金額を読みます。給与所得者と自営業者で使う欄が違います。子1人あたりの額は円未満を四捨五入しているため、合計が入力額と1円ずれることがあります。
【2026年4月施行】養育費に関する主な改正
民法等の一部を改正する法律が2026年4月1日に施行されました。算定表そのものは変わっていません。
1. 法定養育費(子1人あたり月2万円)
- 請求できる人: 養育費の取決めをしないで離婚した場合の、離婚の時から引き続き子の監護を主として行う親(民法第766条の3。裁判上の離婚にも準用)
- 金額: 月額2万円に子の数を掛けた額(子2人なら月4万円・法務省令)
- 期間: 離婚の日から、取決めをした日・審判が確定した日・子が成年に達した日のいずれか早い日まで
- 支払う側の拒否: 支払能力を欠くことなどを証明すれば、全部または一部の支払を拒める
- 性質: 取決めまでの暫定的・補充的なもので、養育費の標準額や下限額を定めるものではない
- 施行前の離婚: 2026年4月1日より前に離婚した場合には適用されない(改正法附則第3条第2項)
2. 先取特権(取決めの文書で差押えを申し立てられる)
- 内容: 公正証書や調停調書などの債務名義がなくても、取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、裁判所に差押えの手続を申し立てられる(裁判所への申立ては必要)
- 上限: 先取特権が付くのは子1人あたり月額8万円まで(取り決めた額のうちこの額まで。8万円を新たに請求できる制度ではない)
- 施行前の取決め: 施行後に生ずる養育費に限って適用される
3. 裁判手続の利便性向上
家庭裁判所は収入情報の開示を命じられるようになり、民事執行では地方裁判所への1回の申立てで、財産の開示・給与情報の提供・判明した給与の差押えまで行えるようになりました。
民法 第766条の3・第308条の2・令和6年法律第33号附則第3条(e-Gov法令検索) 法務省「養育費に関する法務省令の概要」(月額2万円・8万円に子の数を乗じた額) こども家庭庁「民法等の改正について」(法定養育費は標準額や下限額を定める趣旨ではない)養育費算定表の使い方
養育費算定表は、平成30年度司法研究「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」で示された改定標準算定表(令和元年版)です。考え方は、双方の収入から「基礎収入」を出し、子の生活費を双方の基礎収入で分け合う収入按分型です。研究の概要では、総収入に占める基礎収入の割合は給与所得者でおおむね54〜38%、自営業者でおおむね61〜48%とされています(年収ごとの率は概要には載っていません)。
- 表を選ぶ:子の人数(1〜3人)と年齢(0〜14歳・15歳以上)で、表1〜9から1枚を選ぶ(上のツールで表示)
- 年収を求める:給与所得者は源泉徴収票の「支払金額」、自営業者は確定申告書の「課税される所得金額」に、実際に支出していない控除(基礎控除・青色申告控除など)を加えた額。児童扶養手当・児童手当は含めない
- 欄を読む:縦軸で義務者の年収、横軸で権利者の年収を探し、交わる欄の金額を読む。欄の幅は義務者の年収が少ない場合は1万円、それ以外は2万円
- 子1人あたりに分ける:子が複数なら、読んだ額を子の指数(0〜14歳62・15歳以上85)で按分できる
裁判所の説明書の例:権利者は7歳と10歳の子を養育する給与所得者で年収202万8,000円、義務者は給与所得者で年収715万2,000円。表3を使い、権利者は「200」、義務者は「725」の欄を基準にすると、交わる欄は「10〜12万円」の枠内です。10万円とした場合、2人とも0〜14歳で指数が同じなので、子1人あたり5万円です。
| 表 | 子の人数・年齢 |
|---|---|
| 表1 | 養育費・子1人表(子0~14歳) |
| 表2 | 養育費・子1人表(子15歳以上) |
| 表3 | 養育費・子2人表(第1子及び第2子0~14歳) |
| 表4 | 養育費・子2人表(第1子15歳以上,第2子0~14歳) |
| 表5 | 養育費・子2人表(第1子及び第2子15歳以上) |
| 表6 | 養育費・子3人表(第1子,第2子及び第3子0~14歳) |
| 表7 | 養育費・子3人表(第1子15歳以上,第2子及び第3子0~14歳) |
| 表8 | 養育費・子3人表(第1子及び第2子15歳以上,第3子0~14歳) |
| 表9 | 養育費・子3人表(第1子,第2子及び第3子15歳以上) |
よくある質問
養育費の金額はどうやって決まりますか?
結論:父母の協議か、家庭裁判所の調停・審判で決まります。目安として使われるのが、裁判所の司法研究で示された「改定標準算定表(令和元年版)」です。子の人数(1〜3人)と年齢(0〜14歳・15歳以上)で表1〜9から1枚を選び、支払う側(義務者)の年収を縦軸、受け取る側(権利者)の年収を横軸で探して、交わる欄の金額(1万円または2万円の幅)を読みます。このツールで使う表がわかります。
算定表の「年収」は何を見ればいいですか?
結論:給与所得者は源泉徴収票の「支払金額」(控除されていない金額)、自営業者は確定申告書の「課税される所得金額」です。自営業者は、基礎控除・青色申告控除・支払われていない専従者給与など実際に支出していない費用を加えて年収を定めます。児童扶養手当や児童手当は権利者の年収に含めません(裁判所「養育費・婚姻費用算定表について(説明)」)。
15歳以上の子は養育費が高くなりますか?
結論:算定表は子の年齢を0〜14歳と15歳以上の2区分にしていて、子の指数(親を100とした場合の子に充てられるべき生活費の割合)は0〜14歳が62、15歳以上が85です。15歳以上の子がいる表のほうが、同じ年収でも額が高くなります。
子が2人以上のとき、1人あたりの養育費はどう分けますか?
結論:算定表で読んだ養育費の額を子の指数で按分します。裁判所の説明書の例では、10歳と15歳の子がいて全額が5万円なら、10歳の子が約2万円(5万円×62÷147)、15歳の子が約3万円(5万円×85÷147)です。このツールに表で読んだ額を入れると、子ごとの額(円単位:21,088円・28,912円)を計算します。
2026年4月から養育費の制度は変わりましたか?
結論:民法等の改正法が2026年4月1日に施行され、①養育費の取決めがなくても請求できる「法定養育費」、②取決めの文書で差押えを申し立てられる「先取特権」、③収入情報の開示命令や、地方裁判所への1回の申立てで財産の開示・給与情報の提供・給与の差押えまで行える手続ができました。算定表そのものは変わっていません。
法定養育費はいくらで、だれが請求できますか?
結論:子1人あたり月額2万円です(子2人なら月4万円・法務省令)。養育費の取決めをしないで離婚した場合に、離婚の時から引き続き子の監護を主として行う親が、他方の親に請求できます。期間は離婚の日から、父母が取決めをした日・審判が確定した日・子が成年に達した日のいずれか早い日までです。支払う側は、支払能力を欠くことなどを証明すれば全部または一部の支払を拒めます(民法第766条の3)。2026年4月1日より前に離婚した場合には適用されません(改正法附則第3条第2項)。取決めまでの暫定的・補充的なもので、養育費の標準額や下限額を定めるものではありません。
先取特権で何ができますか?
結論:これまで差押えには公正証書・調停調書・審判書などの「債務名義」が必要でしたが、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、裁判所に差押えの手続を申し立てられるようになりました。裁判所への申立ては必要です。先取特権が付与されるのは子1人あたり月額8万円までで、8万円を新たに請求できる制度ではありません。改正法の施行前に取り決めていた場合は、施行後に生ずる養育費に限って適用されます。
養育費が支払われないときはどうしますか?
結論:調停・審判・判決・和解で決まっている場合は、家庭裁判所から相手に支払うよう勧告してもらう「履行勧告」を申し出られます(必ず先に行う手続ではありません)。強制執行には、強制執行認諾条項付きの公正証書や調停調書などが必要で、2026年4月からは取決めの文書による先取特権の差押えの申立ても使えます。取決めがない・まとまらない場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てます。
再婚したら養育費は変わりますか?
結論:自動では変わりません。再婚や子の出生などの事情の変更がある場合は、父母で話し合うか、家庭裁判所に養育費の増額・減額の調停を申し立てて決め直します。進め方は「再婚と養育費」のページで解説しています。
養育費を受け取っている母子世帯はどれくらいですか?
結論:こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」では、母子世帯で養育費の取り決めをしているのは46.7%(前回の平成28年度は42.9%)、現在も受給しているのは28.1%(同24.3%)です。取り決めをしている世帯に限ると、現在も受給しているのは57.7%(同53.3%)です。28.1%は取り決めがない世帯も含めた割合なので、残りを「取決めどおり払われていない割合」とは読めません。
このツールで扱わないこと
- 年収から算定表の欄(月額の幅)は計算しません。年収ごとの基礎収入割合は公表資料で確かめられないためです。裁判所の算定表で読んでください。
- 子が4人以上の場合・婚姻費用(別居中の生活費)は扱いません。
- 法定養育費・先取特権を使えるかどうか(離婚の時期・監護の状況・支払能力など)の判定はしません。表示する額は条件を満たす場合のものです。
- 私立学校の学費・医療費などの特別な事情による加算は扱いません。
関連ツール・ページ
参考公的ソース
- 裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」(算定表 表1〜9)
- 裁判所「養育費・婚姻費用算定表について(説明)」
- 民法(e-Gov法令検索)第766条の3・第308条の2・令和6年法律第33号附則
- 法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」
- こども家庭庁「民法等の改正について」
- こども家庭庁「養育費の取り決めと確保に関する司法手続」
- こども家庭庁「全国ひとり親世帯等調査」
本ツールは、裁判所の算定表の選び方と、入力した額の按分・法定養育費の額を示すものです。実際の養育費は父母の協議、家庭裁判所の調停・審判で決まります。個別の事情は弁護士または家庭裁判所にご相談ください。