残業代計算ツール(無料)
月給と残業時間を入力するだけで残業代を自動計算。深夜・休日・60時間超の割増賃金にも対応。給与明細との差額で未払い残業代を確認できます。
給与明細の基本給+固定手当の合計。通勤費・残業代等の変動手当は除く。
雇用契約書・就業規則に記載の1ヶ月の所定労働日数。一般的には20〜22日。
休憩時間を除いた実労働時間。法定上限は8時間。
月60時間以内の通常残業時間(1.25倍対象)。
22時〜翌5時の残業時間(1.5倍対象)。平日残業時間と重複しないよう入力してください。
法定休日(週1日)の労働時間(1.35倍対象)。
月60時間を超えた残業の超過分(1.5倍対象)。60時間以内分は「平日残業時間」に入力。
※ 時給換算 = 月給 ÷(所定労働日数 × 所定労働時間)。社会保険料・所得税控除前の額面です。
計算の基本と割増率(労基法第37条)
残業代は「月給から時給換算 × 残業時間 × 割増率」で計算します。割増率は残業の種類(平日・深夜・休日・月60時間超)によって異なります。
計算式の詳細(時給換算・割増率一覧)
月給を1時間あたりの金額に換算する
月給 ÷(所定労働日数 × 1日の所定労働時間)で時給換算額を算出します。
例:月給25万円 ÷(所定21日 × 8時間)= 時給換算 約1,488円
残業の種類ごとに割増率をかけて計算する
平日残業(月60時間以内):時給換算 × 時間 × 1.25倍
深夜残業(22時〜翌5時):時給換算 × 時間 × 1.50倍
法定休日出勤:時給換算 × 時間 × 1.35倍
月60時間超(追加分):時給換算 × 超過時間 × 0.25倍
例:時給換算1,488円 × 残業10時間 × 1.25 = 平日残業代 約18,601円
全種類の残業代を合算して完成
平日残業代+深夜残業代+休日出勤代+60時間超追加分の合計が残業代合計になります。給与明細と比べて差があれば未払い残業代が発生している可能性があります。
例:平日18,601円+深夜0円+休日0円+60h超0円 = 残業代合計 18,601円
| 残業の種類 | 割増率 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 法定内残業 | 割増なし | 所定時間超〜法定時間(1日8h・週40h)以内 |
| 平日残業(通常) | 1.25倍 | 法定時間超・月60時間以内の時間外労働 |
| 深夜残業(単独) | 1.25倍 | 所定時間内だが22時〜翌5時の労働 |
| 深夜残業(残業と重複) | 1.50倍 | 法定外残業(+0.25)と深夜(+0.25)の重複 |
| 法定休日出勤 | 1.35倍 | 週1日の法定休日の労働(深夜は+0.25) |
| 月60時間超の残業 | 1.50倍 | 月60時間を超えた時間外労働(2023年4月より全企業) |
出典:労働基準法第37条(e-Gov)・厚生労働省「割増賃金」(2026-05-27確認)
法定内残業と法定外残業——「残業なのに割増なし」の理由
「所定労働時間は7時間だが、7〜8時間は残業代が出ない」という疑問を持つ方は多いです。これは法律上の仕組みによります。
- 法定労働時間:1日8時間・週40時間(労働基準法第32条)。これを超えると割増賃金義務が発生。
- 所定労働時間:会社が就業規則で定める時間。法定労働時間以内であれば7時間でも可。
- 法定内残業:所定時間(例:7時間)を超えるが法定時間(8時間)以内の部分。会社は割増賃金を支払う法的義務はない(ただし就業規則で割増を定める会社もある)。
- 法定外残業:法定時間(8時間)を超えた部分。割増率1.25倍以上が必須。
本ツールの「平日残業時間」は法定外残業を対象にしています。法定内残業に割増がつくかは各社の就業規則を確認してください。
月60時間超の割増率(2023年4月 中小企業も1.5倍に)
2023年4月1日から、中小企業でも月60時間を超える時間外労働の割増率が1.5倍に引き上げられました。以前は大企業のみの適用でしたが、現在は企業規模を問わず全ての会社に適用されています。
- 月60時間以内:割増率1.25倍
- 月60時間超の超過分:割増率1.5倍(以前の大企業と同じ水準)
- 代替休暇制度:月60時間超の割増賃金(超過分の0.25倍)の代わりに有給休暇(代替休暇)を与えることも可能(労使協定が必要)
出典:厚生労働省「月60時間超の割増賃金引上げ」(2026-05-27確認)
固定残業代・未払い請求(時効3年)
固定残業代の有効要件と、未払い残業代の請求方法(時効3年・証拠・流れ)を解説します。
固定残業代(みなし残業)の有効要件と超過分の請求
固定残業代(定額残業代・みなし残業代)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を月給に含めて支払う制度です。多くの求人で「固定残業代○○円含む」と記載されています。
有効とされるための3要件:
- 明確区分性:基本給と固定残業代の部分を就業規則・給与明細等で明確に区分していること
- 時間数・金額の明示:「○時間分・○円」と具体的に明示していること(2024年4月から求人票等への明示義務化)
- 超過分の追加支払規定:固定残業時間を超えた場合に差額を支払う旨の規定があること
固定残業代が設定されている場合でも、実際の残業時間が固定分を超えたときは追加支払いが必要です。本ツールで実際の残業代を計算し、固定残業代との差額を確認してください。
出典:厚生労働省「固定残業代に関する明示」(PDF)(2026-05-27確認)
未払い残業代の請求方法(時効3年・証拠・4ステップ)
未払い残業代は労働者の権利として請求できます。時効は2020年4月1日以降の賃金で3年(労働基準法第115条)です。
請求の流れ(4ステップ):
- 証拠の収集・保全:タイムカード・業務メール・給与明細を集める。退職後はアクセスが難しくなるため在職中に行う
- 計算と差額の確認:本ツールで実際の残業代を計算し、給与明細と比較して未払い額を算出
- 会社への請求・交渉:内容証明郵便で会社に支払いを請求(時効中断効あり)。会社が応じない場合は次のステップ
- 外部機関への相談・申告:労働基準監督署への申告(無料・匿名可)または弁護士・社会保険労務士への相談
- 付加金:裁判で認められた場合、未払い残業代と同額以下の付加金を加算できる(最大2倍)(労働基準法第114条)
- 遅延損害金:退職後の未払い賃金には年14.6%の高率の遅延損害金が発生(賃金支払確保法)
36協定・管理職・裁量労働制
36協定(サブロク協定)とは、時間外労働・休日労働をさせるための労使協定です。管理職・裁量労働制の場合の残業代の扱いも解説します。
36協定と時間外労働の上限規制(2024年問題)
会社は36協定を締結・労働基準監督署に届出しないと、法定労働時間を超えた残業をさせることができません。
残業時間の上限規制(2019年4月施行):
- 原則:時間外労働は月45時間・年360時間以内
- 特別条項あり:年720時間以内・月100時間未満・2〜6ヶ月平均80時間以内・月45時間超は年6回まで
2024年問題——建設・運送・医師への適用:
- 建設業:原則上限適用(災害復旧工事は一部除外)
- 自動車運転業務:年960時間上限
- 医師:A水準年960時間、B・C水準最大年1,860時間
出典:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働上限規制」(2026-05-27確認)
管理職(管理監督者)・裁量労働制の残業代の扱い
「管理監督者」(労働基準法第41条2号)に該当する場合、時間外・休日の割増賃金の適用は除外されます。ただし深夜割増(+0.25倍)の支払い義務は残ります。
管理監督者の3要件:
- 出退勤の自由があること(出退勤時間の拘束がない)
- 重要な職務・権限(採用・解雇・賃金決定等)を有すること
- 賃金・待遇等の優遇措置があること
「係長・主任・店長」という肩書があっても上記3要素を満たさない場合は「名ばかり管理職」として通常の残業代請求権があります。
裁量労働制:専門業務型(SE・デザイナー等19業種)・企画業務型ともにみなし労働時間制ですが、深夜・休日割増は別途支払い義務があります。協定の手続き要件を満たさない場合は通常の残業代が発生します。
使い方(3ステップ)
- 月給・所定労働条件を入力:月給(円)・所定労働日数・1日の所定労働時間を入力します。時給換算額が自動算出されます。
- 残業時間の種類別に入力:平日残業・深夜残業・休日出勤・月60時間超の残業をそれぞれ入力します。
- 残業代の内訳と合計を確認:各種残業代の内訳と合計が即時表示されます。給与明細と比較して未払いがないか確認できます。
よくある質問(FAQ)
月給から時給はどう計算しますか?
月給制の場合、時給換算は「月給 ÷(所定労働日数 × 1日の所定労働時間)」で求めます。例えば月給25万円・所定21日・8時間の場合、時給換算は約1,488円です。この時給換算額に各割増率を掛けて残業代を計算します。
法定内残業と法定外残業はどう違いますか?
法定内残業は所定労働時間を超えるが法定労働時間(1日8h・週40h)以内の残業で、割増賃金の義務はありません。法定外残業は法定時間を超えた残業で、1.25倍以上の割増賃金が必要です。例えば所定7時間の会社で1日9時間働いた場合、7〜8時間が法定内(割増なし)、8〜9時間が法定外(1.25倍)となります。
月60時間超の残業割増は中小企業にも適用されますか?
はい。2023年4月1日より中小企業にも月60時間超の残業割増率1.5倍が適用されています。それ以前は大企業のみの適用でしたが、現在は企業規模に関わらず全ての会社に適用されます。(厚生労働省 2026-05-27確認)
深夜残業と通常残業が重なる場合の割増率は?
深夜(22時〜翌5時)に残業が発生した場合、残業割増(+0.25倍)と深夜割増(+0.25倍)が重複して加算され、合計1.5倍になります。本ツールの「深夜残業時間」欄に入力することで自動計算されます。
固定残業代(みなし残業)がある場合の計算は?
固定残業代が設定されている場合、固定残業時間を超えた分については追加で残業代の支払いが必要です。本ツールで実際の残業代を計算し、固定残業代(支払済み額)との差額を確認してください。差額がある場合は未払い残業代が発生している可能性があります。
未払い残業代の時効は何年ですか?
2020年4月1日以降の賃金については3年です(労働基準法第115条)。起算点は各賃金の支払日(通常は給料日)です。時効が近づいている場合は、内容証明郵便による催告(6ヶ月間の時効中断)や弁護士への相談をお早めに。(ベンナビ労働問題「残業代請求の時効は3年」 参照)
残業代が支払われていない場合はどうすればいいですか?
まず会社の給与担当部署に確認します。解決しない場合は労働基準監督署への申告(無料・匿名可)か、弁護士・社会保険労務士への相談が有効です。未払い残業代の時効は原則3年(2020年4月以降の分)です。弁護士への相談は成功報酬制が主流のため着手金は不要なケースが多いです。
管理職(店長・係長)でも残業代は請求できますか?
「名ばかり管理職」の場合は請求できます。管理監督者(残業代が免除される本物の管理職)に該当するには「出退勤の自由・重要な権限・賃金の優遇」の3要素が必要です。これらを満たさない係長・主任・店長等は通常の残業代が発生します。判断が難しい場合は弁護士への相談が有効です。
36協定がない会社での残業は違法ですか?
はい。36協定を締結・届出せずに法定時間外の残業をさせることは労働基準法違反です(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)。ただし違法な残業でも残業代の支払い義務は発生するため、未払いの場合は請求できます。
裁量労働制でも残業代は請求できますか?
裁量労働制の場合、時間外割増は「協定で定めたみなし時間」に基づいて計算されます。深夜・休日労働の割増は別途支払い義務があります。また裁量労働制の手続き要件(労使協定の締結等)を満たしていない場合は、通常の残業代が発生します。
遅延損害金や付加金とは何ですか?
退職後の未払い賃金には年14.6%の遅延損害金が発生します(賃金支払確保法第6条)。また裁判になった場合、裁判所は未払い残業代と同額以下の付加金を追加で命じることができます(労働基準法第114条)。弁護士による交渉・訴訟で回収できる金額が大幅に増える可能性があります。
関連ツール
本ツールは概算値です。実際の残業代は就業規則・労働契約・賃金規程等により異なる場合があります。未払い残業代の請求や具体的な手続きについては、社会保険労務士または弁護士にご相談ください。本ページは弁護士監修なし(一般情報の提供を目的)です。


