公務員 退職金計算ツール(退職手当シミュレーター)
俸給月額・勤続年数・退職理由を入力するだけで退職手当の概算額・手取り・税金を自動計算します。国家公務員退職手当法6条の支給率表に基づいた試算です。
こんな方向け:国家公務員・地方公務員・教員・警察官が退職金を事前に試算したい方、自己都合退職と定年退職の手取り差を比較したい方
入力
退職直前の俸給月額(諸手当を除く本俸)を入力してください
採用から退職までの総勤続年数を入力してください
退職理由によって支給率が大きく変わります
計算結果
※ 支給率は国家公務員退職手当法6条の支給率表(概算)を使用。地方公務員は自治体条例により若干異なります。
※ 調整額・功績加算金は含まれていません。実際の退職手当は人事担当部署にご確認ください。
公務員の退職手当の計算方法(国家公務員退職手当法6条準拠)
国家公務員の退職手当は国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)、地方公務員は各自治体の条例(国の基準に準拠)で定められています。基本的な計算式は以下のとおりです。
退職手当 = 基本額 + 調整額(第6条の2)
- 俸給月額:退職時に受けていた本俸(各種手当を除く)
- 支給率:退職理由(定年・勧奨・自己都合・分限)と勤続年数で決まる
- 調整率:民間水準に合わせた係数。現在は約0.87前後(人事院規則)
- 調整額:在職中の役職・勤務実績に応じた加算額(第6条の2・詳細は後述)
退職理由別 支給率の目安(国家公務員・概算)
| 勤続年数 | 定年退職 | 勧奨退職 | 自己都合 |
|---|---|---|---|
| 10年 | — | 12.0ヶ月 | 8.1ヶ月 |
| 15年 | — | 19.7ヶ月 | 13.5ヶ月 |
| 20年 | — | 27.0ヶ月 | 19.2ヶ月 |
| 25年 | — | 33.2ヶ月 | 24.5ヶ月 |
| 35年 | 49.59ヶ月(最高) | 45.5ヶ月 | 36.1ヶ月 |
| 38年〜 | 49.59ヶ月(上限) | — | — |
※ 人事院規則に基づく概算値です。実際の支給率は詳細な規則表により異なります。
人事院「退職手当」国家公務員 vs 地方公務員の退職金の違い
計算の基本構造は同じですが、適用される法令・俸給表・地域手当の扱いが異なります。以下の表で主な違いを確認してください。
| 比較項目 | 国家公務員 | 地方公務員 |
|---|---|---|
| 根拠法令 | 国家公務員退職手当法 | 各自治体の退職手当条例 |
| 俸給表 | 行政職俸給表(一)等(国) | 行政職給料表(都道府県・市区町村) |
| 支給率 | 人事院規則で統一 | 国準拠が多い(自治体差あり) |
| 地域手当 | 退職手当の基礎に含まれない | 自治体条例で加算される場合あり |
| 調整額 | 国の基準で統一 | 自治体ごとに異なる |
| 平均退職金(定年) | 約2,150万円(2023年度・内閣人事局) | 約2,200万円(行政職・定年・概算) |
公務員退職金の調整額(第1〜11号区分)詳細表
退職手当には基本額に加えて調整額が加算されます。調整額は在職期間中に就いていた役職ごとの「調整月額」を高い順に60月分合計した金額です(国家公務員退職手当法第6条の2)。
| 区分 | 対象役職の例 | 調整月額(目安) | 60月満額 |
|---|---|---|---|
| 第1号 | 事務次官・局長相当以上 | 約78,750円 | 約472万円 |
| 第2号 | 部長・審議官・地方局長等 | 約70,400円 | 約422万円 |
| 第3号 | 課長・所長相当 | 約65,000円 | 約390万円 |
| 第4号 | 室長・課長補佐(上位) | 約59,550円 | 約357万円 |
| 第5号 | 課長補佐・係長(上位) | 約54,150円 | 約325万円 |
| 第6号 | 係長・主任(上位) | 約43,350円 | 約260万円 |
| 第7号 | 主任・係員(上位) | 約32,500円 | 約195万円 |
| 第8号 | 係員(中位) | 約27,100円 | 約163万円 |
| 第9号 | 係員(下位) | 約21,700円 | 約130万円 |
| 第10号 | 短時間・非常勤等 | 0円 | 0円 |
| 第11号 | 勤続9年以下(自己都合除外対象) | 支給制限あり | — |
※ 調整月額は宮城県・国の制度資料を参考にした目安値。自治体により異なる場合があります。地方公務員は所属自治体の退職手当条例を確認してください。
支給除外の注意点:勤続9年以下の自己都合退職者には調整額が支給されません。勤続1〜4年(自己都合以外)および勤続10〜24年の自己都合退職者は調整額が半額となります。
国家公務員退職手当法 第6条の2(調整額)早期退職募集制度(定年前早期退職特例措置)の割増率
国家公務員には「定年前早期退職特例措置」があり、要件を満たす職員が応募認定退職した場合、俸給月額に割増率が加算されます(国家公務員退職手当法第8条の2)。
対象要件:45歳以上・勤続20年以上・定年6ヶ月前までに応募
| 退職年齢(定年60歳の場合) | 残年数 | 割増率 | 俸給40万円での実質俸給月額 |
|---|---|---|---|
| 45歳 | 15年 | +45% | 58万円相当 |
| 50歳 | 10年 | +30% | 52万円相当 |
| 55歳 | 5年 | +15% | 46万円相当 |
| 58歳 | 2年 | +6% | 42.4万円相当 |
※ 定年延長に伴い対象年齢・残年数の算定基準が変わる場合があります。2026年時点の定年は62歳。詳細は所属省庁の人事担当部署にご確認ください。
定年延長(2023〜2031年・段階的実施)の影響
2023年度から国家公務員・地方公務員ともに定年が段階的に引き上げられています。
| 実施年度 | 定年年齢 | 備考 |
|---|---|---|
| 〜2022年度 | 60歳 | 従来 |
| 2023年度 | 61歳 | 延長開始 |
| 2025年度 | 62歳 | 2026年5月現在 |
| 2027年度 | 63歳 | 次の引き上げ |
| 2029年度 | 64歳 | |
| 2031年度 | 65歳 | 完全実施 |
定年延長に伴い「管理監督職勤務上限年齢制(役職定年)」も導入されており、管理職(課長補佐級以上等)は60歳到達後の最初の4月1日に非管理職へ異動します。異動後の俸給月額は従前の70%水準に設定されます。
iDeCo10年ルール(2026年1月施行)と公務員退職金
2026年1月1日から「退職所得控除の重複利用制限」が5年ルールから10年ルールに変更されました。公務員の退職金受け取りタイミングに直接影響します。
改正後(10年ルール・2026年1月〜):iDeCo一時金受け取りから10年以上空けないと、退職所得控除の重複利用が制限される
- 先にiDeCoを受け取り、10年後に退職金を受け取る → 退職所得控除を重複利用可能
- 先に退職金を受け取り、iDeCoを後で受け取る → 20年以上の間隔が必要(19年ルール)
- 10年以内に両方受け取る → 退職所得控除を合算した上で重複分を調整(税負担増)
公務員は退職金が大きいため、iDeCoの受け取り順序・時期の設計が税負担に大きく影響します。退職5〜10年前からFPや税理士への相談をおすすめします。
退職金・iDeCo・在職老齢年金のトリプル最適化
定年延長時代の公務員は「退職金・iDeCo・在職老齢年金」の3つを組み合わせた出口設計が重要です。2026年10月から在職老齢年金の支給停止基準が65万円に引き上げ(2026年改正案)される見通しで、公務員の退職後収入設計の幅が広がります。
| ケース | 退職金受取 | iDeCo受取 | 在職老齢年金 | 税負担 |
|---|---|---|---|---|
| A: 60歳iDeCo→65歳退職金 | 65歳定年 | 60歳 | 60〜65歳で活用 | 要確認(5年間隔) |
| B: iDeCoを年金形式で受取 | 65歳定年 | 年金(分割) | 柔軟に活用可 | 10年ルール回避 |
| C: 65歳退職金→75歳iDeCo(19年ルール対策) | 65歳定年 | 75歳以降 | — | 重複制限なし |
在職老齢年金の詳細シミュレーションは在職老齢年金65万円改正シミュレーターをご活用ください。また特別支給老齢厚生年金の受給可否の確認は特別支給老齢厚生年金ページをご覧ください。
公務員退職金 勤続年数別 手取り試算(俸給40万円の場合)
| 勤続年数 | 定年退職金 | 退職所得控除 | 手取り概算 |
|---|---|---|---|
| 20年 | 約1,080万円 | 800万円 | 約1,052万円 |
| 25年 | 約1,328万円 | 1,150万円 | 約1,312万円 |
| 35年 | 約1,984万円 | 1,850万円 | 約1,968万円 |
| 40年 | 約1,984万円 | 2,200万円 | 約1,984万円(全額手取り) |
※ 俸給月額40万円・定年退職の場合の試算。調整額・功績加算金は含まず。支給率は上限49.59ヶ月で頭打ち。
国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき」職種別の詳細計算ページ
以下のページでは職種特有の俸給表・手当を考慮した詳細な退職金計算ができます。
よくある質問
公務員の退職金の計算方法は?
「退職時の俸給月額 × 退職理由別支給率(国家公務員退職手当法6条)× 調整率 + 調整額」が基本式です。定年退職の場合、勤続35年以上で支給率は最大約49.59ヶ月分となります。
国家公務員と地方公務員の退職金の違いは?
国家公務員は国家公務員退職手当法が直接適用されます。地方公務員は各自治体の条例が適用されますが、多くは国の基準に準拠しています。地域手当・調整額は自治体によって異なる場合があります。
公務員が自己都合で辞めると退職金はどうなる?
自己都合退職は定年退職より支給率が低くなります。勤続35年の場合、定年退職の約49.59ヶ月に対し自己都合は約36.1ヶ月程度(概算)となり、約27%の差があります。
地方公務員の退職金も同じ計算方法ですか?
基本的な計算構造は国の基準に準じますが、支給率・調整率は各自治体の条例によって若干異なります。詳細は所属する自治体の人事・給与担当部署にご確認ください。
公務員の退職金にも税金がかかりますか?
民間と同じ退職所得として所得税・住民税が課税されます。退職所得控除(勤続年数×40万円等)が適用されるため、長期勤続者の実質税負担は軽くなります。勤続35年の場合の控除額は1,850万円です。
公務員の定年退職はいつになりますか?(2026年現在)
2026年5月現在の定年は62歳です(2025年度から適用)。2023年度から2年ごとに1歳ずつ引き上げられており、2031年度に65歳定年となります。2027年度からは63歳が定年になります。
定年延長で退職金はどう変わりますか?
60歳以降も勤続することで支給率は上がりますが、管理職は60歳で役職定年となり俸給が70%水準に下がります。「ピーク時特例」により60歳時点の俸給月額を基礎に計算する経過措置があります。詳細は定年65歳退職シミュレーションをご覧ください。
公務員とiDeCoの10年ルールとは何ですか?
2026年1月施行の改正により、iDeCoの一時金受け取り後に退職金を一時金で受け取る場合は10年以上の間隔が必要です(旧:5年)。間隔が10年未満だと退職所得控除の重複が制限されます。受け取り順序と時期の設計が重要です。
勧奨退職の退職金はいくらですか?
勧奨退職は定年退職支給率の約90%水準が目安です。勤続35年の場合、定年の約49.59ヶ月分に対して勧奨退職は約45.5ヶ月分(概算)となります。
公務員の退職金の平均はいくらですか?
2023年度に退職した国家公務員の定年退職平均は約2,150万円(内閣人事局)です。地方公務員の行政職では定年退職で約2,200万円程度が多く、全体平均(自己都合含む)は約910万円となります。
iDeCo10年ルール(2026年改正)と公務員退職金の最適な受け取り順は?
最適解はケースによって異なりますが、「iDeCoを年金(分割受取)形式にして10年ルールを回避する」方法が多くの公務員に有効です。退職金を先に受け取ってからiDeCoを後で受け取る場合は20年以上の間隔が必要(19年ルール)になるため注意が必要です。退職5年前までにFPへの相談をおすすめします。
調整額はどのように計算しますか?
在職期間中の各月について、役職区分(第1〜11号)ごとの調整月額を算出し、金額が多い順に60月分を合計した額が調整額です(国家公務員退職手当法第6条の2)。第1号(事務次官・局長等)の調整月額が最高で約78,750円となります。勤続9年以下の自己都合退職者には調整額が支給されません。
早期退職募集制度(公務員)を使うとどれだけ得ですか?
45歳以上・勤続20年以上の要件を満たす職員が「定年前早期退職特例措置」の対象となります。退職日の俸給月額に「3% × 定年年齢までの残年数」が割増加算されます。50歳で退職(定年60歳まで10年)の場合は+30%となり、俸給40万円が実質52万円相当で計算されます(国家公務員退職手当法第8条の2)。
退職金にかかる所得税・住民税の計算方法は?
退職金は退職所得として課税されます。退職所得控除(勤続20年以下:40万円×年数、20年超:800万円+70万円×超過年数)を差し引いた額の1/2が課税退職所得となり、そこに累進税率(5〜45%)を適用します。住民税は課税退職所得の10%です。勤続35年の控除額は1,850万円で、退職金2,000万円以下ならほぼ非課税となります(国税庁No.1420)。
公務員退職金は確定拠出年金にできますか?iDeCo併用は?
公務員の退職手当(退職金)は確定拠出年金とは別の制度です。ただし公務員はiDeCoに加入でき、月額最大12,000円(2024年12月時点)を拠出できます。退職金・iDeCo・年金払い退職給付を組み合わせて老後資金を設計することが重要です。
警察官・教員の退職金は一般公務員と違いますか?
計算方法は同じですが、適用される俸給表が異なります。警察官は公安職俸給表(一)、教員は教育職俸給表(一)が適用されます。一般行政職俸給表より俸給水準が高い場合があり、退職金も大きくなります。詳細は警察官退職金計算・教員退職金計算をご覧ください。
関連ツール・関連ページ
本ツールは国家公務員退職手当法の支給率を参考にした概算計算です。地方公務員は各自治体条例により異なります。iDeCo10年ルールの適用は個別の受け取り状況により変わります。調整額区分表の月額は公開資料を参考にした目安値であり、実際の金額は所属機関の給与規定によります。実際の退職手当は所属機関の人事・給与担当部署にご確認ください。