退職金一時金・年金受取シミュレーション(無料)
退職金の受取方法(一時金・年金・半々)ごとの税額と手取り額を自動比較。公務員退職手当の俸給×支給率計算・退職所得控除・2分の1課税・公的年金等控除を適用して最も手取りが多い方法を判定します。
退職金の受取方法(一時金・年金・分割)を比較して手取りを最大化したい方向け。公務員の方は下部の「公務員退職手当」セクションで俸給×支給率の計算式を確認できます。
会社から提示された退職金総額(税引前)を入力してください。
1年未満は切り上げ(端数は1年として計算)。退職所得控除額の算出に使用します。
公的年金等控除の計算(65歳以上か否か)に使用します。
年金受取時の公的年金・給与・その他所得の合計(年額)。総合課税の税率計算に影響します。
| 受取方法 | 税額合計 | 手取り総額 |
|---|---|---|
| 一時金全額 | — | — |
| 年金全額 | — | — |
| 半々受取 | — | — |
※ 所得税(復興特別所得税2.1%含む)のみの概算です。住民税(約10%)は含みません。年金受取は受取期間全体の累計税額・手取り総額で比較しています。
退職金の受取方法と税制の違い
退職金の受取方法によって適用される税制が大きく異なります。手取り額を最大化するには、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
| 受取方法 | 税区分 | 主な控除 |
|---|---|---|
| 一時金受取 | 退職所得(分離課税) | 退職所得控除+2分の1課税 |
| 年金受取 | 雑所得(総合課税) | 公的年金等控除 |
| 半々受取 | 両方の税制を適用 | それぞれの控除を按分適用 |
退職所得控除額の早見表
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 10年 | 400万円 |
| 20年 | 800万円 |
| 25年 | 1,150万円 |
| 30年 | 1,500万円 |
| 35年 | 1,850万円 |
| 40年 | 2,200万円 |
※ 勤続20年以下:40万円×年数(最低80万円)、20年超:800万円+70万円×(年数−20年)
【2026年1月改正】iDeCo・企業型DCの10年ルール
iDeCoや企業型DC(確定拠出年金)の一時金と会社の退職金をずらして受け取る際の調整期間が変わっています。
| 受取順序 | 改正前(〜2025年末) | 改正後(2026年1月〜) |
|---|---|---|
| DC一時金を先に受取 → 退職金を後で受取 | 5年以上空ければ調整なし | 10年以上空ければ調整なし |
| 退職金を先に受取 → DC一時金を後で受取 | 15年以上空ければ調整なし | 20年以上空ければ調整なし |
※ 調整期間内に受け取ると、勤続年数の重複分について退職所得控除が減額される場合があります。詳細は税理士または国税庁に確認してください。
公務員退職金(退職手当)の特例と計算式
公務員の退職金は「退職手当」と呼ばれ、国家公務員退職手当法(または各自治体の条例)に基づいて支給額が厳密に定められています。民間企業のような会社規程ではなく、俸給月額・勤続年数・退職理由の3要素で金額が決まるのが特徴です。
退職手当 = 退職日の俸給月額 × 支給率(勤続年数・退職理由別) + 調整額
| 勤続年数 | 自己都合 | 勧奨退職 | 定年退職 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 5.022倍 | 14.062倍 | 10.044倍 |
| 20年 | 19.6695倍 | 34.4216倍 | 24.586倍 |
| 25年 | 29.6892倍 | 48.4172倍 | 34.5837倍 |
| 30年 | 41.34倍 | 49.59倍(上限) | 47.7099倍 |
| 35年以上 | 47.709〜49.59倍 | 49.59倍(上限) | 49.59倍(上限) |
※ 国家公務員退職手当法第6条に基づく支給率(概算)。勤続年数の端数は国家公務員では1年未満切り捨て、地方公務員は自治体条例により異なります。
国家公務員の退職手当:俸給表別の特徴
国家公務員の退職手当は国家公務員退職手当法に厳密に準拠します。俸給表の区分(行政職・公安職・教育職等)によって基本の俸給月額が異なるため、同じ勤続年数でも実際の退職手当額に差が生まれます。
| 俸給表区分 | 対象職員の例 | 俸給水準の傾向 |
|---|---|---|
| 行政職俸給表(一) | 一般行政職(本省・出先機関) | 標準 |
| 公安職俸給表(一) | 警察庁・海上保安庁職員 | やや高め |
| 教育職俸給表 | 国立大学法人等の教員 | やや高め |
| 医療職俸給表 | 国立病院機構等の医師・看護師 | 高め |
| 税務職俸給表 | 国税庁・税務署職員 | やや高め |
国家公務員には定年前早期退職募集制度もあります。勤続20年以上かつ定年年齢から15年を引いた年齢以上の職員が対象で、退職手当の算定基礎となる俸給月額に「1+(3%×定年までの残年数)」を乗じた割増が適用されます。残り10年で定年退職する場合、俸給月額が実質30%増で計算されるため、早期退職でも退職手当を大きく増やせる可能性があります。
- 2023年度の国家公務員(常勤職員)定年退職者の平均退職手当:約2,112万円(内閣人事局発表)
- 自己都合退職の平均:約275万円(定年退職との差が大きい)
- 勤続年数が1年未満の端数は切り捨て(地方公務員と異なる点)
地方公務員の退職手当:自治体条例による違い
地方公務員の退職手当は、各自治体が国家公務員退職手当法を参考に定めた条例によって計算されます。基本的な支給率は国家公務員と同水準ですが、地域手当率・自治体規模・条例の細部によって実際の受取額に差が生じます。
| 自治体区分 | 地域手当率(目安) | 退職手当水準の傾向 |
|---|---|---|
| 東京都・東京23区 | 20% | 高い(俸給月額が大きい) |
| 大阪市・横浜市 | 16% | やや高い |
| 名古屋市・京都市 | 15% | やや高い |
| 中核市・一般市 | 3〜12% | 標準 |
| 郡部・町村 | 0〜3% | やや低い |
地方公務員の退職手当で注意すべき主なポイントは以下のとおりです。
- 勤続年数の端数処理:自治体によっては6ヶ月未満を切り捨て・6ヶ月以上を切り上げる条例もあります(国家公務員は1年未満切り捨て)
- 地域手当の影響:地域手当は俸給月額に上乗せされるため、東京都職員の退職手当は地方市町村職員より数百万円単位で多くなるケースがあります
- 2023年度の地方公務員定年退職者の平均退職手当:国家公務員とほぼ同水準か、やや高い傾向(自治体により差あり)
- 早期退職制度:国家公務員の早期退職募集制度と同様の仕組みを条例で定めている自治体が多い
計算式
// 一時金受取の税額計算 退職所得控除 = 勤続20年以下: 40万円 × 勤続年数(最低80万円) 勤続20年超: 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20) 課税退職所得 = (退職金 - 退職所得控除) × 1/2 所得税 = 課税退職所得 × 税率 - 控除額(超過累進課税) 復興特別所得税 = 所得税 × 2.1% // 公務員退職手当の基本計算(国家公務員退職手当法第6条準拠) 退職手当 = 俸給月額 × 支給率(勤続年数・退職理由別) + 調整額 調整額 = 在職期間中の各月の職員区分別調整月額のうち高い順に60月分の合計 // 年金受取の公的年金等控除(65歳未満・年金収入のみの場合) 収入130万円未満: 全額控除 収入130万円以上: 収入 × 25% + 27.5万円(上限) // 年金受取の公的年金等控除(65歳以上・年金収入のみの場合) 収入110万円未満: 全額控除(年110万円まで非課税) 収入110万円以上: 収入 × 25% + 27.5万円 等(段階的) // 手取り 一時金手取り = 退職金 - 所得税 - 復興特別所得税 年金手取り = 各年の受取額 - 各年の税額(受取期間累計)
使い方(3ステップ)
- 退職金総額・勤続年数・年齢を入力:退職所得控除と公的年金等控除の計算に使われます。公務員の方は俸給月額×支給率で算出した退職手当額を入力してください。
- 受取方法と年金受取期間を選択:一時金全額・年金全額・半々から選択します。
- 3方式の税額・手取りを比較して選択:推奨受取方法と差額が表示されます。
よくある質問
退職金は一時金と年金受取でどちらが得ですか?
結論:勤続年数が長い(特に30年超)ほど退職所得控除が大きく、一時金受取が有利になりやすいです。ただし退職後の所得状況・他の年金収入・税率によって異なります。本ツールで実際に試算して比較してください。
退職所得控除とは何ですか?
結論:退職金に課税する際に差し引ける控除額です。勤続20年以下は40万円×年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(年数−20)です。30年勤続なら1,500万円の控除が受けられます。
退職所得控除はいくらですか?
結論:勤続20年以下は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)で計算します。例:勤続20年で800万円、勤続30年で1,500万円、勤続40年で2,200万円が控除されます。
退職金を年金で受け取ると確定申告が必要ですか?
結論:年金受取は雑所得(総合課税)となり、公的年金や給与等と合算して確定申告が必要な場合があります。一時金受取は分離課税のため、退職所得の受給に関する申告書を提出すれば通常は確定申告不要です。
退職金の1/2課税とは何ですか?
結論:退職金から退職所得控除額を引いた残りの「1/2のみ」が所得税の対象(課税退職所得)となる仕組みです。例:退職金2,000万円・控除1,500万円なら、課税対象は (2,000-1,500)×1/2 = 250万円のみとなり、同額の給与所得より税負担が大幅に軽くなります。
退職金の2分の1課税とは何ですか?
結論:一時金受取の場合、退職所得控除後の残額の「2分の1」に対して税率を適用する仕組みです。実質的な税負担が半減される優遇措置です。ただし役員等で勤続5年以下の場合は適用が制限されます。
役員退職金は1/2課税の対象になりますか?
結論:勤続5年以下の役員等が受け取る退職金は1/2課税が不適用となります(短期退職手当等)。一般従業員でも勤続5年以下で控除超過分が300万円を超える場合、超過部分には1/2課税が適用されません(2022年改正)。
iDeCoの一時金と会社の退職金は合算されますか?
同一年に受け取る場合、iDeCoの一時金と会社の退職金は合算して退職所得控除を計算します。2026年1月の改正により、受給のずらし期間ルールが5年から10年に延長されました。iDeCo一時金を先に受け取った場合、10年以上空けてから退職金を受け取ると、それぞれ別々に退職所得控除を使える場合があります。詳細は税理士にご相談ください。
iDeCoと退職金は10年以上ずらせばよいですか?
結論:2026年1月の改正で「5年ルール」が「10年ルール」に延長されました。iDeCo一時金を先に受け取った後、10年以上空けて退職金を受け取ると、それぞれ別枠で退職所得控除をフル活用できます。逆順(退職金が先・DCが後)の場合は20年以上空ける必要があります(改正前は15年)。
公務員退職手当の計算式は民間と何が違いますか?
結論:公務員退職手当は「俸給月額×支給率+調整額」という固定の計算式です。支給率は国家公務員退職手当法で勤続年数・退職理由ごとに定められており、定年退職・勤続35年以上の上限は49.59倍です。民間は会社規程によるため比較できません。退職所得控除・2分の1課税の税計算は民間と同じルールが適用されます。
退職金を年金受取するメリットは何ですか?
結論:65歳以上は年110万円までの公的年金等控除が毎年適用されるため、他の所得が少ない場合は年金受取の方が手取りが多くなる可能性があります。また企業年金の利率(多くは1.5〜2%)で運用されるため、長期的な資産形成効果もメリットです。本ツールで具体的な手取り額を比較してください。
関連ツール
本ツールの計算結果は所得税・復興特別所得税の概算値です。住民税(約10%)・社会保険料・iDeCoとの合算影響は含みません。2026年1月施行の10年ルール等、税制改正の影響は個別状況によって大きく異なります。公務員退職手当の支給率は国家公務員退職手当法・各自治体条例を参考にした概算であり、実際の金額は所属機関・自治体の計算を確認してください。実際の税額は税理士または最寄りの税務署にご確認ください。