退職金計算ツール(エクセル不要)
基本給連動型・ポイント制・別テーブル方式の3方式に対応。勤続年数と基本給を入力するだけで退職金の概算・退職所得控除・税額を即時計算。ExcelのVLOOKUP・IF関数は不要です。
こんな方向け:退職前に自分の退職金を試算したい方、人事担当者が退職金規程をExcelで管理している方、退職金のExcel関数の書き方を知りたい方、iDeCo受取との組み合わせ節税を考えている方
計算方式を選択
支給率は就業規則により異なります。ここでは一般的な目安値を使用。
役員等として在職期間が5年以下の場合はチェックしてください。国税庁No.2725に基づき1/2圧縮を適用しません。
計算結果
退職金の3つの計算方式とExcel関数(VLOOKUP・IF・MIN・MAX)の使い方
退職金の計算方式によって、Excelで管理する場合に使う関数が異なります。それぞれの方式と、対応するExcel関数の書き方を解説します。
1. 基本給連動型
退職時の基本給に、勤続年数・退職事由に応じた支給率を掛け合わせて算出する方式です。
計算式:基本給 × 支給率(勤続年数別)× 退職事由係数
- 支給率テーブル参照:
=VLOOKUP(勤続年数, 支給率テーブル, 2, TRUE) - 退職事由別の支給率調整:
=IF(退職事由="自己都合", VLOOKUP結果*0.7, VLOOKUP結果) - 退職金合計:
=基本給*VLOOKUP結果*退職事由係数
VLOOKUPの第4引数にTRUEを指定することで「以下」の近似値マッチができ、勤続年数テーブルの参照に使えます。
2. ポイント制
在職中に毎年ポイントを付与(職能等級・役職・勤続年数に応じる)し、退職時の累計ポイント×単価で計算します。
計算式:累計ポイント × ポイント単価(円)
- 等級別ポイント参照:
=VLOOKUP(等級, 等級ポイントテーブル, 2, FALSE) - 年度別ポイント累計:
=SUMIF(年度列, "<=退職年度", ポイント列) - 退職金合計:
=累計ポイント * ポイント単価
VLOOKUPの第4引数にFALSEを指定することで等級コードの完全一致検索ができます。
3. 別テーブル方式
勤続年数と職位グレードに応じた支給金額を、退職金規程テーブルから直接参照する方式です。
計算式:テーブル金額(勤続年数・グレードで決まる)× 退職事由係数
- 2次元テーブル参照(INDEX+MATCH):
=INDEX(金額テーブル, MATCH(勤続年数,年数行,0), MATCH(グレード,グレード列,0)) - 代替(VLOOKUP + 列指定):
=VLOOKUP(勤続年数, テーブル, グレード列番号, TRUE) - 退職金合計:
=INDEX結果 * 退職事由係数
行=勤続年数・列=グレードの2次元テーブルにはINDEX+MATCHの組み合わせが最も柔軟です。
勤続年数別 退職金支給率の目安(基本給連動型)
出典:厚生労働省「就労条件総合調査」をもとに一般的な目安値を掲載。実際の支給率は就業規則をご確認ください。
| 勤続年数 | 定年退職 | 会社都合 | 自己都合 |
|---|---|---|---|
| 3年 | 3.0ヶ月分 | 3.0ヶ月分 | 1.5ヶ月分 |
| 5年 | 5.5ヶ月分 | 5.5ヶ月分 | 3.0ヶ月分 |
| 10年 | 14.0ヶ月分 | 14.0ヶ月分 | 8.0ヶ月分 |
| 15年 | 23.0ヶ月分 | 23.0ヶ月分 | 15.0ヶ月分 |
| 20年 | 34.0ヶ月分 | 34.0ヶ月分 | 23.0ヶ月分 |
| 25年 | 44.0ヶ月分 | 44.0ヶ月分 | 31.0ヶ月分 |
| 30年以上(定年) | 50.0ヶ月分 | 50.0ヶ月分 | 35.0ヶ月分 |
退職所得控除の自動計算式(ExcelのIF・MAX関数対応)
退職金は「退職所得」として分離課税されます。退職所得控除が適用されるため、給与所得より有利な税制です。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | Excelでの計算式(A1=勤続年数) |
|---|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) | =MAX(400000*A1, 800000) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) | =8000000+700000*(A1-20) |
=IF(A1<=20, MAX(400000*A1, 800000), 8000000+700000*(A1-20)) 課税退職所得(1/2前):=MAX(0, 退職金-上記控除額) 課税退職所得(1/2後):=MAX(0, 退職金-控除額)*0.5
課税退職所得 = (退職金 − 退職所得控除)× 1/2 に対して所得税・住民税が課税されます。
役員等で勤続5年以下の場合は1/2の圧縮が適用されません(国税庁No.2725)。上のツールで「役員等で勤続5年以下」にチェックすると対応した計算が行われます。
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得控除) 国税庁 No.2725 役員等が退職金を受け取ったとき(1/2課税の特例)iDeCo10年ルール(2026年1月改正)と退職金受取の注意点
退職金とiDeCo(個人型確定拠出年金)の一時金を両方受け取る場合、2026年1月から退職所得控除の重複利用制限が強化されました。
| 受け取りの順序 | 2025年12月まで | 2026年1月以降 |
|---|---|---|
| 退職金 → iDeCo(退職金を先に受取) | 退職翌年以後5年超で控除フル活用可 | 退職翌年以後19年超で控除フル活用可(特例継続) |
| iDeCo → 退職金(iDeCoを先に受取) | iDeCo受取後5年超で控除フル活用可 | iDeCo受取後10年超で控除フル活用可(5→10年に延長) |
| iDeCoのみ | 影響なし | 影響なし |
実務上のポイント:iDeCoを先に受け取る方は「受取から10年後に退職金」を意識した時期設計が節税の鍵です。退職金を先に受け取る場合は従来どおりの19年ルール(特例)が継続します。
freee「退職所得控除の見直し・iDeCo10年ルール解説」よくある質問
退職金の計算方式はどれが一般的ですか?
結論:厚生労働省「就労条件総合調査」によると、最も多いのはポイント制(勤続・職能ポイントの積み上げ)、次いで基本給連動型(退職時の基本給×支給率)、別テーブル方式(勤続年数ごとに金額を規定)の順です。
退職金計算でExcelのVLOOKUP関数を使う場面は?
結論:別テーブル方式では勤続年数ごとの支給率テーブルを=VLOOKUP(勤続年数,支給率テーブル,2,TRUE)で検索するのが一般的です。ポイント制ではSUMIFやVLOOKUPを組み合わせてポイントを管理します。計算ナビのツールではVLOOKUP不要でブラウザ上で自動計算できます。
退職所得控除の計算式はExcelでどう書きますか?
結論:=IF(A1<=20, MAX(400000*A1,800000), 8000000+700000*(A1-20))(A1=勤続年数)。20年以下は40万×勤続年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年)です(国税庁No.1420)。
退職金は自己都合と会社都合で変わりますか?
結論:多くの企業規程では自己都合退職の場合、会社都合退職より支給率を低く設定しています。勤続3〜5年では50〜60%程度まで減額されるケースもあります。就業規則の退職金規程をご確認ください。
役員の退職金に1/2課税は適用されますか?
結論:役員等としての勤続年数が5年以下の場合、1/2課税が適用されません(2012年改正・国税庁No.2725)。(退職金−退職所得控除)の全額が課税退職所得になります。勤続6年以上の役員は通常の1/2課税が適用されます。
iDeCoと退職金を両方受け取る際の10年ルールとは?
結論:2026年1月改正により、iDeCo一時金を先に受け取った後、10年以内に退職金を受け取ると退職所得控除が重複利用できなくなりました(旧5年→新10年に延長)。受け取りの順序と間隔の設計が節税の鍵です。
退職金にかかる税金はどうやって計算しますか?
結論:①退職所得控除を計算→②(退職金-控除額)×1/2=課税退職所得(役員5年以下は1/2なし)→③所得税率(5〜45%)を適用→④×1.021(復興特別所得税)→⑤課税退職所得×10%(住民税)を加算。上のツールで自動計算できます。
退職金は確定申告が必要ですか?
結論:退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出すれば、源泉徴収のみで原則として確定申告不要です(国税庁)。申告書を提出しなかった場合は20.42%の源泉徴収がかかり、確定申告で精算が必要になります。
ExcelとブラウザツールのどちらがVLOOKUP関数なしで退職金を計算できますか?
結論:このページのブラウザツールならVLOOKUPやIF関数の入力不要で退職金の概算が計算できます。Excelテンプレートは自社規程に合わせた細かいカスタマイズが可能ですが関数の設定に手間がかかります。簡易試算はブラウザツール、就業規則への組み込みはExcelと使い分けるのが実用的です。
ポイント制退職金のExcel管理方法は?
結論:毎年の等級・役職に応じたポイントをExcelシートの行で管理し、=SUMIFで累計を算出します。VLOOKUP関数で等級テーブルからポイント付与数を自動参照する設計が一般的です。ポイント単価×累計ポイントが退職金総額になります。
退職金の見込額を将来シミュレーションするには?
結論:現在の基本給・昇給率・定年年齢から定年時の退職金見込額を試算するには、退職金見込額計算ツールをご利用ください。基本給の昇給を加味した長期シミュレーションが可能です。
関連ツール・ページ
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得控除) 国税庁 No.2725 役員等の退職金(1/2課税の適用除外) 厚生労働省「就労条件総合調査」(退職金制度の実態) Microsoft Excel VLOOKUP関数 公式ヘルプ freee「iDeCo10年ルール・退職所得控除の見直し解説」本ツールは目安計算です。実際の退職金額・税額は就業規則・退職金規程・税理士にご確認ください。支給率・ポイント単価は企業により大きく異なります。iDeCo10年ルールの詳細は最新の国税庁情報をご確認ください。