退職金の所得税計算ツール(退職所得控除・分離課税対応)
退職金額と勤続年数を入力するだけで、退職所得控除・退職所得・所得税・住民税・手取り退職金を自動計算。勤続年数の端数処理も自動対応します。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 適用計算式 |
|---|---|---|
| 5年 | 200万円 | 40万×5年 |
| 10年 | 400万円 | 40万×10年 |
| 20年 | 800万円 | 40万×20年 |
| 30年 | 1,500万円 | 800万+70万×10年 |
| 40年 | 2,200万円 | 800万+70万×20年 |
計算式と仕組み
// Step 1: 勤続年数の端数処理(6ヶ月超→切り上げ) 端数月 ≤ 6ヶ月: そのまま(切り捨て) 端数月 > 6ヶ月: 1年追加(切り上げ) // Step 2: 退職所得控除 勤続20年以下: 40万円 × 勤続年数(最低80万円) 勤続21年以上: 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年) // Step 3: 退職所得 一般社員: (退職金 - 退職所得控除) ÷ 2 役員5年以内: (退職金 - 退職所得控除) ※÷2しない(1/2課税不適用) // Step 4: 所得税(超過累進課税) 退職所得に195万〜4,000万円超の7段階税率を適用 × 1.021(復興特別所得税) // Step 5: 住民税 退職所得 × 10%(特別徴収)
使い方(3ステップ)
- 退職金額・勤続年数・端数月・役員区分を入力する
- 退職所得控除額と退職所得を確認する
- 所得税・住民税・手取り退職金を確認して受け取り計画を立てる
退職金が税制上有利な理由
退職金は通常の給与所得と異なり、分離課税(他の所得と合算しない)で計算されます。さらに退職所得控除と2分の1課税という2つの優遇があるため、同額の給与収入と比べると大幅に税負担が少なくなります。
- 分離課税:給与・事業所得と合算せず、退職金だけで税率計算
- 退職所得控除:勤続年数に応じた大きな非課税枠(勤続30年で1,500万円)
- 1/2課税:控除後の残額をさらに半額にして課税(役員5年以内は不適用)
2025年度税制改正の動向:勤続20年超の部分の控除額増加(70万円/年)を廃止・均一化する改正が議論されていますが、2026年5月時点では従来通りの計算方式が適用されています。受け取り前に最新情報をご確認ください。
2026年施行:iDeCo/DC 10年ルール改正(重要)
2026年1月施行の税制改正により、退職所得控除の調整ルールが「5年ルール」から「10年ルール」に延長されました。
| 項目 | 旧ルール(〜2025年) | 新ルール(2026年〜) |
|---|---|---|
| 調整対象期間 | 前年以前4年以内(5年) | 前年以前9年以内(10年) |
| 影響を受けるケース | 60歳DC→64歳以内の退職金 | 60歳DC→69歳以内の退職金 |
| 満額控除の条件 | 5年以上の間隔 | 10年以上の間隔 |
注意:60歳でiDeCoやDCを一時金で受け取り、65〜70歳未満で退職金を受け取る場合、退職所得控除が減額される可能性があります。受給計画を立てる際は税理士にご相談ください。
退職所得の申告方法
「退職所得の受給に関する申告書」を退職前に会社に提出することで、会社が正確な源泉徴収を行い、確定申告が原則不要になります。申告書を未提出の場合は一律20.42%が源泉徴収されますが、確定申告で精算できます。
よくある質問
退職金の所得税はどうやって計算する?
結論:①退職所得控除(40万円×年数または800万円+70万円×超過年数)を計算、②(退職金−控除)÷2で退職所得を算出(役員5年以内は÷2なし)、③超過累進税率で所得税を計算、④復興税(×1.021)を加算します。
勤続年数が長いほど退職所得控除が増える仕組みは?
結論:勤続20年以下は40万円×年数、21年以上は800万円+70万円×(年数−20)です。勤続30年なら1,500万円、40年なら2,200万円が非課税になります。
勤続年数の端数(6ヶ月)はどう扱う?
結論:1〜6ヶ月は切り捨て、7〜11ヶ月は切り上げ(1年追加)として計算します。本ツールで端数月を入力すれば自動処理されます。
役員退職金の所得税計算が一般社員と違うのはなぜ?
結論:役員で勤続5年以内の場合、退職所得の2分の1課税の特例が適用されません。(退職金−退職所得控除)の全額が退職所得となるため、税負担が増加します。勤続5年超の役員は一般社員と同様です。
退職金と確定申告の関係は?申告が必要な場合は?
結論:「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出した場合は確定申告不要です。未提出の場合は一律20.42%源泉徴収され、確定申告で精算できます。医療費控除等がある場合は確定申告する方が有利なことがあります。
2026年からiDeCoと退職金の受け取りで何が変わった?
結論:2026年1月施行の改正で、退職所得控除の調整期間が「5年」から「10年」に延長されました。iDeCo/DCを先に受け取った後、10年以内に退職金を受け取ると控除が減額されます。満額控除を受けるには10年以上の間隔が必要です。
退職金の住民税はどう計算する?
結論:退職所得(控除後の1/2額)に一律10%を乗じた金額です。退職時に特別徴収(一括源泉徴収)されるため、翌年の住民税には加算されません。詳しくは退職金の住民税計算をご参照ください。
関連ツール
参考公的ソース
本ツールは概算計算です。実際の税額は社会保険料・源泉徴収の申告状況・他の所得との関係等により異なります。退職金受け取り前に会社の担当部署または税理士にご相談ください。