退職金 住民税 計算ツール
退職金を入力するだけで住民税・所得税・手取り額を自動計算します。退職所得は分離課税(住民税10%)で、退職時に会社が源泉徴収するため原則として確定申告は不要です。
※ 税引前の支給総額を入力
※ 1〜45年で入力。1年未満の端数は1年に切り上げて数えます(例: 10年2か月 → 11年)
※ 所得税には復興特別所得税(2.1%)を含みます。住民税は課税退職所得 × 10%(市町村民税6%+道府県民税4%、それぞれ100円未満切り捨て)で計算。課税退職所得は1,000円未満を切り捨てます。退職金にかかる税金の全体・退職所得控除の早見表は下にあります。
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退職金にかかる税金(所得税・復興特別所得税・住民税)
退職金は「退職所得」として、給与など他の所得と合算せずに税額を計算する分離課税です。退職金から退職所得控除を引き、その残りの2分の1が課税される金額(課税退職所得金額)になります(国税庁 No.1420・所得税法第30条)。この金額に、所得税・復興特別所得税と住民税がかかります。
| 税金 | 税率 | 納め方 |
|---|---|---|
| 所得税 | 5%〜45%の累進(速算表) | 退職金の支払時に会社が源泉徴収 |
| 復興特別所得税 | 所得税額の2.1%(速算表は×102.1%) | 所得税と一緒に源泉徴収 |
| 住民税 | 一律10%(市町村民税6%+道府県民税4%) | 退職金の支払時に会社が特別徴収 |
所得税の速算表(課税退職所得金額ごとの税率)は次のとおりです。税額は「(課税退職所得金額×税率−控除額)×102.1%」で、1円未満は切り捨てます。
| 課税退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超 〜 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超 〜 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超 〜 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超 〜 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超 〜 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
計算式と仕組み
住民税は課税退職所得金額の一律10%(市町村民税6%+道府県民税4%)です。課税退職所得金額は1,000円未満を切り捨て、住民税は市町村民税・道府県民税のそれぞれで100円未満を切り捨てます(総務省)。
①退職所得控除額
勤続20年以下: 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
勤続20年超: 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20)
※勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げ
②課税退職所得金額(1,000円未満切り捨て)
一般: (退職金 − 退職所得控除額) × 1/2
特定役員退職手当等(役員等勤続年数5年以下):
退職金 − 退職所得控除額(2分の1なし)
短期退職手当等(役員以外で勤続年数5年以下):
差額(退職金 − 控除額)が300万円以下 → 差額 × 1/2
差額が300万円超 → 150万円 + (差額 − 300万円)
③住民税
課税退職所得金額 × 10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
④所得税・復興特別所得税
(課税退職所得金額 × 税率 − 控除額) × 102.1%(1円未満切り捨て) 国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収 総務省「平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税の特別徴収について」 退職所得控除の早見表(勤続年数別)
退職金が下の金額以内なら、課税退職所得金額が0円になり、所得税も住民税もかかりません。勤続20年以下は1年あたり40万円(最低80万円)、20年を超えた分は1年あたり70万円です。表は計算ロジックから生成しています。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 計算 |
|---|---|---|
| 1年 | 80万円 | 40万円×年数が80万円に満たないため80万円 |
| 2年 | 80万円 | 40万円×2年 |
| 3年 | 120万円 | 40万円×3年 |
| 5年 | 200万円 | 40万円×5年 |
| 10年 | 400万円 | 40万円×10年 |
| 15年 | 600万円 | 40万円×15年 |
| 20年 | 800万円 | 40万円×20年 |
| 25年 | 1,150万円 | 800万円+70万円×(25−20)年 |
| 30年 | 1,500万円 | 800万円+70万円×(30−20)年 |
| 35年 | 1,850万円 | 800万円+70万円×(35−20)年 |
| 38年 | 2,060万円 | 800万円+70万円×(38−20)年 |
| 40年 | 2,200万円 | 800万円+70万円×(40−20)年 |
| 45年 | 2,550万円 | 800万円+70万円×(45−20)年 |
障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、控除額に100万円が加わります。前年以前に退職金を受け取っている場合や、同じ年に2か所以上から受け取る場合は、控除額の計算が異なることがあります(国税庁 No.1420)。
退職金の税金の早見表(退職金額×勤続年数)
役員ではない人が、勤続6年以上で退職したときの所得税・復興特別所得税と住民税の合計です(一般退職手当等)。表は計算ロジックから生成した概算で、控除は退職所得控除のみで計算しています。
| 退職金 | 勤続10年 | 勤続20年 | 勤続30年 | 勤続38年 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 506,752円 | 151,050円 | 0円(非課税) | 0円(非課税) |
| 1,500万円 | 1,236,622円 | 628,222円 | 0円(非課税) | 0円(非課税) |
| 2,000万円 | 2,029,284円 | 1,388,722円 | 405,702円 | 0円(非課税) |
| 3,000万円 | 4,111,834円 | 3,237,974円 | 1,861,869円 | 993,262円 |
| 5,000万円 | 8,838,484円 | 7,821,684円 | 6,078,019円 | 4,854,615円 |
退職金の税金の計算例
例1: 退職金2,300万円・勤続30年(一般退職)(国税庁 No.2732 の計算例と同じ条件です)
- 退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (30 − 20) = 1,500万円
- 課税退職所得金額 = (2,300万円 − 1,500万円) × 1/2 = 400万円
- 所得税・復興特別所得税 = (400万円 × 20% − 427,500円) × 102.1% = 380,322円(1円未満切り捨て)
- 住民税 = 400万円 × 10% = 400,000円(市町村民税240,000円+道府県民税160,000円)
- 税金の合計 = 780,322円、手取り = 22,219,678円
例2: 退職金1,000万円・勤続3年(役員でない人・短期退職手当等)
- 退職所得控除 = 40万円 × 3 = 120万円(差額 880万円)
- 差額が300万円を超えるので、課税退職所得金額 = 150万円 + (880万円 − 300万円) = 730万円(すべて2分の1にした場合は440万円)
- 所得税・復興特別所得税 1,064,903円、住民税 730,000円、合計 1,794,903円
例3: 退職金1,000万円・勤続3年(役員・特定役員退職手当等)
- 退職所得控除 = 120万円、課税退職所得金額 = 1,000万円 − 120万円 = 880万円(2分の1なし)
- 所得税・復興特別所得税 1,417,148円、住民税 880,000円、合計 2,297,148円
役員・勤続5年以下は2分の1課税が使えない(特定役員退職手当等・短期退職手当等)
- 特定役員退職手当等: 役員等としての勤続年数(役員等勤続年数)が5年以下の人が受け取る、その期間に対応する退職金。退職金から退職所得控除を引いた額がそのまま課税退職所得金額になり、2分の1計算はありません。「役員等」には、法人の取締役・監査役などのほか、国会議員・地方議員、国家公務員・地方公務員も含まれます。
- 短期退職手当等(令和4年1月1日以後の支払分): 役員等以外として勤務した期間の勤続年数が5年以下の人の退職金。退職金から退職所得控除を引いた額のうち、300万円を超える部分には2分の1計算がありません。
このツールは「役員」を選んだ場合に勤続全体が役員等だったものとして、勤続5年以下を特定役員退職手当等、「一般社員」を選んだ場合に勤続5年以下を短期退職手当等として計算します。役員の期間と従業員の期間が混ざる場合や、同じ年に複数の退職金がある場合は、計算が異なります(国税庁 No.2741)。
国税庁 No.1420(注1・注2) 横浜市「退職所得に対する市民税・県民税」(住民税側の短期退職手当等)退職時の特別徴収・確定申告の要否
退職所得の住民税は、退職の際に会社が一括で源泉徴収(特別徴収)します。これは給与から毎月差し引かれる通常の住民税とは別の仕組みです。
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合:退職時の源泉徴収・特別徴収で課税が完結し、原則として確定申告は不要です。
- 申告書を提出しなかった場合:退職金の支払金額の20.42%(所得税および復興特別所得税)が源泉徴収され、確定申告で精算します。
- 同一年に複数の退職所得がある場合:確定申告が必要になるケースがあります。
住民税の特別徴収は退職した年(現年分離課税)に行われ、翌年6月からの住民税(普通徴収)とは別枠で処理されます。
使い方(HowTo)
- 退職金額と勤続年数を入力: 税引前の支給額(万円)と勤続年数(年)を入力します。一般社員か役員かも選択します。
- 退職所得控除と退職所得を確認: 勤続年数に応じた控除額と、課税対象となる退職所得が自動計算されます。
- 住民税・所得税・手取り額を確認: 住民税(10%)・所得税(累進+復興税)・手取り退職金・手取り率が一覧で表示されます。
よくある質問
退職金にかかる税金はいくら?
結論:退職金から退職所得控除を引き、残りの2分の1に所得税・復興特別所得税と住民税がかかります。例えば退職金2,300万円・勤続30年の場合、退職所得控除は1,500万円、課税退職所得金額は400万円、所得税・復興特別所得税は380,322円、住民税は400,000円(市町村民税240,000円+道府県民税160,000円)で、合計780,322円、手取りは22,219,678円です。
退職金の住民税はいつ納める?特別徴収の仕組みは?
結論:退職金の住民税は、退職時に会社が支払の際に差し引いて納めるため、自分で納付する必要はありません(原則)。退職した年に分離課税として課税され、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、退職時の源泉徴収・特別徴収で課税が完結します。翌年6月から始まる通常の住民税(給与から天引き分)とは別の処理です。
退職金で確定申告が必要なケースは?
結論:「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、原則として確定申告は不要です。申告書を提出しなかった場合は、退職金の支払金額の20.42%(所得税および復興特別所得税)が源泉徴収されるため、確定申告で精算します(国税庁 No.1420・No.2732)。また、同じ年に2か所以上から退職金を受け取った場合や、医療費控除などのために確定申告をする場合は、退職所得の金額も申告書に記載します。
退職金5,000万円の税金はいくら?
結論:勤続30年・一般退職の場合、所得税・復興特別所得税が4,328,019円、住民税が1,750,000円で、合計6,078,019円、手取りは43,921,981円です。退職所得控除は1,500万円、課税退職所得金額は(5,000万円−1,500万円)×1/2=1,750万円です。
役員や勤続5年以下の場合、2分の1課税は使えない?
結論:役員等としての勤続年数が5年以下の「特定役員退職手当等」は、2分の1計算の適用がありません。役員以外でも、勤続年数5年以下の「短期退職手当等」は、退職金から退職所得控除を引いた額のうち300万円を超える部分に2分の1計算が使えません(令和4年1月1日以後の支払分・所得税法第30条)。例えば勤続3年・退職金1,000万円の場合、役員でない人の課税退職所得金額は730万円(全額2分の1とした場合の440万円より増える)、役員の人は880万円(2分の1なし)です。
勤続年数が長いほど税金が少ない理由は?
結論:退職所得控除額が勤続年数に応じて増え、さらに控除後の額を2分の1にするためです。勤続20年以下は40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)で、勤続10年は400万円、勤続30年は1,500万円、勤続40年は2,200万円です。
退職金と退職一時金の違いは?
結論:「退職金」と「退職一時金」はほぼ同じ意味で使われ、どちらも税務上は「退職所得」として分離課税されます。一方、企業年金などで分割して受け取る年金は「雑所得」として総合課税される点が異なります。
関連ツール
本ツールは国税庁の退職所得の源泉徴収税額の速算表と退職所得控除の計算に基づく概算です。同じ年に複数の退職金がある場合・過去4〜19年以内に退職金を受け取っている場合の控除の調整・障害退職の優遇措置・役員期間と従業員期間が混在する場合・iDeCoとの控除重複等は計算に含まれません。実際の納税額は税理士または税務署にご確認ください。