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役員退職金 計算ツール(功績倍率法)

最終月額報酬・在任年数・役職を入力するだけで役員退職慰労金の適正額・損金算入限度・税金・手取りを自動計算します。株主総会決議・議事録・損金算入要件も解説。

こんな方向け:中小企業・同族会社の役員(社長・専務・常務・取締役・監査役)が退職する際の退職金を事前に試算したい方、税理士への相談前に概算を把握したい方、M&A・事業承継で退職金設計が必要な方

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万円/月

退職直前の役員報酬月額を入力してください。退職直前に急増させると過大認定リスクあり。

役員就任から退任までの年数(端数は切り上げ)。5年以下は短期退職・1/2課税なし。

役職に応じた功績倍率の目安(同業他社の実情に合わせて調整してください)

死亡退職は相続税扱い(退職所得でなく非課税枠500万円×法定相続人)。障害退職は控除額に100万円加算。

役員退職金の功績倍率法とは

役員退職慰労金の適正額を算定する最も一般的な方法が功績倍率法です。計算式は以下のとおりです。

役員退職慰労金 = 最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率

この計算式は国税庁も「相当な退職金」の判断基準として参照しており、税務調査でも広く使われています。

国税庁 役員の退職金の損金算入時期(No.5208)

役職別 功績倍率の目安

役職 功績倍率(目安) 備考
代表取締役社長 3.0倍 最高責任者・経営全般
専務取締役 2.4倍 社長補佐・主要部門統括
常務取締役 2.2倍 日常業務の執行役員
平取締役 1.8倍 取締役(業務執行)
監査役 1.6倍 業務・会計監査

※ 上記はあくまで目安です。中小企業庁・業界団体調査では社長の平均功績倍率は約2.04倍という調査結果もあります。実際の功績倍率は同業・同規模他社の支給実績を参考に設定します。税理士への確認を強く推奨します。

国税庁 法人税基本通達9-2-7(功績倍率の根拠)

損金算入の要件と過大役員退職金リスク

役員退職金の損金算入が認められるためには、以下の3つの要件を全て満たす必要があります。

損金算入の3要件(チェックリスト)
  • 株主総会の決議(または定款・退職慰労金規程の規定)に基づいていること
  • 議事録の作成・保存(退職金の金額・支給時期・支給方法を明記)
  • 適正額であること(不相当に高額でないこと):法人税法第34条2項・施行令70条2号

「不相当に高額」と判定された場合、超過部分は損金算入できません(役員賞与扱い)。主な否認リスク事例は以下のとおりです。

国税庁 No.5208 役員の退職金の損金算入時期(損金算入要件) 国税不服審判所 役員退職給与に関する公表裁決事例

勤続5年以下の短期退職所得に注意(特定役員退職手当等)

役員の在任年数が5年以下の場合、退職所得控除後の金額は通常の1/2を乗じる特例が適用されません(特定役員退職手当等・短期退職所得)。このため税負担が大幅に増加します。

在任年数 退職所得控除額 1/2課税 区分
5年以下 40万円 × 年数 なし 短期退職(特定役員)
10年 400万円 あり 通常
20年 800万円 あり 通常
30年 1,500万円 あり 通常
40年 2,200万円 あり 通常
国税庁 No.2737 短期退職手当等(特定役員退職手当等・5年以下の特例)

退職所得控除の計算式

退職所得控除は在任年数が長いほど大きくなる優遇措置です。役員退職金の節税効果は長期在任で最大化されます。

退職所得控除の計算式
在任20年以下:40万円 × 在任年数(最低80万円)
在任20年超:800万円 + 70万円 × (在任年数 ― 20年)

課税退職所得(5年超の場合):(退職金 ― 控除額)× 1/2
課税退職所得(5年以下の場合):退職金 ― 控除額(1/2なし)
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得控除の根拠)

【2026年1月改正】iDeCo 10年ルールと役員退職金の関係

2026年1月1日から「5年ルール」が「10年ルール」に延長されました。
iDeCoや企業型DC(確定拠出年金)の一時金と役員退職金をずらして受け取る際のルールが変更されています。
受取順序 改正前(〜2025年末) 改正後(2026年1月〜)
iDeCo一時金を先 → 退職金を後 5年以上空ければ別枠 10年以上空ければ別枠
退職金を先 → iDeCo一時金を後 15年以上空ければ別枠 20年以上空ければ別枠

※ 役員もiDeCoに加入可能(企業型DC未加入の場合、掛金上限は月2.3万円)。退職金と合わせた控除活用を検討してください。

役員退職金の準備方法(法人保険の活用)

役員退職金の原資として法人保険(逓増定期保険等)を活用する企業は多くあります。在任中に法人が保険料を支払い、退職時に解約返戻金を退職金に充てる方法です。

2019年税制改正後の損金算入ルール(現行)
  • 最高解約返戻率70%以下:保険料の全額損金算入が可能(例:定期保険・終身タイプの一部)
  • 最高解約返戻率70%超〜85%以下:前払期間中は支払保険料の40%を資産計上、残り60%を損金算入
  • 最高解約返戻率85%超〜:前払期間中は支払保険料の最大10%のみ損金算入、残りは資産計上
  • 前払期間経過後:資産計上累積額を期間按分で取り崩し損金算入

法人保険の活用は計画的な退職金準備手段として有効ですが、保険会社・税理士と最新ルールを確認のうえ設計してください。

よくある質問

役員退職金の功績倍率法とは?

結論:「最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率」で役員退職慰労金の適正額を算定する方法です。国税庁が参照する方式で、超過部分は損金不算入になるリスクがあります。功績倍率の目安は社長3.0倍、専務2.4倍、常務2.2倍、平取1.8倍、監査役1.6倍です。

功績倍率の相場は?

結論:社長3.0倍・専務2.4倍・常務2.2倍・平取締役1.8倍・監査役1.6倍が国税庁通達(法人税基本通達9-2-7)で参照される一般的な目安です。実際の倍率は同業・同規模の他社支給実績との比較で判定されます。中小企業の実態調査では社長の平均功績倍率は約2.04倍という報告もあります。

役員退職金の損金算入要件は?

結論:①株主総会の決議(または定款・退職慰労金規程に基づくこと)②議事録の作成保存③「不相当に高額でない」適正額であることの3要件が必要です(法人税法第34条2項・施行令70条2号)。事前に税理士への確認が不可欠です。

国税庁 No.5208 役員の退職金の損金算入時期(損金算入要件)

役員退職金が過大と判断されるとどうなる?

結論:超過部分は法人側で損金算入できず(役員賞与扱い)、役員側でも給与所得扱いとなり退職所得の1/2課税優遇が失われます。退職直前に報酬月額を極端に増額している場合や、功績倍率が同業他社の水準から著しく高い場合は税務調査で否認されるリスクが高まります。

役員在任年数5年以下の場合の注意点は?

結論:在任5年以下は「特定役員退職手当等(短期退職所得)」として1/2課税の特例が適用されません。退職所得控除後の全額に税率が乗るため税負担が大幅に増加します。設立間もない法人の役員退任は特に注意が必要です。

短期退職(5年以下)の特例とは?

結論:役員の在任年数が5年以下の場合、退職所得控除後の金額に通常の「1/2」が適用されず全額課税となります。2022年度改正で役員等に明確化されており、在任が短い役員の退職金設計は税負担が大きくなるため特に注意が必要です。

役員退職金の退職所得控除はどう計算する?

結論:在任年数が20年以下は「40万円 × 年数」(最低80万円)、20年超は「800万円 + 70万円 × (年数-20)」です。在任30年なら1,500万円、40年なら2,200万円の控除が適用されます。

2027年に役員退職金の税制改正はある?

結論:令和7年度(2025年度)改正で退職金課税制度の見直しは「見送り」が確定しました。令和8年度(2026年度)改正で再議論の可能性はありますが、現時点では現行制度が維持されています。設計を大きく変える必要はありません。

役員退職金の準備方法(法人保険)は?

結論:法人保険の解約返戻金を退職金原資に充てる方法が一般的です。2019年税制改正後は最高解約返戻率に応じた損金算入割合が設定されています(85%超は資産計上割合が高い)。保険会社・税理士と最新ルールを確認のうえ設計してください。

iDeCoの一時金と役員退職金は合算されますか?

結論:同一年に受け取る場合は合算して退職所得控除を計算します。2026年1月の改正でiDeCo一時金を先に受け取った後は10年以上空けて退職金を受け取ると、それぞれ別枠で退職所得控除をフル活用できます(改正前は5年ルール)。

役員退職金の支払い方法と分割払いは認められますか?

結論:分割払いは可能ですが、税務上「退職所得」ではなく「給与所得」として扱われる可能性があります。一括払いが退職所得として認められやすく、税負担の観点からも有利です。分割払いを検討する場合は事前に税理士に確認してください。

関連ツール・内部リンク

計算ナビ 編集部|最終更新: 2026年5月10日| 参考: 国税庁「No.5208 役員の退職金の損金算入時期」法人税基本通達9-2-7国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき」国税庁「No.2737 短期退職手当等」国税不服審判所「役員退職給与の裁決事例」
免責事項
本ツールは国税庁の退職所得速算表・功績倍率の目安に基づく概算計算です。実際の損金算入判定・税額は会社の規模・業種・役員の具体的な貢献度等によって異なります。正式な退職金設計・株主総会対応は必ず税理士にご相談ください。