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年収の壁2026年版|103万から178万円への改正・106万の壁撤廃 完全ガイド

最終更新: 2026年9月1日(国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」2026-08-31確認 / 令和7年法律第74号 2026-08-26確認)

訂正のお知らせ(2026-08-31)
本ページは以前「178万円は成立しなかった政治目標値」と記載していましたが、これは誤りでした。 令和8年度税制改正は成立し、令和8年分(2026年分)以後の所得税に178万円の壁が適用されています。 誤記の原因は、令和7年度改正時点のまま更新されていない国税庁タックスアンサー(No.1199・No.1410)だけを根拠にしたことです。 現在は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」および財務省「令和8年度税制改正の大綱」で全数値を突合しています。
このページでわかること
  • 所得税の年収の壁:103万 → 160万(令和7年分)→ 178万円(令和8・9年分) → 168万円(令和10年分以後)
  • 106万円の壁(月収賃金要件):2026年10月に撤廃予定(令和7年法律第74号)
  • 130万円の壁(被扶養ライン)・個人住民税の壁は変更なし
  • 扶養に入れる側の所得上限は 給与123万円 → 136万円 に拡大(令和8年分〜)
  • 各壁の手取りへの影響・計算ツールへの導線

令和8年分(2026年分)から、所得税がかかり始める「年収の壁」は178万円になりました。 令和6年分以前の103万円 → 令和7年分の160万円 → 令和8・9年分の178万円と、2段階で引き上げられたものです。 さらに106万円の壁(月収8.8万円の賃金要件)2026年10月に撤廃される予定です(施行期日は法律の公布から3年以内で政令で定める日)。 このページでは手取りへの影響・扶養への影響・他の壁との関係を、公式一次ソースで整理します。

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2026年の「年収の壁」改正まとめ(結論ファースト)

壁の種類 施行時期 変更内容 根拠
所得税の壁 178万円 令和8年分〜(2026年1月〜) 160万円 → 178万円(令和6年分以前は103万円) 令和8年度税制改正
扶養親族等の所得要件 令和8年分〜(2026年1月〜) 合計所得58万→62万円以下(給与123万→136万円 令和8年度税制改正
106万円の壁 撤廃 2026年10月〜(施行期日は政令で定める日) 月収8.8万円要件が撤廃。週20時間以上で加入必須に 令和7年法律第74号
住民税の壁 変更なし 110万円(自治体差あり)。住民税の基礎控除43万円は据え置き
130万円の壁 変更なし 130万円のまま(被扶養ライン)

改正1: 所得税の年収の壁が178万円に(令和8年分〜)

所得税の計算で差し引かれる「基礎控除」と「給与所得控除」が、令和7年度改正・令和8年度改正の2段階で引き上げられたためです。 壁の額は「その年に得た所得の年(年分)」で決まるので、下表のように3段階で動きます。

控除の種類令和6年分以前令和7年分令和8・9年分令和10年分以後
基礎控除(最大)48万円95万円
(合計所得132万円以下)
104万円
(合計所得489万円以下)
99万円
(合計所得132万円以下)
給与所得控除(最低保障額)55万円65万円
(給与収入190万円以下)
74万円
(給与収入220万円以下)
69万円
(給与収入 約203万円以下)
所得税の年収の壁103万円160万円178万円168万円
令和10年分に168万円へ下がるのはなぜ?
178万円のうち、給与所得控除の特例5万円と基礎控除の加算42万円は令和8年分・令和9年分限りの措置だからです。 令和10年分以後は給与所得控除が本則69万円、基礎控除の加算が37万円(合計所得132万円以下)となり、壁は168万円になります。増税ではなく「2年間の上乗せが終わる」という意味です。

手取りはどう変わる?(年分ごとの所得税 比較表)

所得税の変化による手取りへの影響を年収別に示します。社会保険料・住民税は含まない、所得税単体の概算値です (復興特別所得税2.1%込み・扶養なし単身・社会保険料控除なしで、本サイトの計算ライブラリで算出)。

年収 令和6年分以前 令和7年分 令和8・9年分 差額(令和6年分以前→令和8年分)
103万円 0円 0円 0円 ±0円
120万円 約8,700円 0円 0円 ▲8,700円
150万円 約24,000円 0円 0円 ▲24,000円
160万円 約29,100円 0円 0円 ▲29,100円
178万円 約35,100円 約9,200円 0円 ▲35,100円
200万円 約42,900円 約18,900円 約11,200円 ▲31,700円
上記は所得税のみの概算値です(個人差あり)。社会保険料・住民税の変化は含みません。 実際には社会保険料控除も所得から差し引けるため、社会保険に加入している方の所得税はこれより少なくなります (中小企業・扶養なしの前提では、所得税が実際に発生し始めるのはおよそ年収209万円)。差額は年末調整・確定申告で精算されます。

改正2: 106万円の壁 月収賃金要件が2026年10月に撤廃

先行優位トピック:改正法は成立済み(施行期日は政令で定める日)
令和7年法律第74号(社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律)に基づき、 月収8.8万円以上という賃金要件は2026年10月に撤廃される予定です(施行期日は法律の公布から3年以内で政令で定める日)(厚生労働省 2026-08-26確認)。
撤廃の背景

最低賃金が全国平均で1,000円を超えた現在、週20時間勤務だけで月収8.8万円を自動的に超えるケースが増えています。 賃金要件が事実上「形骸化」したことが撤廃の主因です。 厚生労働省は新たに約200万人が社会保険加入対象となると試算しています。

撤廃後の加入要件(2026年10月〜)
要件変更
企業規模:従業員51人以上維持(2027年10月以降に段階的縮小予定)
月収:8.8万円以上撤廃(2026年10月〜)
週所定労働時間:20時間以上維持
雇用期間:2ヶ月超の見込み維持
学生除外維持
撤廃後の手取りへの影響

撤廃後に新たに社会保険加入となるパート・アルバイトは、 健康保険料+厚生年金保険料(本人負担)として年間約15〜16万円の保険料負担が発生します(年収106万円の場合・概算)。 手取りが一時的に減る「逆転現象」を避けるには、年収124万円以上を目安に稼ぐことが有効です。

状況 手取りの変化
月収8.8万円未満・撤廃前(2026年9月末まで) 社保なし→手取りほぼ全額
月収8.8万円未満・撤廃後(2026年10月〜)に週20時間以上勤務 新たに社保加入→手取り減(年間15〜16万円)
年収124万円以上になれば 手取り逆転現象が解消

社会保険加入には「将来の厚生年金増加(年間5〜6万円増・65歳から終身)」「傷病手当金・出産手当金」というメリットもあります。 詳しくは106万円の壁 詳細ガイドをご覧ください。

扶養への影響

控除額は変わらないが「扶養に入れる収入の上限」は上がった

控除額自体は変わりません。変わるのは「本人がいくらまで稼いでも所得税がゼロか」という上限ラインと、 「扶養される側がいくらまで稼いでも扶養に入れるか」という所得要件です。

  • 扶養控除: 38万円(変更なし)
  • 配偶者控除: 38万円(変更なし)
  • 特定扶養控除(19〜22歳): 63万円(変更なし)

一方、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は令和8年分から引き上げられました

要件令和7年分令和8年分以後
扶養親族・同一生計配偶者の合計所得58万円以下
(給与収入123万円)
62万円以下
(給与収入136万円
勤労学生控除の合計所得85万円以下
(給与収入150万円)
89万円以下
(給与収入163万円
配偶者特別控除の対象となる合計所得58万円超133万円以下62万円超133万円以下

※ 配偶者特別控除額・特定親族特別控除額の段階表そのものは合計所得ベースなので改正されていません。動くのは給与収入への換算だけです。

年収の壁の種類と改正後の変化一覧
壁の種類 制度 令和6年分まで 令和7年分〜 / 2026年10月〜
所得税の壁 所得税 103万円 令和7年分 160万円(65万+95万)
令和8・9年分 178万円(74万+104万)
令和10年分以後 168万円(69万+99万)
住民税の壁 個人住民税 110万円(自治体差あり) 変更なし(住民税の基礎控除43万円は据え置き)
106万円の壁 社会保険(大企業) 月収8.8万円以上 2026年10月に月収要件撤廃(週20時間以上で加入必須)
130万円の壁 社会保険(一般) 130万円 変更なし
130万円の壁は別の問題として残ります
所得税の壁が178万円になり、106万円の月収要件が撤廃されても、 社会保険の被扶養ライン(130万円)はそのままです。 年収130万円を超えると配偶者の扶養から外れ、自分で健康保険・年金に加入する必要があります。 手取りへの影響は所得税より社会保険料のほうが大きいので、実務上は130万円の壁のほうが重要です。

令和8年11月までの毎月の手取りは変わらない

令和8年度税制改正は成立・適用されていますが、国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」は 令和8年11月までの給与等および公的年金等の源泉徴収事務に変更は生じませんと明記しています。 毎月の給与から引かれる源泉徴収税額は当面そのままで、差額は令和8年12月の年末調整(または確定申告)で精算されます。

年税額そのものは令和8年分から新しい基準(基礎控除104万円・給与所得控除74万円・壁178万円)で計算されます。 「毎月の手取りが増えていないから改正されていない」というのは誤解です。

よくある質問

2026年から年収の壁はどう変わりましたか?

所得税の年収の壁が178万円になりました(令和8年分〜)。令和6年分以前の103万円、令和7年分の160万円から2段階で引き上げられたものです。 さらに106万円の壁(月収8.8万円の賃金要件)2026年10月に撤廃される予定です(施行期日は法律の公布から3年以内で政令で定める日)(令和7年法律第74号)。 個人住民税や130万円の壁(被扶養)は変わっていません。

106万円の壁はいつ撤廃されますか?

根拠法は令和7年法律第74号です。2026年10月に撤廃される予定です(施行期日は法律の公布から3年以内で政令で定める日とされています)。 月収8.8万円以上という賃金要件が削除され、週20時間以上・雇用2ヶ月超・学生除外・51人以上企業という要件を満たす方は、収入額にかかわらず社会保険加入が必要になります。 詳しくは106万円の壁 詳細ガイドをご覧ください。

178万円の壁は成立したのですか?

成立しています。令和8年度税制改正により、基礎控除の最大額が104万円・給与所得控除の最低保障額が74万円となり、合計178万円が所得税のかからない給与年収の上限になりました。適用は令和8年分(2026年分)以後です。 詳しくは178万円の壁とは(令和8年分以後の所得税の壁)をご覧ください。

178万円まで稼いでも税金はゼロになる?

所得税はゼロになります(令和8年分)。ただし個人住民税は年収110万円超から課税され(自治体差あり)、社会保険料も106万円または130万円から発生します。「178万円まで税金ゼロ」は所得税のみの話です。

改正はいつの所得から適用されますか?

178万円の壁は令和8年分(2026年1月1日以降に得た所得)から適用されています。令和7年分は160万円、令和6年分以前は103万円でした。 なお令和8年11月までの源泉徴収事務に変更はなく、差額は令和8年12月の年末調整または確定申告で精算されます。

社会保険の130万円の壁は変わりますか?

130万円の壁は変更なしです。所得税の壁(178万円)と社会保険の壁(130万円)は別制度です。

扶養に入れる収入の上限も変わりましたか?

変わりました。扶養親族・同一生計配偶者の合計所得要件が58万円以下から62万円以下になり、給与収入に換算すると123万円から136万円に拡大しました(令和8年分〜)。 勤労学生控除も合計所得85万円以下から89万円以下(給与収入150万円→163万円)になっています。

扶養控除・配偶者控除の金額も変わりますか?

結論:控除額自体は変わりません。扶養控除38万円、配偶者控除38万円、特定扶養控除63万円などは据え置きです。ただし「扶養に入れる側の所得の上限」は令和8年分から引き上げられました。同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額要件は58万円以下から62万円以下になり、給与収入に換算すると123万円から136万円になります。勤労学生控除の所得要件も合計所得85万円以下から89万円以下(給与収入150万円から163万円)に引き上げられています。

公式ソース

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本ページの留意点
本ページの数値は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」・財務省「令和8年度税制改正の大綱」(いずれも2026-08-31確認)・国税庁No.2260・令和7年法律第74号(2026-08-26確認)に基づく概算です。 なお国税庁タックスアンサー No.1199・No.1410 は確認時点で令和7年度改正時点の内容のままだったため、所得税の中核数値の根拠には使用していません。 実際の税額・保険料は所得控除・標準報酬月額・保険者の状況によって異なります。 個別の税務判断・申告については税理士または最寄りの税務署に、社会保険については年金事務所にご相談ください。