年収の壁2026年版|103万から160万円への改正・106万の壁撤廃 完全ガイド
最終更新: 2026年5月27日(国税庁No.1199・No.1410 2026-05-27確認 / 令和6年法律第52号 2026-05-27確認)
旧版では「非課税ラインが178万円に引き上げ」と記載していましたが、実際に成立したのは160万円の壁です。178万円は成立しなかった政治目標値です(国税庁No.1199・No.1410)。
このページでわかること
- 所得税の非課税ライン:103万円から160万円に拡大(令和7年分〜)
- 106万円の壁(月収賃金要件):2026年10月に撤廃予定(令和6年法律第52号)
- 130万円の壁(被扶養ライン)・住民税の壁は変更なし
- 各壁の手取りへの影響・計算ツールへの導線
令和7年分(2025年)から、所得税がかかり始める「年収の壁」が103万円から160万円に拡大されました。 さらに2026年10月には106万円の壁(月収8.8万円の賃金要件)も撤廃予定です。 このページでは手取りへの影響・扶養への影響・他の壁との関係を、公式一次ソースで整理します。
2026年の「年収の壁」改正まとめ(結論ファースト)
| 壁の種類 | 施行時期 | 変更内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 所得税の壁 160万円 | 令和7年分〜(2025年1月〜) | 103万円 → 160万円 | 国税庁No.1199・No.1410 |
| 106万円の壁 撤廃 | 2026年10月1日〜 | 月収8.8万円要件が撤廃。週20時間以上で加入必須に | 令和6年法律第52号 |
| 住民税の壁 | 変更なし | 約100〜110万円(自治体による) | — |
| 130万円の壁 | 変更なし | 130万円のまま(被扶養ライン) | — |
改正1: 所得税の非課税ラインが160万円に(令和7年分〜)
所得税の計算で差し引かれる「基礎控除」と「給与所得控除」が引き上げられたためです(国税庁No.1199・No.1410)。
| 控除の種類 | 令和6年分まで(〜2024年) | 令和7年分〜(2025年〜) |
|---|---|---|
| 基礎控除(最大) | 48万円 | 95万円(合計所得132万円以下) |
| 給与所得控除(最低保障額) | 55万円 | 65万円(給与収入190万円以下) |
| 所得税の非課税ライン | 103万円 | 160万円 |
国民民主党は「基礎控除を103万円引き上げて178万円に」と主張しましたが、成立したのは基礎控除の引き上げ幅が小さい「160万円の壁」です。
手取りはどう変わる?(2024年 vs 令和7年分 比較表)
所得税の変化による手取りへの影響を年収別に示します。社会保険料・住民税は含まない、所得税単体の概算値です(国税庁No.1199・No.1410・No.2260に基づく計算)。
| 年収 | 令和6年分(〜2024)所得税 | 令和7年分(2025〜)所得税 | 差額(税負担の減少) |
|---|---|---|---|
| 103万円 | 0円 | 0円 | ±0円 |
| 120万円 | 約8,500円 | 0円 | ▲8,500円 |
| 150万円 | 約24,500円 | 0円 | ▲24,500円 |
| 160万円 | 約29,500円 | 0円 | ▲29,500円 |
| 178万円 | 約37,500円 | 約9,000円 | ▲28,500円 |
| 200万円 | 約64,500円 | 約37,500円 | ▲27,000円 |
改正2: 106万円の壁 月収賃金要件が2026年10月に撤廃
令和6年法律第52号(健康保険法・厚生年金保険法の改正)に基づき、 2026年10月1日から月収8.8万円以上という賃金要件が撤廃されます(厚生労働省 2026-05-27確認)。
撤廃の背景
最低賃金が全国平均で1,000円を超えた現在、週20時間勤務だけで月収8.8万円を自動的に超えるケースが増えています。 賃金要件が事実上「形骸化」したことが撤廃の主因です。 厚生労働省は新たに約200万人が社会保険加入対象となると試算しています。
撤廃後の加入要件(2026年10月〜)
| 要件 | 変更 |
|---|---|
| 企業規模:従業員51人以上 | 維持(2027年10月以降に段階的縮小予定) |
| 月収:8.8万円以上 | 撤廃(2026年10月〜) |
| 週所定労働時間:20時間以上 | 維持 |
| 雇用期間:2ヶ月超の見込み | 維持 |
| 学生除外 | 維持 |
撤廃後の手取りへの影響
撤廃後に新たに社会保険加入となるパート・アルバイトは、 健康保険料+厚生年金保険料(本人負担)として年間約15〜16万円の保険料負担が発生します(年収106万円の場合・概算)。 手取りが一時的に減る「逆転現象」を避けるには、年収124万円以上を目安に稼ぐことが有効です。
| 状況 | 手取りの変化 |
|---|---|
| 月収8.8万円未満・撤廃前(2026年9月末まで) | 社保なし→手取りほぼ全額 |
| 月収8.8万円未満・撤廃後(2026年10月〜)に週20時間以上勤務 | 新たに社保加入→手取り減(年間15〜16万円) |
| 年収124万円以上になれば | 手取り逆転現象が解消 |
社会保険加入には「将来の厚生年金増加(年間5〜6万円増・65歳から終身)」「傷病手当金・出産手当金」というメリットもあります。 詳しくは106万円の壁 詳細ガイドをご覧ください。
扶養への影響
配偶者控除・扶養控除の金額は変わらない
控除額自体は変わりません。変わるのは「いくらまで稼いでも所得税がゼロか」という上限ラインです。
- 扶養控除: 38万円(変更なし)
- 配偶者控除: 38万円(変更なし)
- 特定扶養控除(16〜18歳): 63万円(変更なし)
年収の壁の種類と改正後の変化一覧
| 壁の種類 | 制度 | 令和6年分まで | 令和7年分〜 / 2026年10月〜 |
|---|---|---|---|
| 所得税の壁 | 所得税 | 103万円 | 160万円(65万+95万) |
| 住民税の壁 | 住民税 | 約100〜110万円 | 変更なし |
| 106万円の壁 | 社会保険(大企業) | 月収8.8万円以上 | 2026年10月に月収要件撤廃(週20時間以上で加入必須) |
| 130万円の壁 | 社会保険(一般) | 130万円 | 変更なし |
所得税の壁が160万円になり、106万円の月収要件が撤廃されても、 社会保険の被扶養ライン(130万円)はそのままです。 年収130万円を超えると配偶者の扶養から外れ、自分で健康保険・年金に加入する必要があります。
月次の手取りはすぐには変わらない
令和7年分・令和8年分の制度は既に施行されていますが、毎月の給与の源泉徴収税額表の改訂は2027年1月以降の予定です。2025年・2026年中の手取りは旧税額表のまま引かれ、年末調整で差額が還付されます。
よくある質問
2026年から年収の壁はどう変わりましたか?
所得税の非課税ラインが103万円から160万円に拡大されました(令和7年分〜)。 さらに2026年10月には106万円の壁(月収8.8万円の賃金要件)が撤廃されます(令和6年法律第52号)。 住民税や130万円の壁(被扶養)は変わっていません。
106万円の壁はいつ撤廃されますか?
2026年10月1日から撤廃予定です(令和6年法律第52号・確定)。 月収8.8万円以上という賃金要件が削除され、週20時間以上・雇用2ヶ月超・学生除外・51人以上企業という要件を満たす方は、収入額にかかわらず社会保険加入が必要になります。 詳しくは106万円の壁 詳細ガイドをご覧ください。
178万円の壁は成立したのですか?
成立していません。178万円は国民民主党が掲げた政治目標値です。実際に成立したのは160万円の壁です。詳しくは178万円の壁とは(当初目標・実際は160万円)をご覧ください。
160万円まで稼いでも税金はゼロになる?
所得税はゼロになります。ただし住民税は約110万円から課税されます。「160万円まで税金ゼロ」は所得税のみの話です。
令和7年分の改正はいつから適用されますか?
令和7年分(2025年1月1日以降の所得)から適用されています。毎月の給与への反映は2027年1月以降の予定で、2025・2026年分は年末調整または確定申告で精算されます。
社会保険の130万円の壁は変わりますか?
130万円の壁は変更なしです。所得税の壁(160万円)と社会保険の壁(130万円)は別制度です。
公式ソース
- 国税庁 No.1199 基礎控除(令和7年分以降)
- 国税庁 No.1410 給与所得控除
- 財務省 令和7年度税制改正の大綱
- 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について
- 厚生労働省 「年収の壁」への対応
関連ツール・記事
- ▶ 年収の壁シミュレーター(年収を入力して手取りを計算)
- 106万円の壁 詳細ガイド(2026年10月撤廃・手取り変化)
- 130万円の壁(社会保険・被扶養ライン)
- 160万円・178万円付近の手取り比較シミュレーター
- 大学生の年収の壁シミュレーター
- 178万円の壁とは(当初目標・実際は160万円)
- 103万円の壁とは(2024年以前の旧基準)
- 令和7・8年度税制改正タイムライン
- 2026年 税制・社会保険 制度改正まとめ
- パートの社会保険手続きガイド
本ページの数値は国税庁No.1199・No.1410・No.2260(2026-05-27確認)・令和6年法律第52号(2026-05-27確認)に基づく概算です。 実際の税額・保険料は所得控除・標準報酬月額・保険者の状況によって異なります。 個別の税務判断・申告については税理士または最寄りの税務署に、社会保険については年金事務所にご相談ください。