178万円の壁とは?実際に成立したのは「160万円の壁」
最終更新: 2026年5月26日 / 公開: 2026年4月30日(国税庁No.1199・No.1410 2026-05-26確認)
「178万円の壁」は成立していません。178万円は国民民主党が掲げた政治目標値です。
実際に令和7年度税制改正で成立・施行されたのは「160万円の壁」(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)です。
「178万円の壁」というキーワードは広く報道されました。しかし実際に2025年(令和7年)から施行されているのは「160万円の壁」です。このページでは両者の違いと正確な制度内容を解説します。
1. 178万円の壁とは何だったのか
178万円の壁は、2024年秋ごろから国民民主党が主張した税制改正の目標値です。「基礎控除を現行の48万円から178万円相当まで引き上げる」という政策提言で、計算式は以下のとおりです。
| 項目 | 当時の主張(目標値) | 実際に成立した制度 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 104万円(=178万−74万) | 最大95万円(合計所得132万円以下) |
| 給与所得控除(最低額) | 74万円 | 65万円(給与収入190万円以下) |
| 所得税の非課税ライン | 178万円 | 160万円 |
国民民主党案は与野党協議の過程で縮小され、最終的に令和7年度税制改正大綱(2024年12月成立)では基礎控除の引き上げ幅が小さくなりました。178万円の壁は成立しなかった政治目標値です。
2. 実際に成立した「160万円の壁」の内容
令和7年分(2025年)・令和8年分(2026年)から適用される正式な制度です(国税庁No.1199・No.1410 2026-05-26確認)。
給与所得控除(国税庁No.1410)
| 給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 190万円以下 | 65万円(最低保障額) |
| 190万円超〜360万円以下 | 収入×30%+8万円 |
| 360万円超〜660万円以下 | 収入×20%+44万円 |
| 660万円超〜850万円以下 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
基礎控除(国税庁No.1199・令和7年分・令和8年分)
| 合計所得金額 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円(最大) |
| 132万円超〜336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 58万円 |
| 2,350万円超〜2,400万円以下 | 48万円 |
| 2,400万円超〜2,450万円以下 | 32万円 |
| 2,450万円超〜2,500万円以下 | 16万円 |
| 2,500万円超 | 0円 |
所得税の非課税ライン(給与収入のみの場合)
給与収入160万円以下の方の計算式:
- 給与所得控除:65万円(給与収入190万円以下の最低保障額)
- 給与所得:160万円 − 65万円 = 95万円
- 基礎控除:95万円(合計所得95万円 ≤ 132万円 なので最大額)
- 課税所得:95万円 − 95万円 = 0円 → 所得税ゼロ
給与収入160万円が所得税ゼロの上限です。これが「160万円の壁」の正確な意味です。
給与所得控除65万円(190万円以下の最低保障額)+基礎控除95万円(合計所得132万円以下の最大額)=160万円。どちらの数値も国税庁No.1410・No.1199で確認できる正式な数値です。
3. 2025年以前の制度との比較
| 項目 | 令和6年分まで(〜2024年) | 令和7年分以降(2025年〜) |
|---|---|---|
| 給与所得控除(最低額) | 55万円 | 65万円 |
| 基礎控除(最大) | 48万円 | 95万円 |
| 所得税の非課税ライン | 103万円 | 160万円 |
実際の改正でも非課税ラインは103万円から160万円へ57万円拡大しており、パート・学生アルバイトには大きな恩恵があります。「178万円にはならなかったが、160万円まで拡大した」が正確な理解です。
4. 住民税・社会保険との関係
160万円の壁は所得税のみの話です。住民税・社会保険は別制度で変更されていません。
| 制度 | 壁(2025年〜) | 内容 |
|---|---|---|
| 所得税 | 160万円 | 令和7年分から拡大。非課税ライン |
| 住民税 | 約110万円 | 変更なし。自治体により差あり |
| 社会保険(大企業) | 106万円 | 2026年10月に賃金要件廃止予定 |
| 社会保険(一般) | 130万円 | 変更なし |
| 配偶者控除 | 160万円(満額) | 配偶者特別控除の満額ライン |
所得税が160万円までゼロでも、住民税は約110万円から発生します(自治体差あり)。「160万円まで税金ゼロ」は所得税に限った話です。
5. 源泉徴収への反映時期
令和7年分(2025年)・令和8年分(2026年)の所得税計算には新制度が適用されます。ただし毎月の給与源泉徴収税額表への反映は2027年1月以降の予定です。2025年・2026年中の手取りは旧源泉徴収表のまま引かれ、年末調整で差額が還付されます。
6. 公式ソース・参考資料
よくある質問
関連ページ
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- 103万円の壁とは(2024年以前の旧基準)
- 106万円の壁(社会保険・大企業)
- 130万円の壁(社会保険・一般)
- 2026年税制改正タイムライン
本記事は国税庁No.1199・No.1410(2026-05-26確認)に基づいて作成しています。個別の税務判断・申告については税理士または最寄りの税務署にご相談ください。法令は今後変更される可能性があります。


