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178万円の壁とは?令和8年分(2026年分)から適用される所得税の壁

最終更新: 2026年8月31日 / 公開: 2026年4月30日(国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」2026-08-31確認)

結論:178万円の壁は成立しています
令和8年度税制改正により、所得税がかからない給与年収の上限は178万円になりました(基礎控除 最大104万円+給与所得控除 最低74万円)。
適用されるのは令和8年分(2026年分)以後の所得税です。令和7年分(2025年分)は160万円、令和10年分以後(2028年分〜)は168万円になります。
訂正のお知らせ(2026-08-31)
本ページは以前「178万円の壁は成立しなかった政治目標値である」と記載していましたが、これは誤りでした。 令和8年度税制改正は2026年3月に成立しており、178万円の壁は実在する制度です。 誤記の原因は、令和7年度改正時点のまま更新されていない国税庁タックスアンサー(No.1199・No.1410)だけを根拠にしたことです。 現在は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」および財務省「令和8年度税制改正の大綱」の2つの一次ソースで全数値を突合しています。
このページでわかること
  • 所得税の年収の壁が 103万→160万→178万→168万 と3段階で動く仕組み
  • 令和8・9年分の正確な控除額(基礎控除 最大104万円・給与所得控除 最低74万円)とその内訳
  • 年収178万円で本当に所得税がゼロになるのかの検算
  • 毎月の手取りが令和8年11月まで変わらない理由(年末調整で精算される)

「178万円の壁」というキーワードは2024年の政治報道で広く知られましたが、その後2度の税制改正を経て実際の制度になりました。 ただし壁の額は「その年に得た所得の年(年分)」で決まり、令和7年分は160万円、令和8・9年分は178万円、令和10年分以後は168万円と動きます。 このページでは、いま自分に適用される壁がいくらなのかを年分ごとに整理します。

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1. 所得税の年収の壁は年分ごとに3段階で動く

「178万円の壁」は2024年秋ごろから国民民主党が主張した目標値として知られましたが、令和7年度税制改正令和8年度税制改正の2段階で実際の制度になりました。 現在の壁の額は「その年に得た所得の年(年分)」で決まります。

年分給与所得控除(最低保障)基礎控除(最大)所得税の年収の壁
令和6年分以前(〜2024年分)55万円48万円103万円
令和7年分(2025年分)65万円95万円160万円
令和8・9年分(2026・2027年分)74万円104万円178万円
令和10年分以後(2028年分〜)69万円99万円168万円

2026年中に稼いだ分は「令和8年分」なので、いま適用されているのは178万円の壁です。 令和10年分に168万円へ下がるのは、令和8・9年分限りの特例(給与所得控除の特例5万円と基礎控除の加算42万円)が終了するためで、増税ではなく「2年間の上乗せが終わる」という意味です。

2. 令和8・9年分の「178万円の壁」の内訳

令和8年分(2026年分)以後に適用される正式な制度です。出典は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」(2026-08-31確認)。

給与所得控除(令和8・9年分)

最低保障額は74万円です。内訳は本則69万円+令和8年分・令和9年分限りの特例5万円で、適用範囲は給与収入220万円以下に広がりました(令和7年分は65万円・190万円以下)。

給与等の収入金額給与所得控除額(令和8・9年分)
220万円以下74万円(最低保障額=本則69万+特例5万)
220万円超〜360万円以下収入×30%+8万円
360万円超〜660万円以下収入×20%+44万円
660万円超〜850万円以下収入×10%+110万円
850万円超195万円(上限)

※ 220万円超の段(収入×30%+8万円以降)は令和8年度税制改正で変更されていません。

基礎控除(令和8・9年分)

最大額は104万円です。内訳は所得税法第86条の本則62万円(改正前58万円)+租税特別措置法第41条の16の2による加算42万円で、加算の対象は合計所得金額489万円以下です。

合計所得金額基礎控除額(令和8・9年分)内訳
489万円以下104万円(最大)本則62万+加算42万
489万円超〜655万円以下67万円本則62万+加算5万
655万円超〜2,350万円以下62万円本則のみ
2,350万円超〜2,400万円以下48万円改正なし
2,400万円超〜2,450万円以下32万円改正なし
2,450万円超〜2,500万円以下16万円改正なし
2,500万円超0円改正なし

所得税の非課税ライン(給与収入のみの場合)

給与収入178万円ちょうどの方の計算式:

給与収入178万円が所得税ゼロの上限です。これが令和8年分以後の「178万円の壁」の正確な意味です。

178万円になる理由
給与所得控除74万円(220万円以下の最低保障額)+基礎控除104万円(合計所得489万円以下の最大額)=178万円。 どちらも国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」と財務省「令和8年度税制改正の大綱」の両方で確認できる数値です(2026-08-31確認)。

3. 年分ごとの比較(103万→160万→178万→168万)

項目令和6年分以前令和7年分令和8・9年分令和10年分以後
給与所得控除(最低保障額)55万円65万円74万円69万円
最低保障が効く給与収入162.5万円以下190万円以下220万円以下約203万円以下
基礎控除(最大)48万円95万円104万円99万円
最大額が効く合計所得2,400万円以下132万円以下489万円以下132万円以下
所得税の年収の壁103万円160万円178万円168万円
扶養親族等の所得要件合計所得48万
(給与103万)
合計所得58万
(給与123万)
合計所得62万
(給与136万)
合計所得62万
(給与131万)

令和6年分の103万円から見ると、令和8年分の178万円は75万円の拡大です。パート・学生アルバイトの方が所得税を気にせず働ける範囲は大きく広がりました。

4. 住民税・社会保険との関係

178万円の壁は所得税のみの話です。個人住民税と社会保険は別制度で、令和8年度税制改正では所得税と同じようには動いていません。 とくに住民税の基礎控除43万円は変更されていません

制度壁(令和8年分・2026年)内容
所得税178万円令和8年分から拡大(令和7年分は160万円)
住民税110万円基礎控除43万円は変更なし。均等割の非課税限度額は自治体により差あり
社会保険(大企業)106万円賃金要件は2026年10月に撤廃予定
社会保険(一般)130万円変更なし
扶養(配偶者控除・扶養控除)136万円合計所得62万円以下(令和7年分は給与123万円・合計所得58万円)
注意点:手取りへの影響が大きいのは社会保険
所得税が178万円までゼロでも、住民税は年収110万円超から、社会保険料は106万円または130万円から発生します(自治体・勤務先により差あり)。 「178万円まで何も引かれない」わけではありません。年収130万円を超えて社会保険に加入すると手取りが十数万円単位で下がるため、実務上は所得税より社会保険の壁のほうが影響が大きい点に注意してください。

5. 毎月の手取りが変わるのはいつか

国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」は、令和8年11月までの給与等および公的年金等の源泉徴収事務に変更は生じないと明記しています。 つまり毎月の給与から引かれる源泉徴収税額は当面そのままで、差額は令和8年12月の年末調整(または確定申告)で精算されます。

年税額そのものは令和8年分から新しい基準で正しく計算されます。 「毎月の手取りが増えていないから改正されていない」というのは誤解で、効果は年末調整のタイミングでまとめて反映されます。

6. 公式ソース・参考資料

※ 国税庁タックスアンサー No.1199(基礎控除)・No.1410(給与所得控除)は、確認時点で令和7年度改正時点の内容のままで、令和8年度改正が反映されていませんでした。 本ページはタックスアンサーではなく、上記の改正あらまし・税制改正大綱を一次ソースとしています。

よくある質問

178万円の壁は成立したのですか?
結論:成立しています。
令和8年度税制改正により、所得税がかからない給与年収の上限は178万円(基礎控除 最大104万円+給与所得控除 最低74万円)になりました。適用は令和8年分(2026年分)以後の所得税です。令和7年分(2025年分)は160万円でした。出典は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」および財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2026-08-31確認)です。
所得税の年収の壁は年分ごとにいくらですか?
結論:3段階で動きます。
令和6年分以前は103万円(55万+48万)、令和7年分は160万円(65万+95万)、令和8・9年分は178万円(74万+104万)、令和10年分以後は168万円(69万+99万)です。2026年中に稼いだ分は令和8年分なので178万円が適用されます。いずれも給与収入のみ・社会保険料控除等を考慮しない目安値です。
基礎控除は104万円になったのですか?
結論:なりました(令和8・9年分)。
令和8・9年分の基礎控除の最大額は104万円です。内訳は本則62万円(改正前58万円)+租税特別措置法の加算42万円で、対象は合計所得金額489万円以下。489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円です。なお令和7年分は最大95万円、令和10年分以後は最大99万円(合計所得132万円以下・本則62万+加算37万)になります。
給与所得控除の最低額は74万円になったのですか?
結論:なりました(令和8・9年分)。
給与所得控除の最低保障額は74万円(給与収入220万円以下)です。内訳は本則69万円(改正前65万円)+令和8年・令和9年限りの特例5万円。特例は2年限りのため、令和10年分以後は本則の69万円に戻ります。令和7年分は65万円(給与収入190万円以下)でした。
令和8年分(2026年分)の所得税の非課税ラインは何円ですか?
結論:給与収入のみの場合は178万円です。
給与所得控除74万円+基礎控除104万円=178万円。ただし個人住民税は別制度で、住民税の基礎控除43万円は変更されておらず、住民税は年収110万円超(自治体差あり)からかかります。
年収178万円なら手取りも178万円ですか?
結論:いいえ。所得税はゼロですが、住民税と社会保険料はかかります。
178万円の壁は所得税だけのラインです。年収178万円だと住民税(年収110万円超から発生・自治体差あり)と社会保険料(106万円または130万円から加入)が引かれるため、手取りは178万円より少なくなります。実務上は所得税より社会保険の壁のほうが手取りへの影響が大きいので、実際の金額はシミュレーターで確認してください。
毎月の給与の手取りはいつから増えますか?
結論:令和8年12月の年末調整で精算されます。
国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」は、令和8年11月までの給与等・公的年金等の源泉徴収事務に変更は生じないと明記しています。毎月引かれる額は当面そのままで、差額は年末調整(または確定申告)で精算されます。年税額は令和8年分から新しい基準で正しく計算されるため、「毎月の手取りが変わらない=改正されていない」ではありません。
令和10年分から168万円に下がるのは増税ですか?
結論:2年限りの上乗せが終わるためです。
178万円のうち、給与所得控除の特例5万円と基礎控除の加算42万円は令和8年分・令和9年分限りの措置です。令和10年分以後は給与所得控除が本則69万円、基礎控除の加算が37万円(合計所得132万円以下)となり、壁は168万円になります。それでも令和6年分の103万円・令和7年分の160万円より高い水準です。

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本記事の留意点
本記事は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」および財務省「令和8年度税制改正の大綱」(いずれも2026-08-31確認)に基づいて作成しています。個別の税務判断・申告については税理士または最寄りの税務署にご相談ください。法令は今後変更される可能性があります。