iDeCo+退職金 同時受取シミュレーター
3パターン(iDeCo先・退職金先・同年一括)の手取りを並べて比較。2026年1月施行の9年ルール(前年以前4年→9年)を正確に反映した、競合にない3パターン比較ツール。
2026年5月26日 時点の情報こんな方向け:iDeCoと退職金を両方受け取る予定の方・受取順序・タイミングで税負担を最小にしたい方・2026年改正で何が変わったか知りたい方
※ 本ツールは概算計算ツールです。個人の状況(役員特例・前年の退職一時金等)により実際の税額は異なります。 監修なし・一般情報として提供しています。具体的な試算は税理士にご相談ください。
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参考: iDeCo年金受取の試算(任意)
2026年1月施行「9年ルール(10年ルール)」の全体像
2026年1月1日から、iDeCo一時金と退職金を両方受け取る際の退職所得控除の通算規定が変わりました。知らずに受け取ると数十万〜100万円超の税負担増になるリスクがあります。
| 受取順序 | 2025年12月まで | 2026年1月以降 |
|---|---|---|
| iDeCo先→退職金後 | 前年以前4年以内で通算 | 前年以前9年以内で通算(延長) |
| 退職金先→iDeCo後 | 前年以前19年以内で通算 | 前年以前19年以内(変更なし) |
- 「前年以前9年以内」= 受取翌年から9年間(実務上10年以内)が通算対象
- この期間を超えた(11年目以降に受取)場合は通算不要 → 各々フルの控除が使える
- 同年受取(パターンC)は合算額に1回分の控除のみ → 最も税負担が重い
3パターンの仕組みと選び方
退職金とiDeCo一時金の受取方法によって、退職所得控除の適用がまったく異なります。以下の3パターンの仕組みを理解した上で、本ツールで実際の数字を確認してください。
パターンA: iDeCo一時金を先に受取 → 10年超後に退職金(推奨)
| 仕組み | iDeCoの退職所得控除(加入年数ベース)と退職金の退職所得控除(勤続年数ベース)を独立して適用 |
| 条件 | iDeCo受取の翌年から9年を超えて(10年以上後に)退職金を受け取る |
| 節税メリット | 控除を2回フルに使えるため、3パターン中で最も手取りが多い |
| 向いている人 | 退職(会社退職)まで10年以上の余裕がある方(例: 55歳以前にiDeCoを受け取って65歳以降に退職) |
パターンB: 退職金を先に受取 → 20年超後にiDeCo一時金
| 仕組み | 退職金の退職所得控除(勤続年数ベース)と独立したiDeCo控除(加入年数ベース)を各々適用 |
| 条件 | 退職金受取の翌年から19年を超えて(20年以上後に)iDeCo一時金を受け取る |
| 実務上の課題 | 60歳で退職金を受け取ると80歳以降にiDeCoを受け取る必要。現実的には難しいケースが多い |
| 向いている人 | 会社退職が早く(50歳前後)、iDeCoを長く運用できる方。または退職金先→iDeCoを年金受取に切り替える方 |
パターンC: 同年に退職金+iDeCo一時金を受取(原則避けるべき)
| 仕組み | 合算額に対して「max(勤続年数, iDeCo加入年数)」の退職所得控除を1回だけ適用 |
| デメリット | 控除が1回分に圧縮される → 受取総額が同じでも税額がパターンAより100万円超増える場合がある |
| 選んでよい例外 | 控除額が受取総額を上回る場合(勤続年数が非常に長い・受取額が少ない)は税差なし |
退職所得控除の計算式と勤続年数別シミュレーション
退職所得控除は勤続年数が長いほど大きくなります。長期勤続者ほど退職金の実効税率が低くなる仕組みです。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) |
勤続年数別 退職所得控除額一覧
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 退職金1,000万円の課税退職所得 | 退職金2,000万円の課税退職所得 |
|---|---|---|---|
| 10年 | 400万円 | 300万円 | 800万円 |
| 15年 | 600万円 | 200万円 | 700万円 |
| 20年 | 800万円 | 100万円 | 600万円 |
| 25年 | 1,150万円 | 0(非課税) | 425万円 |
| 30年 | 1,500万円 | 0(非課税) | 250万円 |
| 35年 | 1,850万円 | 0(非課税) | 75万円 |
| 40年 | 2,200万円 | 0(非課税) | 0(非課税) |
※ 課税退職所得 = (退職金 − 控除額) × 1/2。国税庁 No.1420 準拠(2026-05-27確認)。
10年間待てない場合の代替策: iDeCo年金受取への切り替え
退職まで10年未満の方や、iDeCoを60歳以降に受け取って間もなく会社退職が迫る方には「iDeCo年金受取」が有力な節税策です。
- 年金受取を選ぶと退職所得ではなく「公的年金等に係る雑所得」として課税され、10年ルール(通算規定)の対象外になる
- 公的年金等控除が適用され、65歳以上で年金収入330万円未満は110万円が控除される(国税庁 No.1600)
- 老齢基礎年金(年約78万円)とiDeCo年金の合計が110万円以内なら雑所得はゼロになる場合もある
- デメリット: 年金受取期間中は他の所得(給与・年金・投資等)と合算されるため、総合課税で税率が上がる可能性がある
| 選択肢 | 退職金受取タイミング | 節税効果 |
|---|---|---|
| iDeCo一時金60歳受取・退職金71歳以降 | 10年超確保 | 最高(控除2回) |
| iDeCo年金受取・退職金は別途一時金 | 制限なし | 高い(通算対象外) |
| iDeCo一時金と退職金を同年受取 | 同年 | 低い(控除1回のみ) |
代表ケースで見る3パターン税額シミュレーション
退職金2,000万円・勤続30年・iDeCo1,000万円・加入30年の代表ケースで3パターンを試算します。
- 勤続30年: 退職所得控除 = 800万+70万×10 = 1,500万円
- iDeCo加入30年: iDeCo一時金の退職所得控除も1,500万円(独立適用時)
- 退職金: 2,000万円 / iDeCo: 1,000万円
| 項目 | パターンA (iDeCo先・10年超) | パターンB (退職金先・20年超) | パターンC (同年一括) |
|---|---|---|---|
| 退職金 課税退職所得 | (2,000-1,500)÷2 = 250万円 | 250万円 | (3,000-1,500)÷2 = 750万円(合算) |
| iDeCo 課税退職所得 | 0円(控除内) | 0円(控除内) | |
| 税額合計(概算) | 約25〜30万円 | 約25〜30万円 | 約150〜180万円 |
| パターンCとの差額 | 約120〜150万円の節税 | 約120〜150万円の節税 | 基準 |
※ 概算試算。実際の税額は個人の状況・自治体により異なります。正確な試算は本ツール or 税理士にご相談ください。
9年ルール(10年ルール)の注意点と計算の落とし穴
2026年改正で延長された通算期間には、いくつかの注意点があります。
- 「前年以前9年以内」の数え方: iDeCo一時金を受け取った年の翌年が1年目。翌年から9年間(計10年)が通算対象期間。10年目の翌年(11年目以降)に受け取れば通算不要
- 企業型DC(確定拠出年金)も対象: iDeCoだけでなく、会社の企業型DCの一時金も同じ通算ルールが適用される
- 複数の退職一時金がある方: 前職の退職金・中退共・DB(確定給付)なども前年以前の通算対象になる場合があるため、複数回の受取歴がある方は必ず税理士に確認が必要
- 勤続年数の端数: 勤続月数に6ヶ月超の端数がある場合は1年に切り上げ(例: 30年7ヶ月 → 31年)。端数の扱いで控除額が変わる
- 役員の特例: 役員(取締役等)で勤続5年以下の場合、1/2課税の特例が適用されない。本ツールは一般社員を前提とした計算
- 過去に転職があり、前職での退職金受取歴がある方
- 企業型DC・中退共・DBなど複数の退職給付制度に加入している方
- 勤続年数に端数がある方(退職日が年途中の場合)
- iDeCo加入年数と会社勤続年数が異なる方(中途加入者等)
- 役員報酬と従業員退職金が混在する方
退職前に確認すべき受取設計チェックリスト
退職金・iDeCoの受取設計は退職の数年前から計画するほど選択肢が広がります。以下のチェックリストを参考に早めに動いてください。
- 自分のiDeCo加入年数・会社勤続年数を正確に把握する
- 退職予定時期を確定(あるいは仮設定)する
- iDeCo一時金受取予定時期と退職金受取予定時期の間隔を確認する
- 間隔が10年未満の場合は「iDeCo年金受取への切り替え」を検討する(変更は受取開始の前年まで可能)
- 本ツールで3パターンを試算し、税額差を数字で把握する
- 企業型DC・中退共・確定給付年金など他の退職給付制度の有無を確認する
- 複数の制度がある場合は税理士・FPに個別シミュレーションを依頼する
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