損益分岐点 計算ツール
固定費・変動費率から損益分岐点売上高を計算。販売単価・実際の売上・目標利益を入れると、販売数量・安全余裕率・目標達成の売上も出します。
損益分岐点を把握することで、何を何個売れば黒字になるかが明確になります。価格戦略・コスト削減の判断に活用してください。
※ 家賃・人件費(固定給)・リース料・保険料など月額固定費合計
※ 変動費合計÷売上高×100(0以上100未満)。仕入原価だけでなく、売上に連動する材料費・外注費・販売手数料・運賃なども含めます
※ 入力すると損益分岐点の販売数量も計算されます(空欄なら数量は出しません)
※ 入力すると損益分岐点比率・安全余裕率・現在の月次利益が計算されます(0円も入力できます。0円のときは比率は出せません)
※ 入力すると目標利益を達成するために必要な売上高・販売数量が計算されます
※ 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率 / 限界利益率 = 1 − 変動費率。売上高・数量は利益が0円以上(目標以上)になる最低の値に切り上げて表示します。
このツールで扱わないこと
- 固定費・変動費の分類はしません(入力した額・率で計算します)。固定費が一定、変動費率が売上によらず一定という前提です。
- 税金(法人税・所得税・住民税・消費税)や社会保険料は計算に入れていません。目標利益は税引前の利益として扱います。
- 複数の商品の組み合わせ(売上構成)、在庫の増減、季節による変動は扱いません。
- 何%なら健全かという業種別の基準は示しません。
損益分岐点の計算式と考え方
損益分岐点(Break Even Point)は、売上高と総費用が一致して利益がゼロになる点のことです。以下の計算式で求められます:
限界利益率 = 1 − 変動費率
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
損益分岐点販売数量 = 固定費 ÷ 1個あたりの限界利益
限界利益率が高いほど(変動費率が低いほど)、少ない売上で固定費を回収でき、損益分岐点が下がります。
損益分岐点比率・安全余裕率の見方
損益分岐点比率は「損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高」、安全余裕率は「100% − 損益分岐点比率」です。安全余裕率は、売上が何%下がると損益分岐点に並ぶかを表します。何%以下なら良いという線引きは、固定費の重さや業種で事情が違うため、このページでは示していません。自社の数字の推移で見てください。
| BEP比率 | 安全余裕率 | 意味 |
|---|---|---|
| 60% | 40% | 売上が40%下がると損益分岐点に並ぶ |
| 80% | 20% | 売上が20%下がると損益分岐点に並ぶ |
| 90% | 10% | 売上が10%下がると損益分岐点に並ぶ |
| 100% | 0% | 今の売上が損益分岐点(利益ゼロ) |
損益分岐点を下げる方法
BEP比率を下げる(安全余裕率を上げる)には、以下の2つのアプローチがあります:
| アプローチ | 具体的な施策 | 効果 |
|---|---|---|
| 固定費削減 | 家賃の見直し・人件費の最適化・不要なサブスク解約 | BEP売上高が直接下がる |
| 限界利益率向上 | 仕入原価交渉・価格改定・高付加価値商品への移行 | 1円売るごとの利益が増える |
変動費率の出し方(自社の数字から)
変動費率は「変動費÷売上高」です。決算書や試算表があれば、「売上原価÷売上高」を出発点にして、販管費のうち売上に比例する費用(販売手数料・運賃・カード手数料など)を足します。業種の平均は自社の目安にならないので、自社の数字を入れてください。
例(仮の数字): 売上100万円・売上原価35万円・売上に比例する販管費5万円なら、変動費率は (35+5)÷100=40%です。
売上原価と粗利の関係は粗利・粗利率の計算で確かめられます。粗利率と変動費率は同じ数字ではなく、売上原価の全部が変動費とは限りません。
計算例:飲食店の損益分岐点(数字はすべて仮)
以下の金額と率は、計算の流れを見せるための仮の数字で、実際の飲食店の平均ではありません。
| 費用項目 | 月額(仮) | 分類 |
|---|---|---|
| 家賃 | 30万円 | 固定費 |
| 人件費(スタッフ2名) | 40万円 | 固定費 |
| 水道光熱費 | 8万円 | 固定費 |
| その他固定費(リース・保険等) | 7万円 | 固定費 |
| 固定費合計 | 85万円 | |
| 食材原価・消耗品 | 売上の33%(仮) | 変動費 |
計算例: 固定費85万円・変動費率33%(仮の食材原価率)の場合
限界利益率 = 1 − 0.33 = 0.67(67%)
損益分岐点売上高 = 85万円 ÷ 0.67 = 1,268,657円/月(円未満切り上げ)
この仮の条件では、月1,268,657円の売上が損益分岐点です。月25日営業なら1日平均50,747円程度の売上が必要で、客単価2,000円で毎日同じ人数なら1日26人です(25人では 25人 × 25日 × 2,000円 = 1,250,000円で届きません)。月次売上が150万円なら損益分岐点比率は84.6%、安全余裕率は15.4%で、売上が15.4%下がると損益分岐点に並びます。
飲食店で損益分岐点を下げるには、①食材原価率の管理(ロス削減・仕入れ先見直し)、②固定費の見直し(家賃交渉・人員配置)が式の上での手段です。売上を増やす施策(デリバリーなど)は、手数料で変動費率が変わる点も含めて、条件を入れ直して計算してください。
※ 上記の数字はすべて仮のもので、相場や平均ではありません。自社の固定費・変動費率をツールに入れて計算してください。
本ツールは一般的な管理会計の計算式に基づく概算です。固定費・変動費の分類は企業によって異なります。具体的な経営判断は公認会計士・税理士等の専門家にご相談ください。
計算式について
このページの計算式(損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率)は管理会計の算術で、法令や統計に定義があるものではありません。固定費・変動費の分け方は会社ごとに違うため、自社の決算書や試算表に合わせて分類してください。
よくある質問
損益分岐点とは何?どう計算する?
結論:損益分岐点(BEP: Break Even Point)とは、売上高と総費用(固定費+変動費)が一致し、利益がゼロになる売上高のことです。計算式は「損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率」で、限界利益率は「1 − 変動費率」です。たとえば固定費が月50万円、変動費率が40%の場合、損益分岐点売上高は50万円 ÷ 0.6 = 833,333.3…円で、利益が0円以上になる最低の売上は833,334円(約83.3万円)です。
損益分岐点比率は高いとどうなる?
結論:損益分岐点比率(BEP比率)は「損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100」で計算します。この比率が高いほど、少し売上が下がっただけで赤字になる状態です。たとえば比率が80%なら、売上が20%下がると損益分岐点に並び、それを下回ると赤字になります。比率が100%なら、今の売上がそのまま損益分岐点です。このページでは「何%以下なら健全」という線引きはしていません。固定費の重さや業種で事情が違うため、自社の数字の推移で見てください。
安全余裕率とは何を表す?
結論:安全余裕率は「100 − 損益分岐点比率」で計算されます。売上が何%下がると損益分岐点に並ぶか(それを下回ると赤字)を示す指標です。たとえば安全余裕率が20%なら、売上が20%下がると損益分岐点に並びます。何%あれば安全という線引きはここでは示していません(固定費の重さや業種で事情が違うため)。安全余裕率を上げるには、固定費を減らすか、変動費率を下げる(限界利益率を上げる)ことです。
損益分岐点計算でExcelは必要?
結論:この計算だけならExcelは要りません。損益分岐点売上高は固定費と変動費率から出ます。販売数量には販売単価、損益分岐点比率・安全余裕率には実際の売上、目標達成の売上には目標利益の入力が必要です。入力内容を残したいときは、結果の下の共有ボタン(URLをコピー)で作るURLを保存すると、同じ条件で開き直せます。
変動費と固定費の違いは何?
結論:固定費は売上の増減に関わらず毎月かかる費用で、家賃・人件費(固定給)・リース料・保険料などが該当します。変動費は売上の増減に比例して変動する費用で、商品の仕入原価・材料費・外注費・配送費・販売手数料などが該当します。このツールの変動費率には、仕入原価だけでなく売上に連動する変動費の合計を売上高で割った率を入れます。変動費率(変動費÷売上高)が低いほど限界利益率が高く、損益分岐点売上高が下がり経営が安定します。
損益分岐点が計算上下がっているのに赤字になるのはなぜ?
結論:損益分岐点の計算は「固定費と変動費率が一定」という前提ですが、実際の経営では費用が想定外に変動することがあります。主な原因は①固定費の計上漏れ(減価償却費・引当金など)、②変動費率の実態乖離(材料費高騰・廃棄ロス)、③売上の季節変動・一時的な需要減です。計算上の損益分岐点はあくまで目安であり、月次での実績対比が必要です。
値上げをすると損益分岐点はどう変わる?
結論:1個あたりの変動費が変わらない場合、販売価格を上げると変動費率が下がり(限界利益率が上昇)、損益分岐点売上高が下がります。例えば販売単価1,000円・変動費600円(変動費率60%)の商品を1,100円に値上げすると変動費率は約54.5%に低下し、限界利益率は45.5%に上昇します。固定費50万円なら、損益分岐点売上高は 125万円(50万円÷40%)から 110万円(50万円÷約45.5%)に下がります。値上げ後は「固定費÷新しい限界利益率」で計算し直します。ただし値上げにより販売数量が減少するリスクも考慮が必要です。
固定費削減と変動費削減はどちらが損益分岐点改善に効く?
結論:どちらが効くかは、削れる金額・実施できる時期・売上への影響によって違い、一般にどちらが上とは言えません。式で見ると、固定費を10万円削減すれば、損益分岐点売上高が「10万円÷限界利益率」分だけ直接下がります(限界利益率60%なら約16.7万円下がる)。一方、変動費率を5ポイント下げる(例:40%→35%)と、限界利益率が5ポイント上がり、損益分岐点売上高は「固定費÷新しい限界利益率」に下がるうえ、損益分岐点を超えた売上1円あたりの利益も増えます。自社の数字で両方を入れて比べてください。
損益分岐点と目標売上の違いは?
結論:損益分岐点売上高は「利益がゼロになる売上」、目標売上高は「希望する利益を確保するために必要な売上」です。目標売上高の計算式は「(固定費 + 目標利益)÷ 限界利益率」です。損益分岐点は経営の「最低ライン」、目標売上は「目指すライン」と理解すると、経営計画の策定に役立ちます。このツールの「目標利益」欄に希望する月次利益を入力すると目標売上高が自動計算されます。
フリーランス・個人事業主が損益分岐点を使う場面は?
結論:フリーランスにとって損益分岐点は「月何円の売上があれば生活できるか」を明確にするのに役立ちます。固定費=月の生活費+事業固定費(通信費・家賃按分・サブスク等)、変動費率=売上に対して変動するコスト(外注費・材料費等)÷売上で計算します。例えば月の固定費合計が30万円で変動費率20%なら、損益分岐点売上高は30万円 ÷ 0.8 = 37.5万円。これが「赤字にならないための最低売上」の目安になります。生活費を固定費に足す場合、この計算には所得税・住民税・社会保険料が入っていないため、その分は別に見込む必要があります。