令和8年4月1日以後は、新しい契約も追加の入金も特例の対象になりません。令和8年3月31日までに特例の適用を受けた分は、口座が終わるまで引き続き特例が適用されます(国税庁 No.4510)。このページは既存の口座が終わるときの贈与税の目安を計算します。
教育資金一括贈与 契約終了時の贈与税 計算(無料)
教育資金口座が30歳・40歳到達などで終わるときに残る「非課税拠出額−教育資金支出額」と、その贈与税の目安を計算します。令和5年4月1日以後に取得した分は一般税率、それ以前の分は特例税率に分けて計算します。
教育資金口座を持っている受贈者・贈与した祖父母や両親向け
| 非課税の限度 | 受贈者1人につき1,500万円(非課税拠出額)。学校等以外への支払いは、終了時の残額の計算で教育資金支出額として差し引けるのが500万円まで |
| 贈与者 | 直系尊属(父母・祖父母など) |
| 受贈者 | 取得したときに30歳未満。平成31年4月1日以後に取得した分は、取得した年の前年の合計所得金額が1,000万円を超えると適用を受けられない |
| 適用期間 | 平成25年4月1日〜令和8年3月31日に取得した分(以後は新規・追加とも不可) |
| 契約の終了 | 30歳到達(在学・教育訓練を届け出れば継続)、30歳以上で届出がない年の末、40歳到達、残高ゼロで終了に合意、受贈者の死亡のうち早い日 |
入力(既存の口座が終わる年の分)
教育資金非課税申告書・追加教育資金非課税申告書に書いた金額の合計(1,500万円まで)。口座の残高ではありません。
この分に対応する残額は一般税率になります。全部それ以前なら0。
金融機関が教育資金支出額として記録した額(入学金・授業料など)。
塾・習い事など。差し引けるのは500万円までとして計算します。
30歳・40歳到達などで終わる場合は18歳以上です。18歳未満なら全部一般税率になります。
その年1月1日に18歳以上なら特例贈与財産です。非課税の特例を受けた分・相続時精算課税の分は入れません。
兄弟・配偶者の親などからの贈与(一般贈与財産)。18歳未満なら父母・祖父母からの分もここに入れます。
計算結果(目安)
一般と特例が両方あるときは、国税庁 No.4408 の方法(合計をそれぞれの税率で計算し、金額の割合で按分して合計)で計算し、合計の100円未満を切り捨てています。
契約終了時の申告・贈与者が亡くなった場合は専門家に相談
管理残額の相続税、相続時精算課税を選んでいる場合、贈与者が複数いる場合の計算は税理士への相談がおすすめです。
- 契約期間中に贈与者が亡くなり、管理残額が相続税の対象になった場合(残額の計算で管理残額を差し引く必要があります。Q&A Q4-4・Q5-4)
- 相続時精算課税を選んでいる場合(Q&A Q5-4 注4「上記の計算と異なります」)
- 受贈者が亡くなって終わった場合(残額は課税価格に入りません)
- これから新しく贈与する場合(令和8年4月1日以後は特例を使えません)
計算例(国税庁Q&Aの設例と同じ条件)
非課税拠出額1,500万円(うち令和5年4月1日以後の取得分500万円)、教育資金支出額900万円で契約が終わると、残額は600万円。うち一般税率の対象200万円・特例税率の対象400万円で、ほかに贈与がなければ贈与税の目安は726,600円です。
国税庁「教育資金の非課税に関するQ&A」Q5-4 設例1契約が終わるとき(5つの場合)
教育資金管理契約は、次のうち早い日に終わります。
- 受贈者が30歳に達した日。ただし、その日に学校等に在学しているか教育訓練を受けていて、そのことを金融機関に届け出た場合は続きます
- 30歳以上の受贈者が、その年に在学した日・教育訓練を受けた日があることを届け出なかった場合、その年の12月31日
- 受贈者が40歳に達した日
- 残高がゼロになり、受贈者と金融機関が契約を終えることに合意した日
- 受贈者が亡くなった日(この場合、残額は贈与税の課税価格に入りません)
1〜4で終わったときは、まだ出していない領収書等を、終わった日の属する月の翌月末日までに金融機関に出します。残額があれば、その年の贈与税の課税価格に入り、申告が必要な人は翌年2月1日から3月15日までに申告します。
国税庁「教育資金の非課税に関するQ&A」Q5-1・Q5-2残額の計算と税率
贈与税がかかる「残額」は、口座の残高ではなく、非課税拠出額から教育資金支出額を引いた額です。教育資金支出額のうち学校等以外への支払いは、500万円までしか差し引けません。
税率は、契約が終わる年の1月1日に受贈者が18歳以上なら、次のとおりです。
- 令和5年4月1日以後に取得した分に対応する残額:一般税率
- 令和5年3月31日以前に取得した分に対応する残額:特例税率
- 両方あるとき:残額 ×(令和5年4月1日以後の取得分 ÷ 非課税拠出額)を一般税率の対象とし、残りを特例税率の対象とします
その年にほかの贈与も受けていれば合計し、基礎控除110万円を引いて計算します。贈与者が2人以上いる場合も、贈与者が亡くなっていなければ、一般税率の対象の合計は上の式と同じになります。
国税庁「教育資金の非課税に関するQ&A」Q3-2・Q5-4 国税庁 No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」教育資金支出額になるもの
- 学校等への支払い:入学金・授業料・入園料・保育料・施設設備費、入学試験の検定料、在学証明などの手数料、学用品・修学旅行費・給食費など学校等での教育に伴って必要な費用
- 学校等以外への支払い:塾・習い事などの役務の対価や施設の使用料、スポーツ・文化芸術などの指導の対価、その指導で使う物品を指導者に直接支払う費用、通学定期券代、留学の渡航費など(教育を受けるために支払うものとして社会通念上相当と認められるもの)
- 令和元年7月1日以後に支払うもので、受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払う学校等以外の費用(役務の対価・施設使用料・指導の対価・その物品)は、教育訓練を受講するための費用に限られます
契約期間中に贈与者が亡くなったとき
贈与者が亡くなると、取得した時期に応じて、管理残額を贈与者から相続で取得したものとみなして相続税の対象にすることがあります。「23歳未満等」は、贈与者が亡くなった日に受贈者が23歳未満、学校等に在学中、教育訓練を受講中のいずれか(在学・受講は書類の提出が必要)です。
| 取得した時期 | 管理残額の相続税 | 相続税額の2割加算 |
|---|---|---|
| 〜平成31年3月31日 | 課税なし | なし |
| 平成31年4月1日〜令和3年3月31日 | 贈与者の死亡前3年以内に取得した分に限り課税(23歳未満等を除く) | なし |
| 令和3年4月1日〜令和5年3月31日 | 課税(23歳未満等を除く) | あり |
| 令和5年4月1日〜令和8年3月31日 | 課税(23歳未満等で、かつ贈与者に係る相続税の課税価格の合計額が5億円以下の場合を除く) | あり |
2割加算は、受贈者が贈与者の一親等の血族でない場合(孫など)にかかります。代襲して相続人になった孫は一親等の血族に含まれるため加算されません。
国税庁「教育資金の非課税に関するQ&A」Q4-1 国税庁 No.4157「相続税額の2割加算」令和8年4月以後の教育費の援助
必要な都度、教育費に充てる贈与
扶養義務者から教育費(学費・教材費・文具費など)に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるものには贈与税はかかりません。ただし、必要な都度直接これらに充てるためのものに限られ、教育費の名目でも預金したり株式や不動産の購入に充てたりすると贈与税がかかります。学校に直接振り込む方法に限られるわけではありませんが、まとめて先に渡す形は対象外になりえます。
国税庁 No.4405「贈与税がかからない場合」暦年贈与(受贈者1人あたり年110万円の基礎控除)
毎年贈与契約を結んでその年ごとに贈与し、受贈者がその年に受けた贈与の合計が110万円以下なら、贈与税はかかりません。最初に「毎年いくらずつ何年」と約束していると、約束した年に定期金に関する権利の贈与として課税されます。
贈与者が亡くなったとき、その贈与者から相続や遺贈で財産を取得した人は、生前の暦年贈与のうち一定期間の分が相続税の課税価格に加算されます(相続や遺贈で何も取得しない孫は対象外)。加算する期間は亡くなった日によって変わります。
- 令和8年12月31日までに亡くなった場合:死亡前3年以内
- 令和9年1月1日〜令和12年12月31日に亡くなった場合:令和6年1月1日から死亡の日まで
- 令和13年1月1日以後に亡くなった場合:死亡前7年以内
- 相続開始が令和9年1月2日以後なら、死亡前3年より前の分は合計100万円まで加算しません
毎年110万円を続けた場合の累計
上の条件(毎年の独立した贈与・その年のほかの贈与なし)で、毎年110万円を贈与した場合の累計です。相続税の加算は含みません。
| 贈与年数 | 累計贈与額 | 1,500万円に対して | 備考 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 550万円 | 36% | |
| 10年 | 1,100万円 | 73% | |
| 13年 | 1,430万円 | 95% | |
| 14年 | 1,540万円 | 102% | 1,500万円を超える |
| 18年 | 1,980万円 | 132% | 0歳から18年間続けた場合 |
| 20年 | 2,200万円 | 146% | 20年間続けた場合 |
相続時精算課税
選べるのは、贈与をした年の1月1日に60歳以上の父母・祖父母など(贈与者)から、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上で、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫が贈与を受ける場合です。相続時精算課税を選ぶと、その贈与者からの贈与は、年110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除を引いた額に20%で贈与税を計算します。贈与者が亡くなったときは、その贈与財産の贈与時の価額(令和6年1月1日以後の分は、年ごとに基礎控除を引いた残り)を相続財産に加算して相続税を計算します。2,500万円は非課税で終わる枠ではありません。一度選ぶと、その贈与者からの贈与は暦年課税に戻せません。
国税庁 No.4103「相続時精算課税の選択」NISAの対象年齢の拡大(通称「こどもNISA」)
令和8年度の改正で、NISAのつみたて投資枠の対象年齢の下限が撤廃されました(令和9年1月1日施行)。0〜17歳の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。その年の3月31日に18歳である年の前年12月31日までは払出しが制限されます。そのうち、その年の3月31日に12歳である年以後は、子どもの教育費・生活費に充てることなどを書いた書類を出せば払い出せます(12歳より前は、災害等のやむを得ない事由による払出しなどに限られます)。
運用益を非課税にする仕組みで、子どもへの贈与そのものを非課税にする制度ではありません。子ども名義の口座に入れるお金を祖父母や両親が出せば、それは子どもへの贈与で、上の暦年贈与の決まりで判断します。運用の元本は保証されません。
国税庁「令和8年度 源泉所得税の改正のあらまし」8 NISA住宅取得等資金の贈与との関係
住宅取得等資金の非課税は別の特例で、贈与を受ける時点の要件と限度額で判断します。住宅取得資金贈与の計算を参照してください。
よくある質問(FAQ)
教育資金の一括贈与の非課税はいつまで使えましたか?
平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得した分が対象でした。令和8年4月1日以後は、新しく契約することも、追加で入金して特例の適用を受けることもできません。令和8年3月31日までに特例の適用を受けた分には、引き続き特例が適用されます(国税庁 No.4510)。
既存の教育資金口座はいつ終わりますか?
次のうち早い日に終わります(国税庁Q&A Q5-1)。①30歳に達した日(その日に学校等に在学しているか教育訓練を受けていて、そのことを金融機関に届け出た場合を除く)②30歳以上で、その年に在学・教育訓練を受けた日があることを届け出なかった年の12月31日③40歳に達した日④残高がゼロになり、受贈者と金融機関が終了に合意した日⑤受贈者が亡くなった日。
契約が終わったら、口座の残高に贈与税がかかりますか?
課税されるのは口座の残高ではなく「非課税拠出額から教育資金支出額を引いた残額」です。残額は契約が終わった年の贈与税の課税価格に入り、申告が必要な人は翌年2月1日から3月15日までに申告します。受贈者が亡くなって終わった場合は、残額は課税価格に入りません(国税庁Q&A Q5-2)。
残額には一般税率と特例税率のどちらがかかりますか?
契約が終わる年の1月1日に受贈者が18歳以上の場合、令和5年4月1日以後に取得した分に対応する残額は一般税率、令和5年3月31日以前に取得した分に対応する残額は特例税率です。両方あるときは、残額を取得した額の割合で分けます。18歳未満なら全部一般税率です(国税庁Q&A Q5-4、No.4408)。
塾や習い事の費用も教育資金支出額になりますか?
学校等以外への支払いは、契約終了時の残額の計算で差し引けるのが500万円までです。また、令和元年7月1日以後に支払うもので、受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払う塾・習い事などの費用は、教育訓練を受講するための費用に限られます(国税庁Q&A Q1-3、Q3-2)。
契約期間中に贈与者が亡くなったらどうなりますか?
いつ取得した分かで扱いが違います。平成31年3月31日以前の取得分は課税なし。平成31年4月1日〜令和3年3月31日の取得分は死亡前3年以内のものに限り、令和3年4月1日以後の取得分は原則として、管理残額を相続で取得したものとみなします(受贈者が23歳未満・在学中・教育訓練中なら除く)。令和5年4月1日以後の取得分は、23歳未満等でも贈与者の相続税の課税価格の合計が5億円を超えると対象です(国税庁Q&A Q4-1)。この計算機は贈与者が亡くなった場合を扱いません。
令和8年4月以後、祖父母が孫の教育費を出すときに贈与税はかかりますか?
扶養義務者が教育費として必要な都度直接これに充てるために渡す分で、通常必要と認められるものには贈与税はかかりません。名目が教育費でも、預金したり株式や不動産の購入に充てたりすると贈与税がかかります(国税庁 No.4405)。
毎年110万円ずつ贈与すれば贈与税はかかりませんか?
毎年贈与契約を結んでその年ごとに贈与し、受贈者がその年に受けた贈与の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。ただし、何年にもわたって毎年いくらずつ渡すと最初に約束している場合は、約束した年に定期金に関する権利の贈与を受けたものとして課税されます(国税庁 No.4402 Q&A)。110万円は受贈者1人が1年に受ける贈与の合計に対する額です。
「こどもNISA」は教育資金贈与の代わりになりますか?
令和8年度の改正で、NISAのつみたて投資枠の対象年齢の下限が撤廃されました(令和9年1月1日施行)。0〜17歳は年60万円・非課税保有限度額600万円で、その年の3月31日に18歳である年の前年12月31日までは払出しが制限されます(その年の3月31日に12歳である年以後は、教育費・生活費に充てる書類を出せば払出し可)。運用益が非課税になる仕組みで、子どもへの贈与そのものを非課税にする制度ではありません(国税庁 令和8年度改正資料)。
関連ツール
本ツールは目安の計算です。非課税拠出額・教育資金支出額は金融機関の記録で確かめてください。贈与者が亡くなった場合、相続時精算課税を選んでいる場合、贈与者が複数で一部が亡くなっている場合は計算が異なります。申告の前に税理士または所轄の税務署に確認してください。