路線価方式の計算(土地の相続税評価)
路線価×地積×補正率で土地の相続税評価額を計算します。奥行補正率・不整形地補正率・間口狭小補正率にも対応。路線価図の見方も解説します。
こんな方向け:市街地・住宅地の相続した土地を評価したい方・路線価図の読み方を知りたい方・各種補正率を適用したい方
路線価方式の計算
路線価図の数字部分(例:「200C」→200)。路線価図はこちら
標準的な奥行なら1.00。国税庁「奥行価格補正率表」参照
正方形・長方形に近い土地なら1.00。L字・旗竿地等は国税庁「不整形地補正率表」参照
道路に接する幅が十分あれば1.00。狭い場合は国税庁「間口狭小補正率表」参照
路線価図の読み方
| 記号 | 借地権割合 |
|---|---|
| A | 90% |
| B | 80% |
| C | 70% |
| D | 60% |
| E | 50% |
| F | 40% |
| G | 30% |
例: 路線価図に「200C」と記載されている場合 → 路線価200千円/㎡、借地権割合70%
借地権が設定されている宅地(貸宅地)を評価するときは、この借地権割合を使います。借地権の価額=自用地としての評価額×借地権割合、貸宅地の価額=自用地としての評価額−借地権の価額、という関係です(財産評価基本通達第27条)。
側方路線影響加算・二方路線影響加算の計算(角地・二方路線の宅地)
正面と側方に路線がある「角地」は、正面路線だけに接する宅地より評価額が高くなります(財産評価基本通達第16条)。
- 正面路線の決め方:2つ以上の路線に接する宅地は、それぞれの路線価に奥行価格補正率を乗じた1㎡あたりの価額が高い方を正面路線とします。
- 角地(側方路線影響加算):正面路線の価額に、側方路線の価額×側方路線影響加算率を加算し、地積を乗じて評価します。
- 二方路線(裏面にも路線がある宅地):正面路線の価額に、裏面路線の価額×二方路線影響加算率を加算し、地積を乗じて評価します(同通達第17条)。
- 三方・四方路線:側方路線影響加算と二方路線影響加算をあわせて適用します(同通達第18条)。
例:正面路線価200千円/㎡・側方路線価150千円/㎡・側方路線影響加算率0.03・地積120㎡の角地の場合、(200千円+150千円×0.03)×120㎡=24,540千円(2,454万円)が評価額の目安です(奥行価格補正率は1.00として簡略化)。
出典:国税庁「財産評価基本通達」第16条〜第18条(2026-08-31確認)
不整形地・間口が狭い宅地の評価
正方形・長方形から外れた「不整形地」は、標準的な形の宅地より評価額が下がります(財産評価基本通達第20条)。評価方法は次の4通りのいずれかです。
- 不整形地を区分して求めた整形地を基に計算する方法
- 不整形地の地積を間口距離で割った「計算上の奥行距離」を基に計算する方法
- 不整形地に近似する整形地(近似整形地)を求めて計算する方法
- 近似整形地と隣接する整形地をあわせて計算し、隣接部分の価額を差し引く方法
いずれの方法でも、算出した価額に地区区分・地積区分に応じた「不整形地補正率」を乗じて評価額を求めます。また、道路に接する間口が狭い宅地は「間口狭小補正率」、奥行が間口に比べて極端に長い宅地は「奥行長大補正率」をそれぞれ乗じます(同通達第20-4条)。
出典:国税庁「財産評価基本通達」第20条・第20-4条(2026-08-31確認)
倍率地域の評価方法(路線価が定められていない地域)
路線価が設定されていない地域(倍率地域)では、路線価方式ではなく「倍率方式」で評価します(財産評価基本通達第21条・第21-2条)。
- 評価額=固定資産税評価額×倍率
- 倍率は地価事情が類似する地域ごとに国税局長が定めます。
- 対象の土地が路線価地域か倍率地域かは、国税庁の路線価図・評価倍率表で確認できます。
出典:国税庁「財産評価基本通達」第21条・第21-2条(2026-08-31確認)
路線価方式でよくある間違い
- 正面路線を「先に接した方」で決めてしまう:正しくは奥行価格補正後の1㎡あたり価額が高い方が正面路線です。
- 補正率の掛け忘れ・二重適用:奥行価格補正・側方路線影響加算・不整形地補正などは該当するものをすべて掛け合わせますが、同じ要素を重複して補正しないよう注意します。
- 倍率地域なのに路線価方式で計算してしまう:路線価が設定されていない地域は倍率方式が正しい評価方法です。
よくある質問
路線価方式の計算式はどのようになりますか?
基本式は「路線価(千円/㎡)× 地積(㎡)× 補正率」です。補正率は奥行・形状・間口等によって変わります。標準的な土地は補正率1.00です。(根拠:財産評価基本通達15条)
路線価図の見方を教えてください。
道路に沿って数字(路線価)と記号(借地権割合)が表示されています。「200C」なら路線価200千円/㎡(20万円/㎡)です。国税庁の路線価図で確認できます。
奥行補正とはどのような補正ですか?
宅地の奥行距離が標準と比べて著しく短い・長い場合に評価額を補正する制度です。国税庁の奥行価格補正率表で確認してください。
倍率地域とはどのような地域ですか?
路線価が定められていない地域です。倍率地域では固定資産税評価額に国税局長が地域ごとに定める倍率を掛けて評価します(根拠:財産評価基本通達第21条・第21-2条)。
正面路線はどうやって決めますか?
2つ以上の路線に接する宅地では、それぞれの路線価に奥行価格補正率を乗じた1㎡あたりの価額が高い方を正面路線とします(根拠:財産評価基本通達第16条)。
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本ツールは概算計算です。実際の評価は補正率の種類・適用条件が複雑です。正確な評価・申告は相続専門の税理士・不動産鑑定士にご相談ください。





