賞与の所得税計算ツール(前月給与比較方式)
賞与額・前月給与・扶養人数を入力するだけで、源泉徴収税率・所得税額・手取り賞与を自動計算。令和8年分の算出率表(別表第三)に対応。復興特別所得税2.1%上乗せ込みで正確に算出します。
計算式と仕組み(国税庁別表第三準拠)
Step 1: 前月給与から社会保険料を概算控除
前月給与_社保後 = 前月給与 - 社保概算
社保概算 = 前月給与 × 15.45%(健保+厚年+雇用)
Step 2: 別表第三から賞与の税率を決定(令和8年分・甲欄・扶養0人の例)
※令和8年(2026年)1月以後支払分から改訂された算出率表を適用
前月給与_社保後 < 68,000円 → 0% → 68,000円〜78,999円 → 3.063% → 79,000円〜251,999円 → 8.042%
Step 3: 賞与の所得税計算(復興特別所得税2.1%上乗せ)
所得税 = FLOOR(賞与額 × 税率 × 1.021)
所得税 = FLOOR(賞与額 × 税率 × 1.021)
Step 4: 手取り賞与
手取り = 賞与額 - 所得税 - 社保(賞与分)
社保(賞与分)= 賞与額 × 15.45%
使い方(3ステップ)
- 賞与額・前月給与・扶養人数を入力する
- 源泉徴収税率と所得税額を確認する
- 手取り賞与額を確認して給与明細と照合する
賞与の源泉徴収の仕組み
給与の源泉徴収は「月次の給与所得税額表(甲欄)」を使うのに対し、賞与の源泉徴収は「前月の給与をもとに算出率を決定する」特殊な計算方法が使われます。
なぜ前月の給与で決まる?
賞与にかかる所得税は、前月の給与と同程度の所得水準があると仮定して税率を決定します。前月給与が低い月に賞与を受け取ると税率が低くなり、高い月に受け取ると税率が高くなります。
復興特別所得税について
2013年(平成25年)から2037年(令和19年)まで、所得税額の2.1%が復興特別所得税として上乗せされます。賞与の算出率表に掲載されている税率は、この復興特別所得税込みの数値です。計算式は「賞与額 × 算出率 × 1.021」ではなく、算出率自体に復興税が織り込まれています。
令和8年(2026年)の算出率表と令和8年度税制改正の関係
① 令和8年分の算出率表に反映済みの改正(令和7年度税制改正)。2026年1月以後支払分から源泉徴収税額の算出率表が改訂されました。
- 基礎控除の引き上げ: 最大95万円(改正前: 最大48万円)
- 給与所得控除の最低保障額引き上げ: 55万円 → 65万円
- 特定親族特別控除の新設: 扶養親族1人あたり最高63万円
- これらの改正に伴い、源泉徴収税額表の金額区分・税額が変更されています
② 令和8年分の源泉徴収には反映されない改正(令和8年度税制改正・令和8年3月成立)。令和8年分(2026年分)の所得税に適用されますが、令和8年11月までの毎月の源泉徴収事務に変更はなく、令和8年12月の年末調整または確定申告で精算されます。
- 基礎控除: 最大95万円 → 104万円(合計所得489万円以下・本則62万円+租税特別措置法の加算42万円)
- 給与所得控除の最低保障額: 65万円 → 74万円(給与収入220万円以下・本則69万円+令和8・9年分限りの特例5万円)
- 所得税の壁: 160万円(令和7年分)→ 178万円(令和8・9年分)→ 168万円(令和10年分以後)
- 扶養親族等の所得要件: 合計所得58万円以下 → 62万円以下(給与収入123万円 → 136万円)
- つまり、賞与から引かれる源泉徴収額は今までどおりで、控除拡大の恩恵は12月の年末調整でまとめて戻ってきます
出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」・財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2026-08-31確認)
社会保険料の賞与への影響
賞与からも給与と同様に健康保険・厚生年金・雇用保険が控除されます。標準賞与額の上限は、健康保険は年間573万円(1回あたり上限なし)、厚生年金は1か月あたり150万円です。高額の賞与でも社会保険料はこの上限まででとどまります。
よくある質問
賞与の所得税はどうやって計算する?
結論:前月給与(社会保険料控除後)をもとに国税庁の別表第三から税率を調べ、賞与額×税率×1.021(復興税)で計算します。令和8年分は改訂された算出率表を使用します。
賞与の源泉徴収税率はどこで決まる?
結論:国税庁が毎年公表する「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(別表第三)」で決まります。前月給与(社保後)と扶養人数の組み合わせで税率が決定します。令和8年分は令和7年度税制改正を反映した改訂版が適用されます。
前月給与が多いと賞与の税率が高くなる?
結論:その通りです。前月給与(社保後)が高い月に賞与が支払われると、より高い税率が適用されます。育休・休職等で前月給与が低い場合は税率が低くなります。
令和8年の税制改正で賞与の源泉徴収額は変わる?
結論:賞与から引かれる源泉徴収額は変わりません。令和8年分の算出率表は令和7年度税制改正(基礎控除最大95万円・給与所得控除の最低保障額65万円・特定親族特別控除の新設)を反映して改訂済みで、毎回の源泉徴収はこの表で計算します。一方、令和8年3月に成立した令和8年度税制改正(基礎控除104万円・給与所得控除74万円・所得税の壁178万円)は令和8年11月までの源泉徴収事務に反映されず、令和8年12月の年末調整または確定申告で精算されます。計算の仕組み(前月給与×算出率)は従来と同じです。
復興特別所得税は賞与にも関係する?
結論:関係します。算出率表の税率は復興特別所得税(所得税の2.1%)込みの数値です。2037年まで継続される予定です。例えば算出率8.042%は、基準となる所得税率約7.875%に復興税1.021を乗じた数値です。
賞与の住民税はいつ引かれる?
結論:賞与から住民税は源泉徴収されません。ただし賞与を含めた前年の年収をもとに翌年6月から住民税が決定されるため、翌年の月々の住民税天引き額が増加します。
賞与が手取りで半分以下になるのはなぜ?
結論:賞与から①社会保険料(約15〜20%)と②所得税(前月給与に応じた税率)が引かれるため、合計25〜40%程度が控除されます。高年収の場合はさらに高くなる場合があります。
関連ツール
参考公的ソース
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
- 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」(PDF)
- 国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」
- 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(令和8年分の算出率表に反映済みの改正)
- 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」(令和8年度改正・基礎控除104万円/給与所得控除74万円/178万円)
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
本ツールは概算計算です。実際の税額は会社の給与計算システム・正確な社会保険料率・扶養の申告状況等により異なります。正確な給与明細については会社の人事部門にご確認ください。

