労災慰謝料計算機(無料)
労災保険は慰謝料を支払いません。業務災害・通勤災害で受け取れる慰謝料の目安と、会社・加害者への損害賠償請求の手順を解説します。
労災保険(療養補償・休業補償等)を受けていても、慰謝料は別途、雇用主や加害者に請求する必要があります。労災申請と慰謝料請求は同時にできます。
※ 本ツールは一般情報の提供を目的とした簡易概算ツールです。弁護士監修はありません。実際の慰謝料・法的判断は必ず弁護士にご相談ください。(2026-05-27確認)
休業した場合の休業損害の目安計算に使用します(慰謝料とは別)。
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労災保険と慰謝料の違い(最重要)
労災保険に申請しても慰謝料は受け取れません。これは多くの人が誤解しているポイントです。労災保険は「損害の穴埋め」を目的とした給付制度であり、精神的苦痛への補償(慰謝料)は対象外です。
| 損害の種類 | 労災保険 | 損害賠償請求(会社・加害者) |
|---|---|---|
| 治療費(療養補償) | 全額支給 | 損益相殺で控除 |
| 休業補償(休業損害) | 給付基礎日額の60%(+特別支給金20%) | 差額分(40%相当)を追加請求可 |
| 慰謝料 | なし(対象外) | 全額請求可 |
| 後遺障害補償 | 障害補償給付(障害等級1〜14級) | 差額分+後遺障害慰謝料 |
| 死亡 | 遺族補償給付(年金・一時金) | 死亡慰謝料+逸失利益(差額分) |
業務災害と通勤災害の違い
労災保険の適用は「業務災害」と「通勤災害」の2種類があります。どちらに該当するかによって、会社への損害賠償請求の根拠と請求の難しさが変わります。
- 業務中に発生した怪我・病気・死亡
- 会社への請求根拠:安全配慮義務違反(労働契約法第5条)・不法行為(民法709条)
- 機械事故・過重労働・職業病・ハラスメント等が対象
- 会社の設備不備・指示ミスが原因の場合は請求が認められやすい
- 合理的な経路・方法での通勤中に発生した事故
- 会社への請求:安全配慮義務違反の主張は業務災害より難しい場合が多い
- 加害者(他の車・歩行者等)がいれば第三者行為災害として請求可
- 自賠責保険・任意保険経由での慰謝料請求が主な手段
第三者行為災害とは
業務中または通勤中に、第三者(同僚・他の車・歩行者等)の行為によって発生した労災事故を「第三者行為災害」といいます。この場合、以下の2つの請求を同時に行えます。
- 労災保険への給付申請:療養補償・休業補償・障害補償等
- 第三者(加害者)への損害賠償請求:自賠責保険・任意保険経由または民事訴訟
注意:同一の損害に対して労災保険と損害賠償の両方から二重に受け取ることはできません(損益相殺・求償)。ただし慰謝料は労災の対象外のため全額請求できます。
安全配慮義務違反で慰謝料が増額されるケース
使用者(会社)は労働者に対して、安全で健康に働ける環境を整える義務(安全配慮義務)を負います(労働契約法第5条)。以下のような事情がある場合、通常の慰謝料に加えて会社への損害賠償が認められます。
| 安全配慮義務違反の例 | 法的根拠 | 会社の責任 |
|---|---|---|
| 過重労働(長時間残業)によるうつ病・過労死 | 労働契約法第5条・民法415条 | 損害賠償(慰謝料・逸失利益) |
| 機械・設備の安全装置の不備 | 労働安全衛生法・民法709条 | 損害賠償(製造物責任含む) |
| パワハラ・セクハラの放置・黙認 | 労働施策総合推進法・民法709条 | 使用者責任・安全配慮義務違反 |
| 危険作業の安全教育・マニュアルの不備 | 労働安全衛生法・民法715条 | 使用者責任 |
| 化学物質・粉じん等による職業病の放置 | 労働安全衛生法・民法415条 | 損害賠償(長期にわたる場合も時効注意) |
労災保険給付の種類と概要
労災保険から受け取れる給付は慰謝料ではなく「損害の穴埋め」です。どの給付があるかを確認した上で、受け取れない分(慰謝料・差額分)を損害賠償請求で補う戦略が重要です。
- 療養補償給付:治療費全額。指定病院を利用すれば窓口負担なし
- 休業補償給付:給付基礎日額(平均賃金相当)の60%(業務4日目から)。特別支給金20%を合算すると実質80%
- 障害補償給付:症状固定後、障害等級1〜14級に応じた年金または一時金
- 遺族補償給付:死亡した場合の遺族への年金・一時金
- 傷病補償年金:療養開始1年6ヶ月後も治癒しない場合に支給される年金(傷病等級1〜3級)
- 介護補償給付:障害・傷病で介護が必要な場合の費用補償
出典:厚生労働省「労働者災害補償保険」(2026-05-27確認)
損益相殺の仕組みと慰謝料の全額請求
「損益相殺」とは、損害賠償額から同一損害に対する労災給付額を差し引く仕組みです。ただし、慰謝料は労災保険が対象としていない損害であるため、損益相殺の対象外です。
- 月給25万円 × 3ヶ月休業 → 休業損害:75万円
- 労災休業補償給付(60%):45万円 → 損益相殺で差し引き
- 会社への休業損害追加請求:30万円(差額40%分)
- 慰謝料(弁護士基準・通院3ヶ月):約89万円 → 全額請求可
- 合計:30万円 + 89万円 = 119万円を会社に請求
過労死・精神疾患(うつ病)労災の慰謝料
過重労働によるうつ病・自殺・過労死が労災認定された場合、会社への損害賠償請求の金額は通常の業務災害より高額になる傾向があります。
- 死亡慰謝料(弁護士基準):約2,000万円〜2,800万円が相場
- 逸失利益:死亡時年齢・収入・就労可能年数をもとに算定(数千万円規模になることも)
- 葬儀費用:約150万円が認められることが多い
- 遺族の固有慰謝料:配偶者・子・親など遺族それぞれに認められる場合がある
過労死・うつ病労災の場合、損害賠償請求は時効(原則3年、悪意の不法行為は20年)に注意が必要です。早めに弁護士に相談してください。
よくある質問
労災保険は慰謝料を支払わないのですか?
結論:支払いません。労災保険は療養補償・休業補償・障害補償等を支給しますが、精神的苦痛に対する慰謝料は対象外です。慰謝料を受け取るには雇用主や加害者への損害賠償請求が別途必要です(厚生労働省・労災補償制度)。
業務災害と通勤災害の違いは何ですか?
結論:業務災害は業務中の事故・疾病で、会社の安全配慮義務違反(労働契約法第5条)を根拠に雇用主へ損害賠償請求できます。通勤災害は合理的な通勤途中の事故で、加害者がいる場合は第三者行為災害として加害者に請求できます。
労災と慰謝料請求は同時にできますか?
結論:できます。労災申請と損害賠償請求は別の手続きです。休業損害等は損益相殺(労災給付分を控除)されますが、慰謝料は対象外で全額請求できます。
損益相殺とは何ですか?
結論:損害賠償額から同一損害に対する労災給付を差し引く仕組みです。例えば休業損害100万円のうち労災が60万円補償した場合、差額40万円を会社に請求します。慰謝料は労災の対象外のため損益相殺されません。
労災認定されれば会社が慰謝料を払ってくれますか?
結論:自動的には払われません。労災認定は業務との因果関係を認定するものであり、会社の賠償責任の認定ではありません。安全配慮義務違反(民法415条)または不法行為(民法709条)を根拠とした損害賠償請求が別途必要です。
通勤中の交通事故(通勤災害)でも慰謝料は請求できますか?
結論:できます。通勤中に加害者(他の車等)がいる場合、その相手の自賠責保険・任意保険に慰謝料請求できます(第三者行為災害)。同時に労災申請もできます。
会社の安全配慮義務違反で慰謝料は増額されますか?
結論:認められると通常より高く認定される場合があります。過重労働・ハラスメント放置・設備の不備など、会社側の落ち度が明確なほど高額になる傾向があります。
過労死・うつ病で労災認定された場合の慰謝料は?
結論:会社への損害賠償請求が可能です。死亡慰謝料は約2,000万円〜2,800万円(弁護士基準)が相場です。逸失利益・葬儀費用・遺族慰謝料も合わせると数千万円規模になることがあります。早めに弁護士に相談してください。
第三者行為災害とは何ですか?
結論:業務中または通勤中に第三者の行為によって発生した労災事故です。労災保険への申請と第三者への損害賠償請求を同時に行えます。同一損害の二重取りはできませんが(損益相殺・求償)、慰謝料は全額請求できます。
労災申請と損害賠償請求、どちらを先にすべきですか?
結論:一般的には労災申請を先行させた方が、治療費・休業補償を速やかに受けられます。損害賠償請求は弁護士と相談しながら進めるのが安全です。時効(原則3年)があるため、並行して弁護士に相談することをお勧めします。
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本ツールは概算値です。実際の慰謝料・損害賠償額は事故の態様・過失割合・後遺障害の有無・会社の安全配慮義務違反の有無・裁判所の判断によって大きく異なります。具体的な請求については必ず弁護士にご相談ください。