自賠責慰謝料計算ツール(無料)
自賠責保険の支払基準(告示)どおりに、傷害慰謝料(1日4,300円)と休業損害を計算し、傷害の限度120万円に収まるか、被害者に重大な過失があるときの減額まで確かめます。
現行の支払基準は2020年4月1日以後に発生した事故に適用されます。それより前の事故は対象外です。
治療を始めた日から終わった日までの暦日数(入院期間を含み、通院しなかった日も数えます)。
保険会社から示された対象日数。空欄なら治療期間の日数で上限額を出します(治療期間を超える日数は入れられません)。
けがで仕事を休み収入が減った日数・有給休暇を使った日数(家事従事者は家事ができなかった日数)。休んでいなければ0。
空欄なら原則の6,100円で計算します。6,100円を超える額を源泉徴収票などで示せる場合だけ入力(19,000円が限度)。
治療関係費・通院交通費・文書料など、自賠責に請求する傷害の損害の合計。分からなければ0のまま。
自賠責で減額されるのは被害者の過失が7割以上のときだけです。
後遺障害等級の認定を受けた場合のみ選択。後遺障害が1つの場合が対象です(併合・加重は対象外)。
別表第1の第1・2級、別表第2の第1〜3級だけ慰謝料等の額が変わります。
| 傷害慰謝料(-) | - |
| 後遺障害の慰謝料等 | - |
| 初期費用等の加算(別表第1のみ) | - |
| 後遺障害の保険金額(逸失利益と合わせた限度) | - |
| 傷害慰謝料 | - |
| 休業損害(-) | - |
| 治療費など | - |
| 傷害の損害の合計 | - |
| 自賠責から傷害分として支払われる上限 | - |
-
自賠責の慰謝料・休業損害の計算方法(支払基準の告示)
自賠責保険(自賠責共済)の保険金は、金融庁・国土交通省の告示「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」に従って支払われます。このページの計算は、この告示と自動車損害賠償保障法施行令の原文で確認できた額と決まりだけを使っています。
慰謝料の対象日数を確かめる
支払基準:「慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。」保険会社が決めるため、分からなければ治療期間の日数を上限として使います。
傷害慰謝料を求める
支払基準:「慰謝料は、1日につき4,300円とする。」→ 傷害慰謝料 = 4,300円 × 対象日数
治療期間90日・対象日数不明なら 上限 387,000円
休業損害を求める
支払基準:「1日につき原則として6,100円とする。」対象日数は「実休業日数を基準とし…治療期間の範囲内とする。」立証できれば1日19,000円を限度に実額。
休業20日なら 6,100円×20日 = 122,000円
120万円の限度を当てる
施行令第2条:傷害による損害の保険金額は被害者1人につき120万円。慰謝料・休業損害・治療関係費などの合計に対する限度です。
合計1,440,000円なら、支払は1,200,000円まで
治療期間ごとの傷害慰謝料の上限(対象日数=治療期間のとき)
| 治療期間 | 慰謝料の上限 | 120万円の限度 |
|---|---|---|
| 30日 | 129,000円 | 休業損害・治療費などとの合計で判定 |
| 90日 | 387,000円 | 休業損害・治療費などとの合計で判定 |
| 180日 | 774,000円 | 休業損害・治療費などとの合計で判定 |
| 300日 | 1,290,000円 | 慰謝料だけで120万円を超える(支払は120万円まで) |
「実通院日数×2」の算式は告示に書かれていない
自賠責の慰謝料は「実通院日数×2と治療期間の少ない方」、入院があれば「入院日数×2」を足して数える、という説明がよく見られます。しかし支払基準(告示)の本文にあるのは、対象日数を「被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする」という決まりだけで、2倍にする算式や入院日数を2倍にする算式は書かれていません。
実際の対象日数は保険会社が決めます。このツールは、保険会社から示された対象日数があればその日数で、なければ告示で確かめられる上限(治療期間の日数)で計算します。
後遺障害の慰謝料等と保険金額
後遺障害の等級は施行令の別表第1(介護を要する後遺障害)と別表第2に定められています。保険金額は逸失利益と慰謝料等を合わせた支払の限度(施行令第2条・別表)、慰謝料等は支払基準の表の額です。被扶養者がいるときの慰謝料等は計算ツールで選べます。
| 等級 | 保険金額 | 慰謝料等 | 初期費用等の加算 |
|---|---|---|---|
| 別表第1 第1級(介護を要する) | 4,000万円 | 1,650万円 | 500万円 |
| 別表第1 第2級(介護を要する) | 3,000万円 | 1,203万円 | 205万円 |
| 別表第2 第1級 | 3,000万円 | 1,150万円 | — |
| 別表第2 第2級 | 2,590万円 | 998万円 | — |
| 別表第2 第3級 | 2,219万円 | 861万円 | — |
| 別表第2 第4級 | 1,889万円 | 737万円 | — |
| 別表第2 第5級 | 1,574万円 | 618万円 | — |
| 別表第2 第6級 | 1,296万円 | 512万円 | — |
| 別表第2 第7級 | 1,051万円 | 419万円 | — |
| 別表第2 第8級 | 819万円 | 331万円 | — |
| 別表第2 第9級 | 616万円 | 249万円 | — |
| 別表第2 第10級 | 461万円 | 190万円 | — |
| 別表第2 第11級 | 331万円 | 136万円 | — |
| 別表第2 第12級 | 224万円 | 94万円 | — |
| 別表第2 第13級 | 139万円 | 57万円 | — |
| 別表第2 第14級 | 75万円 | 32万円 | — |
死亡による損害の保険金額は3,000万円、死亡に至るまでの傷害による損害は120万円です(施行令第2条)。
e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法施行令」第2条・別表第1・別表第2 支払基準「第3 後遺障害による損害 2 慰謝料等」(PDF)被害者に重大な過失があるときの減額
支払基準の第6は、被害者に重大な過失がある場合、「積算した損害額が保険金額に満たない場合には積算した損害額から、保険金額以上となる場合には保険金額から」次の割合で減額すると定めています。被害者の過失が7割未満なら減額はありません。
| 被害者の過失割合 | 後遺障害・死亡に係るもの | 傷害に係るもの |
|---|---|---|
| 7割未満 | 減額なし | 減額なし |
| 7割以上8割未満 | 2割減額 | 2割減額 |
| 8割以上9割未満 | 3割減額 | 2割減額 |
| 9割以上10割未満 | 5割減額 | 2割減額 |
ただし、傷害による損害額(後遺障害・死亡に至る場合を除く)が20万円未満のときはその額、減額により20万円以下となるときは20万円です。例: 治療期間50日の慰謝料215,000円は2割減額で20万円を下回るため、200,000円になります。減額で1円未満の端数が出たときの扱いは告示に書かれていないため、このツールは1円未満を切り捨てて表示します。
支払基準「第6 減額 1 重大な過失による減額」(PDF)自賠責保険の請求方法と時効
- 被害者請求(自賠法第16条):被害者が加害者側の自賠責保険会社に、保険金額の限度で損害賠償額の支払を直接請求できます。
- 加害者請求(自賠法第15条):加害者(被保険者)は「被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ」保険金を請求できます。
- 時効(自賠法第19条):被害者請求の請求権は、被害者またはその法定代理人が「損害及び保有者を知つた時から三年」で時効により消滅します。
弁護士基準との違い
任意保険会社や弁護士との示談では、自賠責の支払基準とは別の基準で慰謝料が話し合われることがあります。弁護士基準と呼ばれる額は、日弁連交通事故相談センター東京支部が編集する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)などの書籍が参考にされるもので、法令や告示ではありません。書籍の表に当てはめた目安は弁護士基準の慰謝料ページで確認できます。
よくある質問
自賠責保険の慰謝料は1日いくら?
結論:4,300円です。自賠責保険の支払基準(金融庁・国土交通省告示)に「慰謝料は、1日につき4,300円とする。」とあり、対象日数は「被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。」とされています。対象日数は保険会社が決めるため、分からないときの最大額は4,300円×治療期間の日数です。治療期間90日なら387,000円が上限で、対象日数が60日と示されたなら258,000円です。
「実通院日数×2」と治療期間の少ない方で計算するのは正しい?
結論:その算式は支払基準(告示)の本文には書かれていません。告示が定めているのは「治療期間の範囲内」で、実治療日数などを勘案して保険会社が対象日数を決めるということだけです。このツールは、保険会社から示された対象日数か、告示で確かめられる上限(治療期間の日数)で計算します。
自賠責の休業損害は1日いくら?
結論:原則6,100円です。支払基準で「休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に1日につき原則として6,100円とする」とされ、家事従事者は収入の減少があったものとみなされます。立証資料で6,100円を超えることが明らかなら、1日19,000円を限度に実額です(施行令第3条の2)。休業20日なら122,000円です。
自賠責保険の傷害の限度額120万円とは?
結論:自動車損害賠償保障法施行令第2条で、傷害による損害の保険金額は被害者1人につき120万円です。治療関係費・文書料・休業損害・慰謝料の合計に対する限度なので、慰謝料だけで120万円を受け取れるわけではありません。例えば治療期間180日(慰謝料774,000円)・休業60日(366,000円)・治療費など300,000円だと合計1,440,000円ですが、自賠責から傷害分として支払われるのは1,200,000円までです。
後遺障害の「保険金額」と「慰謝料等」はどう違う?
結論:保険金額は後遺障害による損害(逸失利益と慰謝料等)に対する支払の限度で、施行令の別表で決まっています(第14級75万円、第12級224万円、別表第2の第1級3,000万円、介護を要する別表第1の第1級4,000万円)。慰謝料等は支払基準の表の額で、第14級は32万円です。逸失利益は収入や年齢から別に計算され、このツールでは計算しません。
被害者に過失がある場合、自賠責の支払は減りますか?
結論:被害者の過失が7割未満なら減額されません。7割以上のときは「重大な過失による減額」として、傷害分は2割、後遺障害・死亡分は7割以上8割未満で2割・8割以上9割未満で3割・9割以上で5割が減額されます。傷害の損害額が20万円未満ならその額、減額で20万円以下になるなら20万円です。治療期間90日の慰謝料387,000円だけなら、7割以上の過失で309,600円になります。
自賠責保険への請求は被害者と加害者どちらがしますか?
結論:どちらもできます。被害者は自動車損害賠償保障法第16条により、加害者側の自賠責保険会社に保険金額の限度で損害賠償額の支払を直接請求できます(被害者請求)。加害者(被保険者)は第15条により、被害者に支払った限度で保険金を請求できます(加害者請求)。
自賠責保険の被害者請求の時効は?
結論:自動車損害賠償保障法第19条で、被害者請求の請求権は「被害者又はその法定代理人が損害及び保有者を知つた時から三年を経過したとき」に時効で消滅します。いつから数えるかは事案によるため、期限が近いときは保険会社や弁護士に確認してください。
2020年3月以前に起きた事故も同じ計算ですか?
結論:このツールの対象外です。現行の支払基準の改正(令和元年金融庁・国土交通省告示第3号)は「令和二年四月一日から施行し、同日以後に発生する自動車の運行による事故に係る」支払から適用されるため、それより前の事故には改正前の基準が使われます。
弁護士基準の慰謝料はこのページで計算できますか?
結論:このページでは計算しません。弁護士基準と呼ばれる額は、日弁連交通事故相談センター東京支部が編集する書籍(通称「赤い本」)などが参考にされるもので、法令や告示ではありません。書籍の表に当てはめた目安は弁護士基準のページで確認できます。
関連ツール
このツールで扱わないこと
- 任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の金額、実際に受け取る額(過失相殺・既払金・任意保険や人身傷害保険との調整)は計算しません。
- 保険会社が決める慰謝料・休業損害の対象日数そのものは判定しません(慰謝料は分からなければ治療期間で上限を出します)。
- 2020年3月31日以前に発生した事故(改正前の支払基準が適用されます)。
- 後遺障害・死亡分の重大な過失による減額(逸失利益を含めた額にかかるため)、受傷と後遺障害などの因果関係の判断が困難な場合の減額は計算しません。
- 複数の自動車による事故(保険金額の合算)、後遺障害が2つ以上ある場合の併合、既にあった後遺障害の加重は対象外です。
- 治療関係費の中身(看護料・諸雑費などの基準額)、逸失利益、死亡による損害、妊婦の死産や流産の慰謝料、物損は計算しません。
本ツールは自賠責保険の支払基準(告示)の額で計算した目安で、実際の支払額を保証するものではありません。対象日数・休業日数・後遺障害等級・過失割合は保険会社などの認定によります。示談や賠償請求は弁護士などの専門家にご相談ください。