老人ホーム費用の補助・減免制度まとめ
高額介護サービス費・補足給付・社会福祉法人等の軽減制度の3つを解説します。課税状況・年金収入等・預貯金などを入れると、高額介護サービス費と補足給付の軽減額を参考計算します(社会福祉法人等の軽減は計算しません)。
こんな方向け:老人ホームの費用が心配な方、補助制度を使えるか確認したい方、申請の流れを知りたい方
2026年8月利用分から、食費と第3段階②の居住費が上がりました
食費の基準費用額は1日1,445円→1,545円、第3段階①の食費は650円→680円、第3段階②の食費は1,360円→1,420円です。第3段階②は居住費も上がりました(ユニット型個室1,370円→1,470円など)。第2段階の年金収入等の線は82.65万円以下です(2026年7月利用分までは80.9万円以下)。段階別の全額は負担限度額認定特集をご覧ください。
補助額の目安計算
補足給付(居住費・食費)の判定
配偶者が住民税課税だと、世帯分離していても通常の補足給付の対象外です
課税年金・非課税年金(遺族年金・障害年金)の収入額に、公的年金等の雑所得を除いた合計所得を足した額。82.65万円以下なら第2段階、120万円以下なら第3段階①、超えると第3段階②です
預貯金・現金・有価証券・投資信託など。上限は段階別(単身:第1段階(老齢福祉年金受給者)1,000万円/第2段階650万円/第3段階①550万円/第3段階②500万円。配偶者がいる場合は夫婦合計で各+1,000万円。生活保護受給者は要件なし、40〜64歳の第2号被保険者は段階にかかわらず単身1,000万円・夫婦2,000万円)
補足給付の対象施設です
高額介護サービス費の判定
補足給付の段階とは別の区分です。個人の上限の線は「前年の公的年金等収入額(非課税年金は含めない)+その他の合計所得」で判定します。課税世帯の区分は世帯の65歳以上の方の課税所得で決まります
介護保険サービスの1〜3割の自己負担額。居住費・食費は含めません。世帯で介護サービスを使うのが本人だけの場合の計算です
補助・減免の計算結果
3つの主要補助制度まとめ
| 制度名 | 対象 | 軽減効果 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 高額介護サービス費 | 全被保険者(上限超過分) | 上限超過分の全額返還 | 市区町村 |
| 補足給付(特定入所者介護サービス費) | 本人・世帯・配偶者が住民税非課税で、預貯金等が上限以下 | 居住費・食費を月数万円軽減 | 市区町村 |
| 社会福祉法人等軽減制度 | 特に生計が困難な低所得者・生活保護受給者が、実施を申し出た法人の対象サービスを使う場合 | 利用者負担の原則1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)を軽減 | 市区町村 |
高額介護サービス費の所得区分別上限額(2026年現在)
| 区分 | 月上限額 |
|---|---|
| 課税所得690万円以上の65歳以上の方がいる世帯 | 140,100円(世帯) |
| 課税所得380万円以上690万円未満の65歳以上の方がいる世帯 | 93,000円(世帯) |
| 住民税課税世帯(上記以外) | 44,400円(世帯) |
| 住民税非課税世帯(下記以外) | 24,600円(世帯) |
| 住民税非課税世帯で前年の公的年金等収入額+その他の合計所得金額(公的年金等に係る雑所得を除いた合計所得金額)が82.65万円以下(2026年7月利用分までは80.9万円以下)の方、老齢福祉年金受給者 | 24,600円(世帯)・15,000円(個人) |
| 生活保護受給者 | 15,000円(個人) |
出典:大阪市「高額介護(介護予防)サービス費」(2026-10-15 確認)。課税所得の区分は同じ世帯の65歳以上の方全員の課税所得で判定します。世帯の上限は世帯で介護サービスを使った人の合計、個人の上限は本人の負担の上限です。
→ 詳しくは負担限度額認定特集をご覧ください。
補足給付の負担限度額(令和8年8月1日〜)
2026年8月利用分から、食費の基準費用額と第3段階①・②の食費、第3段階②の居住費が上がりました。同じ居室タイプでも施設種別で金額が異なるため、本ページの計算も特養と老健等を分けています。
- 多床室:第1段階0円/第2段階・第3段階①430円/第3段階②は特養530円・老健等430円(室料を徴収する施設は530円)。基準費用額は特養915円・老健等437円(室料を徴収する施設は697円)
- 従来型個室(特養):第1段階380円/第2段階480円/第3段階①880円/第3段階②980円
- 従来型個室(老健等)・ユニット型個室的多床室:第1〜第2段階550円/第3段階①1,370円/第3段階②1,470円
- ユニット型個室:第1〜第2段階880円/第3段階①1,370円/第3段階②1,470円
- 食費:第1段階300円/第2段階390円/第3段階①680円/第3段階②1,420円(基準費用額1,545円)
2026年7月利用分までは、食費が第3段階①650円・第3段階②1,360円・基準費用額1,445円、第3段階②の居住費は第3段階①と同じ額でした。本ページの計算で、老健等の多床室は室料を徴収しない施設の額を使っています。
例:第2段階でユニット型個室(特養)に入居した場合、居住費880円/日・食費390円/日が上限となり、基準費用額との差額は月およそ70,230円の軽減になります(30日で計算)。補足給付の対象外(第4段階)の方の食費・居住費は施設との契約額で、基準費用額は上限ではありません。段階別の一覧表は負担限度額認定特集に掲載しています。
補足給付(負担限度額認定)の申請方法
- 市区町村の介護保険課に「介護保険負担限度額認定申請書」を提出
- 添付書類:通帳のコピー(預貯金残高確認)・マイナンバーカード等
- 審査後に「介護保険負担限度額認定証」が交付される
- 施設に提示する(提示がないと減額を受けられないため、利用前の申請・提示が確実)
- 有効期間:申請した月の初日から次の7月31日まで。更新後は8月1日〜翌年7月31日で、毎年更新が必要
よくある質問
高額介護サービス費とはどんな制度ですか?
1か月に支払った介護サービスの利用者負担(1〜3割)が上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。上限額は世帯の課税状況・所得で決まり、生活保護受給者・老齢福祉年金受給者・住民税非課税世帯で前年の公的年金等収入+その他の合計所得が82.65万円以下の方は個人15,000円(世帯24,600円。生活保護受給者は個人のみ)、その他の住民税非課税世帯は世帯24,600円、住民税課税世帯は世帯44,400円、課税所得380万円以上690万円未満の65歳以上の方がいる世帯は93,000円、690万円以上の方がいる世帯は140,100円です。居住費・食費は対象外です。一度申請すると、次からは自動で支給されるのが一般的です。
補足給付(特定入所者介護サービス費)とは?対象者は?
低所得者の施設での居住費・食費を軽減する制度です。対象は①本人・世帯全員と配偶者(世帯分離していても、事実婚でも)が住民税非課税であること、②本人と配偶者の預貯金等が段階ごとの上限額以下であること(第1段階(老齢福祉年金受給者)は単身1,000万円・夫婦2,000万円、第2段階は単身650万円・夫婦1,650万円、第3段階①は単身550万円・夫婦1,550万円、第3段階②は単身500万円・夫婦1,500万円。生活保護受給者は預貯金等の要件がなく、40〜64歳の第2号被保険者は段階にかかわらず単身1,000万円・夫婦2,000万円)を満たす方です。段階は、非課税年金(遺族年金・障害年金)を含む年金収入等+その他の合計所得で決まります。市区町村の介護保険担当窓口に申請が必要です。
令和8年8月1日から食費・居住費はいくら上がりましたか?
2026年8月利用分から、食費の基準費用額が1日1,445円から1,545円に、第3段階①の食費が650円から680円に、第3段階②の食費が1,360円から1,420円に上がりました。第3段階②は居住費も上がり、従来型個室(特養)は880円から980円、ユニット型個室は1,370円から1,470円です。第2段階と第3段階①を分ける年金収入等の線は80.9万円から82.65万円になりました。第1・第2段階の食費(300円・390円)は変わっていません。
特養と老健で補足給付の軽減額は違いますか?
違います。従来型個室の負担限度額は、第3段階①の場合で特別養護老人ホームが1日880円、介護老人保健施設・介護医療院等が1日1,370円と約1.5倍の差があります。多床室の基準費用額も特養915円に対し老健等は437円(室料を徴収する施設は697円)です。本ページの計算も施設種別で金額を出し分けています。
社会福祉法人等による利用者負担軽減制度とはどんな制度ですか?
低所得で特に生計が困難な方と生活保護受給者について、軽減の実施を都道府県と市区町村に申し出た社会福祉法人等が、制度で決められた対象サービス(訪問介護・通所介護・短期入所生活介護・特別養護老人ホーム等)の利用者負担を軽減する制度です。すべての施設・サービスが対象ではありません。軽減は原則1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)が原則で、市区町村が個別に決めます。特養・ショートステイの食費・居住費は、補足給付(負担限度額認定)を受けている場合に限り対象です。対象者は世帯全員が住民税非課税で、年間収入が単身150万円以下(1人増えるごとに50万円加算)・預貯金等が単身350万円以下(1人増えるごとに100万円加算)などの要件を満たし、市区町村が認めた方です。市区町村に確認証の交付申請が必要です。本ページの計算には含めていません。
補足給付の申請はどこでできますか?
お住まいの市区町村の介護保険担当窓口(介護保険課等)で申請できます。申請書類は「介護保険負担限度額認定申請書」と預貯金等の資産を証明する書類(通帳のコピー等)です。認定証は申請した月の初日から効力があり、有効期限は次の7月31日までなので、毎年の更新が必要です。
負担限度額認定証とは何ですか?
補足給付(特定入所者介護サービス費)の適用を受けるために必要な認定証です。市区町村の介護保険窓口に申請して交付を受け、施設に提示します。提示がないと減額を受けられないため、利用の前に申請・提示しておくのが確実です。有効期間は申請した月の初日から次の7月31日までで、更新後は毎年8月1日から翌年7月31日までです。
関連ツール
本ツールの計算結果は目安です。補助額の詳細・適用要件は所得・資産・地域・施設により異なります。入居前に必ず市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。
このツールで扱わないこと
- 社会福祉法人等による利用者負担軽減の額(対象の法人・サービスと軽減の程度は市区町村が個別に決めます)
- 世帯の複数の人が介護サービスを使う場合の高額介護サービス費の世帯合算
- 課税層特例(施設入所により生活が困難になる課税世帯の減額)の判定
- 老健等の多床室で室料を徴収する施設の額(計算は室料を徴収しない施設の額)
- 施設ごとに契約で決まる実際の食費・居住費(対象外の場合の額は基準費用額による参考額です)