生活保護で老人ホームに入れる?施設の種類と費用の決まり方
生活保護を受けている方が入れる施設の種類、入所の条件、本人負担や保護費の決まり方を、制度の説明で整理します。本人負担額や保護費は福祉事務所等が個別に決めるため、このページでは金額を計算しません。
こんな方向け:生活保護受給中・受給予定で老人ホームへの入居を検討している方、費用が払えなくなった場合の選択肢を知りたい方
施設タイプ別の制度早見
特別養護老人ホーム(特養)の制度
本人負担額・保護費の金額は、このページでは計算できません。施設の種類、認定された収入、基準生活費などにもとづき、福祉事務所等が個別に決めます。
このツールで扱わないこと
- 本人負担額、保護費、施設の月額費用の金額は計算しません。施設の種類、収入、基準生活費などをもとに福祉事務所等が個別に決めます。
- 生活保護の受給の可否、特養・養護老人ホーム・救護施設に入所できるかどうかは判定しません。
- 有料老人ホームが生活保護の方を受け入れるかどうかは、施設ごとに違います。施設と福祉事務所に確認してください。
生活保護の方が入れる施設の種類
| 施設タイプ | 根拠となる制度 | 入所の考え方 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 介護保険(介護サービス費は介護扶助) | 原則要介護3以上。やむを得ない事情があれば要介護1・2の特例入所もあります |
| 養護老人ホーム | 老人福祉法の措置(市区町村) | 環境上・経済上の理由で自宅での養護が難しい65歳以上の方 |
| 救護施設 | 生活保護法の保護施設 | 障害のため日常生活が困難な方(福祉事務所の判断) |
どの施設に入れるか、費用がどうなるかは、福祉事務所とケアマネジャーに確認してください。
生活保護費と本人負担の考え方
生活保護費は、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比べ、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額として支給されます。年金は収入として扱われます。
生活扶助の額と、施設に払う本人負担額は別のものです。施設に入る場合の金額は、施設の種類、認定された収入、基準生活費などをもとに福祉事務所等が個別に決めるため、「月2〜3万円」のような全国共通の金額はありません。
参考として、老齢基礎年金の満額(令和8年度)は、昭和31年4月2日以後生まれの方で月額70,608円、昭和31年4月1日以前生まれの方で月額70,408円です。実際の受取額は年金額の通知書で確認してください。
生活保護と介護保険の関係
65歳以上の方は介護保険の第1号被保険者です。40歳以上65歳未満では、医療保険に加入している方が第2号被保険者になり、特定疾病で要介護・要支援の状態にある場合に対象となります。医療保険に加入していない生活保護の方は第2号被保険者になれません。この場合も、特定疾病で要介護・要支援の状態にあれば、介護扶助により全額(10割)の給付を受けます。
介護扶助の介護サービス費は事業者に直接支払われ、本人負担はありません。介護保険の保険料と介護保険施設の入所者日常費は、生活扶助で対応します。
申請の流れ
- お住まいの地域を所管する福祉事務所(生活保護担当)に事前に相談
- 申請。生活状況の調査、預貯金・保険・不動産などの資産調査、扶養義務者による扶養の可否の調査、年金や就労収入などの調査が行われる
- 保護費の支給。最低生活費から収入を引いた額が毎月支給される
- 施設を探す(ケアマネジャー・地域包括支援センターと連携)
養護老人ホームとは(入所条件・特養との違い)
養護老人ホームは、環境上および経済上の理由により、自宅で養護を受けることが困難な高齢者が入所する施設です。介護度ではなく、生活環境と経済状況で判断される点が特養と大きく異なります。
入所の対象(広島市の案内による一例)
- 年齢:原則65歳以上(特別の事情がある場合は60歳から)
- 経済的な要件:高齢者のいる世帯が生活保護を受けているとき、高齢者と世帯の生計中心者が住民税を課税されていないか均等割のみ課税されているとき、災害などで世帯の生活が困窮していると認められるとき
- 環境などの条件:身体上または精神上の障害のため日常生活が困難で世話をしてくれる人がいないとき、家族などとの折合いがよくないとき、住むところがなかったり住まいの環境がきわめて悪いとき
細かい基準は市区町村ごとに運用が異なることがあります。障害があることや、申し込む市区町村に住民票がないことだけで、一律に対象外になるとは限りません。窓口で確認してください。
養護老人ホームと特養の比較
| 項目 | 養護老人ホーム | 特別養護老人ホーム |
|---|---|---|
| 対象 | 環境上・経済上の理由で自宅での養護が困難な方 | 原則要介護3以上 |
| 介護 | 生活支援が中心。介護の受け方は施設により異なる(施設に確認) | 施設で介護を受ける |
| 費用 | 市区町村が個別に決めて通知 | 福祉事務所が個別に決定(介護サービス費は介護扶助) |
| 申し込み | 市区町村が措置 | 施設へ申し込み |
養護老人ホームの申請は、①市区町村の福祉担当窓口に相談・申請 → ②調査(生活状況・収入・資産・介護の必要性等)→ ③市区町村による入所措置の決定 → ④施設に入所(費用負担額の通知)→ ⑤毎年の収入審査により負担額が変動、という流れです。
よくある質問
生活保護を受けていても老人ホームに入れますか?
結論:生活保護を受けていることだけが理由で入所できない、とは限りません。ただし、入所できるかは各施設の入所要件と入所の判断によります。特養は原則要介護3以上(やむを得ない事情があれば要介護1・2でも特例入所の対象になる場合があります)、養護老人ホームは市区町村の措置、救護施設は福祉事務所の判断で決まります。
生活保護で老人ホームに入った場合の本人負担額は?
結論:全国一律の金額はありません。生活保護費は、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費から収入(年金など)を差し引いた差額として支給されます。施設に入る場合の本人負担額と保護費は、施設の種類や収入などをもとに福祉事務所が個別に決めます。介護サービスの費用は介護扶助の対象で、本人負担はありません。
生活保護受給中に有料老人ホームに入れますか?
結論:受け入れるかどうかは施設ごとに違います。生活保護の介護扶助による介護の給付は、生活保護法の指定を受けた事業者等に委託して行うとされています。受け入れの可否、居住費・食費の扱い、介護扶助の対象になるサービスを、施設と福祉事務所の両方に確認してください。
老人ホーム入居中に生活保護を申請できますか?
結論:申請できます。入居中に資産や収入が足りなくなった場合も、福祉事務所に相談してください。申請すると、生活状況の調査、預貯金・保険・不動産などの資産調査、扶養義務者による扶養の可否の調査、年金などの収入の調査が行われます。
関連ツール
厚生労働省 生活保護制度本ページは制度の説明です。生活保護の適用、本人負担額、保護費は個別の状況・地域・施設により異なります。具体的な金額・手続きは福祉事務所・ケアマネジャーにご確認ください。