医療費控除 住民税の減額計算ツール
医療費控除で翌年度の住民税(所得割)がいくら減るかと、どの年度の住民税に反映されるかを計算します。2026年分のほか、還付申告ができる2021〜2025年分も1年分ずつ選べます。
※ 選んだ年分の源泉徴収票の「支払金額」(額面年収)を入力。給与収入だけの人が対象で、2,595万円まで(合計所得金額が2,400万円を超えると住民税の基礎控除が減るため対象外)
※ あなたがその年中に、あなたまたは生計を一にする家族のために実際に支払った医療費の合計。ほかの家族が支払った分は入れない(同じ医療費を2人で重ねて入れない)
※ 高額療養費・入院給付金などで補てんされる金額。給付ごとに、その給付の目的になった医療費を上限にして数えた合計を入れる(例: 入院費10万円に20万円の給付なら10万円。引ききれない分はほかの医療費から引きません)
※ 源泉徴収票の「社会保険料等の金額」。空欄のときは令和8年度の料率(協会けんぽ・東京都・令和8年度・40歳未満・賞与なしの等級表で計算)で推計するため、過去の年分では実際と違うことがあります
※ 確定申告の義務がない人の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間出せます(国税庁No.2030)。2025年分(令和7年分)は、令和7年度改正後の所得税の基礎控除(合計所得132万円以下95万円など段階的)と給与所得控除の最低保障額65万円で計算します。
※ 給与から住民税を天引き(特別徴収)されている人は、通常6月〜翌年5月の天引き額が下がります。月額は年額÷12の参考値で、実際の各月の額・納期・還付の時期は徴収方法と市区町村の処理によります。過去の年分は、その年度の住民税を計算し直す形になり、今後の天引きが下がるとは限りません。
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このツールで扱わないこと
- 2020年分以前
- 給与以外の所得がある人、扶養控除・生命保険料控除など医療費控除以外の所得控除、年収2,595万円超(住民税の基礎控除が減る範囲)
- 令和6年分の所得税・令和6年度の住民税の定額減税、住宅ローン控除などの税額控除との関係
- セルフメディケーション税制、医療費の個別の対象・対象外の判定
- 実際の還付額(源泉徴収税額・予定納税額を入力しないため)、住民税の各月の天引き額・還付の時期
- 独自の税率(超過課税)の市区町村
医療費控除で住民税が減る仕組み
医療費控除の額の計算(支払った医療費−補てん額−10万円または総所得金額等の5%)は所得税と住民税で同じですが、税率を掛ける金額は違います。所得税は基礎控除(令和8年分は最大104万円)などを引いた課税所得、住民税は基礎控除43万円などを引いた課税標準に、それぞれ医療費控除を差し引いて計算します。確定申告で医療費控除を申告すると、その年分の所得税と、翌年度の住民税が下がります。
| 効果 | 計算式 | 反映タイミング |
|---|---|---|
| 所得税の軽減 | 所得税(控除前)− 所得税(控除後)。還付されるのは、源泉徴収などですでに納めた額のうち納め過ぎの分 | e-Taxで3週間程度・確定申告期間中はおおむね1か月〜1か月半(税務署の処理状況による) |
| 住民税の減額 | 所得割(控除前)− 所得割(控除後)。課税標準の範囲内ならほぼ控除額×10%(調整控除・100円未満の切捨てで少しずれる) | 医療費を払った年の翌年度分(給与天引きなら通常6月〜翌年5月) |
※ 所得割の標準税率は10%(道府県民税4%+市町村民税6%)。この計算は標準税率で、独自の税率(超過課税)の自治体は反映しません。
総務省「個人住民税」(住民税率10%の根拠)住民税減額の反映タイミング
住民税の所得割は「前年の所得」にかかります(地方税法313条1項)。そのため、ある年に払った医療費の控除は、その翌年度の住民税に反映されます。給与から天引き(特別徴収)されている人は、その年度の税額の12分の1ずつを6月から翌年5月まで天引きされます(地方税法321条の5)。
| 医療費を払った年分 | 還付申告を出せる期限(申告義務のない人) | 反映される住民税 |
|---|---|---|
| 2025年分(令和7年分) | 2030年12月31日 | 令和8年度分(2026年6月〜2027年5月の分) |
| 2024年分(令和6年分) | 2029年12月31日 | 令和7年度分(2025年6月〜2026年5月の分) |
| 2023年分(令和5年分) | 2028年12月31日 | 令和6年度分(2024年6月〜2025年5月の分) |
| 2022年分(令和4年分) | 2027年12月31日 | 令和5年度分(2023年6月〜2024年5月の分) |
| 2021年分(令和3年分) | 2026年12月31日 | 令和4年度分(2022年6月〜2023年5月の分) |
注意: 還付申告は「その年の翌年1月1日から5年間」出せます(国税庁 No.2030)。その年分の確定申告をすでに出していて医療費控除を入れ忘れた場合は、税務署への「更正の請求」(原則として法定申告期限から5年以内)になります(国税庁 No.2026)。過去の年度の住民税は、すでに納めた分を含めて計算し直す形になり、今後の天引きが下がるとは限りません。住民税の手続き・還付の時期は市区町村に確認してください。
住民税基礎控除43万円の据え置き(令和8年度・令和9年度とも)
所得税の基礎控除は令和7年分(最大95万円)・令和8・9年分(最大104万円)と引き上げられましたが、住民税の基礎控除は43万円のままです(合計所得金額2,400万円以下。2,400万円超2,450万円以下は29万円、2,500万円以下は15万円・地方税法314条の2第2項)。給与所得控除の見直しは、前年の所得にかかる住民税に1年遅れて反映されます(令和7年分の所得→令和8年度の住民税)。本ツールは、選んだ年分の所得にかかる翌年度分の住民税(2026年分なら令和9年度分)で計算しています。
国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」5年遡及申告の合計減額シミュレーション
確定申告の義務がない人の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間出せます(国税庁 No.2030)。下の表は、令和8年分の制度で計算した1年分の減額が、同じ条件・同じ制度のまま5年続いたと仮定した例です。実際の過去の年分は、その年の所得・医療費・補てん額・制度で1年ずつ計算する必要があります(上のツールで年分を選べます)。
| 条件 | 住民税減額(令和8年分の制度で1年分) | 同じ額が5年続いた場合の合計(仮定) |
|---|---|---|
| 年収500万円・毎年医療費20万円 | 約10,000円/年 | 約50,000円 |
| 年収500万円・毎年医療費30万円 | 約20,000円/年 | 約100,000円 |
| 年収700万円・毎年医療費50万円 | 約40,000円/年 | 約200,000円 |
※ 保険金の補てんなし・独身・扶養なし、所得控除は基礎控除と社会保険料控除(協会けんぽ・東京都・令和8年度・40歳未満・賞与なしの等級表で計算)だけの概算。所得税の軽減は別に発生します。
国税庁 No.2030「還付申告」(翌年1月1日から5年間) 国税庁 No.2026「確定申告を間違えたとき」(提出済みの申告の更正の請求)計算例:年収・医療費別の住民税減額一覧
| 年収 | 医療費 | 医療費控除額 | 所得税の軽減額(参考) | 住民税減額 | 合計節税 |
|---|---|---|---|---|---|
| 250万円 | 30万円 | 216,500円 | 約11,000円 | 21,500円 | 約32,500円 |
| 300万円 | 20万円 | 100,000円 | 約5,100円 | 10,000円 | 約15,100円 |
| 500万円 | 20万円 | 100,000円 | 約5,100円 | 10,000円 | 約15,100円 |
| 500万円 | 30万円 | 200,000円 | 約10,200円 | 20,000円 | 約30,200円 |
| 700万円 | 30万円 | 200,000円 | 約39,800円 | 20,000円 | 約59,800円 |
| 1,000万円 | 50万円 | 400,000円 | 約81,700円 | 40,000円 | 約121,700円 |
※ 令和8年分の制度(住民税は令和9年度分)で、保険金補填なし・扶養なし・独身(社会保険料は協会けんぽ・東京都・令和8年度・40歳未満・賞与なしの等級表で計算)のケース。住民税減額は控除前後の所得割の差で、課税標準の範囲内ならほぼ控除額×10%(市と県それぞれ100円未満を切り捨てるため100円前後ずれ、住民税の課税標準を超える控除は超えた分が効きません)ですが、所得税還付は「医療費控除を引く前の所得税額 − 引いた後の所得税額」で決まります。
税率区分の境界をまたぐ例(年収539万円・医療費20万円と30万円)。課税所得は約205.4万円で、控除10万円なら195.4万円(10%区分)、控除20万円なら185.4万円(5%区分)と、控除が195万円の境界をまたぎます。 このとき「控除額×控除後の税率」で計算すると 20万円×5%×1.021=10,210円となり、控除が2倍なのに還付がほとんど増えないという誤った結果になります。
正しくは、またいだ上側の10.4万円(205.4万円→195万円)は10%、下側の9.6万円(195万円→185.4万円)は5%で効くため、 所得税 110,100円 − 94,600円 = 15,500円です。
年収250万円の行は、総所得金額等が200万円未満のため足切り額が「総所得金額等×5%(83,500円)」になるケースです(国税庁 No.1120)。
本ツールは国税庁・総務省の計算式に基づく概算です。実際の住民税減額は自治体の税率・各種控除・申告内容により異なります。正確な金額は最寄りの税務署または市区町村にご確認ください。
関連ツール・解説
参考公的ソース
- 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 総務省「個人住民税」(住民税率10%・基礎控除43万円)
- 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等」
- 国税庁「No.2030 還付申告」(翌年1月1日から5年間)
- 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」(更正の請求)
主要根拠: 国税庁 No.1120 総務省 個人住民税
よくある質問
- 医療費控除で住民税はいくら減る?
- 結論:減額は「控除前の住民税所得割 − 控除後の所得割」です。所得割の標準税率は10%(市町村民税6%・道府県民税4%)なので、医療費控除額が住民税の課税標準の範囲に収まっていれば、ほぼ医療費控除額×10%です(例: 控除30万円なら約3万円。市と県それぞれ100円未満を切り捨てるため100円前後ずれます)。課税標準より大きい控除は、超えた分が効きません。所得税の軽減(税率5〜45%)とは別に発生するため、合計の節税効果は所得税の軽減額+住民税の減額です。
- 医療費控除の住民税減額はいつから反映される?
- 結論:医療費を支払った年(所得の年)の翌年度の住民税に反映されます。会社の給与から天引き(特別徴収)されている人は、通常その年の6月から翌年5月までの天引き額が下がります。例えば2025年分の医療費を2026年3月までに申告すると、令和8年度(2026年6月〜2027年5月)の住民税が下がります。普通徴収・年金からの天引きの人は納付書や年金の天引き額で調整されます。過去の年分をあとから申告した場合は、その年度の住民税を計算し直す形になり、すでに納めた分は還付などで調整されます(今後12か月の天引きが下がるとは限りません)。時期や方法は市区町村の処理によります。
- 住民税のみの還付申告(5年遡及)とは?
- 結論:確定申告をする義務のない人の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁No.2030)。例えば2021年分は2026年12月31日、2022年分は2027年12月31日、2023年分は2028年12月31日、2024年分は2029年12月31日までです。住民税は、その年分の所得にかかる年度の分を計算し直してもらう形になります(市区町村への手続きが要るかは市区町村に確認してください)。その年分の確定申告をすでに出していて医療費控除を入れ忘れた場合は、税務署に「更正の請求」をします(原則として法定申告期限から5年以内・国税庁No.2026)。住民税が徴収済みというだけで税務署への更正の請求が必要になるわけではありません。手続きは税務署・市区町村に確認してください。
- 住民税基礎控除は令和7年改正で変わった?
- 結論:住民税の基礎控除は43万円のままです(合計所得金額2,400万円以下の場合。2,400万円を超えると29万円・15万円と減り、2,500万円超は0円)。所得税の基礎控除は令和7年分(最大95万円)・令和8・9年分(最大104万円)と引き上げられましたが、住民税の基礎控除は変わっていません。給与所得控除の見直しは、前年の所得にかかる住民税なので1年遅れて反映されます(令和7年分の所得→令和8年度の住民税)。本ツールは、選んだ年分の所得にかかる翌年度分の住民税(例:2026年分なら令和9年度分)で計算しています。
- 医療費控除は申告すれば必ず住民税が減る?
- 結論:医療費(補填後)が足切り額(10万円または所得の5%の低い方)を超えていれば住民税も減額されます。ただし住民税が非課税の方や、所得割がもともと0円の方は減額されません。本ツールで年収・医療費を入力して事前に確認できます。