年収400万円の医療費控除シミュレーション
年収400万円の会社員が医療費控除を受けたときの、令和8年分の所得税と令和9年度の住民税の減少額を計算します。保険金などの補填を引いた医療費が足切り額(年収400万円なら100,000円)を超えると控除が生じます。
※ 家族の医療費でも、その家族が自分で支払った分は入れません(国税庁 No.1120「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」)。
※ 例: 入院Aの医療費10万円に保険金20万円、別の通院Bの医療費20万円なら、補填額は10万円と入力します(Aで引ききれない10万円はBから引きません)。この例の控除額は100,000円です。
※ 空欄のときは、東京都の協会けんぽ・40歳未満・賞与なしとして年収から推計します。
| 医療費 | 控除額 | 所得税の減少 | 住民税の減少 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 12万円 | 20,000円 | 約1,000円 | 2,000円 | 約3,000円 |
| 20万円 | 100,000円 | 約5,100円 | 10,000円 | 約15,100円 |
| 30万円 | 200,000円 | 約10,200円 | 20,000円 | 約30,200円 |
| 50万円 | 400,000円 | 約20,400円 | 40,000円 | 約60,400円 |
※年収400万円・給与以外の所得なし・保険補填なし・配偶者控除や扶養控除なし・社会保険料は推計598,956円(東京都の協会けんぽ・40歳未満・賞与なし)の場合。医療費控除前の課税所得は1,121,000円で、所得税率は5%です。
このツールで扱わないこと
- 配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除など、医療費控除と社会保険料控除・基礎控除以外の所得控除。これらがある人は課税所得が下がるため、減少額がこの結果より少なくなることがあります。
- 給与以外の所得(副業・年金・不動産など)と、セルフメディケーション税制との比較。
- 源泉徴収された所得税が減少額より少ない場合の還付額の頭打ち(還付されるのは納めた所得税までです)。
- 足切り額(総所得金額等の5%)の1円未満の端数。国税庁の資料に処理の定めが見当たらないため四捨五入で計算しており、結果が1円ずれることがあります。
計算式と仕組み
年収400万円の給与所得計算
給与所得控除 = 400万 × 20% + 44万 = 124万円
給与所得控除 = 400万 × 20% + 44万 = 124万円 → 給与所得(総所得金額等) = 400万 − 124万 = 276万円 → 課税所得 = 276万 − 104万(基礎控除・国税庁 No.1199) − 598,956円(社会保険料控除の推計・所得税法74条)= 1,121,000円(1,000円未満切捨て)
所得税率(課税所得1,121,000円の場合)
課税所得1,949,000円まで → 5%
国税庁 No.2260 の速算表は「課税される所得金額」に適用します。課税所得1,121,000円は1,949,000円以下なので税率は5%です(年収400万円だから10%、ではありません)
医療費控除
足切り額 = min(10万円, 総所得金額等276万×5%=13.8万) = 10万円
足切り額 = min(10万円, 総所得金額等276万×5%=13.8万) = 10万円 → 医療費控除額 = 医療費 − 補填額 − 10万円(国税庁 No.1120・上限200万円)
節税効果
所得税の減少 = 所得税(控除前)− 所得税(控除後)
所得税の減少 = 所得税(医療費控除 前の課税所得)− 所得税(医療費控除 後の課税所得) → 住民税の減少 = 住民税所得割(控除前)− 住民税所得割(控除後)
年収400万円の医療費控除ポイント
年収400万円(独身・扶養なし)の場合、給与所得控除1,240,000円・基礎控除1,040,000円(令和7年分以降は合計所得金額で段階判定)・社会保険料控除(推計598,956円)を差し引いた課税所得は1,121,000円です。課税所得1,949,000円以下なので所得税率は5%が適用されます(「年収400万円だから税率10%」ではありません)。
医療費20万円なら医療費控除100,000円で、所得税5,100円+住民税10,000円 = 合計15,100円が減ります。所得税は令和8年分、住民税は翌年度の令和9年度分が減ります。
※ 減少額は「医療費控除を引く前の税額 − 引いた後の税額」で算出しています。控除が税率区分の境界をまたぐ場合、「控除額×税率」の簡易式では実額と食い違うためです。
保険金などの補填の引き方
医療費控除の対象額は「支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額 − 足切り額」です。補填額は、その給付の目的となった医療費を上限に差し引き、引ききれない分を他の医療費から引くことはしません(国税庁 No.1120)。たとえば入院Aの医療費10万円に保険金20万円が出て、別に通院Bの医療費20万円を払った場合、差し引く補填額は10万円です。年収400万円なら控除額は100,000円になり、税金は合計約15,100円減ります。医療費の合計30万円から保険金20万円をそのまま引くと控除額は0円になってしまいます。
5年間の遡及申告について
会社員が医療費控除で税金を取り戻す還付申告は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁 No.2030)。例として令和3年(2021年)分は、令和8年(2026年)12月31日まで申告できます。
すでに確定申告をした年に医療費控除を足すときは「更正の請求」という別の手続で、原則として法定申告期限から5年以内です(国税庁 No.2026)。
よくある質問
年収400万円で医療費が10万円を超えたら申告すべき?
結論:保険金などの補填を引いた医療費が足切り額(年収400万円なら100,000円)を超えると、超えた分が医療費控除になります。年収400万円の場合、給与所得控除(1,240,000円)・基礎控除(1,040,000円・国税庁 No.1199)・社会保険料控除(推計598,956円)を引いた課税所得は1,121,000円で、所得税率は5%です。医療費20万円なら控除100,000円で、令和8年分の所得税が約5,100円、令和9年度の住民税が10,000円減り、合計約15,100円です。ただし、源泉徴収された所得税がない人は申告しても所得税は還付されず、課税所得がもともと0円の人は控除があっても税額は減りません。
年収400万円の所得税率は何%?
結論:年収400万円(給与所得者・給与以外の所得なし)の場合、給与所得控除(1,240,000円)・基礎控除(1,040,000円)・社会保険料控除(推計598,956円)を差し引いた課税所得は1,121,000円です。この課税所得に対して超過累進税率が適用され、医療費控除を引く前の税率は5%です(国税庁 No.2260:課税所得1,949,000円までは5%、1,950,000円から3,299,000円までは10%)。配偶者控除・扶養控除などがある人は課税所得がさらに下がります。
医療費控除の申告は5年前まで遡れる?
結論:はい。会社員が医療費控除で税金を取り戻す還付申告は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間できます(国税庁 No.2030)。例えば令和3年(2021年)分は令和8年(2026年)12月31日まで提出できます。すでに確定申告をした年に医療費控除を足すときは、還付申告ではなく「更正の請求」という手続になり、原則として法定申告期限から5年以内です(国税庁 No.2026)。
医療費控除は確定申告と年末調整どちらでやる?
結論:医療費控除は確定申告が必要です。年末調整では申告できません。会社員で普段は年末調整のみで税務申告を完了している方でも、医療費控除を受けるためには確定申告(還付申告)が必要です。還付申告は確定申告期間とは関係なく、翌年1月1日から提出できます。
医療費控除の申告に必要な書類は?
結論:①医療費控除の明細書(国税庁の書式)を確定申告書に添付し、②会社員は源泉徴収票の内容を申告書に書き写します。③医療費の領収書は提出しませんが、確定申告期限等から5年間、自宅等で保存する必要があります。健康保険の「医療費通知」(6項目の記載があるもの)を添付すると、明細書の記載を簡略化でき、その分の領収書の保存も不要です(国税庁 No.1119)。
関連ツール
参考公的ソース
- 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 国税庁「No.1119 医療費控除に関する手続について」
- 国税庁「No.2030 還付申告」
- 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.2020 確定申告」
本ツールの計算結果は概算です。実際の還付額・住民税軽減額は社会保険料控除・生命保険料控除など各種控除の適用により異なります。正確な金額は確定申告書作成コーナーまたは税理士にてご確認ください。