インボイス制度 経過措置期間の消費税計算ツール
売上・仕入高を入力すると、経過措置5段階(80%→70%→50%→30%→0%)それぞれの率を全取引に当てはめた、年換算の消費税負担(本則課税・標準税率)を比較できます。いま適用中の控除割合と、次に負担が増えるタイミングもわかります。実際の2026年分は、9月30日までと10月1日以後の仕入れを分けて計算してください。
※ 2026年10月以後に開始する課税期間では、免税事業者等の取引先1社ごとの年間仕入が税込1億円を超えた部分に経過措置を使えません。該当する取引先がある場合は、超えた部分の合計(税抜)を入力してください。該当がなければ0のままです。
※ 適格請求書等の保存要件を満たし、課税売上に対応する仕入れで全額控除できる場合を仮定します(課税売上割合が95%未満の場合などは対象外)。
例 課税売上高500万円・免税業者からの仕入100万円(うち1億円超の部分0万円)・課税業者からの仕入150万円(すべて税抜)・基準日2026年10月22日(日本時間)の場合 入力を変えると、あなたの条件の結果に変わります。
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免税事業者からの仕入が年間100万円あります。2031年10月1日以降は仕入税額控除が使えなくなり、いま(控除70%)と比べて消費税が¥70,000増加します。2028年10月1日の控除50%への縮小までに、取引先の登録状況の確認、仕入先の見直し、価格交渉などを検討してください。
※ 本ツールは標準税率10%・本則課税を前提とした概算です。課税標準額は1,000円未満、国税と地方消費税の納付税額は100円未満を切り捨てています。
※ 表示は、全取引に各段階の率を当てはめた年換算の比較です。実際の2026年分は、9月30日までの仕入れ(80%)と10月1日以後の仕入れ(70%)を分けて計算します。
※ 一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年又は事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて適用できません。1億円の上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます(個人事業者は原則として2027年分から)。それより前に開始した課税期間は、改正前の10億円の上限を確認してください。取引先ごとの内訳がわからない場合、上の「1億円を超える部分」を入力しない税額は、上限の判定をしていない参考値です。
計算式と仕組み
経過措置による仕入税額控除
免税事業者からの仕入消費税に「その時点の控除割合」を掛けます。控除割合は 〜2026年9月:80% → 2026年10月〜2028年9月:70% → 2028年10月〜2030年9月:50% → 2030年10月〜2031年9月:30% → 2031年10月〜:0% と段階的に縮小します。
売上消費税 = 課税売上高 × 10% → 課税事業者からの仕入消費税 = 課税業者仕入高 × 10%(適格請求書等の保存要件を満たし全額控除できる場合を仮定) → 免税事業者仕入の控除額 = 免税業者仕入高 × 10% × その時点の控除割合
計算ステップ2
消費税納付額 = 売上消費税 − 課税業者仕入消費税 − 免税業者仕入控除額(マイナスのときは還付見込額)。国税と地方消費税に分け、課税標準額は1,000円未満、納付税額は100円未満を切り捨てます
使い方(3ステップ)
- 課税売上高・免税業者仕入・課税業者仕入を入力する
- 5段階の消費税額と、いま適用中の控除割合を確認する
- 2031年10月1日以降に向けた対策(取引先への登録促進等)を検討する
インボイス制度 経過措置の全体像
仕入税額控除の特例(買い手側)
課税事業者が免税事業者から仕入れを行う場合、通常インボイスがないと消費税の控除ができません。しかし経過措置により、一定期間は、原則として区分記載請求書等と同様の事項を記載した請求書等と、経過措置の対象である旨を記載した帳簿を保存すれば、一定割合の控除が認められています。控除割合は5段階で縮小し、2031年10月1日以降は控除できません。
| 期間 | 控除割合 | 仕入100万円の場合の控除額 |
|---|---|---|
| 2023年10月1日〜2026年9月30日 | 80% | 8万円 |
| 2026年10月1日〜2028年9月30日 | 70% | 7万円 |
| 2028年10月1日〜2030年9月30日 | 50% | 5万円 |
| 2030年10月1日〜2031年9月30日 | 30% | 3万円 |
| 2031年10月1日以降 | 0% | 0円(控除不可) |
和暦表記:令和5年10月1日〜令和8年9月30日=80% / 令和8年10月1日〜令和10年9月30日=70% / 令和10年10月1日〜令和12年9月30日=50% / 令和12年10月1日〜令和13年9月30日=30% / 令和13年10月1日以降=0%
当初は2026年10月から50%控除に引き下げる予定でしたが、令和8年度税制改正により70%控除に緩和されました。あわせて控除率の区分が当初の80%・50%・0%の3区分から、80%・70%・50%・30%・0%の5区分になり、控除が完全になくなるのは2031年10月1日以降です。
適用除外:免税事業者等の取引先1社からの仕入が年間1億円を超える場合
経過措置の7・5・3割控除には、取引先ごとの金額の上限があり、令和8年度税制改正で10億円から1億円に引き下げられました。国税庁は次のように説明しています。
一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年又は事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて適用できません。
- 判定単位: 「一の(=同一の)インボイス発行事業者以外の者」ごと。取引先1社ごとに、その年または事業年度の合計額で判定します
- 金額: 税込み1億円(改正前は10億円)。超えた部分の課税仕入れについては、上表の控除割合を適用できません
- 適用開始: 1億円の上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます(個人事業者は原則として2027年分から)。それより前に開始した課税期間は、改正前の10億円の上限を確認してください。
- 影響が出やすい事業者: 特定の外注先・仕入先1社への支払いが大きい建設業・製造業・人材系など
- 対応: 大口の取引先については登録状況を個別に確認し、未登録なら超過分の控除不可を織り込んで見積もる
令和8年度税制改正で何が変わったか(改正前との対比)
令和8年度税制改正により、免税事業者からの仕入に対する経過措置スケジュールが緩和されました。2026年10月からの控除割合が当初予定の50%から70%へ引き上げられ、縮小の刻みも細かくなっています。
| 期間 | 仕入税額控除率 (改正前の当初予定) | 仕入税額控除率 (改正後・現行) |
|---|---|---|
| 2023年10月1日〜2026年9月30日 | 80%(期間・割合とも変更なし) | 80% |
| 2026年10月1日〜2028年9月30日 | 50%(当初予定) | 70% |
| 2028年10月1日〜2030年9月30日 | — | 50% |
| 2030年10月1日〜2031年9月30日 | — | 30% |
| 2031年10月1日以降 | 0%(当初予定では、より早く控除廃止) | 0%(控除不可) |
※ 改正前の当初予定は、80%・50%・0%の3区分(「2026年10月から50%に引き下げ、その後に控除廃止」)でした。改正後は5区分になったため、当初予定に対応する区分がない期間は「—」としています。
国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス制度)」2割特例の詳細(2026年9月30日までの日が属する課税期間(個人事業者は2026年分まで)まで)
インボイス登録を機に課税事業者になった小規模事業者向けの「2割特例」は、2023年10月1日〜2026年9月30日の日が属する課税期間に適用できる特例です。
- 対象者: インボイス発行事業者の登録を受けたことにより、免税事業者から課税事業者になった事業者
- 条件: 基準期間の課税売上高が1,000万円以下であること。資本金等の要件による新設法人、調整対象固定資産・高額特定資産の取得があった課税期間、短縮課税期間などは適用除外になります。基準期間の売上要件も含め、国税庁の適用要件を確認してください。
- 内容: 消費税の納付額 = 売上税額 × 20%
- 届出: 不要(確定申告書に適用を記載するだけ)
- 終了後: 令和9年分・令和10年分(2027年分・2028年分)は、登録を機に課税事業者になった個人事業者について「3割特例」(納付税額を売上税額の30%)が使える場合があります(令和8年度改正)。個人というだけで適用されるものではなく、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどが要件です
- 法人: 3割特例の対象外。2割特例の期間が終わったあとは、本則課税か簡易課税を選択します
取引先への対応と独禁法などの注意点
免税事業者の取引先に対してインボイス登録を促す際は、独占禁止法や下請取引に関する法令など、適用される法令と取引条件を個別に確認してから対応してください。
- 合理的な促し方: 上のツールで控除できなくなる金額を示して、メリット・デメリットを具体的に説明する
- 登録の有無による負担を比べて判断: 2割特例(2023年10月1日〜2026年9月30日の日が属する課税期間)、簡易課税、一般課税のうち適用できるものを比較してください。2割特例が常に負担最少とは限りません(たとえば卸売業の簡易課税はみなし仕入率90%、一般課税で還付になる場合もあります)
- 禁止事項(優越的地位の濫用): 登録しなければ取引しないと一方的に通告する、または価格を一方的に引き下げるなど
- 公正取引委員会のQ&A: 価格交渉などの取引条件の扱いは、最新のQ&Aと個別の取引内容で確認してください
よくある質問
インボイス制度の経過措置はいつまで?
結論:免税事業者等からの課税仕入れに係る仕入税額控除は5区分で縮小し、2031年10月1日以降は控除できません。控除割合は2023年10月1日〜2026年9月30日は80%、2026年10月1日〜2028年9月30日は70%、2028年10月1日〜2030年9月30日は50%、2030年10月1日〜2031年9月30日は30%、2031年10月1日以降は控除不可(0%)です。令和8年度税制改正により、2026年10月からの割合は当初予定の50%から70%に緩和されました。なお、インボイス登録を機に課税事業者になった事業者向けの2割特例(売上税額の20%を納付)は、2023年10月1日〜2026年9月30日の日が属する課税期間までの特例です。
国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス制度)」経過措置期間中は免税業者から仕入れても控除できる?
結論:原則として、区分記載請求書等と同様の事項を記載した請求書等と、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨を記載した帳簿の保存を条件に、一定割合の仕入税額控除が認められます。控除割合は2023年10月1日〜2026年9月30日は80%、2026年10月1日〜2028年9月30日は70%、2028年10月1日〜2030年9月30日は50%、2030年10月1日〜2031年9月30日は30%、2031年10月1日以降は控除不可(0%)です。別の「帳簿のみ保存」の特例とは区別されます。また、一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年又は事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて適用できません。1億円の上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます(個人事業者は原則として2027年分から)。それより前に開始した課税期間は、改正前の10億円の上限を確認してください。
免税事業者等からの仕入が年間1億円を超えるとどうなりますか?
結論:超えた部分には経過措置を適用できません。国税庁は「一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年又は事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて適用できません。」としています。1億円の上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます(個人事業者は原則として2027年分から)。それより前に開始した課税期間は、改正前の10億円の上限を確認してください。判定は「一の(=同一の)インボイス発行事業者以外の者」ごとに、その年または事業年度単位で行います。1社への外注費が税込1億円を超える規模の事業者は、超過部分について控除ができなくなるため、取引先の登録状況を早めに確認してください。
国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス制度)」インボイス制度の2割特例の対象者は?
結論:インボイス発行事業者の登録を受けたことにより、免税事業者から課税事業者になった方が対象です。対象となる課税期間は2023年10月1日〜2026年9月30日の日が属する課税期間です。この期間中は売上税額の20%を納付税額とできます。基準期間の課税売上高が1,000万円を超える課税期間は対象外です。資本金等の要件による新設法人、調整対象固定資産・高額特定資産の取得があった課税期間、短縮課税期間などは適用除外になります。基準期間の売上要件も含め、国税庁の適用要件を確認してください。届出は不要で、確定申告書に適用を記載するだけです。
経過措置が終わると消費税負担はいくら増える?
結論:免税事業者への仕入が多いほど負担増が大きくなります。免税事業者からの年間仕入が100万円(税抜)の場合、控除できる金額は〜2026年9月:8万円、2026年10月〜2028年9月:7万円、2028年10月〜2030年9月:5万円、2030年10月〜2031年9月:3万円、2031年10月〜:0円(控除不可)と縮小し、2031年10月1日以降は0円になります。控除80%の期間と比べると年8万円の負担増です。本ツールで自社の売上・仕入を入れて、全取引に各区分の率を当てはめた年換算の納税額を比較できます。
経過措置終了前にインボイス登録を促すべき?
結論:登録の有無による負担と、適用できる2割特例・簡易課税・一般課税を比べて判断してください。2割特例が常に負担最少とは限らず、たとえば卸売業の簡易課税(みなし仕入率90%)や、一般課税で還付になるケースでは別の方式が有利です。取引先が免税事業者の場合、2031年10月1日以降の控除不可に備えて登録を相談すること自体はできますが、登録を強制することは独占禁止法上問題になる可能性があります(優越的地位の濫用)。登録した場合の負担を具体的に示しながら提案してください。
令和8年度税制改正で経過措置はどう変わりましたか?
結論:2026年10月から50%控除に引き下げる当初予定が、70%控除に緩和されました。控除率の区分は、当初の80%・50%・0%の3区分から、80%・70%・50%・30%・0%の5区分になりました。改正後の控除割合は〜2026年9月:80% → 2026年10月〜2028年9月:70% → 2028年10月〜2030年9月:50% → 2030年10月〜2031年9月:30% → 2031年10月〜:0%です。あわせて、適用除外の上限が10億円から1億円に引き下げられました。1億円の上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます(個人事業者は原則として2027年分から)。それより前に開始した課税期間は、改正前の10億円の上限を確認してください。
国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス制度)」2割特例終了後、個人事業主はどの課税方式を選べばよいですか?
結論:令和9年分・令和10年分(2027年分・2028年分)は、インボイス登録を機に免税事業者から課税事業者になった個人事業者に限り、3割特例(売上税額×30%)が利用できる場合があります。基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることなどの要件があり、個人というだけで適用されるものではありません。2029年分以降は本則課税か簡易課税を選択する必要があります。仕入・経費が少ない業種(フリーランス・サービス業)は簡易課税が有利になることがあります。簡易課税計算ツールで比較してください。なお法人は3割特例の対象外です。
帳簿への記載なしで経過措置の控除を受けられますか?
結論:いいえ、帳簿への記載が必須です。経過措置の適用を受けるには、原則として、区分記載請求書等と同様の事項を記載した請求書等の保存に加えて、帳簿に「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」(例:「80%控除対象」「70%控除対象」など、その時点の割合に応じた記載)が必要です。記載がない場合は経過措置の適用を受けられません。会計ソフトを使う場合も、帳簿・申告書に必要な事項が正しく記録されているかを確認してください。
経過措置の控除割合はどの税率に適用されますか(軽減税率8%対象取引)?
結論:標準税率(10%)と軽減税率(8%)の両方に適用されます。免税事業者から飲食料品(8%対象)を仕入れた場合も、その時点の経過措置割合が同じように適用されます。8%の仕入れが多い業種(食品卸・小売等)も同様に計算します。本ツールは標準税率10%を前提とした概算です。
個人事業主の2026年分確定申告で2割特例を使う場合の手続きは?【独自解説】
結論:確定申告書(消費税の申告書)に2割特例の適用を受ける旨を記載します。事前届出は不要です。2026年分(2026年1月〜12月)が個人事業者の最終適用年分で、申告期限は2027年3月31日です。適用できるかどうかは、基準期間の課税売上高や適用除外の該当有無によるため、国税庁の適用要件を確認してください。
国税庁「2割特例の概要パンフレット」関連ツール
参考公的ソース
- 国税庁「令和8年度税制改正特集(インボイス制度)」
- 国税庁「インボイス制度」
- 国税庁「No.6501 納税義務の免除」
- 公正取引委員会「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」
本ツールは概算計算です。全取引に各段階の率を当てはめた年換算の比較で、実際の消費税納付額は個別事情(課税方式・届出状況・取引時期・取引先ごとの金額等)により異なります。具体的な申告については税務署または税理士にご相談ください。
このツールで扱わないこと
- 計算するのは、標準税率10%・本則課税(一般課税)の年換算の比較です。全取引に各段階の率を当てはめるため、2026年分のように9月30日までと10月1日以後で率が変わる年の実際の税額とは異なります。
- 課税仕入れは、適格請求書等の保存要件を満たし、課税売上に対応する仕入れで全額控除できる場合を仮定します。非課税売上等がある場合の控除対象仕入税額、軽減税率8%の取引、簡易課税は計算しません。
- 1億円の上限は、取引先ごとの超過額を入力した場合だけ反映します。取引先ごと・課税期間ごとの判定、2026年10月より前に開始した課税期間の旧上限(10億円)は自動では判定しません。
- 2割特例・3割特例の適用可否(基準期間の売上、新設法人、調整対象固定資産・高額特定資産の取得、短縮課税期間などの適用除外)は判定しません。
- 会計ソフトの機能や、取引先との価格交渉に関する法令の個別の扱いは対象外です。個別の事情は、税務署・税理士などの窓口でご確認ください。