個人事業主 手取り計算ツール(無料)
売上・経費・申告方法・共済を入力するだけで手取りを概算(平年の負担モデル)。青色申告・節税策の効果も比較できます。給与収入は、勤務先の健康保険・厚生年金に入っていない場合だけ合算できます。
このページでわかること
- ✅ 個人事業主の手取り計算(売上 − 経費 − 税金 − 社保の4ステップ)
- ✅ 国民健康保険料(8市区の令和8年度料率・40〜64歳の介護分・低所得の軽減)・国民年金(月17,920円・令和8年度・20〜59歳)の計算
- ✅ 青色申告65万円控除で税・保険料がどれだけ減るか(具体的な金額)
- ✅ 小規模企業共済・iDeCoの掛金で税・保険料がどれだけ変わるか
- ✅ 個人事業税(業種の税率・事業を行った月数を反映)
※ 事業所得として申告する前提の計算です。雑所得との区分の判定や、法人化したほうがよいかの判定はしません(利益・給与・保険の負担などで変わるため)。
こんな方向け:フリーランス・個人事業主として確定申告をする方、開業を検討中の方、節税策の効果を確認したい方、勤務先の社会保険に入らずに給与と事業所得がある方
事業収入・経費
交通費・通信費・家賃按分・ソフトウェア等を含めてください
申告・控除
青色:入力した給与の全額を経費にします。実際に経費にできるのは、生計を一にする配偶者・親族(その年12月31日に15歳以上)が、その年を通じて6か月を超える期間専ら事業に従事し、「青色事業専従者給与に関する届出書」を出したうえで、届出書に書いた方法・金額の範囲内で払った、労務の対価として相当な額だけです(国税庁 No.2075)。手取りからは、実際に払う給与の全額を引きます
白色の事業専従者控除は、給与を払った額ではなく、専従者1人ごとに「配偶者86万円/その他50万円」と「控除前の事業所得÷(専従者の数+1)」の低いほうで決まります(給与額による制限なし・国税庁 No.2075)。給与を払っていなくても控除できる前提で計算します。事業専従者は、生計を一にする配偶者・親族で、その年12月31日に15歳以上、その年を通じて6か月を超える期間専ら事業に従事している人です。事業専従者は扶養控除の対象にできないので、下の扶養の人数に含めないでください
節税・共済
国民年金第1号被保険者の上限は、国民年金基金の掛金・国民年金の付加保険料を払っている場合はそれらを引いた額です(厚生労働省 iDeCo)。国民年金の保険料を免除されている期間などは掛けられない場合があります
住所・年齢・個人事業税
令和8年度の料率。本人だけが国保に加入し、前年も同じ所得だった場合の年額です(8市区以外の方は近い市区で目安に)
40〜59歳は国保の介護分がかかります。国民年金の第1号被保険者(20歳以上60歳未満)として保険料を全額納める前提です
標準税率(地方税法72条の49の17)。業種の当てはめは都道府県が判断します。迷う場合は都道府県税事務所に確認してください
年の途中で開業・廃業した場合、個人事業税の事業主控除290万円を月割りします(1か月未満は1か月)
給与収入・家族
源泉徴収票の「支払金額」。給与所得も国保の算定所得に含めて計算します
勤務先の健康保険に入っている人は国保に入らず(国民健康保険法6条)、国民年金も第2号被保険者になります。この場合の保険料・手取りは、このツールでは計算できません
計算結果
節税スキーム比較
現在の入力条件(売上・経費・給与収入・扶養・市区・年齢・個人事業税の業種と月数)をベースに、専従者なし・共済なしの白色申告から、節税策を足した場合の税・保険料合計を比較します。
※ 小規模企業共済フル=年84万、iDeCoフル=2026年分は年81.6万(2027年分から年90万。国民年金基金・付加保険料を払っている場合は上限が下がります)。共済・iDeCoの掛金は現金で出ていくため、ここで減るのは税・保険料であり手取りではありません(将来の受取額は条件・運用結果によって異なり、掛金全額の回収は保証されません。共済の任意解約は掛金納付12か月未満は解約手当金なし、20年未満は元本割れ。iDeCoも運用商品により元本割れがあります)。
個人事業主の手取りに影響する税・保険の全体像
個人事業主は会社員と異なり、社会保険料の全額を自己負担します。手取りに影響する項目を整理します。
| 項目 | 目安(事業所得300万円・青色65万円控除・東京23区・30歳・本人だけが国保に加入・給与収入なし・扶養なしの試算) | 特徴 |
|---|---|---|
| 所得税 | 約4.2万円 | 累進課税。控除で大きく変わる |
| 住民税 | 約14.6万円 | 課税標準の10%(市6%+県4%)−調整控除+均等割4,000円+森林環境税1,000円(標準。所得が非課税限度額以下なら0円) |
| 国民健康保険 | 約27.0万円 | 市区・年齢(40〜64歳は介護分)・世帯で異なる(全額自己負担) |
| 国民年金 | 約21.5万円 | 令和8年度(2026年4月〜2027年3月分):月額17,920円(定額・20〜59歳) |
| 個人事業税 | 5,000円 | (事業所得−290万円)の千円未満切捨て × 5%(第一種・通年営業。百円未満切捨て) |
※ 平年(前年も同じ所得)の負担モデルです。実際のその年の支払いは、前年の所得で決まる住民税・国保、年度で変わる保険料の月額などによって、この合計と一致しません。
節税策の効果比較(事業所得300万円の場合)
| 節税策 | 控除額 | 税・保険料の減少額 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除(65万円) 白色申告から切り替え | 65万円 | 約15.7万円/年 |
| 小規模企業共済(月7万円) 青色65万円にさらに追加 | 84万円 | 約12.6万円/年 |
| iDeCo(2026年分・月6.8万円) 青色65万円にさらに追加 | 81.6万円 | 約12.3万円/年 |
| 3つ全て活用した場合 白色申告から | 230.6万円 | 約33.9万円/年 |
※ 事業所得300万円・専従者なしの白色申告を出発点に(東京23区・30歳・本人だけが国保に加入・給与収入なし・扶養なしの試算)、このツールと同じ計算で求めた所得税・住民税・国民健康保険料・個人事業税の合計の減少額です。小規模企業共済・iDeCoの行は、青色65万円控除だけの場合からの減少額です。上の3行を足しても「3つ全て」の行(白色申告からの減少額)とは一致しません(所得税・住民税の所得割が0円になると、それ以上は減らないため)。国民健康保険料が下がる分も含みます。小規模企業共済・iDeCoは掛金が現金で出ていくため、手取りが増えるわけではありません(将来の受取額は条件・運用結果によって異なり、掛金全額の回収は保証されません。共済の任意解約は掛金納付12か月未満は解約手当金なし、20年未満は元本割れ。iDeCoも運用商品により元本割れがあります)。実際の効果は課税所得・自治体により異なります。
よくある質問
個人事業主の手取りはどのくらい?
結論:売上500万円・経費100万円・青色申告65万円控除の場合、手取りは概算で約303万円です(東京23区・30歳・本人だけが国保に加入・給与収入なし・扶養なしの試算)。国民健康保険・国民年金・所得税・住民税・個人事業税を差し引いた、平年の負担モデルの金額です。住む市区・年齢・控除で手取りは変わります。
個人事業主と会社員、手取りが多いのはどちら?
結論:条件によって変わるため、一概には言えません。会社員の健康保険料は本人と会社が半分ずつ負担しますが(健康保険法161条)、個人事業主は国民健康保険料・国民年金保険料を全額自分で払います。一方で、個人事業主は青色申告特別控除・小規模企業共済などを使えます。このツールは会社員との比較はしないので、会社員の手取りは別のツールで確かめてください。
青色申告65万円控除の効果はどれくらい?
結論:課税所得を65万円圧縮できるため、他の控除を固定し、65万円全額に同じ限界税率が適用される場合、復興特別所得税込みで所得税率5%なら約9.8万円、20%なら約19.8万円(式 650,000×(所得税率×1.021+0.10))の所得税・住民税の節税効果があります。国民健康保険料も所得に連動して下がるため、事業所得300万円では白色申告と比べた税・保険料の減少額は約15.7万円です(東京23区・30歳・本人だけが国保に加入・給与収入なし・扶養なしの試算)。要件は、55万円控除の要件(複式簿記、貸借対照表・損益計算書等を添付した期限内申告等)に加え、期限内のe-Tax送信、または優良な電子帳簿の要件を満たす保存と必要な届出です。
小規模企業共済とiDeCoはどちらを優先すべきですか?
結論:一律の優先順位はありません。小規模企業共済(月額最大7万円・年84万円)も、iDeCo(自営業者の上限は月6.8万円。2026年12月分の掛金から月7.5万円に引き上げ予定。年額は2026年分が81.6万円、2027年分から90万円)も掛金の全額が所得控除になり、所得税率が高い方ほど税の軽減は大きくなります。ただし、加入できる条件、掛金を受け取れる時期、解約したときの扱い、手元資金の余裕によって向き不向きが変わります。iDeCoの上限は国民年金基金の掛金・国民年金の付加保険料と合わせた額です(厚生労働省)。このツールで両方の掛金を入れて、税・保険料の変化を確かめてください。
個人事業税はいくらから発生しますか?
結論:法律で決められた業種(法定業種)の事業で、事業所得(青色申告特別控除は引かない)が事業主控除290万円を超える場合に発生します。年の途中で開業・廃業した場合、290万円は事業を行った月数で月割りします。税率は標準で第一種・第三種の多くが5%、第二種が4%、第三種の一部が3%で、法定業種でない事業にはかかりません。例えば第一種・通年営業・事業所得400万円の場合、(400万円−290万円)×5%=55,000円です(地方税法72条の49の14・72条の49の17)。
関連ツール
本ツールは概算計算です。国民健康保険料は自治体・世帯構成により大きく異なります。実際の税額・保険料は税理士・社会保険労務士・お住まいの自治体にご確認ください。法改正により計算式が変更される場合があります。
このツールで扱わないこと
- 結果は、前年も同じ所得だった場合の「平年の負担モデル」です。その年に実際に払う住民税・国保は前年の所得で決まり、国民年金の月額も4月(年度の替わり目)に変わるため(令和8年度は月17,920円)、暦年の実際の支払額とは一致しません。前年に払った個人事業税を今年の必要経費にする扱いも入れていません。
- 国民健康保険料は、選んだ市区(8市区)の令和8年度の料率で、本人だけが国保に加入している世帯として計算します。家族の国保加入、未就学児・18歳未満、市区独自の減免、非自発的失業の軽減などは扱いません。8市区以外の料率は計算できません。
- 国民年金は、20〜59歳の第1号被保険者が保険料を全額納める前提です。免除・猶予、付加保険料、国民年金基金は計算に入れていません。
- 給与収入は、勤務先の健康保険・厚生年金に加入していない場合だけ計算します(給与所得も国保の算定所得に含めます)。加入している場合の保険料・手取りは計算できません。所得金額調整控除も扱いません。
- 個人事業税は、選んだ業種の標準税率(5%・4%・3%)で、事業主控除290万円(事業を行った月数で月割り)を引いて計算します。業種の当てはめ、標準税率を超える税率を使う都道府県、事業専従者控除の個人事業税での扱いの違いは計算に入れていません。
- 倒産防止共済は、月払い12か月分(月20万円まで・年240万円まで)だけを必要経費にします。掛金の前納、掛金残高800万円までの累計上限、解約後に再加入した場合に解約日から2年間は掛金を必要経費にできない扱いは計算に入れていません(中小機構)。
- 家族専従者給与は、全員分の合計を1つだけ入力します。白色申告の事業専従者控除は、入力した配偶者の有無・配偶者以外の人数から、専従者1人ごとに法定額(配偶者86万円・その他50万円)と「控除前の事業所得÷(専従者の数+1)」の低いほうを合計して計算します(給与額による制限はありません)。この「控除前の事業所得」は売上−経費−倒産防止共済の掛金で、青色申告特別控除は引く前の金額です。手取りからは、専従者に実際に払う給与の全額を引きます。
- 住民税は標準税率(市町村民税6%・道府県民税4%)・均等割と森林環境税の標準額・非課税限度額の1級地の額で計算します(基礎控除の逓減・調整控除・非課税判定は含みます)。名古屋市の減税、超過課税、均等割の上乗せ、2級地・3級地の非課税限度額は扱いません。
- 事業が赤字になったときは、0円に丸めず給与所得と損益通算します。個人事業税は、赤字のとき所得0円として計算します。純損失の繰越しは扱いません。
- 所得控除は、基礎控除、一般の扶養控除(人数×所得税38万円・住民税33万円)、国保・国民年金、小規模企業共済、iDeCoだけです。倒産防止共済の掛金は所得控除ではなく事業所得の必要経費として差し引きます(年240万円まで)。配偶者控除、特定・老人扶養、医療費控除、生命保険料控除、寡婦・ひとり親控除などは入力欄がなく、計算に入れていません。
- 事業所得として申告する前提です。雑所得との区分、共済やiDeCoに加入できるかの判定、法人化したほうがよいかの判定はしません。
- 2026年分(令和8年分)の所得税と、同じ所得にかかる令和9年度分の住民税の控除額で計算します。消費税の納税額や事業の借入返済は、手取りの計算に入れていません。
- ここに挙げていない個別の事情は計算に入れていません。正確な金額は、お住まいの市区町村・税務署・勤務先などの窓口でご確認ください。