個人年金保険と贈与税|税金の種類の判定と計算
実際に保険料を負担した人・被保険者・受取人から、所得税・贈与税・相続税のどれがかかるかを判定。所得税(令和8年分)と贈与税は円単位で計算し、相続税は課税価格に入る額まで出します。
個人年金保険・生命保険金を受け取る前に、どの税金がかかるかを確認したい方向け
| 受取の理由 | 実際に保険料を負担した人 | 受取人 | 税金の種類 |
|---|---|---|---|
| 満期・年金の開始など(被保険者は生存) | A | A(本人) | 所得税(一時金は一時所得・年金は雑所得) |
| 満期・年金の開始など(被保険者は生存) | A | B | 贈与税(Bに。年金は給付事由発生時に年金受給権の評価額へ) |
| 被保険者Aの死亡 | B | B | 所得税(一時所得・雑所得) |
| 被保険者Aの死亡 | A(亡くなった人) | B(相続人) | 相続税(非課税限度額 500万円×法定相続人の数あり) |
| 被保険者Aの死亡 | A(亡くなった人) | B(相続人以外) | 相続税(非課税の適用なし) |
| 被保険者Aの死亡 | B | C | 贈与税(Cに) |
けがや病気などによる保険金(入院給付金など)は贈与税の対象から除かれます(国税庁 No.4417)。
税金の種類と金額の判定
契約者の名義ではなく、保険料を実際に払っていた人を選びます。複数の人が負担していた場合は扱いません。
保険会社の支払通知書などで確認できます。一時金を受け取る内容の契約の調整は扱いません。
解約返戻金の金額・一時金の金額・予定利率による複利年金現価のうち、いずれか多い金額(相続税法24条)。保険会社が通知する額を入れてください。毎年の年金額の合計ではありません。
給与なら年収から給与所得控除を引いた額。他の所得がなければ0円。
社会保険料控除・配偶者控除など。基礎控除は合計所得から自動で計算します(令和8年分)。
チェックしないと一般税率(配偶者・兄弟姉妹・18歳未満の子など)で計算します。
相続を放棄した人がいても、放棄がなかったものとして数えます。養子は実子がいれば1人、いなければ2人まで。
判定結果
このツールで扱わないこと
- 保険料を複数の人が負担していた場合の按分(負担割合に応じて税金の種類が分かれます)
- 相続税額そのもの(他の財産・債務・各人の取得額・税額控除で決まるため。相続税の計算で試算してください)と、相続人以外の人の相続税額の2割加算
- 相続人が複数の保険金を受け取った場合の非課税限度額の按分(本ツールは死亡保険金がこの1件だけとして計算)
- 贈与・相続で取得した年金受給権に基づく2年目以降の年金の雑所得(年金支給初年は全額非課税・国税庁 No.1620)
- 同じ年の他の贈与との合算、相続時精算課税を選んでいる場合、一時所得の他の収入との合算、源泉徴収税額の精算、住民税
- 令和9年分以後の所得税(復興特別所得税の率の引下げと防衛特別所得税が加わります)
- 年金受給権の評価額の計算(保険会社が通知する額を入力してください)
個人年金保険の税金の決まり方
個人年金保険や生命保険金を受け取ったときの税金は、実際に保険料を負担した人・被保険者・受取人の組み合わせで、所得税・贈与税・相続税のどれかになります。契約者の名義ではなく、保険料を実際に払っていた人で判定します(国税庁 No.1750・No.4417)。
税金の種類ごとのポイント
- 所得税:保険料を負担した人と受取人が同じ場合。一時金は一時所得(受取額 − 保険料 − 50万円の1/2が課税対象)、年金は毎年の雑所得(年金額 − 対応する保険料)。
- 贈与税:保険料を負担した人以外が受け取る場合(被保険者が保険料を負担して亡くなった場合を除く)。一時金は受取額の全額、年金は給付事由が発生した時点の年金受給権の評価額が対象で、払い込んだ保険料は差し引きません。
- 相続税:被保険者が亡くなり、その人が保険料を負担していた場合。受取人が相続人なら「500万円×法定相続人の数」まで非課税。相続人以外の受取人には非課税の適用がありません。
計算例(上のツールと同じ計算)
受取額2,000万円・払い込んだ保険料1,500万円の一時金の場合です。
- 本人が保険料を負担(所得税):一時所得は2,000万円 − 1,500万円 − 50万円 = 450万円、その1/2の2,250,000円が課税対象。他の所得・基礎控除以外の所得控除がない場合、令和8年分の所得税・復興特別所得税は61,700円。
- 親が保険料を負担し、子が満期で受取(贈与税・一般税率の場合):受取額2,000万円の全額が対象で6,950,000円。保険料1,500万円は差し引きません。
- 亡くなった被保険者が保険料を負担し、相続人が受取(法定相続人2人):非課税限度額1,000万円を引いた10,000,000円が相続税の課税価格に入ります(他に死亡保険金がない場合)。相続税額は他の財産で決まります。
よくある質問
個人年金保険に贈与税がかかるのはどんな場合ですか?
実際に保険料を負担した人と年金の受取人が違う場合です。保険料の負担者から受取人へ年金を受け取る権利(年金受給権)が贈与されたものとみなされ、年金の支払開始など給付事由が発生した時点で贈与税がかかります(国税庁 No.1610)。毎年の年金ごとにかかるのではありません。対象は年金受給権の評価額で、解約返戻金の金額・一時金の金額・予定利率による複利年金現価のいずれか多い金額です(相続税法24条)。
個人年金を一括受取した場合の税金はどうなりますか?
保険料を負担した人と受取人が同じなら所得税の一時所得です。一時所得の金額は「受取額 − 払い込んだ保険料 − 特別控除50万円」で、その2分の1が他の所得と合わせて課税されます(国税庁 No.1750)。保険料を負担した人と受取人が違う場合(生存中の受取)は、受け取った額の全額が贈与税の対象で、払い込んだ保険料は差し引きません(国税庁 No.4417)。例えば受取額2,000万円・保険料1,500万円で、本人負担なら所得税等は61,700円(他の所得・基礎控除以外の所得控除がない場合・令和8年分)、他人負担で一般税率なら贈与税は6,950,000円です。
個人年金保険で相続税がかかるのはどんな場合ですか?
被保険者が亡くなり、その被保険者が保険料を負担していた場合です。受取人が相続人なら、すべての相続人が受け取った保険金の合計のうち「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。相続人以外の人が受け取った死亡保険金には非課税の適用はありません(国税庁 No.4114)。相続税額は他の財産・債務・各人の取得額で決まるため、本ツールでは相続税の課税価格に入る額までを出し、税額は計算しません。
年金で毎年受け取るときの所得税はどう計算しますか?
保険料を負担した本人が受け取る年金は、毎年「その年の年金額 − その年金額に対応する保険料」が雑所得になります(国税庁 No.1610)。対応する保険料は「年金額 × 保険料の総額 ÷ 年金の支払総額(見込額)」で、この割合は小数点以下2位まで出して3位以下を切り上げます(所得税法施行令183条)。贈与や相続で取得した年金受給権の年金は、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増える方法で計算します(国税庁 No.1620)。本ツールはこの2年目以降の計算は扱いません。
契約者の名義を変えれば税金は変わりますか?
税金の種類は、契約者の名義ではなく、実際に保険料を負担した人・被保険者・受取人で決まります(国税庁 No.1750・No.4417)。名義だけを変えても、保険料を誰が負担したかは変わりません。名義の変更を考えている場合は、受け取る前に税務署や税理士に確認してください。
毎年の年金額が110万円以下なら贈与税はかかりませんか?
かからないとは限りません。保険料を負担していない人が受け取る年金は、給付事由が発生した時点で年金受給権の評価額全体に贈与税がかかります。毎年の年金額が110万円以下でも、評価額が年110万円の基礎控除(同じ年の他の贈与と合計)を超えれば贈与税がかかります。
関連ツール
本ツールは概算計算です。実際の課税区分・税額は保険契約の内容・保険料の負担の実態・個別の状況により異なります。保険金を受け取る前に、税理士・保険会社・税務署にご確認ください。