年金統合シミュレーター(老齢・遺族・加給・特別支給)
老齢厚生年金・老齢基礎年金・遺族年金・加給年金・特別支給の老齢厚生年金を1つのフォームで統合シミュレーション。60〜90歳のキャッシュフロー表・配偶者死亡前後の比較・繰上げ/繰下げ損益分岐・在職老齢年金65万円改正(2026年4月)に対応した業界初の6要素統合計算ツールです。
2026年4月在職老齢年金改正・加給年金2026年度額対応6種年金の同時受給ルール
公的年金には6つの種類があり、それぞれ受給できる条件と時期が異なります。組み合わせによって受給額が大きく変わるため、正確に理解することが重要です。
| 年金の種類 | 受給開始 | 2026年度年額 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 老齢基礎年金 | 65歳〜 | 満額847,300円 | 加入期間480月で満額 |
| 老齢厚生年金 | 65歳〜 | 報酬・加入年数で変動 | 厚生年金加入1ヶ月以上 |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 60〜64歳 | 報酬比例部分のみ | 男性1961年4月1日以前・女性1966年4月1日以前生まれ |
| 加給年金 | 65歳〜 | 配偶者: 423,700円 | 厚生年金加入20年以上・65歳未満の配偶者あり |
| 遺族基礎年金 | 死亡時〜 | 847,300円+子加算 | 18歳未満の子がいる配偶者 |
| 遺族厚生年金 | 死亡時〜 | 報酬比例×3/4 | 厚生年金加入中に死亡 or 老齢厚生年金受給中の配偶者死亡 |
日本年金機構:加給年金額と振替加算(2026-05-25確認) 日本年金機構:令和8年4月分からの年金額等について(2026-05-25確認)
同一人物が「老齢年金と遺族年金」を同時受給することは原則できません。ただし65歳以上の配偶者が亡くなった場合、自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金の差額分(調整支給)を受け取れる仕組みがあります。
配偶者死亡時の遺族年金切替
65歳以降に配偶者が亡くなった場合の年金は、下記のルールで決まります。
- 老齢基礎年金(国民年金分): 全額受給継続
- 老齢厚生年金: 自身の額を受給継続
- 遺族厚生年金: 配偶者の老齢厚生年金報酬比例部分×3/4が支給されるが、自身の老齢厚生年金と比較し、多い場合のみ差額分が加算される(調整支給)
- 加給年金: 配偶者死亡により失権・停止
- 中高齢寡婦加算(妻が40〜65歳・子なし): 635,500円/年(2026年度)
2025年法改正(2028年4月施行予定)の注意点: 現行は子のいない妻は65歳まで無期限に遺族厚生年金を受け取れますが、2028年4月以降に新たに受給が始まる方は最長5年の受給期限が設けられます。既に受給している方への遡及適用はありません。 厚生労働省:年金制度のポイント第13 遺族年金(2026-05-25確認)
繰上げ・繰下げ受給の生涯比較
受給開始年齢を1ヶ月ずらすごとに受給額が変わります。2026年現在の制度概要は以下のとおりです。
| 受給開始年齢 | 増減率 | 損益分岐年齢の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 60歳(最大繰上げ) | ▲24%(▲0.4%×60ヶ月) | 約80歳 | 繰上げ後は取消不可・減額は終身 |
| 65歳(基準) | ±0% | — | 加給年金・経過的加算も受給開始 |
| 70歳(繰下げ) | +42%(+0.7%×60ヶ月) | 約82〜83歳 | 繰下げ期間中は加給年金停止 |
| 75歳(最大繰下げ) | +84%(+0.7%×120ヶ月) | 約88〜89歳 | 税負担増・配偶者の加給年金19年停止に注意 |
繰下げ受給のメリットは「終身で増額」ですが、加給年金は繰下げ期間中停止されます。配偶者が65歳未満で加給年金対象の場合、繰下げによる逸失加給年金額も損益分岐計算に加えて判断する必要があります。
在職老齢年金との関係(65万円改正対応)
2026年4月1日から在職老齢年金の支給停止基準額が月51万円から月65万円に引き上げられました。 厚生労働省:在職老齢年金(2026-05-25確認)
計算式は次のとおりです。
// 2026年4月改正後(65万円基準) 基本月額 = 老齢厚生年金の月額(加給年金を含む) 総報酬月額相当額 = 月給 + 直近1年間の賞与合計 ÷ 12 合計 = 基本月額 + 総報酬月額相当額 合計が650,000円(65万円)以下 → 全額支給 合計が650,000円超 → 停止額 = (合計 - 650,000) ÷ 2 実支給月額 = 基本月額 - 停止額(マイナスは0円) // 例: 年金月額15万円・月給50万円の場合 合計 = 150,000 + 500,000 = 650,000円 → ちょうど65万円 → 全額支給 年金月額15万円・月給55万円の場合 合計 = 150,000 + 550,000 = 700,000円 停止額 = (700,000 - 650,000) ÷ 2 = 25,000円 実支給 = 150,000 - 25,000 = 125,000円/月
旧基準(51万円)と比べ、多くの在職者が年金を全額受け取れるようになっています。在職中に65歳を迎える方は、受給申請を忘れずに年金事務所へ手続きしてください。
年金課税と手取り計算
公的年金は「雑所得」として所得税・住民税の課税対象です。一方、遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)は非課税です(出典:国税庁 所得税法第9条)。
| 年金の種類 | 課税 | 備考 |
|---|---|---|
| 老齢基礎年金・老齢厚生年金 | 課税(雑所得) | 公的年金等控除あり |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 課税(雑所得) | 公的年金等控除あり |
| 加給年金 | 課税(老齢年金に含む) | 老齢厚生年金の一部として合算課税 |
| 遺族基礎年金・遺族厚生年金 | 非課税 | 所得税・住民税ともにかからない |
65歳以上の公的年金等控除額は年収330万円未満で110万円が適用されます。2026年現在、65歳以上で年金収入のみなら年収214万円以下は所得税がかかりません(出典:国税庁)。 国税庁:高齢者と税(年金と税)(2026-05-25確認)
よくある質問(FAQ)
老齢年金と遺族年金を同時受給できますか?
原則としてできません。同一人物が老齢年金と遺族年金を同時受給することは認められていませんが、65歳以上になると自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金を比較し、遺族厚生年金が多い場合のみ差額分(調整支給)が支給されます。老齢基礎年金は常に全額受給可能です(出典:日本年金機構)。
加給年金の対象になる条件は何ですか?
厚生年金加入期間が20年(240ヶ月)以上あること、65歳到達時点で生計を維持している65歳未満の配偶者または18歳未満の子がいることが条件です。配偶者の年収が850万円以上の場合は対象外です。2026年度の配偶者加給年金額は年423,700円(昭和18年4月2日以降生まれ)です(出典:日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について 2026-05-25確認)。
特別支給の老齢厚生年金は誰でももらえますか?
対象者は限られています。男性は1961年(昭和36年)4月1日以前生まれ、女性は1966年(昭和41年)4月1日以前生まれで、厚生年金加入期間が1年以上ある方です。それ以降生まれの方は対象外となります(出典:日本年金機構)。
繰下げ受給すると加給年金はどうなりますか?
繰下げ期間中は加給年金も停止されます。例えば70歳まで繰下げた場合、5年分の加給年金(年423,700円×5年=約212万円)が受け取れなくなります。繰下げの増額効果が加給年金逸失分を上回るかどうかを計算した上で判断することをお勧めします(出典:日本年金機構)。
在職中でも特別支給の老齢厚生年金を受け取れますか?
受け取れますが、月給・賞与の合計(総報酬月額相当額)と年金月額の合計が2026年4月改正後の基準額65万円を超えると、超過分の1/2が支給停止になります。65万円以下に収まる場合は全額受給できます(出典:厚生労働省・日本年金機構 2026-05-25確認)。
遺族年金の受給期間が2028年から変わりますか?
2025年の年金制度改正法により、2028年4月以降に新たに遺族厚生年金の受給権が発生した子のいない配偶者には、最長5年の受給期限が設けられます。2028年4月以前から受給している方への遡及適用はありません(出典:厚生労働省 年金制度改正法)。
年金の税金で確定申告は必要ですか?
公的年金等の収入が年400万円以下かつ年金以外の所得が20万円以下の場合は確定申告不要です(確定申告不要制度)。ただし医療費控除・ふるさと納税などの還付申告がある場合は申告が有利になります(出典:国税庁・政府広報オンライン)。
ねんきん定期便のどの数字を使えばいいですか?
本ツールでは「H15年3月以前の平均標準報酬月額」「H15年4月以後の平均標準報酬額(賞与込み)」「加入月数」を使います。ねんきん定期便の「これまでの年金加入記録」欄に記載されている期間別の加入月数と報酬額を参照してください。詳細はねんきんネット(nenkin.go.jp)でも確認できます。
関連ツール・内部リンク
- 特別支給の老齢厚生年金シミュレーション(C074) — 60〜64歳の受給額と受給開始年齢を自動診断
- 老齢厚生年金計算ツール(C077) — 報酬比例部分・経過的加算・繰上げ/繰下げ損益分岐を計算
- 遺族年金計算ツール(C078) — 遺族基礎年金・遺族厚生年金・中高齢寡婦加算を統合計算
- 在職老齢年金65万円計算ツール(V001) — 2026年4月改正後の支給停止額・実年金額を計算
本ページの計算は2026年4月改正後の在職老齢年金基準(月65万円)・令和8年度年金額(老齢基礎年金満額847,300円、加給年金配偶者分423,700円、中高齢寡婦加算635,500円)に基づく概算値です。実際の受給額は年金事務所・ねんきんネットで必ずご確認ください。監修:計算ナビ編集部(IT・財務・人事領域 実務経験)。架空の社労士・FPによる監修は配置していません(E-E-A-T方針に基づく)。