防衛特別所得税 計算ツール(2027年施行・年収別増税額シミュレーター)
2027年1月から導入される防衛特別所得税(所得税額×1%)を年収・家族構成から即計算。「年収の1%」ではなく「所得税額の1%」という誤解を解消し、正味の負担増を可視化します。
防衛特別所得税は「所得税額の1%」です。年収500万円でも防衛特別所得税は年間約880〜1,400円程度です(年収の1%=5万円とは大きく異なります)。
施行: 2027年1月1日(令和9年分以後の所得税から適用)
根拠: 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
30秒まとめ:防衛特別所得税の要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 防衛特別所得税(仮称) |
| 施行日 | 2027年1月1日(令和9年分以後) |
| 計算式 | 基準所得税額 × 1% |
| 根拠 | 令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定) |
| 2027〜2037年 | 復興税1.1%+防衛税1.0%=合計2.1%(単年度負担ほぼ変わらず) |
| 2037〜2047年 | 復興税延長10年(本来終了のはずが継続)→ 実質増税 |
防衛特別所得税の仕組み(2027年1月施行)
計算式の詳細
防衛特別所得税は「基準所得税額」に1%の税率を乗じて計算します。基準所得税額とは、課税所得に超過累進税率(5〜45%)を適用して算出した所得税額から、住宅ローン控除等の税額控除を差し引いた後の金額です。
// 防衛特別所得税の計算フロー(2027年1月〜)
Step 1: 課税所得の算出
課税所得 = 給与収入 - 給与所得控除 - 基礎控除 - 各種控除
Step 2: 所得税額(基準所得税額)の算出
所得税額 = 課税所得 × 超過累進税率(5〜45%)- 税額控除
// 超過累進税率(所得税法 別表第一)
195万円以下: 5%
195万円超〜330万円: 10% − 9.75万円
330万円超〜695万円: 20% − 42.75万円
695万円超〜900万円: 23% − 63.6万円
900万円超〜1,800万円: 33% − 153.6万円
1,800万円超〜4,000万円: 40% − 279.6万円
4,000万円超: 45% − 479.6万円
Step 3: 防衛特別所得税額
防衛特別所得税 = 基準所得税額 × 1%
Step 4: 復興特別所得税額(2027年以降の新税率)
復興特別所得税 = 基準所得税額 × 1.1%(2026年まで:2.1%)
Step 5: 納税額の合計
合計 = 所得税額 + 防衛特別所得税 + 復興特別所得税
= 所得税額 × (1 + 1% + 1.1%)
= 所得税額 × 1.021 ←2026年以前と同じ乗数 財務省「令和8年度税制改正の大綱(6/9)防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」 給与所得控除の算出基準(参考)
給与収入から所得税計算の出発点となる給与所得を算出する際に適用します。
| 給与収入 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 162.5万円以下 | 55万円 |
| 162.5万円超〜180万円 | 収入×40%−10万円 |
| 180万円超〜360万円 | 収入×30%+8万円 |
| 360万円超〜660万円 | 収入×20%+44万円 |
| 660万円超〜850万円 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
復興特別所得税との関係(差引で正味の増税額)
2027年の税率変更の全体像
2027年1月から、以下の2つの変更が同時に起きます。
| 税の種類 | 〜2026年 | 2027〜2037年 | 2037〜2047年 |
|---|---|---|---|
| 復興特別所得税 | 2.1% | 1.1%(−1.0%) | 1.1%(延長) |
| 防衛特別所得税 | なし | +1.0%(新設) | 1.0%(継続) |
| 合計付加税率 | 2.1% | 2.1%(変化なし) | 2.1%(継続) |
2027〜2037年の間は合計付加税率が変わらないため、単年度での手取りへの影響はほぼゼロです。ただし、本来であれば2037年12月31日に終了するはずだった復興特別所得税が2047年まで10年間延長されます。2037年以降も防衛特別所得税と復興特別所得税が合計2.1%継続することで、国民全体が10年分の負担を追加で支払う設計です。
税理士法人FP総合研究所「No547 令和8年度税制改正大綱 防衛特別所得税の導入について」年収別 増税額シミュレーション(4パターン早見表)
以下は会社員(社会保険料は年収の約15%で概算)の目安です。実際の税額は控除の状況により異なります。
| 年収 | 所得税額(目安) | 防衛特別所得税(年額) | 防衛特別所得税(月額) | 2037年以降 実質増税(年額) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円(独身) | 約3.7万円 | 約370円 | 約31円 | 約370円 |
| 500万円(独身) | 約8.8万円 | 約880円 | 約73円 | 約880円 |
| 700万円(配偶者・子1人) | 約27万円 | 約2,700円 | 約225円 | 約2,700円 |
| 1,000万円(配偶者・子2人) | 約77万円 | 約7,700円 | 約642円 | 約7,700円 |
※社会保険料は年収の約15%で概算。令和7年度税制改正の基礎控除(所得に応じて58〜95万円)を考慮した目安値。住宅ローン控除・医療費控除等の税額控除は含まず。実際の金額はツールで個別計算してください。
FAS-CALM「2027年1月開始の防衛増税とは?所得税付加税の仕組みと実務対応」よくある誤解と正解
誤解1:「年収の1%が取られる」
正解:「所得税額の1%」です。 年収500万円でも所得税額は約8.8万円程度なので、防衛特別所得税は年間約880円です。年収500万円の1%(5万円)とは約57倍の差があります。
誤解が広まった背景には、「所得税に1%が上乗せされる」という報道が「年収に1%が上乗せ」と誤読されたことが考えられます。防衛特別所得税は、あくまで「所得税額に対する付加税」です。
誤解2:「2027年から手取りが大幅に減る」
正解:2027〜2037年は手取りへの影響はほぼゼロです。 復興特別所得税が2.1%から1.1%に引き下げられるため、防衛特別所得税1%の新設と相殺されます。合計付加税率は2.1%のままです。
実質的な増税が生じるのは2037年以降です。本来であれば復興税が終了するはずだった期間(2037〜2047年)に、復興税が延長されることで負担が続きます。
誤解3:「所得が低い人も同じ負担」
正解:所得税がゼロの人は防衛特別所得税もゼロです。 防衛特別所得税は「所得税額×1%」のため、所得税を払っていない低所得者には課税されません。課税所得がゼロ(=所得控除が課税所得を上回る)の場合は防衛特別所得税も発生しません。
誤解4:「確定申告が新たに必要になる」
正解:給与所得者は源泉徴収・年末調整の仕組みに組み込まれます。 防衛特別所得税の申告・納付等の手続きは復興特別所得税と同様の方法が適用されます(財務省・令和8年度税制改正大綱)。新たに確定申告が必要になる方は基本的にいません。
国税庁「令和7年3月31日公布・所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)」よくある質問(10問)
Q1. 防衛特別所得税はいつから始まりますか?
2027年1月1日(令和9年分以後の所得税)から始まります。給与所得者は2027年1月支給分の給与から源泉徴収に反映されます。令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)で正式決定しています。
Q2. 計算式を教えてください
防衛特別所得税額 = 基準所得税額 × 1%。基準所得税額の計算方法は復興特別所得税と同様です(課税所得×税率-控除後の所得税額)。
Q3. 「年収の1%」ではないのですか?
違います。「所得税額の1%」です。年収500万円・独身の場合、所得税額は約8.8万円なので防衛特別所得税は年間約880円です。年収の1%(5万円)とは約57倍の差があります。
Q4. 手取りはいくら減りますか?
2027〜2037年の間は手取りへの影響はほぼゼロです。復興特別所得税が2.1%から1.1%に引き下げられるため、防衛特別所得税1%の新設と相殺されます。実質的な手取り減少は2037年以降です。
Q5. 復興特別所得税との関係はどうなりますか?
2027年1月から、復興特別所得税が2.1%→1.1%に引き下げられると同時に防衛特別所得税1.0%が新設されます。合計2.1%は変わりません。ただし復興特別所得税の課税期間が2037年から2047年に10年延長されます。
Q6. 所得税がゼロの人はどうなりますか?
所得税がゼロの人は防衛特別所得税もゼロです。各種控除(基礎控除・扶養控除・社会保険料控除等)を差し引いた課税所得がゼロ以下の場合は、所得税も防衛特別所得税も発生しません。
Q7. 確定申告は新たに必要になりますか?
給与所得者は不要です。申告・納付の手続きは復興特別所得税と同様の方法が適用されます。フリーランス・個人事業主は確定申告で所得税と一緒に申告します。
Q8. 住民税にも影響しますか?
住民税には影響しません。防衛特別所得税は所得税(国税)の付加税です。住民税(地方税)の計算は別途です。
Q9. 2037年以降はどうなりますか?
本来であれば2037年12月31日に終了するはずだった復興特別所得税が2047年まで10年延長されます。防衛特別所得税も継続するため、2037〜2047年の間は合計付加税率2.1%が続きます。本来なら消えるはずだった税が延長される形で実質的な増税となります。
Q10. 節税で防衛特別所得税を減らせますか?
所得税額を減らすことで防衛特別所得税も連動して減ります。iDeCo(個人型確定拠出年金)・小規模企業共済・生命保険料控除・医療費控除などで課税所得を圧縮すると、所得税額と防衛特別所得税の両方を減らせます。具体的な節税方法はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
関連ツール
参考公的ソース
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱(6/9)防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 税理士法人FP総合研究所「No547 令和8年度税制改正大綱 防衛特別所得税の導入について」
- 税理士法人山田&パートナーズ「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置(所得税)」
本ツールは令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)の内容に基づく概算計算です。法律の最終内容・施行規則の詳細は公布後に確定します。実際の税額は各種控除・住宅ローン控除・所在地等により異なります。正確な税額は税務署または税理士にご確認ください。