解雇予告手当 エクセル計算|コピペで使える計算式
平均賃金から解雇予告手当の額まで、エクセルに貼り付けて使える数式をまとめました。平均賃金は銭未満を切り捨て、手当額は円未満を50銭基準で処理します。入力が誤っているときは金額を空欄にします。
エクセルシートのレイアウト例
Excelの新しいシートに、A列にラベル、B列に数値か数式を入れてください。数値は例1(月給制)の値です。
| セル | A列(ラベル) | B列(数値・数式) |
|---|---|---|
| B3 | 算定期間の賃金総額(円) | 900000 |
| B4 | 算定期間の暦日数(日) | 92 |
| B6 | 算定期間に実際に労働した日数(日)※時給・日給・出来高払制のみ | (月給制は空欄) |
| B7 | 予告日数(予告した日の翌日から解雇日まで・日) | 0 |
| B8 | 平均賃金(1日あたり・銭まで) | 数式(下記) |
| B9 | 不足日数 | =IF(ISNUMBER(B7),IF(AND(B7>=0,B7=INT(B7)),MAX(0,30-B7),""),"") |
| B10 | 解雇予告手当(円) | =IF(AND(ISNUMBER(B8),ISNUMBER(B9)),ROUND(B8*B9,0),"") |
B5は使いません(空けておきます)。賃金総額は算定期間に支払われた賃金の合計で、賞与など3か月を超える期間ごとに払われる賃金や臨時の賃金は入れません(労働基準法第12条第4項)。
コピペできるExcel計算式
月給制の場合(B8)
=IF(AND(ISNUMBER(B3),ISNUMBER(B4)),IF(AND(B3>=0,B4>=1,B4=INT(B4)),ROUNDDOWN(B3/B4,2),""),"")
賃金総額を暦日数で割り、銭(0.01円)未満を切り捨てます。賃金総額がマイナス、暦日数が1未満や小数のときは空欄を返します。
平均賃金(B8)
900,000÷92=9782.6087… → 銭未満切捨てで9,782.60円
不足日数(B9)
30−0=30日
解雇予告手当(B10)
9,782.60×30を円にして293,478円
20日前に予告していれば不足日数は10日で97,826円
時給・日給・出来高払制の場合(B8)
=IF(AND(ISNUMBER(B3),ISNUMBER(B4),ISNUMBER(B6)),IF(AND(B3>=0,B4>=1,B4=INT(B4),B6>=1,B6=INT(B6),B6<=B4),MAX(ROUNDDOWN(B3/B4,2),ROUNDDOWN(B3/B6*0.6,2)),""),"")
原則の額(賃金総額÷暦日数)と、最低保障の額(賃金総額÷実際に労働した日数×60%)を、それぞれ銭未満切捨てで出し、高い方を使います(労働基準法第12条第1項第1号)。B6は算定期間に実際に働いた日数です。週の所定労働時間から日数を出す式ではありません。
原則の額
312,000÷92(暦日)→ 3,391.30円
最低保障の額
312,000÷39(実労働日)×0.6 → 4,800.00円
平均賃金と手当
高い方の4,800.00円×30日=144,000円(即日解雇の場合)
月給と時給を組み合わせた賃金の人は、月給の部分と時給の部分を分けて計算して合算するため(同項ただし書)、この1本の式では計算できません。
算定期間(いつからいつまでの賃金か)
平均賃金は、算定すべき事由の発生した日(解雇予告手当なら、労働者に解雇の通告をした日)の前日からさかのぼる3か月間の賃金で計算します(事由の発生した日は含めません)。賃金締切日がある場合は、その直前の賃金締切日からさかのぼります(労働基準法第12条第1項・第2項)。次の期間とその間の賃金は、期間と賃金総額の両方から除きます(同条第3項)。
- 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
- 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間
- 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
- 育児休業・介護休業をした期間
- 試みの使用期間
雇入れから3か月に満たない人は、雇入れ後の期間で計算します(同条第6項)。
予告日数の数え方
予告日数は、予告した日の翌日から解雇日までの日数です(予告した日は数えません)。たとえば4月1日に4月30日付の解雇を予告した場合は29日なので、1日分の予告手当が必要です。30日に足りない日数分の平均賃金を払えば、その日数だけ予告期間を短くできます(労働基準法第20条第2項)。
書式設定のおすすめ
' B8セルの表示形式: ¥#,##0.00(平均賃金を銭まで表示) ' B10セルの表示形式: ¥#,##0(手当額を円で表示) ' 条件付き書式(B10): ' B9 = 0 の場合 → フォント色を灰色(予告期間が足りている)
よくあるExcel計算ミスと対処法
ミス1: 分母の日数を取り違える
原則の平均賃金の分母は暦日数(土日祝を含む)です。出勤日数を使うのは、時給・日給・出来高払制の最低保障を計算するときだけです。暦日数を日付から出すときは、開始日と終了日の両方を含めます。
' 暦日数の計算式(A3=開始日、A4=終了日) =A4-A3+1 ' 例: A3=2026/2/1, A4=2026/4/30 → 89日 ' DATEDIF(A3,A4,"D") は終了日を含めないので 88日になり、1日少なくなります
ミス2: 端数を四捨五入する
平均賃金は銭(0.01円)未満を切り捨てます(ROUNDDOWN(…,2))。平均賃金に日数を掛けた支払額の円未満は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げます(ROUND(…,0)・通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第3条)。2つの端数処理は別のものです。
ミス3: 入力の誤りに気づかない
予告日数がマイナスだと、MAX(0,30−B7)だけでは31日分以上を出してしまいます。このページの数式は、賃金総額が0以上、暦日数・実労働日数が1以上の整数(実労働日数は暦日数以下)、予告日数が0以上の整数のときだけ金額を出し、それ以外は空欄にします。
ブラウザで計算したい場合
エクセルを使わずに計算するなら解雇予告手当計算ツール(メインページ)をご利用ください。同じ計算式(平均賃金の銭未満切捨て・50銭基準の円処理)で計算します。
この数式で扱わないこと
- 算定期間の決定(賃金締切日の確認)と、除く期間・除く賃金の仕分けは、入力する前にご自身で行ってください。
- 月給と時給・日給を組み合わせた賃金(労働基準法第12条第1項ただし書)は計算しません。
- 予告手当が要らない場合は判定しません。天災事変などで事業の継続ができない場合と、労働者の責めに帰すべき事由による解雇は、労働基準監督署長の認定を受けたときに限られます(第20条第1項ただし書・第3項)。
- 日々雇い入れられる人、2か月以内の期間を定めて使用される人、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される人、試みの使用期間中の人は、一定の期間を超えて使用されるまで予告の規定が適用されません(第21条)。この判定はしません。
関連ツール
本ページの数式は概算の計算用です。実際の解雇予告手当額は、算定期間・除く期間や賃金・個別事情により異なります。具体的な手続きは労働基準監督署・社会保険労務士・弁護士にご相談ください。
よくある質問
- エクセルで平均賃金を求める計算式は?
- 結論:月給制はB8に「=IF(AND(ISNUMBER(B3),ISNUMBER(B4)),IF(AND(B3>=0,B4>=1,B4=INT(B4)),ROUNDDOWN(B3/B4,2),""),"")」と入れます(B3=算定期間の賃金総額、B4=算定期間の暦日数)。平均賃金は銭(0.01円)未満を切り捨てるのでROUNDDOWN(…,2)を使います。賃金が時給・日給・出来高払で決まっている人は、賃金総額をその期間に実際に労働した日数(B6)で割った額の60%と比べて高い方を使います(労働基準法第12条第1項)。式は「=IF(AND(ISNUMBER(B3),ISNUMBER(B4),ISNUMBER(B6)),IF(AND(B3>=0,B4>=1,B4=INT(B4),B6>=1,B6=INT(B6),B6<=B4),MAX(ROUNDDOWN(B3/B4,2),ROUNDDOWN(B3/B6*0.6,2)),""),"")」です。
- エクセルで解雇予告手当を求める計算式は?
- 結論:B9に「=IF(ISNUMBER(B7),IF(AND(B7>=0,B7=INT(B7)),MAX(0,30-B7),""),"")」、B10に「=IF(AND(ISNUMBER(B8),ISNUMBER(B9)),ROUND(B8*B9,0),"")」と入れます(B7=予告日数、B8=平均賃金)。30日以上前に予告していれば不足日数は0です。平均賃金×不足日数の円未満は、50銭未満を切り捨て・50銭以上を切り上げるため、ROUND(…,0)を使います。
- 解雇予告手当の計算でよくあるExcelミスは?
- 結論:よくあるミスは①平均賃金の分母に出勤日数を使う(月給制は暦日数。出勤日数を使うのは時給・日給制の最低保障の計算だけ)②暦日数をDATEDIFで出して1日少なくなる(開始日と終了日を両方含めるなら「=A4-A3+1」)③平均賃金を四捨五入する(銭未満は切り捨て)④予告した日を予告日数に数える(予告した日の翌日から解雇日までを数えます)の4つです。
- 解雇予告手当の計算テンプレートを無料でダウンロードできる?
- 結論:このページには配布ファイルはなく、コピペで使える数式を掲載しています。新しいシートのA列にラベル、B列に数値を入れ、B8〜B10に数式をそのまま貼り付けてください。入力が誤っているとき(マイナス・小数の日数など)は金額を空欄にする式です。
- 時給制アルバイトの解雇予告手当はどう計算する?
- 結論:時給制は、①賃金総額÷暦日数(原則)と、②賃金総額÷実際に労働した日数×60%(最低保障)のうち高い方が平均賃金です(労働基準法第12条第1項第1号)。週の所定労働時間から出す式ではありません。たとえば3か月の賃金総額312,000円・暦日92日・実労働39日なら、①3,391.30円、②4,800.00円で、平均賃金は4,800.00円、即日解雇なら予告手当は144,000円です。月給と時給を組み合わせた賃金の人は、この式だけでは計算できません。