税金・控除の用語集
所得税・住民税や各種所得控除に関する専門用語です。制度の名称や計算根拠を確認し、下記の計算ツールで実際の税額をシミュレーションできます。
所得税 (しょとくぜい)
所得税とは、個人が1年間に得た所得に対して課される国税です。所得の種類は給与所得・事業所得・雑所得など10種類に分類されます。税率は5%〜45%の7段階の超過累進税率が適用され、所得が高いほど高い税率がかかります。課税所得額は「総所得金額 − 所得控除額」で計算します。
住民税 (じゅうみんぜい)
住民税とは、都道府県・市区町村に納める地方税です。均等割(定額部分)と所得割(所得比例部分)から構成されます。所得割の税率は原則10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)です。前年の所得をもとに翌年6月から課税されるため、退職直後に高額になる点に注意が必要です。
基礎控除 (きそこうじょ)
基礎控除とは、すべての納税者が所得から差し引ける控除です。令和8年度税制改正により、令和8年分(2026年)以後は本則が62万円(改正前58万円)に引き上げられ、租税特別措置法の加算とあわせて合計所得金額489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円になりました。令和7年分(2025年)は合計所得132万円以下で最大95万円でした。令和10年分(2028年)以後は加算が縮小し、合計所得132万円以下で99万円・それ以外は62万円となります。住民税の基礎控除は43万円で変更ありません。控除額は合計所得金額が2,350万円を超えると段階的に縮小します。(出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」、2026-08-31確認)
給与所得控除 (きゅうよしょとくこうじょ)
給与所得控除とは、給与収入から差し引ける必要経費相当の控除です。収入金額に応じて控除額が決まり、令和8年度税制改正により令和8年分(2026年)以後は最低保障額が74万円になりました(本則69万円+令和8・9年分限りの特例5万円。対象は給与収入220万円以下)。令和7年分(2025年)は65万円(給与収入190万円以下)でした。令和10年分(2028年)以後は特例が終了し69万円になります。年収850万円超は195万円(上限)です。フリーランスや自営業者の実際の必要経費控除とは異なり、サラリーマンに自動適用される概算控除です。(出典: 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」、2026-08-31確認)
扶養控除 (ふようこうじょ)
扶養控除とは、16歳以上の扶養親族がいる場合に所得から差し引ける控除です。一般扶養(16〜18歳、23〜69歳)は38万円、特定扶養(19〜22歳)は63万円、老人扶養(70歳以上)は48万円(同居老親等は58万円)です。令和7年分(2025年)の税制改正により、扶養親族の合計所得金額の要件は58万円以下(改正前は48万円以下)に引き上げられ、給与収入のみの場合の目安は123万円以下です。(出典: 国税庁No.1180、2026-08-25確認)
配偶者控除 (はいぐうしゃこうじょ)
配偶者控除とは、生計を共にする配偶者の合計所得が58万円以下(給与収入123万円以下)の場合に適用される控除です(令和6年分以前は48万円以下・給与収入103万円以下)。控除額は納税者の所得に応じて38万円・26万円・13万円の3段階です。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用外となります。(出典: 国税庁No.1191、2026-08-25確認)
医療費控除 (いりょうひこうじょ)
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に所得から差し引ける控除です。控除額は「実際に支払った医療費 − 保険金等の補填額 − 10万円(総所得200万円未満の場合は総所得の5%)」で計算します。上限は200万円です。確定申告での申請が必要です。
生命保険料控除 (せいめいほけんりょうこうじょ)
生命保険料控除とは、生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料を支払った場合に所得から差し引ける控除です。2012年以降の新契約は各保険区分で最大4万円(合計最大12万円)の控除を受けられます。2011年以前の旧契約は一般生命保険と個人年金で各最大5万円です。
住宅ローン控除 (じゅうたくろーんこうじょ)
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを組んで住宅を購入・増改築した場合に税額から差し引ける控除です。年末の借入残高に控除率0.7%を乗じた金額を、最長13年間(新築の場合)にわたって所得税・住民税から控除できます。2025年末までの入居が控除対象期間です。
ふるさと納税 (ふるさとのうぜい)
ふるさと納税とは、自分が選んだ自治体に寄付することで、寄付額から2,000円を引いた金額が所得税・住民税から控除される制度です。返礼品として地域の特産品等を受け取れます。控除上限額は年収・家族構成によって異なり、ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告が不要です。
年末調整 (ねんまつちょうせい)
年末調整とは、給与所得者の1年間の所得税額を正確に精算する手続きです。毎月の給与から源泉徴収した税額の合計と、実際に納めるべき税額との過不足を年末に調整します。生命保険料控除・扶養控除・配偶者控除などを申告することで還付を受けられます。医療費控除・住宅ローン控除(初年度)は確定申告が別途必要です。
確定申告 (かくていしんこく)
確定申告とは、1月1日から12月31日の1年間の所得と税額を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。給与所得が2,000万円超の方、副業所得が20万円超の方、フリーランス・個人事業主などは原則として申告が必要です。申告期間は翌年2月16日から3月15日です。
源泉徴収 (げんせんちょうしゅ)
源泉徴収とは、給与・報酬・利子・配当などを支払う際に、支払者があらかじめ所得税を差し引いて国に納める制度です。給与所得者は毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で精算されます。フリーランスへの原稿料・デザイン報酬等にも10.21%(100万円超は20.42%)の源泉徴収が適用されます。
累進課税 (るいしんかぜい)
累進課税とは、所得が高くなるほど高い税率が適用される課税方式です。日本の所得税は超過累進税率を採用しており、税率は5%・10%・20%・23%・33%・40%・45%の7段階です。「超過」累進とは、全体に高い税率がかかるのではなく、各段階を超えた部分にのみ高い税率がかかる仕組みです。
税率 (ぜいりつ)
税率とは、課税標準に対して課税される割合です。所得税の税率は課税所得195万円以下が5%、195〜330万円が10%、330〜695万円が20%、695〜900万円が23%、900〜1,800万円が33%、1,800〜4,000万円が40%、4,000万円超が45%です。実際の負担割合を示す「実効税率」は、所得税と住民税・復興特別所得税を合算して計算します。
損益通算 (そんえきつうさん)
損益通算とは、一定の種類の所得に損失が生じた場合に、他の所得と合算して税負担を軽減できる制度です。不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失は、他の所得と通算できます。株式の譲渡損失はNISA口座の利益とは通算できません。損益通算後も損失が残る場合は翌年以降3年間の繰越控除が可能です。
青色申告 (あおしろしんこく)
青色申告とは、複式簿記等の一定の帳簿を備えた個人事業主・フリーランスが受けられる所得税の特典です。青色申告特別控除(最大65万円)・赤字の3年間繰越・家族への給与(青色事業専従者給与)の経費化などの特典があります。事業開始から2か月以内、または3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
青色申告特別控除 (あおしろしんこくとくべつこうじょ)
青色申告特別控除とは、青色申告を行う個人事業主が所得から差し引ける控除です。複式簿記で記帳し電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存を行う場合は65万円、それ以外の複式簿記は55万円、簡易簿記は10万円の控除を受けられます。2020年分から電子申告要件が追加されました。
所得控除 (しょとくこうじょ)
所得控除とは、課税所得を計算する際に総所得金額から差し引くことができる控除の総称です。基礎控除・配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除・医療費控除・小規模企業共済等掛金控除など16種類があります(令和7年分から特定親族特別控除が加わりました)。控除後の課税所得に税率を掛けて所得税額が計算されます。
社会保険料控除 (しゃかいほけんりょうこうじょ)
社会保険料控除とは、健康保険・厚生年金・雇用保険・国民年金・国民健康保険などの社会保険料を支払った場合に、その全額を所得から差し引ける控除です。自分自身だけでなく、生計を一にする家族の社会保険料を支払った場合も対象となります。年末調整または確定申告で申告します。
iDeCo控除(小規模企業共済等掛金控除) (いでこ こうじょ)
iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、拠出した掛金の全額が所得控除の対象となります。会社員の掛金上限は月2.3万円(年27.6万円)、自営業者は月6.8万円(年81.6万円)です。所得税・住民税が軽減されるため、税率が高いほど節税効果が大きくなります。
固定資産税 (こていしさんぜい)
固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産を所有している人に課される市町村税です。税率は原則1.4%で、課税標準(固定資産税評価額)に乗じて計算します。住宅用地は課税標準の特例(小規模住宅用地は1/6、一般住宅用地は1/3)が適用されます。
不動産取得税 (ふどうさんしゅとくぜい)
不動産取得税とは、土地や建物を取得した際に一度だけ課される都道府県税です。税率は原則4%ですが、土地および住宅は特例により3%に軽減されています(2027年3月31日まで)。新築住宅は1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)の課税標準控除が適用されます。
消費税 (しょうひぜい)
消費税とは、商品の販売・サービスの提供等に広く課される間接税です。標準税率は10%(消費税7.8%+地方消費税2.2%)、食料品等には軽減税率8%(消費税6.24%+地方消費税1.76%)が適用されます。課税売上高が前々年度1,000万円を超える事業者は消費税の申告・納付義務が生じます。
法人税 (ほうじんぜい)
法人税とは、法人(株式会社・合同会社等)の所得に対して課される国税です。中小法人(資本金1億円以下)の税率は所得800万円以下が15%、800万円超が23.2%です。法人住民税・法人事業税を合算した実効税率は中小法人で概ね約33〜35%程度となります。
贈与税 (ぞうよぜい)
贈与税とは、個人から財産をもらった場合に受け取った側に課される税金です。暦年課税では年間110万円の基礎控除があり、110万円を超えた部分に10%〜55%の税率が適用されます。相続時精算課税制度を選択すると最大2,500万円まで非課税で贈与でき、将来の相続時に精算します。
相続税 (そうぞくぜい)
相続税とは、亡くなった方の財産を相続した場合に課される税金です。基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算します。基礎控除を超えた部分に10%〜55%の累進税率が適用されます。配偶者は「1億6,000万円または法定相続分」まで非課税となる配偶者控除があります。
譲渡所得税(株式) (じょうとしょとくぜい)
株式の譲渡所得税とは、株式・投資信託を売却して得た利益(キャピタルゲイン)に課される税金です。税率は申告分離課税で一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。NISA口座内の売却益は非課税です。損失は確定申告で翌年以降3年間の繰越控除が可能です。
給付付き税額控除 (きゅうふつきぜいがくこうじょ)
給付付き税額控除とは、税額控除を超える部分を現金給付として受け取れる制度です。日本では2026年税制改正で「定額減税」が議論されていますが、本格的な給付付き税額控除制度は未導入です。低所得者の税負担軽減と給付を組み合わせた政策手法として、各国で導入が進んでいます。
復興特別所得税 (ふっこうとくべつしょとくぜい)
復興特別所得税とは、東日本大震災の復興財源として2013年から2037年まで課される付加税です。その年の基準所得税額に2.1%を乗じた金額が加算されます。源泉徴収の際は所得税率に2.1%を乗じた額が加算され、例えば源泉徴収税率が10%の場合は10.21%が適用されます。
配偶者特別控除 (はいぐうしゃとくべつこうじょ)
配偶者特別控除とは、配偶者の合計所得が58万円超133万円以下の場合に適用される控除です(令和6年分以前は48万円超133万円以下)。配偶者控除(合計所得58万円以下)を補完する制度で、配偶者の所得が増えるにつれて控除額は段階的に減少します。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用外となります。(出典: 国税庁No.1195、2026-08-25確認)
ワンストップ特例制度 (わんすとっぷとくれいせいど)
ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税の控除を確定申告なしで受けられる制度です。年間の寄付先が5自治体以内で、かつ確定申告を行わない給与所得者が利用できます。各自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を翌年1月10日までに提出する必要があります。控除は全額住民税から差し引かれます。
自動車税 (じどうしゃぜい)
自動車税とは、毎年4月1日時点で自動車を所有する者に課される都道府県税です。排気量により税額が異なり、1,000cc以下が25,000円、2,000cc以下が36,000円、3,000cc以下が50,000円等です(2019年10月以降の新規登録は軽減税率)。軽自動車は「軽自動車税」として市区町村に10,800円(乗用・自家用)を納めます。
税金の還付 (ぜいきんのかんぷ)
税金の還付とは、源泉徴収や予定納税で多く納めた税金が確定申告後に返金される仕組みです。給与所得者は年末調整で過不足が精算されますが、医療費控除・住宅ローン控除(初年度)等は確定申告が必要です。還付金は申告後1〜2か月で指定口座に振り込まれます。e-Taxで申告するとより早く還付される傾向があります。
ふるさと納税の返礼品 (ふるさとのうぜいのへんれいひん)
ふるさと納税の返礼品とは、寄付に対して自治体が贈る特産品等です。2019年の制度見直しで、返礼品は寄付額の30%以下・地場産品であることが義務付けられました。食品・日用品・体験型など多種多様な返礼品があります。受け取った返礼品は一時所得として課税対象になる場合がありますが、年間50万円以下の返礼品は一般的に課税されません。
源泉分離課税 (げんぶんりかぜい)
源泉分離課税とは、預貯金の利子・一定の配当等の所得が他の所得と分離され、支払い時に源泉徴収で課税が完結する課税方式です。預貯金利子の税率は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。確定申告で他の所得と合算する必要がなく、原則として確定申告不要です。
年末調整の過不足 (ねんまつちょうせいのかふそく)
年末調整の過不足とは、年間の源泉徴収税額の合計と実際に納めるべき税額との差額のことです。源泉徴収が多かった場合は「還付」として12月または翌年1月の給与に上乗せされます。少なかった場合は「不足」として追加徴収されます。生命保険料控除・地震保険料控除・扶養控除の申告内容が正確かどうかが還付額に影響します。
特定支出控除 (とくていしゅっしつこうじょ)
特定支出控除とは、給与所得者が一定の費用(特定支出)を自己負担した場合に、給与所得控除額の2分の1を超えた部分を所得から差し引ける控除です。対象費用には通勤費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・図書費・衣服費・交際費(勤務に要するもの)等が含まれます。確定申告での申告が必要です。
所得の種類 (しょとくのしゅるい)
所得税法では所得を10種類に分類します。給与所得・事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・山林所得・退職所得・一時所得・雑所得・譲渡所得の10種類です。それぞれ計算方法・税率・控除が異なります。給与所得は給与収入から給与所得控除を引いて計算し、事業所得は収入から必要経費を引いて計算します。
負担軽減措置 (ふたんけいげんそち)
負担軽減措置とは、税制や社会保険における税・保険料の負担を軽減するための制度的な手当のことです。例として、小規模住宅用地の固定資産税1/6特例・新築住宅の固定資産税減額・住宅ローン控除・高額療養費制度・社会保険料の育休中免除などがあります。各制度の申請要件や期限を確認して積極的に活用することが重要です。