高年齢雇用継続給付金の計算|60歳以降の賃金から支給率と毎月の支給額を出す【2026年】
60歳以降に賃金が下がった月の高年齢雇用継続給付金を、低下率・支給率・限度額まで計算します。新旧の支給率は生年月日から自動で判定し、2か月ごとの申請額も月ごとに計算して足します。
60歳に達する日は誕生日の前日です(年齢計算ニ関スル法律・民法143条)。新旧の支給率と支給対象月の範囲をここから決めます。
新旧の判定と、支給対象月の始まりは、この日(60歳に達した日より後なら)を使います。
受給資格確認通知書に書かれた額です。上限・下限の外なら、支給対象月の期の上限・下限に収めて計算します。
新旧の判定は就職日で行います(2025年4月1日以後なら新ルール)。
100日未満は対象外。100〜199日は最長1年、200日以上は最長2年です。
受給資格者証の賃金日額です。×30 を賃金月額として使い、上限・下限には収めません。
限度額と賃金月額の上下限は、この月で期を引きます(毎年8月分から新しい額)。
通勤手当を含む額です。数か月分をまとめて払う通勤手当は、1か月当たりに割り振った額で入れます。
病気の欠勤・育児や介護の欠勤・事業所の休業・懲戒などで減った分です。足し戻した額で低下率と支給率を出します。
申請は原則2か月ごとです。「今月×2」とせず、翌月も別々に計算して足します。
高年齢雇用継続給付金はいくら?計算式(低下率・支給率・支給額)
結論:支給額は「その月に実際に支払われた賃金 × 支給率」です。 支給率は、賃金が60歳到達時の賃金月額の何%まで下がったか(低下率)で決まり、最大で10%です(雇用保険法61条5項)。 賃金が75%以上のままなら支給されません(61条1項)。
| 順 | 計算 | 端数 |
|---|---|---|
| 1 | 低下率 X = その月の賃金(みなし賃金)÷ 賃金月額 × 100 | 小数第3位を四捨五入(小数第2位まで) |
| 2 | X が75%以上なら支給なし。X が64%以下なら支給率 Y = 10%。64%超75%未満は Y = (75 − X) ÷ X × 32/55 | Y は小数第3位を四捨五入(小数第2位まで) |
| 3 | 支給額 = 実際に支払われた賃金 × Y | 1円未満は切り捨て |
| 4 | 賃金+支給額が支給限度額を超えるときは「支給限度額 − 賃金」。算定した額が最低限度額以下なら支給なし | — |
32/55 は、施行規則101条の4の「千分の四十六」「百分の十一」から出る係数です((11 − 4.6) ÷ 11)。 2025年3月31日までに60歳になった人は、最大15%・境目61%・係数 183/280 の従前の式です。 賃金には通勤手当が入ります。
例:賃金月額が300,000円で、その月の賃金が200,000円の場合、低下率は66.67%、支給率は7.27%で、 支給額は 200,000 × 7.27% = 14,540円です。 賃金が180,000円なら低下率は60.00%で、支給率は最大の10.00%、支給額は18,000円です。 賃金が260,000円なら低下率が86.67%で、支給されません。 賃金が8,000円なら算定額は800円ですが、最低限度額(2,562円)以下なので支給されません。
公式PDFの例とのずれ(14,545円と14,540円)
ハローワークの案内PDF(PL080801 保05)の5頁には、賃金月額30万円・賃金20万円の例が「低下率が66.67%で64%を超えていますので、支給額=(式)×20万+(式)×30万円=14,545円」と書かれています。 一方、6頁には「(イ)低下率及び(ロ)支給率については、小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで算定し、(ハ)支給額については、小数点以下を切り捨てて整数とします」とあります。 この手順どおりに低下率66.67%・支給率7.27%で計算すると 200,000 × 7.27% = 14,540円です。端数処理をせずに直接式で計算すると(当サイトの計算で 14,545.45円)、1円未満を切り捨てた14,545円で、PDF 5頁の値と同じになります。 5頁にも「算定した額は端数処理の関係で、実際に支給される額と異なる場合があります」の注があります。 当サイトは6頁の手順を採るため、ハローワークの決定額と数円違うことがあります。 ハローワーク案内PDF 5頁・6頁
支給率の早見表(2025年4月1日以後に60歳になった人)
結論:低下率が75.00%以上なら支給率は0.00%、64.00%以下なら10.00%です。 間は0.5%刻みで下の表のとおりです。表は計算関数から作り、公式PDF(7頁)の23行と全行一致することを自動テストで確かめています。
| 低下率 | 支給率 | 低下率 | 支給率 |
|---|---|---|---|
| 75.00% | 0.00% | 69.00% | 5.06% |
| 74.50% | 0.39% | 68.50% | 5.52% |
| 74.00% | 0.79% | 68.00% | 5.99% |
| 73.50% | 1.19% | 67.50% | 6.46% |
| 73.00% | 1.59% | 67.00% | 6.95% |
| 72.50% | 2.01% | 66.50% | 7.44% |
| 72.00% | 2.42% | 66.00% | 7.93% |
| 71.50% | 2.85% | 65.50% | 8.44% |
| 71.00% | 3.28% | 65.00% | 8.95% |
| 70.50% | 3.71% | 64.50% | 9.47% |
| 70.00% | 4.16% | 64.00% | 10.00% |
| 69.50% | 4.60% |
2025年3月31日までに60歳になった人の支給率(15%の表)
結論:2025年4月1日より前に60歳に達した人(5年未満だった人は5年になった日が基準)は、令和2年法律第14号の附則により従前の式のままです。 低下率が61.00%以下で15.00%、75.00%以上で0.00%です。表は公式PDF(11頁)の29行と全行一致します。
| 低下率 | 支給率 | 低下率 | 支給率 |
|---|---|---|---|
| 75.00% | 0.00% | 67.50% | 7.26% |
| 74.50% | 0.44% | 67.00% | 7.80% |
| 74.00% | 0.88% | 66.50% | 8.35% |
| 73.50% | 1.33% | 66.00% | 8.91% |
| 73.00% | 1.79% | 65.50% | 9.48% |
| 72.50% | 2.25% | 65.00% | 10.05% |
| 72.00% | 2.72% | 64.50% | 10.64% |
| 71.50% | 3.20% | 64.00% | 11.23% |
| 71.00% | 3.68% | 63.50% | 11.84% |
| 70.50% | 4.17% | 63.00% | 12.45% |
| 70.00% | 4.67% | 62.50% | 13.07% |
| 69.50% | 5.17% | 62.00% | 13.70% |
| 69.00% | 5.68% | 61.50% | 14.35% |
| 68.50% | 6.20% | 61.00% | 15.00% |
| 68.00% | 6.73% |
60歳時点の賃金別・支給額の早見表
結論:賃金月額が30万円で賃金が180,000円(低下率60%)なら、18,000円です。 下の表は、2026年8月1日以後の支給対象月の額・2025年4月1日以後に60歳になった人(新ルール)で、賃金を「賃金月額 × 低下率」としたときの月額です。 75%は支給されません。実際の賃金に合わせた額は、上の入力欄で出せます。
| 賃金月額 | 低下率75% | 低下率70% | 低下率65% | 低下率64% | 低下率60% | 低下率50% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 200,000円 | 支給なし | 5,824円 | 11,635円 | 12,800円 | 12,000円 | 10,000円 |
| 250,000円 | 支給なし | 7,280円 | 14,543円 | 16,000円 | 15,000円 | 12,500円 |
| 300,000円 | 支給なし | 8,736円 | 17,452円 | 19,200円 | 18,000円 | 15,000円 |
| 350,000円 | 支給なし | 10,192円 | 20,361円 | 22,400円 | 21,000円 | 17,500円 |
| 400,000円 | 支給なし | 11,648円 | 23,270円 | 25,600円 | 24,000円 | 20,000円 |
| 450,000円 | 支給なし | 13,104円 | 26,178円 | 28,800円 | 27,000円 | 22,500円 |
| 500,000円 | 支給なし | 14,560円 | 29,087円 | 32,000円 | 30,000円 | 25,000円 |
支給限度額・最低限度額・賃金月額の上限と下限(毎年8月に改定)
結論:支給対象月が2026年8月1日以後なら、支給限度額は397,369円、最低限度額は2,562円です。 どの額も毎年8月1日以後に変わり(61条7項)、このページは支給対象月で期を選びます。 賃金が支給限度額以上の月は支給されず、算定額が最低限度額以下の月も支給されません。 賃金月額が上限を超える人は上限額で、下限に満たない人は下限額で計算します。
| 支給対象月 | 支給限度額 | 最低限度額 | 賃金月額の上限 | 賃金月額の下限 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年8月1日〜2026年7月31日の支給対象月 | 386,922円 | 2,411円 | 508,200円 | 90,420円 |
| 2026年8月1日以後の支給対象月 | 397,369円 | 2,562円 | 522,000円 | 96,090円 |
公表されている額は2027年7月31日までの分です(ハローワークの案内PDF 7頁の注)。 2027年7月31日より後の支給対象月は、額が決まるまで2026年8月1日以後の額で計算し、その旨を結果に出します。 2025年8月1日より前の支給対象月は、このページでは計算しません。 厚生労働省 支給限度額の変更(令和8年8月1日以後・LL080731 保02) 厚生労働省 支給限度額の変更(令和7年8月1日以後・LL070722 保02)
もらえる人・もらえる期間(5年・60歳到達月〜65歳到達月・1か月まるごと被保険者)
結論:60歳以上65歳未満の一般被保険者で、被保険者だった期間が5年以上あり、60歳以後の賃金が60歳時点の賃金月額の75%未満に下がっていることが要件です。 60歳に達したときに5年に満たない人は、5年になった月から対象になります。 名前が似た「高年齢求職者給付金」は別の制度で、離職した65歳以上の人が受ける一時金です(高年齢求職者給付金の計算)。
- 支給対象月:60歳に達した日の属する月から、65歳に達する日の属する月までです(61条2項)。
- 1か月まるごと:その月の初日から末日まで被保険者で、介護休業給付金・育児休業給付金などの対象になる休業をしなかった月に限ります。
- 60歳に達する日:誕生日の前日です。6月1日生まれは5月31日に60歳に達するので、5月分から対象です。
| 生年月日 | 60歳に達する日 | 新旧 | 支給対象月の初月 | 65歳に達する日 | 最終月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1966年6月1日 | 2026年5月31日 | 新(最大10%) | 2026年5月 | 2031年5月31日 | 2031年5月 |
| 1966年6月2日 | 2026年6月1日 | 新(最大10%) | 2026年6月 | 2031年6月1日 | 2031年6月 |
| 1965年4月1日 | 2025年3月31日 | 旧(最大15%) | 2025年3月 | 2030年3月31日 | 2030年3月 |
| 1965年4月2日 | 2025年4月1日 | 新(最大10%) | 2025年4月 | 2030年4月1日 | 2030年4月 |
給付は、2026年10月7日に確認したe-Gov法令検索の現行版(2026年5月13日施行の版)で、雇用保険法61条・61条の2に定められています。 e-Gov 雇用保険法(第61条・第61条の2) ハローワーク案内PDF 2〜3頁
欠勤や休業で賃金が減った月(みなし賃金)
結論:本人の欠勤や事業所の休業などで賃金が減った月は、減った分を足し戻した「みなし賃金」で低下率と支給率を出し、支給額は実際に払われた賃金に支給率を掛けて決めます。 みなし賃金を使うのは、次の理由で賃金が減ったときです。
- 本人の非行などによる懲戒が原因の減額
- 疾病・負傷などによる欠勤・遅刻・早退の減額
- 事業所の休業
- 妊娠・出産・育児・介護などによる欠勤・遅刻・早退の減額
例(PDF 4〜5頁と同じ前提):賃金月額300,000円、実際の賃金180,000円、欠勤による減額30,000円の場合、 減額がなければ低下率は60.00%で支給額は18,000円ですが、みなし賃金は210,000円になり、 低下率70.00%・支給率4.16%で、支給額は180,000 × 4.16% = 7,488円です。 ハローワーク案内PDF 4〜5頁
高年齢再就職給付金と再就職手当(同じ就職ではどちらか一方)
結論:失業手当(基本手当)を受けてから60歳以後に再就職した人は、高年齢再就職給付金の対象になることがあります。 同じ就職について再就職手当と両方は受けられません(61条の2第4項)。
| 高年齢再就職給付金 | 再就職手当 | |
|---|---|---|
| 支給額 | 支給対象月の賃金の最大10%(2025年3月31日以前の就職は最大15%) | 支給残日数分 × 基本手当日額 × 60%または70%(上限あり) |
| 支給方法 | 原則2か月ごと | 一括 |
| 支給残日数 | 100日以上(200日以上なら最長2年・100〜199日なら最長1年。65歳に達する月まで) | 所定給付日数の3分の1以上 |
| 申請期限 | 初回は最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内 | 就職日の翌日から1か月以内 |
どちらか一方が支給されると、もう一方は受けられなくなります。 選ぶときは、再就職手当の額は失業手当の計算で出せるので、上の入力欄の「失業手当を受けて再就職」の結果と並べて比べてください。 新旧の分かれ目は、再就職給付金では就職日が2025年4月1日以後かどうかです(令和2年法律第14号 附則3条2項)。 e-Gov 雇用保険法(第61条の2) ハローワーク案内PDF 7〜8頁
特別支給の老齢厚生年金との調整(最大4%・旧6%。計算は年金のページへ)
結論:特別支給の老齢厚生年金を受けながら高年齢雇用継続給付も受ける期間は、年金の一部が支給停止されることがあります。 停止される額は標準報酬月額の最大4%(2025年3月31日以前に60歳になった人は6%)です。 停止率の早見表は公式PDFの8頁と11頁にあります。計算は特別支給の老齢厚生年金の計算と在職老齢年金の計算のページで行ってください。 ハローワーク案内PDF 8頁・11頁
申請(事業主経由・2か月ごと・初回は4か月以内)
申請は、原則として事業主を経由して、事業所を管轄するハローワークに行います。 基本給付金は原則2か月に一度、ハローワークが指定する月に申請し、初回は最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内です。 ハローワーク案内PDF 12〜13頁
よくある質問
高年齢雇用継続給付金はいくらもらえますか?
支給額は、その月に支払われた賃金に支給率を掛けた額です。支給率は最大10%で、賃金が60歳到達時の賃金月額の64%以下に下がった月に最大になります。64%を超えて75%未満の間は、賃金の下がり方が小さい(低下率が75%に近い)ほど支給率が下がります。2025年3月31日までに60歳に達した人は最大15%です。たとえば賃金月額が300,000円で賃金が180,000円(低下率60.00%)なら、新ルールで18,000円、旧ルールで27,000円です。賃金が200,000円(低下率66.67%・支給率7.27%)なら14,540円です。
2025年4月の改正で何が変わりましたか?
支給率の上限が15%から10%に下がり、最大率になる低下率の境目が61%から64%になりました。新旧の分かれ目は、60歳に達した日(被保険者期間が5年未満だった人は5年になった日)が2025年4月1日以後かどうかです。2025年3月31日までに60歳に達した人等は、令和2年法律第14号の附則により、引き続き従前の率(最大15%)です。このページは生年月日から新旧を自動で判定します。
高年齢雇用継続給付金はいつまでもらえますか?
基本給付金の支給対象月は、60歳に達した日の属する月から65歳に達する日の属する月までです(雇用保険法61条2項)。ただし、その月の初日から末日まで被保険者であり、育児休業給付金などの対象になる休業をしなかった月に限ります。被保険者期間が60歳の時点で5年に満たなかった人は、5年になった日の属する月からです。再就職給付金は、就職日の属する月から、支給残日数が200日以上なら2年、100日以上200日未満なら1年を経過する日の属する月まで(65歳に達する日の属する月が先ならそこまで)です。
賃金がいくら以上だと高年齢雇用継続給付金をもらえませんか?
次のどちらかに当たる月は支給されません。①賃金が賃金月額の75%以上(低下率が75%未満であることが要件)。②賃金が支給限度額以上。支給限度額は2026年8月1日以後の支給対象月で397,369円(2025年8月1日〜は386,922円)です。このほか、算定した額が最低限度額(2026年8月1日以後は2,562円)以下の月も支給されません。
再就職手当と高年齢再就職給付金は両方もらえますか?
同じ就職については、どちらか一方だけです。高年齢再就職給付金の支給を受けたときは再就職手当が、再就職手当の支給を受けたときは高年齢再就職給付金が支給されません(雇用保険法61条の2第4項)。選ぶ前に、再就職手当は一括で、高年齢再就職給付金は最長1〜2年にわたり毎月の賃金に応じて出ることを比べてください。
出典
- e-Gov 雇用保険法(第61条・第61条の2)
- e-Gov 雇用保険法施行規則(第101条の4)
- ハローワーク「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」(PDF・PL080801 保05)
- 厚生労働省 支給限度額の変更(令和8年8月1日以後・LL080731 保02)
- 厚生労働省 支給限度額の変更(令和7年8月1日以後・LL070722 保02)
本ツールは、雇用保険法・施行規則と、ハローワーク・厚生労働省の資料にもとづく目安の計算です。実際の支給の可否と額は、ハローワークが決定します。 賃金月額は受給資格確認通知書の額で、賃金に含めるものの判断や、みなし賃金を使うかどうかは、事業所を管轄するハローワークにご確認ください。 端数処理は公式PDFの手順に従っていますが、決定額と数円違うことがあります。