源泉徴収票の見方と検算ツール|給与所得・所得控除・源泉徴収税額を確かめる
源泉徴収票の欄の名前と金額を入れると、「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」が所得税法の表と税率に合っているかを円まで検算します。令和7年分と令和8年分に対応。令和8年分は欄の番号が1つずつずれたので、番号ではなく欄名で探します。2026年10月8日時点の国税庁の資料で確認しています。
源泉徴収票の検算ツール
※ 票の右上の「令和◯年分」を選びます。年分を選ぶと、下の欄名に添える番号が切り替わります(初期表示は 12月1日から令和8年分)。
※ 年末調整をしていない票は検算しません。「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」の欄は書かれないことがあります。
※ 空欄なら判定しません。令和8年分は、令和8年12月1日以降に年末調整をした票だけを検算します(国税庁の手引の記載要領の前提)。
検算したい票の金額(空欄でも構いません)
金額で書かれている控除の欄(なければ空欄で0円)
※ 生命保険料の控除額と地震保険料の控除額を足した合計を入れます。
※ 給与収入が850万円を超える人などの調整控除です。なければ空欄で構いません。
※ 住宅ローン控除で実際に引かれた額を入れます。算出所得税額が上限で、控除しきれない分は「住宅借入金等特別控除可能額」の欄に書かれます。可能額の欄の値は入れません。
人数で書かれている控除(重ならない区分で入れます)
※ 票の「老人」は同居老親等を、「障害者の数」の「特別」は同居特別障害者を内数(内書き)で書きます。内書きの数字は引いてから入れます。例:老人 2(内 同居老親等 1)なら、老人(同居老親等以外)に 1、同居老親等に 1 を入れます。16歳未満の扶養親族は所得税の控除がないので入れません。
※ 寡婦とひとり親は、どちらか一方だけです。
金額を入れると、ここに検算の結果が出ます。下の数字は「令和7年分・支払金額(③) 5,000,000円・社会保険料等の金額(⑭) 720,000円・生命保険料の控除額/地震保険料の控除額(⑮) 40,000円・基礎控除の額(⑲) 680,000円」の例です。
| 検算する欄 | 計算し直した額 | 票の額 | 結果 |
|---|
※ 年末調整済みで、給与以外の所得が無く確定申告をしない場合、源泉徴収税額はその年の給与に係る所得税及び復興特別所得税の額です。ほかの所得や確定申告で、最終的な税額は変わることがあります。会社の計算が間違っていると断定するものではありません(差額と理由の候補だけを出します)。
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源泉徴収票の欄の見方(欄名と、年分ごとの欄番号)
令和8年分の票は、先頭に「無効区分」の欄が増えたため、欄の番号が1つずつずれました。同じ欄でも、令和7年分と令和8年分で番号が違います。番号だけで探さず、欄名で探してください。
| 欄名 | 令和7年分 | 令和8年分 | 何が書いてあるか |
|---|---|---|---|
| 支払金額 | ③ | ④ | 1年間に支払われた給与・賞与の合計(所得税が引かれる前・通勤手当のうち非課税分を除く) |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | ④ | ⑤ | 支払金額から給与所得控除を引き、所得金額調整控除があれば引いた後の金額 |
| 所得控除の額の合計額 | ⑤ | ⑥ | 社会保険料・生命保険料・扶養・基礎控除など、すべての所得控除の合計 |
| 源泉徴収税額 | ⑥ | ⑦ | 年末調整をした後の、その年の給与に係る所得税及び復興特別所得税の額 |
| 配偶者(特別)控除の額 | ⑧ | ⑨ | 配偶者控除または配偶者特別控除の額(金額で書く欄) |
| 控除対象扶養親族の数 | ⑨ | ⑩ | 特定・老人など区分ごとの人数(金額ではなく人数の欄) |
| 16歳未満扶養親族の数 | ⑩ | ⑪ | 16歳未満の扶養親族の人数(所得税の控除はない。住民税の判定用) |
| 障害者の数(本人を除く) | ⑪ | ⑫ | 同一生計配偶者・扶養親族のうち障害者の人数(特別・同居特別は内数) |
| 特定親族特別控除の額 | ⑬ | ⑭ | 19歳以上23歳未満の特定親族の特別控除の額(金額で書く欄) |
| 社会保険料等の金額 | ⑭ | ⑮ | 健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料、小規模企業共済等掛金など |
| 生命保険料の控除額/地震保険料の控除額 | ⑮ | ⑯ | 生命保険料控除額と地震保険料控除額(金額で書く欄) |
| 住宅借入金等特別控除の額 | ⑯ | ⑰ | 年末調整で税額から引いた住宅ローン控除の額(算出税額が上限) |
| 基礎控除の額 | ⑲ | ⑳ | 基礎控除の額(金額で書く欄) |
| 所得金額調整控除額 | ⑳ | ㉑ | 給与収入850万円超で、子ども・特別障害者がいる人などの調整控除の額 |
転職先には、前の勤務先の源泉徴収票を渡します。確定申告をするときは、票の支払金額・源泉徴収税額・社会保険料等の金額を申告書に写します。
「支払金額」と「給与所得控除後の金額」(別表第五)
「支払金額」は、1年間に支払われた給与・賞与の合計です(所得税が引かれる前の金額)。そこから給与所得控除を引いた額が「給与所得控除後の金額」です。給与収入が660万円未満のときは、計算式ではなく所得税法28条4項の別表第五の表の値を使います。令和8年分は、租税特別措置法29条の4第2項で、給与収入が691,000円以上220万円未満の給与所得の金額が定められています。
| 支払金額 | 令和7年分の給与所得 | 令和8年分の給与所得 |
|---|---|---|
| 1,899,999円 | 1,249,999円 | 1,159,999円 |
| 1,900,000円 | 1,250,000円 | 1,160,000円 |
| 2,195,000円 | 1,454,400円 | 1,453,000円 |
| 6,599,999円 | 4,836,800円 | 4,836,800円 |
| 6,600,000円 | 4,840,000円 | 4,840,000円 |
| 9,000,000円 | 7,050,000円 | 7,050,000円 |
例:令和8年分で支払金額2,195,000円の給与所得控除後の金額は1,453,000円です(「収入−740,000円」の式なら1,455,000円ですが、29条の4第2項の区分で定められた額を使います)。給与収入が850万円を超える人などは、さらに所得金額調整控除額を引いた金額が票に書かれます(「給与所得控除後の金額(調整控除後)」)。例:令和8年分で支払金額9,000,000円・所得金額調整控除額50,000円なら、7,000,000円です。
「所得控除の額の合計額」の中身
票の「所得控除の額の合計額」は、社会保険料等・生命保険料・地震保険料・配偶者(特別)・扶養・障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生・特定親族特別・基礎控除の合計です。金額で書く欄(社会保険料等の金額・生命保険料の控除額/地震保険料の控除額・配偶者(特別)控除の額・特定親族特別控除の額・基礎控除の額)と、人数の欄だけで額が決まる控除があります。人数の欄は、次の定額に人数を掛けて組み立て直します。
| 区分(重ならない) | 1人あたり |
|---|---|
| 扶養(一般) | 380,000円 |
| 扶養(特定) | 630,000円 |
| 扶養(老人・同居老親等以外) | 480,000円 |
| 扶養(同居老親等) | 580,000円 |
| 障害者(一般) | 270,000円 |
| 特別障害者(同居以外) | 400,000円 |
| 同居特別障害者 | 750,000円 |
| 寡婦 | 270,000円 |
| ひとり親 | 350,000円 |
| 勤労学生 | 270,000円 |
内書きの数字は引いてから入れます。票の「老人」は同居老親等を内数で書きます。「老人 2(内 同居老親等 1)」の票は、老人(同居老親等以外)1人+同居老親等1人なので、480,000円+580,000円=1,060,000円です。内数をそのまま足して「2人×480,000円+580,000円=1,540,000円」にしてはいけません。障害者の「特別」と「同居特別障害者」の内書きも同じ考え方です。
例:令和8年分で支払金額7,000,000円・社会保険料等1,000,000円・生命保険料と地震保険料の控除額170,000円・配偶者控除380,000円・基礎控除670,000円、扶養は特定1人と一般1人なら、人数の欄から組み立てた額が1,010,000円、所得控除の額の合計額は3,230,000円です。
「源泉徴収税額」の計算(住宅ローン控除・102.1%・100円未満)
- 「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引き、1,000円未満を切り捨てて課税所得を出します(0未満は0)。
- 所得税法89条の税率表(5%〜45%)で算出所得税額を出します。
- 住宅借入金等特別控除があれば、算出所得税額から引きます(0未満は0)。票の「住宅借入金等特別控除の額」は算出所得税額が上限で、控除しきれない分は「住宅借入金等特別控除可能額」の欄に書かれます。
- 復興特別所得税として102.1%を掛け、100円未満を切り捨てます。住宅ローン控除を引いてから102.1%を掛ける順番です。
例:令和7年分で課税所得が2,120,000円なら、算出所得税額は114,500円で、源泉徴収税額は116,900円です。住宅ローン控除の例:令和8年分で算出所得税額が56,000円のとき、住宅借入金等特別控除の額が56,000円なら源泉徴収税額は0円です。この欄に可能額(200,000円など)を入れると、算出所得税額56,000円を超えるため、このツールは「記載と合わない」と注意を出します。
給与明細と金額が合わないのはなぜ
- 年末調整の精算:毎月の所得税は仮の額です。年末調整で1年分を計算し直し、還付や追加徴収をします。票の源泉徴収税額は精算後の額です。
- 賞与:賞与から引かれた所得税も、1年分の源泉徴収税額に入ります。
- 前の勤務先の分:中途就職で前の勤務先の源泉徴収票を提出していないと、票は今の勤務先の分だけです。
- 通勤手当:非課税の通勤手当は支払金額に入りません。給与明細の総支給額より支払金額が小さくなります。
源泉徴収票を使う計算
- 手取りの推定:手取り計算(住民税は票に書かれていません)
- ふるさと納税の上限:ふるさと納税の上限額(正確版)(支払金額と社会保険料等の金額を使います)
- 住民税の目安:住民税の計算
- 所得金額の計算:所得金額の計算
- 年末調整のしくみ:年末調整
検算できない票
- 年末調整をしていない票:源泉徴収税額は毎月の徴収の積み上げです。「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」は書かれないことがあります。空欄は不一致ではありません。
- 乙欄(従たる給与)の票:このツールの対象外です。
- 中途就職で前の勤務先の分を含まない票・年の途中で退職した票:1年分の給与になっていないので、年末調整済みでも比べられません。
- 令和8年分で、年末調整を2026年11月30日以前にした票:国税庁の手引の記載要領は、令和8年12月1日以降に年末調整を行った場合を前提にしているので、対象外です。
よくある質問
源泉徴収票で年収にあたる欄はどれですか?
「支払金額」の欄です。令和7年分の票では③、令和8年分の票では④にあります。令和8年分は先頭に「無効区分」の欄が増えたため、欄の番号が1つずつずれています。番号ではなく欄名で探してください。
源泉徴収票から手取りは分かりますか?
票には手取りは書かれていませんが、おおよその額は出せます。支払金額から、源泉徴収税額と社会保険料等の金額を引き、さらに住民税を引きます。住民税の額は票に書かれていません。例:令和7年分で支払金額5,000,000円・社会保険料等720,000円・生命保険料の控除額40,000円・基礎控除680,000円なら、源泉徴収税額は116,900円で、住民税の前の手取りは4,163,100円です。
給与明細の合計と、源泉徴収票の金額が合わないのはなぜですか?
源泉徴収票の「源泉徴収税額」は、年末調整をした後の1年分の税額です。毎月の給与明細から引かれた所得税の合計とは、年末調整の精算(還付や追加徴収)の分だけ違います。賞与から引かれた税額、前の勤務先の分、非課税の通勤手当の扱いでも、合計が変わります。このツールは、票の欄どうしが所得税法の表と税率で合うかを確かめるもので、会社の計算の間違いを断定するものではありません。
源泉徴収税額が0円なのはなぜですか?
大きく2つの理由があります。1つ目は、所得控除の合計が給与所得控除後の金額以上で、課税される所得が0円になる場合です。例:令和8年分で支払金額1,500,000円・所得控除の合計1,260,000円なら、給与所得控除後の金額は760,000円で、課税所得は0円、源泉徴収税額は0円です。2つ目は、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)で税額が0円になる場合です。例:算出所得税額が56,000円なら、住宅借入金等特別控除の額56,000円を引いて、源泉徴収税額は0円になります。控除しきれない分は「住宅借入金等特別控除可能額」の欄に書かれます。
令和8年分の源泉徴収票は何が変わりましたか?
大きく2つあります。1つ目は、給与所得控除の最低額が740,000円になったことです(令和7年分は650,000円。租税特別措置法29条の4)。給与収入が低い帯では、同じ収入でも令和7年分の表より給与所得控除後の金額が小さくなります。2つ目は、票の欄の番号です。先頭に「無効区分」の欄が増えたため、支払金額は③から④、給与所得控除後の金額(調整控除後)(④)は給与所得控除後の金額(調整控除後)(⑤)、源泉徴収税額は⑥から⑦に変わりました。
出典
- 国税庁「法定調書の手引」令和8年版・令和7年版(源泉徴収票の記載要領)
- 国税庁 タックスアンサー No.2662「年末調整のしかた」(令和8年4月1日現在)
- 所得税法28条・89条・79〜84条、租税特別措置法29条の4・41条の16、国税通則法118条1項・119条1項(e-Gov法令検索)
関連ツール
本ツールは入力された数字を所得税法の表と税率で計算し直すものです。会社の計算が間違っていると断定するものではありません。年末調整をした票のうち、乙欄・前職分を含まない票・年の途中で退職した票は対象外です。個別の判断は、勤務先の経理担当者・税務署・税理士にご確認ください。