遅延損害金の計算ツール|法定利率・約定利率・取適法の遅延利息に対応
元本・遅滞が始まった日・支払日を入れると、遅延損害金を日割りで計算します。法定利率は遅滞が始まった日から自動で決め、約定利率の上限(利息制限法・消費者契約法)、下請代金の遅延利息(取適法)、退職した人の未払い賃金(賃確法)にも対応します。2026年10月8日時点の法令(e-Gov)で確認しています。
遅延損害金の計算機
※ 支払日を含めて数えます。まだ払っていないときは、払う予定の日を入れてください
日割りの分母を変える(任意)
例:1,000,000円の支払期限が2026年4月30日で、2026年7月31日に払う場合(入力すると置き換わります)
| 項目 | 値 | 計算の中身 |
|---|---|---|
| 遅滞が始まった日(D) | 2026年5月1日 | 支払期限の翌日から(期限が日付だけのとき。民法412条1項)。数え始める日(S)も同じ日 |
| 数える期間 | 92日 | 2026年5月1日〜2026年7月31日の92日間(支払日を含む) |
| 使った率 | 年3% | 民法404条(2026年4月1日〜2029年3月31日(第3期)) |
| 計算式 | 1,000,000円 × 3% × (92/365) | 元本 × 年率 × 日数 ÷ 365 |
| 端数を切り捨てる前 | 7,561.64円 | 小数第3位以下は切り捨てて表示 |
| 遅延損害金 | 7,561円 | 円未満を切り捨て(このツールの表示の決め) |
| 現金で払うとき | 7,562円 | 通貨法3条1項(50銭未満は切り捨て・50銭以上は1円。特約があればそちら) |
※ 円未満は切り捨てて表示します(内部では分数で計算)。裁判所や相手方の計算と一致することを保証するものではありません。
法定利率は今いくら?
契約で率を決めていないときの遅延損害金は、法定利率で計算します(民法419条1項・404条)。法定利率は3年を一期として見直されますが、2026年4月1日から2029年3月31日までの期は年3%です。
| 遅滞の責任を負った最初の日(D) | 民事 | 商行為による債務 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2020年3月31日以前(旧法) | 5% | 6% | 民事は旧民法404条の年5%。商行為による債務は旧商法514条の年6%(整備法4条3項)。 |
| 2020年4月1日〜2023年3月31日(第1期) | 3% | 3% | 民法404条2項。民事・商事とも同じ率。 |
| 2023年4月1日〜2026年3月31日(第2期) | 3% | 3% | 民法404条の期ごとの見直し。この期も3%。 |
| 2026年4月1日〜2029年3月31日(第3期) | 3% | 3% | 基準割合 年0.4%(令和7年法務省告示第73号)。3%のまま。 |
| 2029年4月1日以後(第4期) | 未公表 | 未公表 | 率は未公表。法務省の告示が出るまで、このツールは合計を出しません。 |
- 率は遅れ始めた時のもので固定:どの期の率を使うかは、遅滞の責任を負った最初の時点(D)で決まり、その後に法定利率が変わっても変わりません(民法419条1項)。期をまたいで日割りで分けたりしません。
- 2029年4月1日以後に初めて遅れる債務の率は未公表:このツールは金額を出さず、対象外と表示します。すでに年3%で決まった債務は、支払日が2029年4月1日以後になっても年3%のままです。
遅延損害金の計算式と日数の数え方
遅延損害金=元本 × 年率 × 日数 ÷ 365(年ごとに分けるときは、その年の日数 365 または 366 で割ります)。日数は次のように数えます。
- 支払期限が日付だけ決まっているとき:期限の日が終わった翌日から遅滞になります。遅れ始めた日(D)と数え始める日(S)は、どちらも期限の翌日です(民法412条1項。日付だけの期限は、その日が終わった翌日と扱うのはこのツールの解釈です)。
- 期限がなく、請求を受けたとき:請求を受けた日に遅滞になり(D)、その翌日から数えます(S。期限の定めがない債務は履行の請求を受けた時から遅滞になる=民法412条3項。初日は数えない・民法140条)。
- 支払日を含めて数えます:消費者契約法9条1項2号・賃確法6条1項・取適法6条1項が「その支払をする日まで」と定めているので、民法の一般の場合も同じ扱いにしています(民法には専用の規定がなく、このツールの仮定です)。
- 分母の365日は仮定です:民事の遅延損害金には分母の規定がありません。取適法・賃確法の遅延利息も、うるう年に365日で割るか366日で割るかを定めた規定を見つけられていません。入力欄で「その年の日数」に切り替えられます。
- 円未満:このツールは円未満を切り捨てて表示します(表示の決め)。現金で払うときは、通貨法3条1項により50銭未満は切り捨て・50銭以上は1円になります(特約があればそちらが優先)。結果の表に、その額も小さく出します。
約定利率・損害金の約束がある場合
契約で利息の率を決めていて、それが法定利率より高ければ、遅延損害金にも約定利率を使います(民法419条1項ただし書)。損害金の率そのものを契約で決めている場合は、その率によります(民法420条)。どちらも、法律の上限を超える部分は無効です。
- お金の貸し借り:約定利率は、先に利息制限法1条の上限で切ってから法定利率と比べます。損害金の率を決めているときの上限は、1条の率の1.46倍です(同法4条1項)。消費者が借りた場合も、消費者契約法11条2項により利息制限法が優先します。
- 営業的な貸付(貸金業者などの貸付):損害金の上限は年20%です(利息制限法7条1項)。
- お金の貸し借りではない消費者契約(売買代金・家賃など):支払期日の翌日から、未払い額に対して年14.6%を超える部分は無効です(消費者契約法9条1項2号)。
| 元本 | 利息の上限(1条) | 損害金の上限(4条1項) |
|---|---|---|
| 100,000円未満 | 20% | 29.2% |
| 100,000円以上1,000,000円未満 | 18% | 26.28% |
| 1,000,000円以上 | 15% | 21.9% |
下請代金(取適法)の遅延利息 年14.6%
取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)6条1項では、商品などを受け取った日から起算して60日を経過した日から支払日まで、未払い額に年14.6%の遅延利息がかかります(令和7年公正取引委員会規則第9号)。受領日を1日目として数えて60日目の翌日が、数え始める日です。
例:2026年4月1日に受け取った1,000,000円の代金は、2026年5月30日に払えば遅延利息は0円、2026年5月31日なら1日分で400円、2026年6月30日なら31日分で12,400円です。受領日が取適法の施行日より前の取引と、代金を減額された場合は、このツールの対象外です。
退職後に未払いの給料(賃確法)年14.6%
賃金の支払の確保等に関する法律6条1項により、退職した労働者の未払い賃金(退職手当を除く)には、退職の日の翌日から支払日まで年14.6%の遅延利息がつきます。退職の日より後に支払期日が来る賃金は、その支払期日の翌日から数えます。天災地変などやむを得ない事由があって支払えなかった期間は、遅延利息の対象から除かれます(同条2項)。このツールはその期間を計算できないので、該当する場合は対象外と表示します。
在職中の残業代の未払いを調べたいときは、残業代計算ツールで未払い額を出してから、この計算機に入れてください。
2020年3月以前に遅れた債務(民事5%・商行為6%)
2020年3月31日以前に遅滞の責任を負った債務は、改正前の民法・商法の定めが続きます(民法附則17条3項・整備法4条3項)。民事は年5%、商行為によって生じた債務は年6%です。2020年4月1日以後に遅滞になった債務は、民事・商事とも法定利率の対象です。計算機は、遅れ始めた日(D)が2020年3月31日以前のときだけ、商行為による債務かどうかを聞きます。
計算例
- 期限がある場合:1,000,000円の支払期限が2026年4月30日、2026年7月31日に払うと、2026年5月1日から92日分で年3% → 7,561円(現金払いなら7,562円)。
- 期限がなく請求された場合:2026年6月1日に請求を受け、2026年6月30日に払うと、2026年6月2日から29日分で → 2,383円。
- 2行をまとめる場合:上の2つを合わせると、行ごとに切り捨ててから足して 9,944円。
このページで計算しないもの
- 一部だけ先に払った場合の充当(民法489条)。残りの元本で、払った日を境に分けて計算してください。
- 不法行為の損害賠償の起算日の決定。事故の日などを遅れ始めた日(D)として直接入れる場合だけ計算できます。
- 取適法で受領日が2026年1月1日より前の取引(旧下請法の対象)。
- 取適法の減額の場合の遅延利息、賃確法6条2項の期間、2029年4月1日以後に初めて遅れる債務(率が未公表)。
- 時効、強制執行の実務、裁判所の計算との一致。
結果は計算の目安です。争いがある場合や金額が大きい場合は、弁護士や司法書士に確認してください。
よくある質問
遅延損害金は何%ですか?
契約で決めていなければ、法定利率の年3%です(民法419条1項・404条)。契約で利息の率を決めていて、それが法定利率より高ければ、その約定利率になります(同ただし書)。お金の貸し借りでは、約定利率は先に利息制限法1条の上限で切ってから比べます。損害金の率そのものを契約で決めているときは、お金の貸し借りは元本に応じて29.2%・26.28%・21.9%、営業的な貸付は20%、それ以外の消費者契約は14.6%が上限です。
法定利率が3%になったのはいつからですか?
2020年4月1日以後に遅滞の責任を負った債務からです。それより前に遅れ始めた債務は、従前の例で民事が年5%、商行為による債務は年6%のままです(民法附則17条3項・整備法4条3項)。どちらの率になるかは「遅滞の責任を負った最初の時点」で決まり、その後に法定利率が変わっても変わりません(民法419条1項)。
10万円が1年遅れると、遅延損害金はいくらですか?
法定利率の年3%なら、100,000円が365日遅れたときの遅延損害金は3,000円です(100,000円 × 3% × 365/365。日割りの分母を365日とした計算で、民事には分母の規定がないため、このツールの仮定です)。支払日までの日数は、数え始める日から支払日までを両端を含めて数えます。
2026年の法定利率は何%ですか?
年3%です。法定利率は3年ごとに見直され、2026年4月1日から2029年3月31日までの期(第3期)は、基準割合が年0.4%のため3%のままです(令和7年法務省告示第73号)。ただし遅延損害金に使う率は、支払う年ではなく遅滞の責任を負った最初の時点の率です。2029年4月1日以後に初めて遅れる債務の率は、まだ公表されていません。
下請代金の支払いが遅れたら、遅延利息はいくらですか?
取適法(中小受託取引適正化法)6条1項により、商品などを受け取った日から60日を経過した日から支払日まで、未払い額に年14.6%の遅延利息がかかります(令和7年公正取引委員会規則第9号)。このツールで受領日を入れると、60日目の翌日から自動で数えます。日割りの分母を365日とするのは、このツールの仮定です。
出典
- e-Gov法令検索「民法」:404条(法定利率)・412条(履行遅滞)・419条(金銭債務の特則)・420条(賠償額の予定)・附則(平成29年法律第44号)17条3項
- 法務省「令和8年4月1日以降の法定利率について」:第3期(2026年4月1日〜2029年3月31日)の法定利率と基準割合
- 衆議院「法律第四十五号(民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)」:整備法4条3項(施行日前に遅滞の責任を負った商行為による債権は従前の例=年6%)
- e-Gov法令検索「利息制限法」:1条(利息の上限)・4条1項(損害賠償額の予定の上限)・7条1項(営業的金銭消費貸借)
- e-Gov法令検索「消費者契約法」:9条1項2号(遅延損害金の上限14.6%)・11条2項(他の法律の規定が優先)
- e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」:6条1項(受領日から60日を経過した日から支払日までの遅延利息)
- e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第六条第一項及び第二項の率を定める規則」:令和7年公正取引委員会規則第9号(年14.6%)
- e-Gov法令検索「賃金の支払の確保等に関する法律」:6条1項(退職労働者の未払賃金の遅延利息14.6%)・6条2項(やむを得ない事由の期間は除く)
- e-Gov法令検索「賃金の支払の確保等に関する法律施行令」:1条(遅延利息の率 年14.6%)
- e-Gov法令検索「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」:3条1項(現金による債務の支払の50銭未満の端数処理)
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本ツールは入力された数字から遅延損害金の目安を計算するものです。法的な助言ではなく、裁判所や相手方の計算と一致することを保証しません。具体的な紛争は、弁護士や司法書士などの専門家にご確認ください。