社会人2年目の6月から手取りが減るのはなぜ?新卒の住民税タイムライン
- 住民税は前年の所得への後払い。1年目は前年が学生なので引かれない
- 2年目の6月分の給与から天引きが始まる(6月〜翌5月の12回)
- 3年目に増えるのは9か月分→12か月分+賞与2回+昇給になるため
- 額面が同じでも6月だけ手取りが減るのはこれが理由
最終更新: 2026年8月31日(総務省の公表資料を確認)
入社2年目の6月に手取りが減るのは、住民税の天引きが始まった月だからです。
1. 住民税は「前年の所得」に対する後払いの税
残業も減っていないし昇給したはずなのに手取りが減る。これは間違いではありません。 所得税と住民税は課税のタイミングが違い、この差が新卒2年目の手取り減の正体です。
| 項目 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 課税対象 | その年の所得 | 前年1月〜12月の所得 |
| 徴収の始まり | 入社した月の給与から源泉徴収 | 翌年6月分の給与から |
| 徴収期間 | 毎月(12月に年末調整で精算) | 6月から翌年5月までの12回 |
| 誰が課税するか | 国(税務署) | その年の1月1日に住んでいた市区町村 |
入社1年目の前年は学生で、給与所得がゼロか、あってもアルバイト程度です。 前年の所得に対する税がゼロなら、1年目に天引きされる住民税もゼロになります。 給与明細の控除欄に「住民税」の行はあっても、金額が0円のままなのはこのためです。
2. 新卒3年間の住民税タイムライン
| 時期 | 住民税の天引き | 計算のもとになる所得 |
|---|---|---|
| 1年目 4月〜翌5月 | 0円 | 前年(学生時代)の所得。ほぼゼロ |
| 2年目 6月〜翌5月 | ここから開始 | 1年目の給与所得(4月入社なら4月〜12月の9か月分+賞与) |
| 3年目 6月〜翌5月 | さらに増額 | 2年目の給与所得(12か月分+賞与2回+昇給分) |
勤務先には5月中旬から6月上旬に住民税決定通知書が届き、そこに書かれた月割額が6月分の給与から引かれ始めます。 通知書の読み方は 住民税決定通知書の見方 にまとめています。
3. 2年目にいくら引かれるのか(1年目の年収別の目安)
1年目の給与収入(源泉徴収票の「支払金額」)別に、2年目に引かれる住民税の目安です。 本サイトの住民税計算ライブラリで算出した概算で、扶養なし・標準税率10%・均等割5,000円・森林環境税1,000円の自治体を想定しています。
| 1年目の給与収入(9か月分+賞与) | 2年目の住民税 年額 | 月あたり(12回払い) |
|---|---|---|
| 180万円 | 48,500円 | 約4,042円 |
| 210万円 | 68,000円 | 約5,667円 |
| 240万円 | 84,500円 | 約7,042円 |
| 300万円 | 117,500円 | 約9,792円 |
| 360万円 | 150,500円 | 約12,542円 |
4. なぜ3年目にもう一段増えるのか
2年目より3年目の増え方のほうが大きいのが普通です。理由は3つ重なっています。
- 月数が9か月から12か月へ — 4月入社なら1年目の給与は4月〜12月の9か月分。2年目は丸1年分になります
- 賞与が2回に — 1年目の夏の賞与は寸志程度、あるいは支給なしの会社が多く、2年目からは夏・冬の2回が満額になります
- 昇給が乗る — 2年目の昇給分がそのまま課税所得を押し上げます
さらに住民税の所得割は課税所得に対して一律10%なので、所得税のように低い税率帯から始まる緩衝がありません。 年収が上がった分がほぼそのまま10%で効いてきます。3年目に「また減った」と感じるのはこの構造によるものです。
5. 2年目でも住民税がかからないことがある
住民税には均等割・所得割それぞれに非課税限度額があり、前年の合計所得金額がその基準以下であれば課税されません。 次のようなケースでは、2年目も引かれないことがあります。
- 入社が年の後半で、1年目の勤務月数が数か月しかなかった
- 1年目に長期の休職期間があり、給与収入が大きく下がった
- 未成年者に該当する(前年の合計所得金額が一定額以下なら非課税)
非課税限度額は自治体の級地区分によって金額が異なります。判定の目安は 住民税 計算ツール の「住民税非課税の基準」で確認できます。
6. 6月の給与明細で確認すること
- 控除欄の「住民税」「市県民税」「地方税」のいずれかの行に金額が入ったか
- その金額が、勤務先から配られた住民税決定通知書の月割額と一致しているか
- 通知書の6月分だけ端数が乗っているか(年税額を12で割った端数は6月分にまとめる自治体が多い)
- 前年にふるさと納税をしていれば、通知書の寄附金税額控除欄に反映されているか
月々の手取り全体を確認したい場合は 手取り計算機 で、 所得税・社会保険料・住民税を含めた金額を試算できます。
7. 転職・退職したときは扱いが変わる
住民税が引かれ始めた年に会社を辞めると、残りの住民税の払い方が変わります。 1月1日から4月30日の退職は最後の給与から未徴収分が一括徴収され、6月1日から12月31日の退職は原則として本人あての納付書(普通徴収)に切り替わります。 詳しくは 退職後の住民税はどうなる? を参照してください。
転職して働き続ける場合は、転職先で特別徴収を継続できます。転職前後の手取り変化は 転職 年収シミュレーター で試算できます。
8. よくある質問
入社1年目に住民税が引かれないのはなぜですか?
住民税は前年1月〜12月の所得に対して課税されるため、入社1年目に対応する前年は学生で所得がほぼゼロだからです。 所得税は毎月の給与から源泉徴収されますが、住民税は1年遅れて請求されます。 アルバイト収入が非課税限度額を超えていた場合は、1年目から少額の住民税が引かれることもあります。
社会人2年目の6月から急に住民税が引かれるのはなぜですか?
入社1年目(前年)の給与所得に対する住民税が確定し、その徴収が6月分の給与から始まるためです。 住民税の特別徴収は毎年6月から翌年5月までの12回で徴収する仕組みなので、社会人2年目の6月が最初の天引き月になります。 5月までと同じ額面でも、6月の手取りだけが数千円から1万円台減ります。
社会人3年目にもう一度住民税が増えるのはなぜですか?
計算のもとになる年収が9か月分から12か月分に増えるためです。 4月入社なら1年目の給与は4月〜12月の9か月分ですが、2年目は12か月分に加えて賞与も2回入り、昇給も反映されます。 この差がそのまま3年目6月からの住民税額に反映されるため、2年目の増加額より3年目の増加額のほうが大きくなるのが一般的です。
社会人2年目でも住民税がかからないことはありますか?
あります。住民税には均等割・所得割それぞれの非課税限度額があり、前年の合計所得金額がその基準以下であれば課税されません。 年の途中入社で勤務月数が少ない、休職期間があった、といった理由で前年の給与収入が低ければ2年目も引かれないことがあります。 非課税限度額は自治体の級地区分によって異なります。
6月の給与明細でどこを見れば住民税の開始が分かりますか?
控除欄の「住民税」「市県民税」「地方税」といった項目を見てください。 5月分まで0円だった行に金額が入っていれば、そこから12か月間その額が引かれます。 あわせて勤務先から配られる住民税決定通知書に年税額と月割額が記載されているので、給与明細の金額と一致するか確認できます。
住民税が引かれ始めた年に転職・退職した場合はどうなりますか?
残りの住民税の払い方が変わります。1月1日から4月30日に退職した場合は最後の給与から未徴収分が一括徴収され、 6月1日から12月31日に退職した場合は原則として本人あての納付書(普通徴収)に切り替わります。 転職先で天引きを続けたい場合は、前職と転職先の双方で異動届の手続きが必要です。
参考にした一次ソース
- 総務省「個人住民税」(前年所得課税・特別徴収の仕組み・非課税限度額)
- 横浜市「個人の市民税特別徴収に関すること」(特別徴収は6月から翌年5月までの12回)
- 横浜市「令和8年度市民税・県民税・森林環境税の計算(例)」(所得割・均等割・調整控除の計算例)
関連ツール
- 住民税 計算ツール(シミュレーション) — 自分の年収で税額を計算する
- 住民税決定通知書の見方 — 初めて届いた通知書の読み方
- 手取り計算機 — 住民税込みの月々の手取り
- 退職後の住民税はどうなる? — 途中で辞めた場合
- ふるさと納税 上限額 計算ツール — 住民税から控除できる上限
本ページの金額はモデルケースの概算です。均等割額・非課税限度額・税率の内訳は市区町村によって異なります。 実際の税額は勤務先から配られる住民税決定通知書、またはお住まいの市区町村の税務担当窓口でご確認ください。



