介護保険の医療費控除 計算ツール(訪問看護・施設利用対応)
介護保険サービスの種別ごとに対象になる割合を自動適用。一般医療費と合算して、医療費控除額と所得税・住民税の軽減見込みを概算します(1種類のサービスと一般医療費の組合せ)。
| 施設・サービス種別 | 控除率 | 根拠 |
|---|---|---|
| 訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導 | 100% | No.1127 |
| 通所リハビリテーション(医療機関でのデイケア) | 100% | No.1127 |
| 介護老人保健施設(老健) | 100% | No.1125 |
| 介護医療院 | 100% | No.1125 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 50% | No.1125 |
| 通所介護(デイサービス)・訪問介護(生活援助中心を除く)・訪問入浴・ショートステイ(短期入所生活介護)など福祉系 | 医療系サービスと併用なら100%、福祉系だけなら対象外 | No.1127 |
| 訪問介護(生活援助中心型) | 0%(対象外) | No.1127 |
| 介護保険料そのもの | 0%(社会保険料控除) | 別枠控除 |
※ 下の欄に入力する自己負担額(日常生活費・特別なサービス費用などを除いた額)に、上の割合を適用します。施設の領収書に書かれた「医療費控除の対象となる金額」は、すでにこの割合を適用した後の額です。その額をそのまま入力すると、特養では2回半分にすることになるので、割合を適用する前の自己負担額を入力してください。介護療養型医療施設は2024年3月31日までの制度で、2026年分の対象にはありません。
※ 源泉徴収票の「支払金額」(額面年収)を入力
※ 病院・薬局など通常の医療費(年間)
※ 領収書の自己負担額から、日常生活費(理美容代など)や特別なサービス費用を除いた1種類のサービスの年間合計。特養は介護費・食費・居住費の自己負担額(この金額の2分の1を対象にします)
※ 高額介護サービス費の払戻しや、民間の介護保険などから受けた給付金で、上の介護サービスに対応するもの。給付の対象になった費用ごとに、その費用の額を上限にしてから合計した額を入力します(ある費用に対する給付金がその費用より多くても、超えた分は他の費用から引かないため、入力に含めません)。特養では払戻金の2分の1を差し引きます。一般医療費に対応する給付金は、一般医療費から引いた金額を入力してください
※ 複数のサービスを使っている場合は、サービスごとの対象額を領収書で確認し、このツールでは1種類ぶんだけ入力できます。福祉系サービスは、同じ月のケアプランに医療系サービス(訪問看護・通所リハビリなど)が位置付けられている場合だけ「併用」を選びます
例 年収500万円・一般医療費5万円・介護サービスの自己負担額30万円(特別養護老人ホーム・払戻金0万円)の場合 入力を変えると、あなたの条件の結果に変わります。
介護費用の控除対象額150,000円と一般医療費を合わせた200,000円から、足切り額100,000円を引いた100,000円が医療費控除額です。所得税の軽減見込み5,100円 + 住民税の軽減見込み10,000円 = 合計15,100円です。
※ 所得税の軽減見込みは「控除前の所得税額 − 控除後の所得税額」(それぞれ100円未満切捨て後)です。実際の還付額は、源泉徴収税額との差を1円単位で計算するため、数百円ずれることがあります。
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計算式と仕組み
介護費用の控除対象額(国税庁 No.1125・No.1127 準拠)
特養(指定介護老人福祉施設): 自己負担額の50% / 老健・介護医療院・医療系の居宅サービス・医療系と併用の福祉系サービス: 自己負担額の100%(日常生活費・特別なサービス費用は除く)
払戻金(高額介護サービス費・民間の給付金)がある場合は差し引く。特養は払戻金の2分の1を差し引く
医療費控除額の計算
合算医療費 = 一般医療費 + 介護費用の控除対象額(払戻金控除後)
足切り額 = min(10万円, 総所得金額等 × 5%) → 医療費控除額 = max(0, 合算医療費 − 足切り額)(最高200万円)。総所得金額等は給与所得控除後・所得控除前の金額
税負担の軽減見込み
所得税の軽減見込み = 所得税(控除前)− 所得税(控除後)
所得税は復興特別所得税2.1%込みで計算し、住民税の軽減見込み = 住民税所得割(控除前)− 住民税所得割(控除後)。実際の還付額は源泉徴収税額との差を1円単位で計算するため、ずれることがあります
介護費用と医療費控除の基礎知識
介護保険サービスの費用は全額が医療費控除の対象になるわけではありません。施設・サービスの種類によって対象になる割合が異なります。
特に介護費用が高額になる特養・老健の場合、医療費控除を申告することで税負担が軽くなる可能性があります。軽くなる額は、所得と医療費の合計で決まります。このページで計算できます。
介護保険料(給与天引きや特別徴収で支払う保険料)は医療費控除ではなく、社会保険料控除として年末調整・確定申告で控除できます。混同しやすいので注意してください。
居宅サービスと施設サービスの違い
| 区分 | 主なサービス | 控除率 |
|---|---|---|
| 居宅・医療系 | 訪問看護、訪問リハビリ、居宅療養管理指導、通所リハビリ(デイケア) | 100% |
| 居宅・福祉系(医療系と併用) | 通所介護(デイサービス)、訪問介護(生活援助中心を除く)、訪問入浴、ショートステイ(短期入所生活介護)など | 100%(同じ月のケアプランに医療系サービスがある場合) |
| 居宅・福祉系(単独) | 上記を医療系サービスなしで使う場合、訪問介護(生活援助中心型) | 0% |
| 施設・特養 | 特別養護老人ホーム | 50% |
| 施設・医療系 | 老健、介護医療院(介護療養型医療施設は2024年3月31日まで) | 100% |
※「医療系サービスと併せて利用した場合」とは、1か月単位のケアプランに医療系サービスが位置付けられている場合で、居宅介護支援事業者などから交付される「サービス利用票」に医療系サービスが記載されているかで判断します(国税庁 No.1127)。運営者が社会福祉法人か医療機関かだけでは決まらないため、領収書に記載された医療費控除の対象額を確認してください。
介護保険法(e-Gov 法令検索)よくある質問
介護費用は医療費控除の対象になる?
結論:一部の介護費用が対象になります。訪問看護・訪問リハビリ・居宅療養管理指導・通所リハビリ(デイケア)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院の自己負担額は、日常生活費などの対象外の費用を除いて対象です。特別養護老人ホーム(特養)は、介護費・食費・居住費の自己負担額の2分の1が対象です。通所介護(デイサービス)や訪問介護などの福祉系サービスは、同じ月に医療系サービスを利用していて、ケアプランに医療系サービスが位置付けられている場合に対象になり、福祉系だけの利用は対象外です。根拠:国税庁No.1127・No.1125。
介護保険料そのものは医療費控除の対象になる?
結論:介護保険料は医療費控除の対象外です。介護保険料は「社会保険料控除」として別枠で全額控除できます。医療費控除の対象は介護保険サービスを利用したときの自己負担額(1〜3割)です。両者を混同しないよう注意してください。
特別養護老人ホームの費用は医療費控除できる?
結論:特養の介護費・食費・居住費の自己負担額の2分の1が対象です。理美容代などの日常生活費や特別なサービス費用は対象外です。施設の領収書には、医療費控除の対象となる金額が基本的に記載されます。根拠:国税庁No.1125。
デイサービスの費用は控除できる?
結論:通所介護(デイサービス)は、同じ月のケアプランに訪問看護・通所リハビリなどの医療系サービスが位置付けられている場合に、自己負担額が対象になります。医療系サービスを使っていなければ対象外です。運営者が社会福祉法人か医療機関かだけでは決まりません。領収書に記載された医療費控除の対象額を確認してください。一方、通所リハビリ(デイケア)は医療系サービスなので、それ単独でも対象です。根拠:国税庁No.1127。
介護保険で補填された分は医療費から引く?
結論:介護保険のサービス給付の分は、自己負担額に含まれていないので別に引く必要はありません。ただし、高額介護サービス費として払戻しを受けた分は、医療費から差し引いて計算します。特養の施設サービス費の自己負担額だけに対する高額介護サービス費は、その2分の1を差し引きます。民間の介護保険などから受けた給付金も、対応する医療費から差し引きます。根拠:国税庁No.1127・No.1125・No.1120。
確定申告の手順
- 施設・サービス事業者から領収書と医療費控除のための証明書を収集する
- 領収書に記載された医療費控除の対象額を確認し、払戻金(高額介護サービス費など)があれば差し引いて控除対象額を計算する
- 一般医療費と介護費用の控除対象額を合算する
- 確定申告書(医療費控除の明細書)に記載する
- 確定申告書と一緒に提出する。還付を受けるための申告(還付申告)は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(e-Taxならオンライン可)
関連ツール
このツールで扱わないこと
- 入力できる介護サービスは1種類です。複数のサービスを使っている場合、対象になる割合が同じサービス(100%のサービスどうし)なら、割合を適用する前の自己負担額を合計して入力できます。特養(50%)と他のサービスが混ざるときは、国税庁の「医療費控除の明細書」で計算してください。
- 入力する金額は、日常生活費・特別な室料・特別なサービス費用などの対象外の費用を除いたものです。これらを含めると控除額が大きく出ます。対象になる金額は領収書や施設の証明で確認してください。
- 払戻金・給付金は1つの金額で入力します。補填の対象になった費用ごとに、その費用の額を上限にする計算はツールでは行わないので、上限を当てはめてから合計した額を入力してください(そのまま合計すると、ある費用で引ききれない給付金を別の費用から引くことになり、控除額が小さく出ます)。
- セルフメディケーション税制との選択、配偶者控除・扶養控除などの所得控除、住宅ローン控除、社会保険料の実額は入れていません。給与所得だけの人の概算です。
- 所得税の軽減見込みは控除前後の税額の差です。実際の還付額は源泉徴収税額との差で決まります。
- ここに挙げていない個別の事情は計算に入れていません。対象になるかどうかは、施設や事業者、税務署でご確認ください。
参考公的ソース
- 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 国税庁「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価」
- 国税庁「No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」
- 介護保険法(e-Gov 法令検索)
本ツールの計算結果は概算です。介護費用の医療費控除適用可否は施設の種類・提供サービスによって詳細が異なります。正確な金額・対象可否は施設担当者または税理士にご確認ください。